議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

テナントの廃棄物

2008年09月22日 07時10分50秒 | ウィークリー・トピックス
 先週は、合計で470名ほどの方々の前で講演をする機会に恵まれました。さすがに最後の日は帰宅してからどっと疲れが出ましたが。

 そのうちの2日間は、「テナントが店子としてビルに入っている場合の産業廃棄物の処理委託契約の仕方」について触れました。各テナントは独自で収集運搬、処分業者と契約を結ばなければならないという、あの話です。ご存じない方は、こちらをご覧ください。→産業廃棄物管理票制度の運用について(通知) 平成13年3月23日 環廃産116号
 念のため、最後に該当部分を引用しました。

 実はこのテーマは、ほんの1ページの“参考情報”程度の扱いだったのですが、2日間ともこの部分について同じ質問を受けました。参加者全員が聞いている、質疑応答の時間でです。曰く「ビル管理会社が契約を結んでいれば、テナントは契約は不要なんですよね」というものです。しかし通知を読めば一目瞭然、テナントは独自で契約が必要です。
 そんなのおかしいじゃないか、という反論をされたのですが、一応環境省の立場で回答をしました。しかも講演後にこっそり「ウチやってないんですけど・・・」と相談に来られた方もいました。「まずいですね~、でも、実はほとんどの会社がやっていないんですよ」とこっそり(?)教えてあげました。それにしてもこの規定、現実的ではないんですよね。知られていない、守られていない規定は、そのまま放置しておくと環境省としてもよくないはずです。何かあったときに事業者だけでなく環境省も糾弾されかねませんからね。

以下、一応引用
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管理票の交付については、例えば農業協同組合、農業用廃プラスチック類の適正な処理の確保を目的とした協議会又は当該協議会を構成する市町村が農業者の排出する廃プラスチック類の集荷場所を提供する場合、ビルの管理者等が当該ビルの賃借人の産業廃棄物の集荷場所を提供する場合、自動車のディーラーが顧客である事業者の排出した使用済み自動車の集荷場所を提供する場合のように、産業廃棄物を運搬受託者に引き渡すまでの集荷場所を事業者に提供しているという実態がある場合であって、当該産業廃棄物が適正に回収・処理されるシステムが確立している場合には、事業者の依頼を受けて、当該集荷場所の提供者が自らの名義において管理票の交付等の事務を行っても差し支えないこと。なお、この場合においても、処理責任は個々の事業者にあり、産業廃棄物の処理に係る委託契約は、事業者の名義において別途行わなければならないこと。
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コメント (7)
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