議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

マズローの欲求段階説とベーシックインカム

2009年01月16日 07時14分04秒 | ベーシックインカム
マズローの欲求段階説というものをご存知でしょうか。

人間の欲求には段階があり、それぞれ
1. 生理的欲求
2. 安全の欲求
3. 所属と愛の欲求
4. 承認の欲求
5. 自己実現の欲求
とされています。

 人間の欲求は1.生理的欲求などの低次のものから順に満たされることになります。例えば5.自己実現の欲求などは、1~4がある程度満たされてから表面化してきます。
 当然といえば当然ですね。例えば1.生理的欲求が満たされていない=肉体が危険にさらされているときに自己実現なんて言っている場合ではありませんから(聖人君子は除くべきかもしれません)

■我々の社会はどの段階にあるのか?
 では、我々の経済・社会はどこを目標に活動しているのでしょうか。雇用、年金、介護、医療の問題など、残念ながら1.2の議論に集中してます。もちろん、自己実現のために日々努力しているという方はいると思いますが、社会全体のテーマとしてはやはり1.2.が問題となっています。底上げの問題と言ってもいいでしょう。世界の貧困の状況に目を向ければ、なおさらです。

■ベーシックインカム導入で・・・
 ベーシックインカムを導入すると、まず1.は相当満たされます。さらに貧困や社会への不満を原因とする犯罪が減少し、2.についてもかなりの前進が期待できます。もちろん、1.2.を解決するための手法はベーシックインカム以外にもあるとは思いますが、やはりベーシックインカムは強力な方法だと思います。詳しくは、また別の機会で。

 社会全体が進歩していくのは、それ以降(または同時進行)なのではないかと思います。環境問題に対処するとか、人権問題に対処するとか、平和を実現するとか、文化を向上させるとか、すべきことは沢山あります。一部の裕福な人が頑張っても、限界があります。

 まずは、今の日本のセーフティネットをもう少しなんとかしないと、話になりませんね。家を失った方に、「海外の野菜ではなく、国内の有機野菜を買いましょう」なんて言えませんから。
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特管の基準

2009年01月15日 06時20分58秒 | 通知等インデックス
 環境省HPなどで公開されている通知がありますが、名称を見ただけでは何が書いてあるか分からないものがほとんどです。そこで、簡単に内容の解説をして通知を紹介(リンクを貼るだけですが)していきたいと思います。これは「通知等インデックス」という新しいカテゴリーで行っていきます。

===============
金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令
(昭和四十八年二月十七日総理府令第五号)
===============

■ちょっと解説
 いわゆる特管の基準が定められている省令です。通知ではなく省令、つまり法律の一部ですので、法的拘束力があります。この省令の名称、分かりにくいですよね。初めての方はここでいきなり??にぶち当たり、挫折してしまうのでしょう。
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交付担当者欄の押印について

2009年01月14日 05時45分47秒 | コンサル日誌
 過去に何度か書いていますが、マニフェストの交付担当者の欄には押印する必要はありません。法定記載事項(法第12条の3第1項、規則第8条の21)になっていませんし、様式にも「印」の欄がありません。

■某社のご要望
 にも関わらず、「環境省に問い合わせてくれ」というご要望を頂いたことがあります。

堀口「いやーでも要りませんから」
某社「いちおう念のため聞いてくれませんか?」
堀口「過去に環境省の方が要らないって言っていたことも聞いたことありますし」
某社「でも、担当者が変わっているかもしれませんし、やっぱり聞いてください」
堀口「そうですか、じゃぁ聞いてみますね」

■環境省に電話

環境省「はい、産業廃棄物課○○です」
堀口「アミタ株式会社の堀口です、いつもお世話になります。先日はどうも・・・」
環境省「あぁ、こちらこそありがとうございました」
堀口「ちょっと確認させていただきたいんですが、マニフェストの交付担当者の欄に押印する必要はないですよね」
環境省「・・・そうですね、そんなこと書いてないですから」
堀口「すみません、そうですよねぇ、ありがとうございます」
環境省「え、、よろしいですか」
堀口「あ、はい、すみません。ありがとうございました」

 ニュアンスとしては「なにいまさらそんなコト聞いてるんだ??!」って感じです。いやー聞きたくなかったです。

 ということで皆さん、法律上は押印は不要です。押したい方は、もちろん押してくださっても問題ありませんけど。。。
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今年度最後の公開セミナー

