3/10(土)に直島の宮浦港で行われた四国汽船の新しいフェリー「あさひ」の内覧会に行ってきました。
内覧会は造船所から引き渡しを受けた船会社が正式就航前にお披露目として行うもので、東海汽船の「橘丸(三代目)」就航の際も竹芝桟橋で内覧会が行われています。内覧会は通常新造時のみなので大変貴重な機会です。
四国汽船は瀬戸内海の直島への航路を運航しており、3隻のフェリーと3隻の旅客船を持っています。このうち1998年建造のフェリー「あさひ」が老朽化のため引退し、新しい「あさひ」の建造が行われることになりました。元の「あさひ」は交替を前に昨年のドック入り時に「あさひ2」と改名しています。
直島は長年三菱マテリアルの精錬所が島を支え、その資材搬送が四国汽船のお得意さんでしたが、近年直島はアートの島として世界的に注目されており特に3年に一度開催される瀬戸内国際芸術祭の期間中は多くの観光客が押し寄せるようになりました。2010年に開催された初回の芸術祭では想定を越えるお客であふれ、夕方にはフェリーに乗りきれないお客が多数出てしまうことになりました。車両の搭載を取りやめ、車両甲板にまでお客を乗せた臨時便を出して対応しています。
これまでの船隊では押し寄せる観光客に対応できないため2015年には先代「なおしま」より定員を50名増やした「なおしま」を就航させました。直島のシンボルともなった草間彌生さんの「赤カボチャ」をイメージした赤の水玉が目立つデザインで、洗練された内装とともにイメージを一新しました。
#Wikipediaでは現在の「なおしま」を二代目としていますが、先代「なおしま」に加え1990年代前半に国際フェリーの「第二十一こくさい丸」が移籍し「なおしま」として活躍していますから事実ではないようです。
「あさひ」も客室の増設などの対応を行ってきましたが「なおしま」が好評なことからペアを組む「あさひ」も2019年の次回芸術祭を前に新しい船に置き換えられることになりました。
新しい「あさひ」は「なおしま」と同じく大三島の藤原造船所で建造されています。987tで船首・船尾の双方にランプドアを持つ備讃型(瀬戸内型)フェリーです。上部(喫水線より上)は「なおしま」とほぼ同じで定員は450名から500名に増やされています。藤原造船所独特の油圧昇降式船首覆い甲板が略されており(前の日の記事の「なおしま」「あさひ2」の写真を見て頂くと覆い甲板が確認できます)、喫水線より下は最新技術により「なおしま」よりも水の抵抗を減らし燃費が改良されているとのこと。
それでは内覧会の様子から。
内覧会を前に直島町の関係者など来賓を集めた式典が開かれました。島の子供たちの太鼓が披露され完成を祝っています。
「なおしま」の水玉模様に対し「あさひ」は大きな赤の菱形が目立ちます。四国汽船の社章が漢数字の「四」を菱形にしたものですからこれをイメージしたと思われます。ご覧の通り新しい「あさひ」の晴れ姿にふさわしい快晴となりました。
次いで船長・機関長などにより横断幕が掲げられました。
丸い点に見えるのは缶バッジで、子供たちが絵を描いているそうです。
来賓の見学が一区切りとなったのちに一般の内覧会となります。早速船内に入ってみましょう。
まずは1階の車両甲板。こちらはスタンダードなものです。両脇にある階段またはエレベーターで2階の客室に上がる形です。
客室は「なおしま」同様大きな窓が特徴で、備讃瀬戸の風景を存分に楽しめるカウンター席もあります。手前の座席は低反発のウレタンが入っており座り心地が良かったです。
前方座席も落ち着きがあります。
中央付近はこのようなサロン席となっています。
最上階は操舵室とデッキです。
本日はお披露目なので信号旗を並べる満船飾です。
デッキには直島らしくオブジェが置かれています。
「あさひ」の客室には船内イベントができるよう小さいながらステージが用意されており、内覧会ではゲストのいざぶろう(伊澤陽一+田ノ岡三郎)さんの演奏が行われました。今後船内でのミニコンサートなどを行う構想があるようです。
フェリーとしてはスタンダードな備讃型で奇をてらわず、「なおしま」同様ハイグレードな内装でまとめています。「なおしま」の内装は白を基調にしていましたが、いたずらなどで傷むケースがあり、「あさひ」は傷などが目立たないダークカラーに変更しています。
これで新しい世代の「なおしま」「あさひ」が揃い、四国汽船のキャッチフレーズ「アートな船旅」にふさわしい船隊となりました。新しい「あさひ」は3/16(金)より就航の予定です。末永く活躍して欲しいと思います。
「あさひ」は宇野-宮浦間が7往復、宮浦-高松間が2往復となります。高松に顔を出すのは以下の便のみです。
宮浦発:11:30 14:20
高松発:12:40 15:35
この他は「なおしま」での運航となります。
ちなみに内覧会の記念品はこちら。
