「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「優先順位の高い音質」とは

2022年07月31日 | オーディオ談義

それほど広くもないスペース(6m×7m)に7系統のシステムがひしめきあっている我が家のオーディオルーム。

音響面では明らかにマイナスなのだろうが、目先が変わっていろいろ楽しめるというプラス面もあって「功罪相半ば」といったところだろうか。


機械モノはときどき通電してやる方がいいと聞いているので各システムをまんべんなく使用するように心がけているが、それぞれに捨てがたい味があってどのシステムがベストとはなかなか決め難いが、このところ一番視聴時間が多いのが、またかと言われそうだが(笑)、スピーカー「AXIOM80」(復刻版)+アンプ「6AR6シングル」(三極管接続:楕円形プレート管)の組み合わせ。





読者におかれては「えっ、71系アンプじゃないのか」と指摘されそうだが、たまには電気を通してやらないと、と、(71系アンプに)後ろ髪を引かれる思いで登場させたところ、改めて周波数レンジは広いし、フレッシュ感はあるしでどこといって欠点がなく極めて安定感のある実力派アンプであることを確認した。

このアンプは3年ほど前に購入したので我が家では新人の部類に入るが、当初からするといろいろ改変している。

知人にお願いしてボリュームをクラロスタットに交換、ほんの少しだが回路の手直し、そして最後は前段管の交換へ。

当初は「6SL7」だったが何となく不満で(笑)、変換用アダプターを使って「12AX7」(BRIMAR)、そして最後は「13D9」(BRIMAR)でようやく落ち着いた。奇しくもミュー(μ=増幅率)が70前後で「6SL7」とほぼ同じ値だった。

ちなみにBRIMAR(=STC:英国)の「13Dシリーズ」は現在「13D3」を2本づつプリアンプ2台に使用しているがまったく破綻を見せない極めて優秀な電圧増幅管として心から感服している状態。

いずれにしても、あの一癖も二癖もある「じゃじゃ馬ユニット・AXIOM80」を長時間駆動しても疲れない音というのだから、このアンプはそれだけでも生存競争を勝ち抜く立派な資格がある(笑)。

そういえば、近年、人生のステージによって好む音が変わってくることを実感している。あの芭蕉が唱えた「不易流行」に通じるものがあるのかな。

たとえば、現役の方々はとにかく仕事が忙しくてオーディオに割ける時間もなく(以前の自分がそうだった!)、たまに聴くときは刺激が欲しくてメリハリの利いた音を愛好するものだが、現在の自分のように家に居りさえすれば年から年中機器のスイッチを入れっぱなしの状態だと「身構える必要がなく、しかも聴き疲れしない音」が一番優先する要素となっている。

「魚釣りはフナ釣りに始まって、フナ釣りに終わる」という名言があるが、オーディオだって晩年になると「シンプルに終わる」のも、あながち的外れではないのかな~。

たとえばSPユニットはフルレンジを中心に据え、アンプはシンプルな回路で比較的小型で持ち重りのしないアンプを選ぶといった具合。

これは余談になるが、特に強調したいのは「重たくないアンプ」優先ということで、実は最近ブログ用の画像を撮ろうと「WE300B」アンプを持ち上げて移動させたところギクッと腰を痛めてしまった。

さあ、たいへん!



ようやく2~3日して良くなったが、それなりの年齢の方は重たいアンプにはくれぐれも用心しましょうねえ(笑)。



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名曲「なごり雪」「22才の別れ」の記念館

2022年07月30日 | 独り言

今年(2022年)の3月から4月にかけて心臓のカテーテル手術を3回にわたって受けたが、その時からずっと続けてきた断酒。

ただし、酒は一概に忌避すべきものでもないようで心臓の血流が良くなる側面もあるので飲み過ぎに気を付けさえすればいいそうだが、心臓に異物をいれる「おっかない手術」に懲りて、とりあえず食べ過ぎ、飲み過ぎは敬遠しようと誓った。

それから4か月経ったわけだが、このほど開始した1時間ウォーキングに出かけて汗びっしょりになって帰ってくると、さすがに耐えかねて「まあ、糖質0のビールくらいいいだろう」と、ついゴクリ。あ~っ、うまい!!