2009年01月13日 05時28分02秒 | 余談コーナー
■今年度最後のセミナーです
 今年度(つまり3月まで)最後の一般公開のセミナーを、1/27に実施します現地確認編というもので、現地確認は何故行うのか、チェックすべきポイントは?、ヒアリングはどのように行うのか?など講義+演習を交えて学んでいただきます。

 あるところから出されているチェックリストを参考にするのですが、どうしても「これでは使えません」「机上の空論です」とケチョンケチョンにしてしまいます。でも多くの会社で、このチェックリストを参考に自社のものを作っているんですよね~

■お値打ちです
 公開形式の現地確認編は、来年度は確か3回の予定です。現地確認セミナーのニーズは、個別企業に対して行うセミナーとしてはかなり要望が強いです。ただ、その場合ン十万と費用がかかるため、受講人数が少ない場合はこちらのセミナーにご参加いただいたほうが良いかと思います。
 私が講師をしますので、よろしければ是非ご参加ください。
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ワークシェアリングが話題ですが・・・

2009年01月09日 06時22分22秒 | ベーシックインカム
 最近の話題から思うところを少し。。。

■ワークシェアリング
 非正規従業員の大量解雇の問題を背景にしつつ、日本では事実上導入実績がない「ワークシェアリング」が話題になっています。解雇するのではなく、1人当たりの労働時間を少しずつ減らし、賃金も減らすというものです。

■できるんでしょうか?
 ホームレスをなくす効果はあるでしょう。しかしこの仕組みがうまくいくかどうかは「労働時間を減らす」という約束が本当に実行されるのか、という点にかかります。そのためにはまず、労働時間の明確化が必要です。書類上労働時間が減っても、実際の労働時間が減らなかったら(=サービス残業が増えたら)、単なる賃金カットです。それはそれでひとつの方法ですが、これをワークシェアリングだと言う会社があったら、それこそ偽装です。名ばかり管理職が横行する中、本当のワークシェアリングが普及するとは私にはちょっと信じられません。まぁ、労働時間が比較的明確なブルーカラーに限っては可能かもしれませんが。

■それとは別にセーフティネットは必要なことを忘れずに
 緊急避難としてのワークシェアリングや賃金カットは理解できます。しかし、これはセーフティネットではありません。国がセーフティネットを再構築せず、産業界に「雇用確保してね」と押し付けてオシマイ、にならないようにしなければなりません。

■(セーフティネットではない)定額給付金について
 一方、定額給付金の人気がありませんが、ベーシックインカムとは似て非なるものです。「全国民に現金を給付する」という政策についての悪いイメージがつかないように祈るばかりです。

■それにしても・・・
 経済危機のなかでも、グリーンニューディールなど環境ネタは一応話題になっています。経済危機がなければもっと環境関連の話題は多かったのでしょうね。
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廃棄物担当者のエピソード

2009年01月08日 05時43分36秒 | はみ出しアドバイス
 勤務先のHPというのはなかなか見ないものですが、たまには見るべきですね。環境ご担当者様おもしろエピソードというコラムがありました。ちょっと面白いので見てみてください。

 この中で交付等状況報告書の話がありますが、かなりの大企業で本社の方が周知しているにもかかわらず「知らなかった!!」という方が未だにいらっしゃいます。出さなくても罰則はありませんので、「出さなくてもいいじゃん」ではなく「今からでもいいので」出しましょう。こっぴどく怒られるなんてことはないでしょうから(たぶん)。黙って次回から出すより行政の印象もよいはずです。

 ちなみに、罰則がないなら守らなくてもよいと考えている方もいるようですが、法律違反には違いありません。ちゃんとやりましょう。
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規制改革会議の答申

2009年01月07日 06時02分18秒 | ニュースクリッピング
 規制改革会議の答申が出ました。その中の環境分野については、毎年のコトながら廃棄物関連のネタが中心でまとめられました。

 特に注目したい点を以下にいくつか挙げます。

・107自治体など廃棄物の管理単位の集約
 全国的に収集運搬をする場合は、自治体ごとに許可を細かく取る必要がありますが、これをもっと集約すべきという問題意識が挙げられています。これは具体的施策として記載されていないので、今年は具体的な前進はなさそうです。でもだからこそ、もっと声を上げていきましょう。

・電子マニフェストの普及
 平成22年度の普及率50%へ向けて普及啓発しましょう、ということです。啓発はやるんだと思いますが、目標達成はできるんでしょうか??

