(有価で買い取ってもらえるが)運賃により逆有償になる場合の、【収集運搬の許可について】私の考えを説明します。
質問は、「引き取り先についたら廃棄物でないならば、収集運搬の許可は積むところだけで、卸すところは必要ないのではないか。」でした。
まずは原則論です。収集運搬の許可が積み地と卸地の両方に必要であるということは、以下の条文に書かれています。(通過地点では不要であるということの根拠でもあります。)
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【法第十四条】(産業廃棄物処理業)抜粋
産業廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、産業廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
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一方、規制改革通知の第四では以下のように説明されています。
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一方、再生利用するために有償で譲り受ける者が占有者となった時点以降については、廃棄物に該当しないこと。
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もうお分かりでしょう。ポイントは占有者が誰であるかという点です。
収集運搬車両に廃棄物が乗っている状態では、「収集運搬業者」が占有者と考えられます。卸し作業を完了した時点で初めて「有償で譲り受けるもの」が占有者となる=廃棄物でなくなると考えられます。
ということで、通常通り、積むところと卸すところの両方の許可が必要となります。
質問は、「引き取り先についたら廃棄物でないならば、収集運搬の許可は積むところだけで、卸すところは必要ないのではないか。」でした。
まずは原則論です。収集運搬の許可が積み地と卸地の両方に必要であるということは、以下の条文に書かれています。(通過地点では不要であるということの根拠でもあります。)
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【法第十四条】(産業廃棄物処理業)抜粋
産業廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、産業廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
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一方、規制改革通知の第四では以下のように説明されています。
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一方、再生利用するために有償で譲り受ける者が占有者となった時点以降については、廃棄物に該当しないこと。
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もうお分かりでしょう。ポイントは占有者が誰であるかという点です。
収集運搬車両に廃棄物が乗っている状態では、「収集運搬業者」が占有者と考えられます。卸し作業を完了した時点で初めて「有償で譲り受けるもの」が占有者となる=廃棄物でなくなると考えられます。
ということで、通常通り、積むところと卸すところの両方の許可が必要となります。
車で着地まで運ぶものの、荷卸作業から降ろし地側の責任で行う場合は荷卸前から占有権は荷卸側に移ってるとは言えないのですか?
以下、あくまで個人的な見解ですが、その旨ご了承の上お読みください。
■民法上の占有権は廃棄物の世界で存在しない
まず、民法上の所有権や占有権を主張する人が現れれば、その時点で廃棄物ではなくなります。そのような権利を誰も主張しないから、廃棄物となるのですから当然です。あくまで廃棄物処理の世界では(排出者)責任しかないのです。
■廃棄物処理法上の占有者
その意味で、廃棄物処理法の世界で占有者という表現が使われるのは、民法上の占有者を指してはいない思います。それはあくまで、「そのものを現場で管理できる人」を指すために便宜的に使われているものと思います。
従って、荷卸作業を"本当に"卸地の事業者Aの責任で行う場合は、荷卸作業に入った時点で(廃棄物処理法上の)占有者はAとなるといってよいと思います。
ただ、普通は車から卸した段階で明確に占有者が変わるので、その時点で占有者が変わったとすべきと思います。実態としてどうであるかを見て判断する話ですので、ここで一概にどうというのは難しいです。
いずれにせよ、占有者の移動が荷卸し作業前であっても、後であっても、廃棄物処理法実務上は大きく変わらないと思います。荷卸地での収集運搬業の許可が必要であることは変わりませんので。
占有の概念に突っ込み始めると、代理占有の話も出てきてしまい、ややこしいのでこのあたりまでとしたいと思います。
また何かありましたらコメントください。
過去の記事への投稿で失礼致します。
関連したことで質問したいことがありましたので、意見を聞かせて下さい。
私はある地方の政令指定都市で産業廃棄物処分業の中小企業に勤めております。
収集運搬、中間処理(破砕)の許可を得ております。
環境省の規制改革通知を元に、運んでいる時は廃棄物、当社へ降ろした時点で
有価物という運用を続けていました。
具体的には、鉄屑やケーブル、プラスチックなど、少量運ぶ場合、運賃のほうが高く
なるケースが多いので、その運用をしておりました。
当社へ降ろした時点で有価物になるので、鉄屑、ケーブル、プラスチックなどに分けて
破砕などもせず、そのまま売却しておりました。
ある時、市の担当者とそのことが話になり、その行為は積替え保管に該当する、
と指摘されました。
この運用で積替え保管に該当するのでしょうか?