敬遠していたエアコンも見事に復活。

相変わらず意志が弱いですねえ(笑)。

断酒の経験がある方はお分かりのとおり、アルコール度の低いビールといえども、いったん(アルコールを)身体に容れると、もう歯止めが利かなくなる。

ウォーキングのせいにしながら、だんだんエスカレートしてウィスキーをちびり、ちびり・・。

すると、脳が麻痺してくるせいか我が家のオーディオサウンドが一段と良くなってくる~。

オーディオとアルコールは似合いの夫婦みたいなものですかね(笑)。

そして、こういうときに聴く音楽は不思議と歌謡曲がピタリとくるようだ。つい歌詞の意味にほだされるからかなあ。

ちあきなおみ、小椋佳、加藤登紀子、五輪真弓、島田祐子、美空ひばり、フランク永井

そして、止めは1975年に発表された「なごり雪」「22才の別れ」

わが青春時代に親しんだ名曲中の名曲として記憶の中にしっかりと刻み込まれているが、この二曲の作詞・作曲者ってご存知ですか?



わが大分県の津久見市出身でシンガーソングライターの「伊勢正三」さんです。

津久見市といえば大分県南部の海に面した「ミカンとセメント」の町として知られるが、高校野球も盛んでずっと昔「津久見高校」が夏の大会で全国制覇したけど覚えておられるかな。

気候風土と抒情的な曲風がどうもマッチしないけど・・(笑)。

そして、昨日(7月29日)の読売新聞に次のような記事が載っていた。



土・日だけの開館のようだが、クルマで1時間程度だからそのうち仲間と行ってみようかな。

記念館のオーディオシステムとしてスピーカーに「AXIOM80」を設置し、真空管アンプで「なごり雪」「22才の別れ」を終日流せば最高だけど・・、ひとつアドバイスしてみようかな(笑)。



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サバリッシュ指揮の魔笛

2022年07月29日 | 音楽談義

実に、久しぶりに(このブログで)オペラ「魔笛」の登場となった。

きっかけは「日経新聞・日曜版」(7月24日付け)のこの記事。



だいたい日経新聞の記事は社名どおり経済面が主だけれど、ほかの芸術的な記事などにもいつもセンスの良さを感じる。

この記事も、選曲の良さ、サバリッシュという指揮者の選択もGOODだが、ただし、解説記事がお粗末で自分の方がよほど上手く書けそう~(笑)。

何しろこの「魔笛」は生涯にわたって600曲以上も作曲した多作家のモーツァルトにとって、35歳で亡くなるその年(1791年)に作曲されており、いわば彼の音楽の「集大成」ともいえるオペラである。

クラシック界でも最高峰に位置する曲目として、メルヘン的な雰囲気の向こう側には、澄み切った青空のような透明感を通じて人間の営みの「はかなさ、虚しさ」がそこはかとなく投影されている。

したがって、子供でも楽しめるオペラなんてとんでもない!(笑)

文豪ゲーテ、楽聖ベートーヴェンなど一流どころの「お墨付き」を得ているが、日本でもあの「五味康佑」さんの好きな曲目「ベスト20」のうち堂々と第1位を占めている。

言い換えると、この曲を好きにならないと永遠にモーツァルトは縁遠い存在のままになると断言してもいいくらいの名曲。


実を言うとこのブログを16年前に始めた動機そのものが、「魔笛」の素晴らしさを広く世に伝え、最終的には「魔笛」に魅せられた愛好者ばかりが集まった全国的な「魔笛倶楽部」を創ろうというのがそもそもの発端だった。

