広域認定を受けた製造時業者等は、ユーザーから回収した廃棄物を、認定の範囲内のリサイクル業者、運搬業者に処理委託することになります。さて、これについて①再委託にあたるのか、②再委託でないとしても、処理委託契約書が必要なのか、という疑問が生じます(よね)。今回はこれについて説明したいと思います。
①再委託にあたるのか
厳密には「再委託の禁止規定に抵触するのか?」という表現の方が正しいでしょう。メーカーが自ら処理しているのでなければ再委託であることには間違いないのですから。
再委託は、以下の条文で禁止+例外規定が設けられています。この条文が再委託の禁止を指しているということについては、こちらのページで説明済みです。
*********
【法第14条14項】
産業廃棄物収集運搬業者は、産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を、産業廃棄物処分業者は、産業廃棄物の処分を、それぞれ他人に委託してはならない。ただし、事業者から委託を受けた産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を政令で定める基準に従つて委託する場合その他環境省令で定める場合は、この限りでない。
*********
しかし、広域認定が規定されている法第15条の4の3第3項では、
*********
第十四条第十二項、第十三項及び第十五項並びに第十四条の三の三又は第十四条の四第十二項、第十三項、第十五項及び第十六項並びに第十四条の七並びに第十九条の三の規定の適用については、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者とみなす。
*********
とされています。
再委託の禁止が規定されている第14条14項は、ここから外されています。つまり、広域認定を受けた製造時業者はこの再委託禁止の条項については収集運搬業者や処分業者とはみなさない=適用を受けないということです。
ということで、再委託の禁止規定に抵触しないので、承諾書を取ったりなんていう仕事は不要となります。
②再委託でないとしても、処理委託契約書が必要なのか
さて、2つ目の疑問です。再委託ではなかったとしても、委託基準の適用を受けるのであれば、処理委託契約書は必要になるはずです。で、委託基準は法第12条第3項ですが、こんな条文(抜粋、改変)です。
*法第12条第3項*********
事業者(中間処理業者を含む。次項及び第五項並びに次条第三項から第五項までにおいて同じ。)は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については産業廃棄物収集運搬業者、その処分については産業廃棄物処分業者にそれぞれ委託しなければならない。
****************
ここから、委託基準はⅠ.事業者(つまり排出事業者)とⅡ.中間処理業者を適用の対象としているということが分かります。では、広域認定を受けたものはⅠの事業者(排出事業者)に該当するのでしょうか。いえいえ、そんなはずはありません。排出事業者はあくまで製品を使用、廃棄する者です。
では、Ⅱの中間処理業者なのでしょうか。上記の「法第15条の4の3第3項」では、
****************
「第十四条第十二項、第十三項及び第十五項並びに第十四条の三の三又は第十四条の四第十二項、第十三項、第十五項及び第十六項並びに第十四条の七並びに第十九条の三の規定の適用については、産業廃棄物収集運搬業者若しくは産業廃棄物処分業者とみなす』
****************
とされています。ここには法第12条第3項が入っていません。つまり、法第12条第3項においては広域認定を受けた者であってもⅡ.中間処理業者とはみなさないということです。
そうすると結局、広域認定を受けた者はⅠ.事業者(つまり排出事業者)とⅡ.中間処理業者のいずれにも属さない、=委託基準の適用を受けない、契約書の作成は不要、ということになります。
ちなみに、事業者と中間処理業者は別であるということは、この通知で明確にされています。
環廃対発第050930004号 環廃産発第050930005号平成17年9月30日
廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律等の施行について(通知)
******
「事業者」(排出事業者)及びこれとは異なる「中間処理業者」の定義を置き(法第12条第3項)、事業者のみに係る規定と、中間処理業者及び事業者の双方に係る規定(当該規定の適用対象が事業者に加えて「中間処理業者を含む。」とされている規定)を区別するという条文整備が行われた。
******
だそうです。
■そもそも製造時業者などの裁量に任されているのでは?