・廃棄物の定義、区分の見直し
 これも長年の懸念ですが、問題意識として盛り込まれました。どこまでできるかわかりませんが、是非実現したい問題です。

・下取りの解釈について
 同種の製品であれば他社製品も回収できる、新製品の購入と同時でなくてもよい、ということを周知すべきということです。具体的施策になっているので、通知でも出されるのでしょう。特に後者について解釈がバラバラだったところですので、是非お願いしたいです。

・一般廃棄物広域認定の品目指定について
 以前このブログでも取上げましたが、品目の追加は可能であることを明記しましょう、ということです。具体的施策として挙げられているので、手引きの改訂がありそうです。

他にもありますが、きりがないので割愛します。是非本文をお読みください。

■規制改革会議の方との意見交換
 これまでにも担当の方との意見交換を行っていますが、今後も実施していきます。何かご要望があれば、規制改革会議に直接伝えるだけでなく、私宛にも是非お寄せください。循環型社会を構築していくためにも、この法律の非効率な部分を何とか改正していきたいと思っています。
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不法投棄廃棄物の状況について

2009年01月06日 05時45分50秒 | ニュースクリッピング
■不法投棄等の状況
 昨年末に、19年度の不法投棄等の状況が発表されました。残存量の合計が1,633.7万トンと、昨年より微増しました。19年度に発覚した量は10.2万トンで、平成11年の報告にあるように40万トン前後だったころに比べると減少傾向にあります。
 なお、フェロシルトや硫酸ピッチは除外されているとのことで、実際にはもっと沢山あります。

 よく出張先でタクシーの運転手さんに「この辺は廃棄物の不法投棄はありますか?」と聞くと、「最近は取り締まりが厳しくなって減りましたねぇ」という返事をもらうことが多いです。確かに、減っているのでしょう。良い傾向です。
 ただ、そもそもの母数が多いですし、撤去が順調に進んでいるとは言い難いのが問題です。いつか誰かが撤去費用を負担することになるのですが・・・。

■環境省予算
 お金の話ついでですが、環境省の21年度予算も出ました。低炭素社会、循環型社会、生物多様性、化学物質などなど、といったところですね。あわせて環境大臣の年頭所感が出ています。申し訳ないですが、取り合えず無難に、全くもって面白くない内容でした。もっと尖った政治家は出てこないのでしょうか。

 ということで今度の衆院選、是非投票しましょう。個人的には、そろそろ民主党にやってもらって、お手並み拝見といきたいところです。消費税率アップを明確に打ち出していないのが相当不満ですが、それこそわが国にもchangeが必要ですから。
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今年はベーシックインカムが社会的認知を受けるかもしれません

2009年01月05日 06時08分10秒 | ベーシックインカム
皆様

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

さて、今年最初に何を取上げようかと考えたのですが、ベーシックインカムネタから始めます。今年は(特に国内では)環境より社会保障問題の方が注目を集めると思うからです。環境問題にとっても、そのほうが結果的には良いと思っていますし(理由は後述)。

■ホリエモンのブログ他
さて、ご存知のホリエモンがベーシックインカムを取上げ、ちょっとした話題になっています。知名度の高い方が取上げると、違いますね。コメントが沢山入っています。チラリとでも見てみてください。

六本木で働いていた元社長のアメブロ

他にもベーシックインカムを取り扱っているブログは沢山あります。検索すれば色々出てきます。いずれにせよ、今年は派遣切りを初め雇用情勢が相当に悪化し、さらに選挙も控えているため、社会保障政策についての議論が深まるはずです。その中でベーシックインカムは社会的に認知されるのではないかと期待しています。

■環境問題にとっての意味
これでは私の本業の環境問題が霞んでしまいそうですが、以前にも述べたとおり、生活のある程度の安心・安定がないと環境問題に取り組む気運が高まりにくいはずです。衣食住足りてようやく、安心して環境問題に取組めるはずです。今は比較的余裕のある企業、人の部分的な取り組みに過ぎません。これでは根本解決につながるはずもありません。
無論、環境問題が我々の生活に深刻な影響をもたらし始めたら別問題ですが・・・。
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