しかし、ブログを開始して3か月も経たないうちに「魔笛」に関する材料が種切れとなり、仕方がないのでオーディオや読書などの話題を振りまかざるを得なくなって、いつの間にかブログの性格が変質してしまったというのが偽らざるところ。

今や(自分のブログの)メインになっているのは「オーディオ」だが、たしかに面白くてたまらない趣味には違いないが、この分野には「先達」がそれこそ”ごまん”といるのを承知している。

で、所詮は「井の中の蛙」に過ぎないし、それに人によって「好み」や「環境」があまりに違うので広く共感を呼ぶ話題としてはちょっと無理があるように思っている。

たとえば、自分がどんなに「いいシステムだ、いい音」だと力説しても、「僕はラジカセやヘッドフォンで聴く方が好きです、箱庭の世界のような雰囲気が好きなんです」と言われればそれまでの話(笑)。

その点、あらゆる民族の共通の言語ともいうべき音符の世界は共感できる幅が大きい。

「死ぬということはモーツァルトを聴けなくなることだ」と述懐した物理学者の「アインシュタイン」をはじめとして、老いも若きも、貧富の差もなく、秀才も鈍才も関係なく、都会と田舎の差もなく、そして人種を問わず万人が同列に楽しめる趣味なんて、この世に音楽を除いてほかにあるんだろうか。


さて、そこでいよいよ本題のサバリッシュ指揮の「魔笛」に移ろう。

以下、続く。



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知り合いがコロナに!

2022年07月28日 | 独り言

「カーナビの操作にわからないところがあるんで、そのうち来ていただいて教えてもらいたいんですけど・・。」と、馴染みのカーディーラーに勤務するKさんに連絡したところ、

「それがですね・・、実はコロナにやられてしまって現在自宅待機中なんですよ」

「え~っ、それはお気の毒ですね。どうかお大事に~。とはいえ、知り合いでコロナ患者からの情報は初めてです。よろしかったら、いろいろ教えてください」

「どうやら親戚の結婚式の時に罹ったみたいです。翌日からひどく咳き込むし、高熱も出てたいへんでした。ワクチンは2回打っていたのですが・・。

コロナは初期と比べて比較的軽い症状になっていると聞いてましたが、やはり侮れませんね。とても風邪どころではないほどひどいです。クスリは熱冷ましを呑む程度でした。

学生時代からずっとサッカーをやっていたので体力には自信があったんですが、(体力とは)関係ないみたいでほとほと弱りましたよ。

妻と子供は実家に帰しています。現在はようやく平熱に戻って36度台に落ち着きました。PCR検査で陰性証明をもらってから出社する予定です」

「そうですか、たいへんでしたね。どうかごゆっくり静養なさってください。我が家へはいつでもいいですからねえ」

「第7波襲来」で相変わらず猛威を奮う新型コロナだが、3月上旬に3回目のワクチンを打って、ようやく5か月経つのでそろそろ4回目の接種の通知が来るはずだ。

変異ウィルス「BA.5」にはあまり効果が無いという声もあるし、迷っているが専門家が反対しているわけでもないので打っておこうかな・・。

家内が心配して「運動ジムは危険なので行かない方がいいわよ」と言うが、「な~に全員マスク着用だし、数か所に設置してある大きな扇風機が換気しているので大丈夫だろう」と返しているが、老骨にとって2~3日おきの軽い筋トレは必須だしねえ。

むしろ、コロナ禍で運動不足になって不健康になることもあるだろうから、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」みたいなところがありますね。

ところで、「梅干しにコロナウィルスの増殖を抑える効果がある」と、つい先日のネット記事にあった。れっきとした学者の実験によるものなので信頼できるかも・・。



で、さっそく・・(笑)。



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我が家のサウンドを席巻する「71系アンプ」

2022年07月27日 | オーディオ談義

「あなたは気に入ったとなると、同じようなモノをいくつも買いたがるわね。」と、家内からときどき皮肉めいたことを言われる。

たしかに言われてみるとその通りで身の回りのモノのうち非常に大切と思うものは、万一故障して同じものが手に入らないと困るし、それに取り返しがつかない宝物を失った気持ちがするので、日頃からとかくスペアを準備しておきたがる癖がある。