もともと、広域認定を受けた製造事業者等は、認定の範囲内の処理業者の社長等を環境省に届けています。つまり、普通の処理委託よりしっかりした関係を構築しているはずなのです。ですから、処理業者との関係構築の方法については製造時業者等に任されているのでしょう。なお、環境省としては、管理体制を担保するため産業廃棄物の契約書と同等の契約を締結することを推奨しているようです。
以上、上記内容については環境省にも確認済みです。念のため。
・・・ちょっと脱線・・・
産廃(事務所で使用済みのPCなど)を広域認定でメーカーさんに委託する場合の注意点をひとつ。ここには委託基準は適用されますので、契約書は必要です。例のごとく、提示される契約書には法定記載事項漏れがある可能性があります(実際に見たことがあります)ので、ご注意ください。念のため。
①再委託にあたるのか
厳密には「再委託の禁止規定に抵触するのか?」という表現の方が正しいでしょう。メーカーが自ら処理しているのでなければ再委託であることには間違いないのですから。
再委託は、以下の条文で禁止+例外規定が設けられています。この条文が再委託の禁止を指しているということについては、こちらのページで説明済みです。
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【法第14条14項】
産業廃棄物収集運搬業者は、産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を、産業廃棄物処分業者は、産業廃棄物の処分を、それぞれ他人に委託してはならない。ただし、事業者から委託を受けた産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を政令で定める基準に従つて委託する場合その他環境省令で定める場合は、この限りでない。
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しかし、広域認定が規定されている法第15条の4の3第3項では、
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第十四条第十二項、第十三項及び第十五項並びに第十四条の三の三又は第十四条の四第十二項、第十三項、第十五項及び第十六項並びに第十四条の七並びに第十九条の三の規定の適用については、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者とみなす。
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とされています。
再委託の禁止が規定されている第14条14項は、ここから外されています。つまり、広域認定を受けた製造時業者はこの再委託禁止の条項については収集運搬業者や処分業者とはみなさない=適用を受けないということです。
ということで、再委託の禁止規定に抵触しないので、承諾書を取ったりなんていう仕事は不要となります。
②再委託でないとしても、処理委託契約書が必要なのか
さて、2つ目の疑問です。再委託ではなかったとしても、委託基準の適用を受けるのであれば、処理委託契約書は必要になるはずです。で、委託基準は法第12条第3項ですが、こんな条文(抜粋、改変)です。
*法第12条第3項*********
事業者(中間処理業者を含む。次項及び第五項並びに次条第三項から第五項までにおいて同じ。)は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については産業廃棄物収集運搬業者、その処分については産業廃棄物処分業者にそれぞれ委託しなければならない。
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ここから、委託基準はⅠ.事業者(つまり排出事業者)とⅡ.中間処理業者を適用の対象としているということが分かります。では、広域認定を受けたものはⅠの事業者(排出事業者)に該当するのでしょうか。いえいえ、そんなはずはありません。排出事業者はあくまで製品を使用、廃棄する者です。
では、Ⅱの中間処理業者なのでしょうか。上記の「法第15条の4の3第3項」では、
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「第十四条第十二項、第十三項及び第十五項並びに第十四条の三の三又は第十四条の四第十二項、第十三項、第十五項及び第十六項並びに第十四条の七並びに第十九条の三の規定の適用については、産業廃棄物収集運搬業者若しくは産業廃棄物処分業者とみなす』
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とされています。ここには法第12条第3項が入っていません。つまり、法第12条第3項においては広域認定を受けた者であってもⅡ.中間処理業者とはみなさないということです。
そうすると結局、広域認定を受けた者はⅠ.事業者(つまり排出事業者)とⅡ.中間処理業者のいずれにも属さない、=委託基準の適用を受けない、契約書の作成は不要、ということになります。
ちなみに、事業者と中間処理業者は別であるということは、この通知で明確にされています。
環廃対発第050930004号 環廃産発第050930005号平成17年9月30日
廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律等の施行について(通知)
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「事業者」(排出事業者)及びこれとは異なる「中間処理業者」の定義を置き(法第12条第3項)、事業者のみに係る規定と、中間処理業者及び事業者の双方に係る規定(当該規定の適用対象が事業者に加えて「中間処理業者を含む。」とされている規定)を区別するという条文整備が行われた。
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だそうです。
■そもそも製造時業者などの裁量に任されているのでは?
もともと、広域認定を受けた製造事業者等は、認定の範囲内の処理業者の社長等を環境省に届けています。つまり、普通の処理委託よりしっかりした関係を構築しているはずなのです。ですから、処理業者との関係構築の方法については製造時業者等に任されているのでしょう。なお、環境省としては、管理体制を担保するため産業廃棄物の契約書と同等の契約を締結することを推奨しているようです。
以上、上記内容については環境省にも確認済みです。念のため。
・・・ちょっと脱線・・・
産廃(事務所で使用済みのPCなど)を広域認定でメーカーさんに委託する場合の注意点をひとつ。ここには委託基準は適用されますので、契約書は必要です。例のごとく、提示される契約書には法定記載事項漏れがある可能性があります(実際に見たことがあります)ので、ご注意ください。念のため。
つまり
自分→(契約書;要)→広域認定を受けた誰か→(契約書;不要)→処分業者
って言われてます?
本文長すぎで、つまり何なのか分かりにくかったかもしれません。すみません。
おっしゃるとおり、排出事業者としては契約が必要で、広域認定を受けたメーカーなどは認定の範囲内のリサイクル業者に対して処理委託契約をする必要はない、ということです。
ちょうど某社さんとプリンタ-や複写機に関して話し合おうと考えていたやさきでしたので。
ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
ハウスメーカーさん等を想像したらよいでしょうか。これは回収を自社で出来ないため、広域認定を利用しているということだと推測しているのですが、いかがでしょうか。
法律上あまり想定していないケースだと思いますが、元請となっている場合は、契約はいらないのではないでしょうか。が、、、重要な点ですし、今後疑念をもたれる可能性もありますので、あらかじめ環境省に確認しておくことをお勧めします。契約に類似した書類を残してください、とか指導されるかもしれませんが。
なお、19条の6については、「排出事業者“等”」ということで、中間処理業者等も措置内容の対象ですよ、と挙げているのだと思います。