JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

突然パイルになったら どう対応すれば?

2011-08-24 | JF4CAD技研

移動運用をしていると思わぬタイミングでパイルになることがあります。あるいは普段移動運用をしていない方でも記念局を運用したりすると同様にパイルに遭遇することがあります。そんなパイルに出くわしたら呼ばれる側としてどう対応したらいいのか簡単にまとめてみました。

 
[なぜパイルが起きるのか]
もちろん相手局が珍しいからであるのですが、以前のパイルと異なるのはクラスタの影響が強いことでしょう。珍しいところでもクラスタに上がっていなければ簡単にQSOできますが、クラスタに上がると一気に呼ばれ、大きなパイルになることが多いです。

逆に言えばQRPの局や大きなアンテナを張れない局が珍しい局を呼ぼうとしたらクラスタに上がる前が勝負といえます。入念なワッチこそが昔からの王道です。

 
[パイルが整然とするのも混乱するのもOP次第]
パイルを聞いていると、同じバンドでも整然としたパイルもあれば呼び合いになってぐちゃぐちゃになっているパイルもあります。この違いは呼んでいる側ではなく呼ばれている側の力量の違いによる部分が大きいように感じます。

パイルになっている局をワッチしてみて整然としたパイルと混乱したパイルでどこに違いがあるか確かめてみるのもいいのではないかと思います。整然としたパイルは流れるようなオペレーションになっており、呼ぶ側に的確な指示が出せて交通整理ができていることが多いと思います。

 
[基本はより多く聞こえた局を拾うこと]
パイルの中からどんな局をピックアップするのかがパイルを整然とさせる鍵だと思います。その一つの方法が「より多く聞こえた局を拾うこと」です。例えばパイルの中から「・・・AD」と聞こえた局よりも「・・・4CAD」と聞こえた局の方を拾うことになります。これはあとでコールサインの確認が取りやすいためです。コールサインが取れないとQSOは成立しませんから、より確実にコピーできた局を拾ってゆきましょう。

こうした強い局をこなしてゆくと次に強い局が拾えます。さらにこれを繰り返すと徐々に弱い局もピックアップできると思います。

 
[パイル中はショートQSOで]
パイルをさばく上でのもう一つの基本はショートQSOを心がけることです。これにより同じ時間で多くの局をピックアップできます。QSO成立に関係ない内容は極力削って大丈夫です。

7MHzや3.5MHzでは関係ないのかも知れませんが、ハイバンドや50MHzはCondxの影響を受けやすく、59の信号が数秒後にはノイズレベルまで落ちることもザラです。従ってこれらのバンドでQSOを成立させるためにはショートQSOが鉄則なのです。

実際の例ですとこうなります。
「JA3QRZ/6 ○○市移動 受信します」
「・・・・4CAD」
「4エリア CADどうぞ」
「JF4CAD 59です ありがとうございました」
「JF4CAD 同じく59 ありがとうございました さらにどうぞ」
これでJA3QRZ/6とJF4CADのQSOは成立しています。これなら数をこなせますから、待っている局もいらいらしなくて良いと思います。

とはいえ相手のあることですから、区切りでコールサインを送出する際に「たくさんの方に呼ばれていますのでショートQSOでお願いします」とあわせてアナウンスすればよいと思います。

時には知り合いの局が呼んでくる場合もあります。このような場合は挨拶程度の追加は大丈夫です。「では次回ゆっくりお願いします」で締めくくればいいのではと思います。

 
[呼び倒しは極力拾わない]
呼んでくる局の中には「ジャパ~ン アルファ~ ス~リ~ ケ~ベック~ ロ~ミ~オ~ ズ~ル~」といった具合でロングコールをする局や、コールバックも分からずあたり構わず呼んでくる局(呼び倒し)をする局がいます。

私の経験則で申し訳ありませんがこれらの局はこちらのコールサインすらまともにコピーせずに呼んできている局や、こちらのコールサインをなかなか取れない局も少なくなく、QSOに非常に時間を取られるケースが多いように感じます。こういう局の中にはパイルになっていることなどお構いなしで「ホームQTHはどこですか?」などQSO成立と関係ないことまで聞いてくる場合も少なくありません。こういった局はパイル中はなるべく拾わないようにして避けた方がいいと思います。

先ほどのJA3QRZ局の例でしたら「ジェイ エイ スリー クイーン レディオ ゼブラ」とフルコールをシンプルに呼んできた局の方があとのオペレーションがサクサク進むと思います。実はこういった局が一番ピックアップしやすいのも確かです。

 
[呼ばれすぎて手に負えなくなったら]
ご自分のキャパを越えるような大きなパイルになった場合は迷わずエリア指定を行うことをお勧めします。「分かりません もう一度お呼び下さい」を連発して下手に混乱させるよりもずっとスマートな方法だと思います。エリア指定のノウハウについては以前まとめていますのでこちらをご覧下さい。

クラブ局等で何人かオペレータがいる場合はパイルをさばける人に交替することも一つの選択肢だと思います。

 
[ハイバンド以上はリストを取るな]
最近7MHzなんかではサフィックスを呼ばせてリストを取り、順番に呼んでゆくリストQSOをやっている局が見受けられます。これを真似てハイバンドや50MHzでリストを取っている局も見受けられます。

しかしながら先に述べた通り、ハイバンドや50MHzではCondxが変化しやすいため、これらのバンドではリストQSOはやってはいけない選択肢です。再度呼ぼうとしたときには既にSが下がってQSOできないケースが続出するだけです。

ハイバンドや50でのパイルのさばき方の基本はオープン戦か早回しでのエリア指定になるんじゃないかと思います。少なくとも国内QSOではエリア指定だけで十分対応できます。

 
[パイル中にQRXしたいときは?]
長時間パイルをさばいているとトイレに行きたくなったなどQRXしたい事情が生じる場合があります。このような場合は「QRXします ○分後に再開します」と言えば大丈夫です。

 
[パイル中に終了するときは?]
パイルが継続しているけれど先の予定があってQRTしなければならない場合もあると思います。このような場合は終了前に「予め終了するという事実」と「終了のタイミング」を知らせながらオペレーションするのがいいと思います。

例えば「14時30分で終了させていただきます」でもいいですし、「あと5局で終了させて頂きます」でもいいと思います。

エリア指定をしている場合は現在回しているパターンで進め、パターンが一回りした時点で終了とするのが鉄則です。例えば「1」「2+9+0」「3+5」「4+6」「7+8」で回しているのなら、最後の「7+8」の指定を終えたところで終了とするべきです。

コメント (3)
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