いわば「心配症」。

さすがに「家内と一人娘」のスペアだけは確保できなかったが(笑)、日常的にその癖が顕著に発揮されているのが例によってオーディオ機器。

けっして自慢するつもりはないが、ざっと挙げてみると、

CDトランスポート2台、DAC3台、プリアンプ3台、パワーアンプ9台、スピーカー7系統、それからスペアの真空管が多数といった具合。

となると、機器同士を組み合わせるときの相性探しがたいへん。

もちろん、とびっきり優秀なアンプでとびっきり優秀なスピーカーを鳴らすという「一穴主義」もあるが、どんな音楽ソースにも対応してうまく鳴らせるSPというものを未だに知らない。

たとえば、フルトヴェングラーが指揮した音楽を聴こうと思えば、ドイツの鬱蒼とした森のような一塊のようなサウンドの再生に秀でていなければならない。

その一方、可憐なソプラノを聴くときなどは音像定位に優れた小口径のフルレンジが圧倒的な強さを発揮する、といった具合。

したがって、各家庭では平均するとおよそ80点ぐらいの妥協点でいろんなジャンルの音楽を聴くことになる。

かくして、我が家ではこれまではほぼ1週間ごとに「どういう音楽」を聴きたいかを主眼にスピーカーとアンプを組み合わせてきたが、このところようやく落ち着いてきた感がある。

そう、つい最近劇的な変身を遂げた「AXIOM80」のハイスピードに対応できる「71系」アンプが我が家のサウンドを「席巻」しているのだ。

ウッ、「席巻」(せっけん)って?

中国の古典「史記」に由来する言葉で、「席(むしろ)を巻くように片端から土地を攻め取ること、転じて圧倒的な勢いで自分の勢力範囲に収めること。」(広辞苑)

もう既にご存知でしたかな?(笑)

現在、手元には「71系のアンプ」が3台ある。



中段の左から「出力管」の種類のネーミングにより1号機「171シングル」、2号機「371Aプッシュプル」、3号機「71Aシングル」といった具合。

古典管を愛好する方にはお分かりのとおり「2桁番号はST管」「3ケタ番号はナス管」となる。

で、この3台は出力管に同じ「71系」を使っていても、それぞれ微妙に音質が違う。

1号機は中高音域の華やかさが抜きんでている、2号機は豊かな低音域に秀でている、3号機は前二者にはない「穏やかさ」があり長時間の試聴にはうってつけ。

目下のところ「AXIOM80」(初期版)には「371シングル」を、そして復刻版には「371Aプッシュプル」を充てているが、まったくより取り見取りの状態でその日の気分によって、これら3台をたらい回しにしている。

いずれも比較的小型で軽いアンプなので持ち上げても腰に負担がかかることがない。

歳をとればとるほど、アンプは軽くてシンプルなものに限りますな!(笑)



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部下が上司を育てる

2022年07月25日 | 独り言

「企業は人なり」という言葉がある。

どんなに科学が先進的になろうとも、たとえば「AI」が究極のレベルに到達したとしても最終的な成果はそれを運用する「人間」に左右される。

したがって、人材の育成はあらゆる業界で大切な要素になっているはず。


で、一般的に「上司は部下を育てる」ものとされているが、先日の日経新聞に「部下が上司を育てる」という逆説的な語句が目に入った。



ほう、これは面白い!(笑)

著者は元「ソニー・ミュージックエンタテイメント社長」の丸山茂雄氏。

学生時代に教師と喧嘩して「内申書」を書いてくれないというので、妥協せずに独自に「入学資格試験」を受けて合格したという方であり、お父さんはあの「丸山ワクチン」で有名な医学博士。

