議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

横流しリスク

2009年07月09日 05時49分11秒 | 日経エコロジー
 昨日は、「廃棄商品、廃販促品などの横流しリスク対策セミナー」を実施しました。私が講師を務めたのですが、満員御礼でなかなか好評だったようで何よりです。参加いただいた皆様、ありがとうございました。

 このセミナーの参加者のお一人から、「今月の日経エコロジーの記事である『廃棄物の横流しを防ぐにはどこに気をつけるべきか?』と同じテーマですね」という指摘をいただきました。いやぁ、ちゃんと見ていただいてますね。実は、日経エコロジーの担当をしていただいている方が今回のセミナーのことをお知りになり「であれば、これも記事にできますよね」というご提案を頂いて急遽原稿を書いたのです。もちろん、記事をご覧頂くより、セミナーにご参加いただいたほうが内容は濃いんですけど。

■質問
 その参加者の方から、既に蛍光ペンで書き込みがされた日経エコロジーを片手に、記事の内容についてご質問をいただきました。記事のちょうど真ん中くらいに「機能破壊を外部の専門業者に委託すると、破砕機などを使った高度な処理を比較的安価に~」という文があると思います。この専門業者とは、「処理業の許可をもった処理業者であることを想定しているんですよね?」という質問です。

■回答
 えー、よい質問ですね。そこは、あえて許可があるかどうかに言及しないで、曖昧にして書いているのです。
 つまり、委託しているのは「廃棄物の処理」ではなく、「機能破壊」であり、破壊後のものは当然引き取っている。したがって廃棄物処理業の許可は不要であるという主張はありうるわけです。いわゆる加工委託と同じ形です。
 仮に機能破壊後のものを引き取るのではなく、その機能破壊業者の保管場所から別の処理業者に持ち込む場合であっても、発注者が責任を持って契約、マニフェスト管理をしていればいいじゃないか、という考え方もあります。さらに、マニフェストの交付などの日常業務は、その機能破壊の業者に委託することも理論上は可能でしょう。しかしそれを是とすると、処理業の許可なんてほとんどいらない、ということになってしまいます。

 なんて長い話を今回の記事に入れ込むわけにも行かず、突っ込まずに流していたということです。お気づきかもしれませんが「廃棄物処理法Q&A」では、紙面が限られているのをいいことに(?)、かる~く流している部分って結構あります。そういったところは、また別途突っ込みたいと思っています。
コメント
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