昨日の記事でもご紹介しましたが、契約書やマニフェストをしっかりチェックするという演習をやっています。しかし、演習に参加した方の中には「こんなに細かく見て何の意味があるのだろう」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
実際、記載方法の誤解、書き漏らし、書き間違いも演習の中に入っています。「不法投棄されていなければ、契約書やマニフェストが少々間違っていてもいいじゃないか」と思われるかもしれません。
しかし、契約書やマニフェストが間違っているということは、
①処理業者が契約書やマニフェストをいい加減に扱っている証拠
だと思います。
さらにこのことは、
②排出事業者が契約書やマニフェストをいい加減に扱っている証拠
でもあるはずです。間違いが放置されているということは排出事業者も処理業者も「お互い様」ということです。
では、少し例を見てみましょう。例えば、「記載されている処分方法が実際と違う」とか、「処分の場所が違う工場になっている」などはどうでしょうか。さらに「処理単価の欄が空欄である」とかは、いかがでしょうか。
通常の契約では、このような基本的なミスはほとんど起こらないはずです。でも、廃棄物の契約書ではそれほど珍しいことではありません。「たかがゴミ」だと思われているのです。つまりこれは、“いい加減さ”のバロメータだと言ってもいいと思うのです。
排出事業者としては、通常の契約がそうであるように、細かい点についてもしっかりと指摘し、修正を求めるべきでしょう。
そして、
③しっかり指摘することで、処理業者を牽制することになる
つまり「契約書もマニフェストもちゃんと見てますよ。おかしなことをやったら、すぐに見つかりますよ」というメッセージを伝えることになります(本当にそうかどうかはおいといて・・・)。処理業者としては「見られているぶん、しっかり仕事をしなくては」又は「しっかりした仕事をすれば、それだけ評価してくれるだろう」と思うはずです。
■プチ遵法監査でもあります
現地確認に行かなくても、その処理業者が法律を守っているかどうかがその場で分かるのですから、こんなによいツールはありません。それに、マニフェストがちゃんと運用できていれば、現場での管理もそれなりに行き届いていることが想定されます。
逆に、契約書やマニフェストがひどい処理業者であれば、その業者が取引している他の排出事業者もいい加減である可能性が高いわけです。であれば、現地確認なども行われておらず、現場もどうなっているか不安です。
現地確認へ行く前の準備として、契約書とマニフェストのチェックは是非行ってください(無論、契約書は締結時に一度チェックすれば済むのですが)。