で、同社の幹部だった頃に業界紙の取材で「どう部下を育てているか」と聞かれて「上司は部下を育てられない。部下が上司を育てる」と答えたと文中にある。

エンタメ業界の特有の事情もあるのだろうが、一般的にもそういう面があるのも否めない。

たとえば、中学校から大学までの「先生と生徒」の関係では、難しい質問をしてくる生徒に先生が育てられることもきっとあるに違いない。

また、上下の関係ではないがプロ野球の世界でも好投手と好打者は相互依存というか相乗効果の関係にある。

たとえば、当時の話だが好投手ダルヴィッシュ(現在MLB)などを擁していたパリーグの方がはるかに(打撃力が)セリーグを上回っていたが、これも原因としては投手力の違いが指摘されていた。

で、37年間の宮仕えをしたわが身を振り返ってみると、部下を育てるというよりも「働く背中をみて参考になれば取り入れてくれ」という感じだったかなあ。

部下といっても個性も相性もそれぞれだし、それに肝心の当人だってさしたる取り柄もないし・・(笑)。

その一方、部下だった立場から見て「こういう上司になりたいなあ」というような理想的な上司にも残念ながら巡り合わなかった。

もともと、べったりくっつくのが嫌いな性質(たち)だったしねえ。

社会生活を営む上で「上司と部下の関係」は永遠のテーマのように思えるが、次のような言葉がネットにあった。

厚生労働省が発表した「平成28年雇用動向調査結果の概況」によると、転職者が前職を辞めた理由の割合は「給料が少ない」「労働条件が悪い」に続き、「人間関係が良くない」は3番目に多い理由となっており、その多くが上司との関係だ、とある。

そのうえで、次のような言葉があった。

「上司は完璧ではない。そして、部下である自分もまた完璧ではないはずだ。「上司とはこうあるべき」と理想を押し付けてしまうからこそ、相違が発生したときにギャップに対し怒りが湧くのだ。

大前提、上司は部下を育成し仕事でパフォーマンスを出せるようフォローすることが仕事である。

しかし、それが自分の理想どおり果たされないことを上司のせいにして仕事を辞める決断をする人の末路は悲惨である。なぜなら、どの会社に行っても自分と合わない完璧ではない上司というのは必ず存在するため、また同じ事を繰り返すからだ。

意見や価値観が異なる相手と信頼関係を構築し、マネジメントできる人間力を磨くことがこれからのビジネスパーソンに求められる最強のスキルではないだろうか。」

意表を突くタイトルから入って最後にはとうとう「ありきたりの結論」になってしまいまことに申し訳ない(笑)。



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公園のヴァイオリニスト

2022年07月24日 | 独り言

つい先日のこと、過去記事ランキングの上位に登場していたのが「太陽の光こそ最高の栄養です」。

昨年(2021年1月30日付け)の記事だが、はてさてどういう内容だったかな? 

たった1年半前の記事をすっかり忘れているのだからもう始末に負えない(笑)。

改めて内容を読み返してみると、ありきたりの食べ物の健康法と違って、「太陽の光は最高の栄養です」という内容だった。



要約して再掲すると、次のとおり。


 紫外線によって皮膚で作られるビタミンDは我々の免疫力を維持するために欠かすことのできない最高の栄養であり長寿ビタミンだ

 日焼けした「うつ病」患者はいない

 血中ビタミンD濃度が低いと動脈硬化が進み炎症が起きやすくなる

 コレステロールはビタミンDの原料になるのでむやみに下げない方が良い

 国民病ともされる糖尿病は血中ビタミン濃度が低いと発症しやすい

✰ 食物からビタミンDを取るとすれば鮭などの魚がいい

 ビタミンDの最も注目すべき効果は免疫をコントロールする力にある

 日光浴は週3日、「長袖長ズボン」の場合は15分以上、「半袖半ズボン」の場合は7分以上、それ以上浴びると皮膚にとって有害となる照射時間は40分が目安

 最終章では平均的な数値の指標で「血中ビタミンD濃度」と「新型コロナウィルスによる死亡者数」との相関グラフが示され、前者が低い国ほど死亡者数が多いショッキングな事実が示されている。

