このところ、すっかり打ちのめされているバッハの「無伴奏チェロ組曲」・・、聴けば聴くほど深みに嵌っていく感じだが、その中低音域の豊かな響きによって俄然「頭角」を現したのがこのウェストミンスター(改)の2ウェイシステムだ。
もうこれ一台あればほかのスピーカーは要らんかもしれんな~、という気持ちになりつつあるほどだ・・(笑)。
ただし、2000ヘルツ以上を受け持つコーラルのドライバー+マルチセルラーホーンを駆動するのは「WE300Bシングル」アンプで完全に決まりだけど、750ヘルツ以下を駆動するアンプについては二転三転しているのが実状。
中低音域は「プッシュプルアンプがいい」なんて軽率なことを書かなきゃよかったと思うほどの混乱ぶり~(笑)。
シングルアンプでも十分太刀打ちできることがわかったのだから、これはうれしい悲鳴。
実例を挙げるとして、まずは画像右側の黒いシャーシのアンプからいこう。
出力管の「6AR6」はかの有名な「ウェスタン」製のレーダー用として使われていた「350B」の血を引くもので製造メーカーは「タングソル」。
ただし、まともに使えるのは初期製造のものに限り、プレート部分が湾曲しているのが特徴で、それ以外は「駄球」となり下がってしまう(笑)。
五極管だけど、これを三極管接続にするとあの名管「PX4」(英国)とそっくりの周波数特性になるとの触れ込みで、とある工房で作っていただいたものだが、もう5年くらいにはなるかな~。
このアンプは前段管が「6SL7」という型番だが、このブランドによって音が千変万化するのが特徴で実に面白い。いろいろ試してきた。
「STC」(CV569)、「GE」(ニッケルプレート)、「シルヴァニア製」、RCA「スモークタイプ」そして「ソブテック」(ロシア製)
どれもこれも「帯に短し襷(たすき)に長し」という感じだったが、ようやく、このほど執念で手に入れた「ECC35」で決まり~。
ブランドは「ザイレックス」という名が記されているが、これは商社の名前なので製造元はおそらく「ムラード」あたりではないかと推測している。
この球に挿し代えてから、一挙に不満が解消した。音楽性とオーディオ性が見事に両立している。
な~に、自己満足に過ぎないんだけどね・・、2本購入したので息を引き取るまで困らなくて済みそうだ(笑)。
そして、次は画像左側の「2A3シングル」アンプ。
出力管「2A3」は人気管だけあってブランドは様々だが、我が家ではフランス製の「VISSEAUX」(日本語では「ヴィソウス」とでもいうのかな・・)の「刻印」を使っている。オークションでもめったに見かけない希少品である。低音域の再生が際立っているとの風評がある。
このアンプの前段管は「6DE7」という型番で、初段管とドライバー管の能力を併せ持っているという優れものだが、限られた狭いスペースでも活躍できるのでテレビ用かもしれない。
現在の手持ちは「レイセオン」「NEC」という顔ぶれだったが、このほど加わったのが画像左側の「RCA」。
で、古典管の世界では泣く子も黙るといわれるほどの「レイセオン」・・、今ではミサイル・メーカーとして世界に冠たる企業になっている。近年はウクライナやイスラエルの紛争でますます大儲けしていることだろう・・、とても真空管で儲けるぐらいの比ではない(笑)。
まあ、レイセオンなら大丈夫だろうと安心してこれまで使ってきたわけだが、この箱の模様からするとどうも後期のレイセオンのようで、もしかして名前貸しかもしれないなあ・・、疑心暗鬼のもと「RCA」に浮気してみたというわけ~。
バッチリ大正解だった。一言でいって「まったく違和感がないし、レイセオンよりも上」に尽きる!
両方のアンプとも750ヘルツ以下の再生において「プッシュプルアンプ」にまったく引けを取らない、いやそれどころか音の分解能にかけては断然優っている。
真空管アンプの「前段管」って ゆめゆめ おろそかに出来ないなあ・・、もちろん他の「出力管」も「整流管」も大切だけど、これらは比較的固定しやすいと思う、で、遊ぶのなら比較的お値段的にもとっつきやすい「前段管」だと思うんだけどねえ~(笑)。
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