議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

再委託の条文の怪

2006年01月10日 21時16分34秒 | コンサル日誌
おそらく条文をしっかりと読まれたことがある皆さんは、再委託の条文を疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。

前回の「中間処理後の廃棄物の委託の通知について[2]」の、「産業廃棄物を委託するのは、排出事業者でしかない」、という話にも関連していると思っています。まずは、再委託の(原則)禁止の条文を見てみたいと思います。


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【法第14条第14項】
産業廃棄物収集運搬業者は、産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を、産業廃棄物処分業者は、産業廃棄物の処分を、それぞれ他人に委託してはならない。ただし、事業者から委託を受けた産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を政令で定める基準に従って委託する場合その他環境省令で定める場合は、この限りでない。
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■□よくわからない条文です□■
この条文だけでは、再委託を禁止しているとはすぐにはわかりません。まるで産業廃棄物処分業者は産業廃棄物を他人に委託することなく、全て自分で最終処分までしなければならないと書いてあるように思えます。つまり、中間処理業者は最終処分業者と処理委託契約を締結しているわけですが、あれはやってはいけないことなのではないかと思えるわけです。

これの読み方について環境省に聞いてみたことがあります。基本的な内容のようで聞きにくかったですが・・・。ところが、省内の複数の方と相談した上での回答が、「この文言が再委託の禁止であることは確かだが、どう読めばそう読めるのかはわからない」ということでした。


■□読み方案□■
前回の記事と同じ話ですが、

 産業廃棄物の委託者      =排出事業者
 中間処理産業廃棄物の委託者  =中間処理業者

ということなので、「処分業者は産業廃棄物の委託をしてはならない」という文言でよいのかもしれません。(法第12条第3項を見てください。)


★どう思われますか??★
不満なのは、環境省の説明です。ややこしい法律なので仕方がないのかもしれませんが、困ったものです。せめて行政の担当者が「わからない」ということのないよう、もう少しシンプルな法律(文言)にならないものでしょうか。
例えば、用語の定義を第2条に全てまとめておくと、このような混乱が防げるのですが。

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