先日「hamlife」で「クリックポスト」という郵便局の新サービスについて紹介されています。一般的に広く使われる角形2号の封筒で厚さ3cm・重量1kgを超えない範囲なら164円で送ることができるというものです。従来からこの手のサービスとして広く使われているクロネコメール便は厚さ2cm・重量1kg以内なので厚さ制限の点で有利です。
さらにhamlifeの記事を引用すると
日本郵便が取り扱いを開始した「クリックポスト」は、ヤフー株式会社が提供する「Yahoo! JAPAN ID」を用いて、クリックポスト専用のWebサイトで登録手続きと宛先のプリントを行い、それを貼った郵便物を郵便局やポストから投函できるというもの。「郵便追跡サービス」も利用できる。決済は「Yahoo!ウォレット」によるクレジットカード決済や指定口座からの引き落としとなる。
以前紹介したヤマト運輸が提供する「クロネコメール便」の場合、A4サイズが目安で、厚さ1cm以内、1kgまで全国一律82円で、厚さ2cm以内は全国一律164円という激安価格でQSLカードが送れる(メール便で信書は送れないが、「QSLカードは信書に該当しない」という見解が旧郵政省から出されている)というものだったが、今回、日本郵便が取り扱う「クリックポスト」は、ほぼ同じサイズで厚さ3cm以内、1kgまでの荷物を送ることができて一律164円という超激安価格。切手の貼付は不要で、しかもポストから投函できるのが嬉しい。
QSLカードの紙質(厚み)によって違うが「A4サイズで厚さ1cm以内」を目安にした場合、一般的なハガキサイズのQSLカードは、2列2段の4つに分けて入れられた場合、140~200枚を82円で送れることになる。厚さ3cm以内ならその倍送れるかもしれない。
もちろん1kgをオーバーしないように注意が必要であるが、「クリックポスト」と「クロネコメール便」を送るカードの枚数に応じて、よりお得に!を考えながらサービスを組み合わせて活用してみてはいかがだろうか。
でもちょっと待った。結論から言いますが「QSLは3cmの厚さでは送れません」。
ご存知の通り、JARLのQSL規定ではQSL1枚あたりの重量を2~4gと定めています(官製ハガキが3g)。従って最軽量の2gにした場合、クリックポストの上限重量である1kg(分かりやすくするためここでは封筒やQSLをまとめる輪ゴムの重量を考えないことにします。以下同じ)ならば500枚を送ることができます。この500枚を4つの束に分けて田の字に配置し角形2号の封筒に入れるなら、1束は125枚となります。
さてさて、官製ハガキサイズで2gの紙をペーパーミツヤマなどのサイトで調べてみると上質紙の110kgが相当します。その厚さは0.15mm。1束125枚なので125×0.15=18.8mmとなります。
最軽量の2gの紙を使っても重量制限で500枚が上限であり、その厚さは18.8mm・すなわち1.88cmが上限です。もっと紙厚の厚い135kや180kなどの紙を使って4つの束に分けて田の字に配置する限りほぼ2cmで1kgに達してしまいます(紙が厚くなるので枚数は減りますが上質紙である限り2cmで1kgになってしまう)。「厚さ3cm以内ならその倍送れるかもしれない」とhamlifeは書いていますが、クロネコメール便と同様に厚さ2cmあたりが重量制限から来る上限であり、少なくとも官製ハガキサイズのQSLを厚さ3cmで送ることは不可能ではないかと思われます。
クロネコメール便の厚さ上限が2cmなのはA4サイズ1kgの上質紙がほぼ厚さ2cmになるからであり、絶妙の設定になっているんですね。ですから1kgの重量制限がある限りメール便でもクリックポストでも送ることのできるQSLの枚数はほぼ変わらないはずです。
という内容をhamlife側にメールしたのですが、本日に至るまで記事の修正はおろかメールへの返答も一切ありませんでした。繰り返しになりますがクリックポストを使ってQSLの束4つを3cmの厚さで送ると重量オーバーとなりますので絶対に送らないようお願いします。