就航記念のロゴ入りタオル・ボールペン・干菓子でした。
内覧会は造船所から引き渡しを受けた船会社が正式就航前にお披露目として行うもので、東海汽船の「橘丸(三代目)」就航の際も竹芝桟橋で内覧会が行われています。内覧会は通常新造時のみなので大変貴重な機会です。
四国汽船は瀬戸内海の直島への航路を運航しており、3隻のフェリーと3隻の旅客船を持っています。このうち1998年建造のフェリー「あさひ」が老朽化のため引退し、新しい「あさひ」の建造が行われることになりました。元の「あさひ」は交替を前に昨年のドック入り時に「あさひ2」と改名しています。
直島は長年三菱マテリアルの精錬所が島を支え、その資材搬送が四国汽船のお得意さんでしたが、近年直島はアートの島として世界的に注目されており特に3年に一度開催される瀬戸内国際芸術祭の期間中は多くの観光客が押し寄せるようになりました。2010年に開催された初回の芸術祭では想定を越えるお客であふれ、夕方にはフェリーに乗りきれないお客が多数出てしまうことになりました。車両の搭載を取りやめ、車両甲板にまでお客を乗せた臨時便を出して対応しています。
これまでの船隊では押し寄せる観光客に対応できないため2015年には先代「なおしま」より定員を50名増やした「なおしま」を就航させました。直島のシンボルともなった草間彌生さんの「赤カボチャ」をイメージした赤の水玉が目立つデザインで、洗練された内装とともにイメージを一新しました。
#Wikipediaでは現在の「なおしま」を二代目としていますが、先代「なおしま」に加え1990年代前半に国際フェリーの「第二十一こくさい丸」が移籍し「なおしま」として活躍していますから事実ではないようです。
「あさひ」も客室の増設などの対応を行ってきましたが「なおしま」が好評なことからペアを組む「あさひ」も2019年の次回芸術祭を前に新しい船に置き換えられることになりました。
新しい「あさひ」は「なおしま」と同じく大三島の藤原造船所で建造されています。987tで船首・船尾の双方にランプドアを持つ備讃型(瀬戸内型)フェリーです。上部(喫水線より上)は「なおしま」とほぼ同じで定員は450名から500名に増やされています。藤原造船所独特の油圧昇降式船首覆い甲板が略されており(前の日の記事の「なおしま」「あさひ2」の写真を見て頂くと覆い甲板が確認できます)、喫水線より下は最新技術により「なおしま」よりも水の抵抗を減らし燃費が改良されているとのこと。
それでは内覧会の様子から。
内覧会を前に直島町の関係者など来賓を集めた式典が開かれました。島の子供たちの太鼓が披露され完成を祝っています。
「なおしま」の水玉模様に対し「あさひ」は大きな赤の菱形が目立ちます。四国汽船の社章が漢数字の「四」を菱形にしたものですからこれをイメージしたと思われます。ご覧の通り新しい「あさひ」の晴れ姿にふさわしい快晴となりました。
次いで船長・機関長などにより横断幕が掲げられました。
丸い点に見えるのは缶バッジで、子供たちが絵を描いているそうです。
来賓の見学が一区切りとなったのちに一般の内覧会となります。早速船内に入ってみましょう。
まずは1階の車両甲板。こちらはスタンダードなものです。両脇にある階段またはエレベーターで2階の客室に上がる形です。
客室は「なおしま」同様大きな窓が特徴で、備讃瀬戸の風景を存分に楽しめるカウンター席もあります。手前の座席は低反発のウレタンが入っており座り心地が良かったです。
前方座席も落ち着きがあります。
中央付近はこのようなサロン席となっています。
最上階は操舵室とデッキです。
本日はお披露目なので信号旗を並べる満船飾です。
デッキには直島らしくオブジェが置かれています。
「あさひ」の客室には船内イベントができるよう小さいながらステージが用意されており、内覧会ではゲストのいざぶろう(伊澤陽一+田ノ岡三郎)さんの演奏が行われました。今後船内でのミニコンサートなどを行う構想があるようです。
フェリーとしてはスタンダードな備讃型で奇をてらわず、「なおしま」同様ハイグレードな内装でまとめています。「なおしま」の内装は白を基調にしていましたが、いたずらなどで傷むケースがあり、「あさひ」は傷などが目立たないダークカラーに変更しています。
これで新しい世代の「なおしま」「あさひ」が揃い、四国汽船のキャッチフレーズ「アートな船旅」にふさわしい船隊となりました。新しい「あさひ」は3/16(金)より就航の予定です。末永く活躍して欲しいと思います。
「あさひ」は宇野-宮浦間が7往復、宮浦-高松間が2往復となります。高松に顔を出すのは以下の便のみです。
宮浦発:11:30 14:20
高松発:12:40 15:35
この他は「なおしま」での運航となります。
ちなみに内覧会の記念品はこちら。
就航記念のロゴ入りタオル・ボールペン・干菓子でした。