有価物を取り扱うのは行の許可を必要とせず、問題ないと認識していました。
この認識で運用している同業者は、結構おります。
自治体である程度認識に差があることはありますが、今回の件は全く意味が分からず、
どのように対応すべきか困っております。
積替保管用のマニフェストには、有価物の回収量を記載する欄があります。
規制改革通知以前なら、「全量有価物として回収」という解釈で、分別とか破砕などの中間処理業の許可不要という抜け道を考えたこともありますが、通知後であれば、お尋ねのケースのように「量がまとまることにより有償売却できるもの」は、有価物の回収などと屁理屈をこねなくても、積替保管の許可は不要であると考えます。
これは、運搬を自ら行うからそのような指摘を受けるわけで、運搬は真茶香が行い、真茶香は排出事業者が御社から受け取る額以上の運搬費で御社まで運び、御社は排出事業者へ購入代金を支払う以外の金銭授受がない場合を考えると、真茶香が行っている行為をたまたま御社自ら行っているにすぎないわけですから、積替保管の概念に該当しないことは自明でしょう。
ただし、これは私の思い込みによる解釈ですので、堀口先生の解釈をぜひ聞きたいところです。
真茶香様
コメントありがとうございます。
本来、卸した時点で有価物なら、そこに廃棄物処理法の入り込む余地はそもそもないと思います。
ただ、真茶香様がおっしゃるとおり、購入する会社と運搬する会社が同じで、トータルで料金を支払っているのであれば、その会社は処理業を行っていると言われる可能性はあると思います。ご相談している市に対して規制改革通知を見せても、あの通知は運搬と処分(購入)が別会社であることが前提ですので、それとこれとでは話が別と言われる可能性があります。
別会社だと、購入者が本当にそれを有価評価しているかどうかが明確にわかります。同じ会社だと、「本当は処分費が欲しいんだけど、運搬費用に多めに上乗せしたら形式的には購入に出来る」と考える業者が出てくるでしょう。それは避けたいのだと思います。
あるときに環境省の方の意見を聞いたときにも、運搬と処分(使用)が同じ会社の場合はトータルで処理費を支払っているなら処分業の許可もいるでしょう、ということでした。
ただ、その品物が貴社に到着したら有価物となるということが明確にわかるのであれば、やはり処分業の許可は要らないとすべきと思います。ここは真茶香様と同意見です。
つまり「貴社に到着した時点で本当に有価物であるということを説明できるかどうか」にかかっていると思います。
いずれにせよ、ここまでの議論は「売却できるかどうか」で廃棄物かどうかを判断するという暗黙の了解に沿って進んでいます。しかし、この手のグレーゾーンについては「総合判断説」にのっとった解釈をすればよいとも思います。
堀口様
お忙しい中、お返事ありがとうございます。
なかなか通知文だけではみえてこない部分もありますので、勘違い
しておりました。
あの通知の文面が、運搬会社と再生会社が別の前提だったという
認識は全くありませんでした。
どうしても我々再生会社は都合のいいほうに解釈してしまいますし、
行政は都合よくはさせないしと、なかなか折り合いがつきにくいのが
現状ですね。
我々は中間処理業者でもありますので、運搬も購入が同一会社で
処理業とみなされても問題はないですし、有価物として購入したもの
だと証明できる明細もあります。行政とは話し合いで解決できそうで
すが、説明の仕方次第かとも思います。
また、通知文のこの内容について質問です。
(3) 再生利用するために有償で譲り受ける者において、名目の如何
に関わらず処理料金に相当する金品を受領していないこと。
例えば、受け取る品目が5つあったとして、その中の1つはどうしても
処理料を頂かないといけないものがあったとします。しかし、5品目トー
タルでは有価となる場合、違法になってしまうんでしょうか?
グレーな部分を明確にしようとすると、昨日、制限速度40kmの道を50
kmで走ったんですけど、と、警察に聞きに行くようなもので、正直者が
馬鹿をみるような感じもするので、どこまで確認していいものやら悩み
ます。
別に悪いことをしようとしているのではなく、きちんと再生して事業活動
したいのですが、法律やら解釈でいろいろ変わってくるので難しいです。
お返事遅くなりました。
どうも先週は忙しく、手が回りませんでした。
ご質問の件ですが、トータル有価といっても、1品目はつまり廃棄物なんですよね。であれば、その1品目はやはり廃棄物なんだと思います。
複合物・混合物であれば話は別ですが、別物として管理できている廃棄物と有価物を一緒にして、全体として有価扱いするということがまかり通ったら、困ります。
まぁ、よく聞く話ですが、きちんと事業活動されたいということですし、注意されたほうがよいかと。