八丈島移動運用メモ
[東京都八丈町]
八丈島は東京から約200km離れた伊豆諸島では2番目に大きな島です。八丈町はこの八丈島と隣の八丈小島を町域としており、人口は8,200人ほどです。正式な表記は東京都八丈町ですが、町内では慣例的に東京都八丈島八丈町という表記がされています。なお、東京都八丈支庁八丈町という表記は正しいものではありませんので使用にはご注意下さい。
JCG 10006(八丈)は八丈町と青ヶ島村、さらに「豆南諸島」と呼ばれる鳥島・スミス島などから成ります。豆南諸島はいずれも無人島で、八丈町と青ヶ島村とが所属を巡って争っており全国でも珍しい所属市町村未確定の地域です。東京都総務局の出先機関である八丈支庁に管理が委託されていますので、10006で問題ないと思います。
八丈島は八丈富士と三原山という2つの大きな火山からなる島で、2つの山の間に開けた平地に大賀郷や三根など大きな集落があります。ここを坂下と呼び、以南の三原山沿いの一帯にある樫立や末吉などの集落をまとめて坂上と呼んでいるみたいです。
江戸時代八丈島は佐渡と並んで島流し(流罪)の代表地でした。八丈は身分の高い人間が流され、彼らの伝えた高い文化が現在も残っています。八丈島に流された最初の流人は備前の戦国大名宇喜多秀家だったそうです。
海外旅行が一般的でなく、沖縄に行くのにもパスポートが必要だった昭和40年代前半には手軽なリゾート地だったそうです。また、昭和50年代には島出身の歌手畑中葉子さんが人気となり、漫画「がきデカ」のセリフ「八丈島のキョン!」で知名度が上がったのですが、その後は話題に乏しく観光客は釣り客が中心となり、長らく観光開発から取り残されていました。最近になって温泉や新鮮な食材を使った料理で観光地としての復活を目指しています。
明治期に八丈から沖縄県の南大東島へと開拓で移住した住民がおり、南大東島では祭りや郷土料理など八丈の風習が根付いています。八丈町と南大東村は姉妹縁組を結んでおり、現在でも定期的に相互訪問を行っているそうです。
なお、八丈小島は昭和40年代まで人が住んでいましたが、水道がなく電気も不十分という過酷な生活環境から過疎化し、残った住民も集団移住し無人島となりました。
アマチュア無線では地域クラブがあるほか、移動運用も多くあります。伊豆諸島では一番移動運用の数が多いようですが、移動局の使用するバンドに偏りがあり、穴場となっているバンドがいくつかあるようです。
[島内での運用]
V/UHFでは本土までの距離がかなりあるため、それなりの標高と設備が必要です。八丈富士の牧場や坂上の登龍峠などになりそうです。
HFは公園などで十分です。
[島へのアクセス]
全日空のジェット機が羽田から3往復あります。1便で八丈島に入り、最終便で羽田に戻れば日帰りも可能です。ただし八丈島空港は風向きが変わりやすく、パイロット泣かせの空港として知られています。就航率が低いため天気をよくチェックするか余裕をもたせたスケジュールを組まれることをお勧めします。
また、東京(竹芝桟橋)から東海汽船の船便もあります。夜の22時台に出航し、翌朝9時台に八丈島に到着します。折り返しは1時間後の10時台に出航しますので日帰りには向きません。当日の海況により底土港か八重根港のどちらかになり、さらに海況により八丈島の出航時刻を繰り上げることがありますから、八丈島から乗船の場合は必ず乗船当日の朝に発着港と時刻の確認を行ってください。
東海汽船はフェリーではありませんので車は運べません。原付バイク程度でしたら運べますので前もって東海汽船にご相談下さい。
[島内でのアクセス]
公共共通機関は町営バス・タクシーがあります。バスは利用客が少ないため本数も少ないです。タクシーの数も多くありませんのでご注意下さい。
この他レンタカー・レンタサイクルがあります。温泉は坂上に点在しているため、徒歩では難しいと思います。
[宿泊施設]
ホテル・民宿・ペンションなどがあります。観光協会などで紹介しています。キャンプ場もあります。
[島内の店]
スーパーが坂下を中心に数軒あり、弁当も販売しています。離島にしては割と夜遅くまで開いています。ただしコンビニはありませんので夜遅くなると買い物が難しいと思います。食堂も数多くありますから食べることには問題ないでしょう。アシタバ料理や魚がメインですが、パスタを出すカフェなどもできています。バーやスナックもいくつかあるようです。
金融機関は郵便局・みずほ銀行の出張所・七島信用組合があります。
[注意点]
全日空の八丈島便は欠航率が高いようです。離島の天気は変わりやすいので情報収集は欠かさないようにして下さい。この先の運航状況によっては繰り上げ搭乗が認められる場合もありますので、天気が荒れそうな場合は早めに空港のカウンターで相談して下さい。
[おみやげ]
焼酎・くさや・島寿司など。特に焼酎は芋と麦をブレンドした独特の味わいで根強い人気があります。現在も4軒の蔵元が盛業中ですので飲み比べてみるのもいいでしょう。島の商店や八丈島空港で手に入ります。
八丈島空港の名物が島寿司です。保冷剤を付けてくれるのでお土産として持ち帰りができます。遅い時間ですと完売していることが多いので予約がベターです。空港のレストラン「アカコッコ」で扱っています。
他にも島の素材を使った手作りの雑貨屋さんがいくつかできていますし、自宅を改装した小さなお店も増えてきています。まだまだ情報が少ないので最新情報は観光協会や島民のブログでチェックしてみて下さい。