といった調子。

そういえば、このところ「運動ジム」ばかりで太陽光不足だったなあと、大いに触発されて久しぶりにクルマで15分ほどの公園に出かけ水筒を肩からぶら下げて太陽光を浴びながら1時間ほどゆったりウォーキング。

青々とした緑が目に映えてとても新鮮だったし、密集した木々のおかげで日陰も結構あってなかなか快適。これは病みつきになりそう(笑)。

そのうち微かにヴァイオリンの音色が聴こえてきた。

あらまあ・・。



近くによってスマホでパチリ。

どうせ初心者に毛の生えた程度だろうと思っていたらなかなかどうして~。

「G線上のアリア」(バッハ)を弾かれていたが、しばしうっとりと聴きほれてしまった。「間接音」抜きの生のヴァイオリンって、とても聴きやすい。

こういう市井の芸術家がいらっしゃるのだから別府もなかなか捨てたものじゃないですねえ・・(笑)。



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変幻自在のスピーカー

2022年07月23日 | オーディオ談義

昨日(22日)早朝のこと、いきなりパソコンが不調になってしまった。立ち上げの画像は出るのだが、そのうち画像が暗くなって消えてしまう。

思いもかけない不調に弱ったなあ・・、しかもまったく打つ手なし。

朝食後にクルマで40分ほどの同じ型番のパソコンを持っているMさん(大分市)宅に持ち込んだところ、何とパソコン自体ではなく「電源コード」の故障が判明した。

とりあえず(コードを)Mさんから借りることにして一件落着。比較的簡単な故障で済んで良かったが、生活に密着したパソコンが動かないとまるで手足をもがれたような感じになる。日課のようになっているブログも投稿できないしね~(笑)。

閑話休題

さて、このところのオーディオ記事といえば「AXIOM80」についての話ばかり。

またかとウンザリされそうだが今回もそれでいこう(笑)。

たった1枚のビニールで音が激変した「AXIOM80」(初期版)といってもおそらく信じてもらえないだろうが、実際にそうなのだから仕方がない。

けっしてオーヴァーではないつもりだけど、そうなるともう一組の「復刻版」をどうしようか。



左が「初期版」で右が「復刻版」。響きを良くするためにボックスを薄板(1.2~1.5cm)で作っている。ご覧のとおり粗削りだが市販の箱は「厚板」ばかりなのでどうしても余韻に乏しくて不満が溜まる。

ちなみに、オーディオはSPボックスの自作あるいは改良、さらには「古典管転がし」をしないと楽しさが半減すると思っている。

で、復刻版は箱が小さいし今さら聴く気も起らないので、ユニットだけ外して「スペアにしようかな」と、思ったが「まあ、ダメ元でチャレンジしてみようか」と、つい浮気心が沸き起こった(笑)。

ここでも「1枚のビニール」の登場となった。

後ろ側の板に「ARU」(背圧調整器)のつもりで開けた直径10cmほどの穴にビニールを被せてみた。



左右の箱に30分ぐらいで取り付け完了。

ただし、その後の実験によってこのビニールの広さで音がくるくる変わることを発見。もちろん、目いっぱい広い方が断然いい!



結局、次のような佇まいへ。





初期版のときと同じようにSPボックスの支えは「移動用滑車」を浮かせているが、これでかなり響きが違ってくる。

ワクワクドキドキしながら耳を傾けてみると、想像以上にスッキリ爽やかな音が出てきた!

「AXIOM80」がうまく鳴らないときはすぐにわかる。高音域が神経質になってキンキンした音が出てくるが、今回は微塵もその気配がない。

そして、初期版の方にはふっくらとした柔らかさが感じられたが、こちらは端正な佇まいのもと、響きがやや少ない分フォーカスがピタリと決まる感じで、こういう音も十分有りなんだよなあと思わず感じ入った。

それにSPボックスの下側の空間が空いているのが効果的のようで音がまとわりつかないという小さなボックスなりのメリットもあるようだ。

大きい箱が常にいいとは限らないし、オーディオにはプラスとマイナスの要素があって、いつも差引勘定で成り立っていることを痛感させられる。

オーディオはどうやら計算高い人間に向いているようですよ(笑)。

かくして、いつものように自画自賛になるが今回の「ダメ元でのチャレンジ」は大成功でした。スペアにしようなんてとんでもない考えだった!

変幻自在の顔を持つ「AXIOM80」を心から楽しもうと思ったら、やっぱり少なくとも2ペアは要りますね(笑)。



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早とちり「二題」

2022年07月21日 | 独り言

「早とちり」という言葉がある。大半の方がご存じだろうが、念のために「広辞苑」から引用すると「せっかちに判断して間違えること。用例としては、”早とちり”して大失敗する」

で、事例を「二題」あげてみよう。

一つ目は先月(6月2日)に投稿した「ノーベル賞確実のワクチン開発者」の中で、次のように述べていた。

「およそ2年半にわたって猛威を振るってきた「コロナ禍」もどうやら終焉を迎えつつあるようで、このところ全国的に罹患数、重病者、死者数が減ってきている。

現在開会中の「国会審議」でも「マスク着用の是非」が討論されるほどだから、ひと頃とは隔世の感がある。

で、あの100年前の「スペイン風邪」も2年半で終焉を迎えたそうなのでやはり最低でもそのくらいの期間が必要なのだろうが、当時とは違って現代は飛行機などによる国際的な人の往来も桁外れであり、むしろよくぞ2年半ぐらいで終わったと喜ぶべきことかもしれない。」

ところが・・、今や猛烈な「第7波」襲来ですから完全な「早とちり」でしたね、我が身を恥じるばかりで穴があったら入りたい(笑)。

それにしてもこのウィルス(BA・5)は姿を変えて何とか生き延びようとするのだからメチャしぶとい。

根絶は無理そうなので、これからはある程度「人類」と共存していくことが予想されるわけだが、他国ながら心配になるのが「ウィルスとの共存を頑なに拒否する」中国の「ゼロコロナ」政策で、こんな重症化が少ないウィルスに対しても何回も過酷な都市のロックダウンを繰り返しているとそのうち暴動が起きるんじゃないかな。

中国の歴史を見ると、体制の崩壊はすべて民衆の暴動が契機だそうだから、もしかして大騒動が続けば言論の自由が保障された「民主主義国家」への転身の契機になるかもですね~。

二つ目は「梅雨の終了宣言」。

今年は早々と6月中に梅雨の終了宣言が行われたが、7月の中旬に入ってから全国的にまるで梅雨末期みたいな降り方になっている。期間にしても降雨量にしても梅雨そのものですね、これは~!

梅雨の「中休み」が長かっただけで、ほんとうは(梅雨は)終わってなかったのじゃなかろうか。この辺は気象庁から一言説明があっても然るべきと思うがどうなんだろう。

ま、どうでもいいか(笑)。

とはいえ、このところの雨のおかげで気温が30度を超えることなく比較的涼しい毎日が過ごせている。

おかげさまでDAコンバーター「エルガー プラス」(dCS:英国)の出番がやってきた。(天板に載せているのはアルミ製のヒートシンク)



何しろこのDACは室温が30度を超えた状態で使っていると、天板が異常なほどの高温になって、コンデンサーなどの劣化が心配なので7月~9月は使わないようにしているほどだが、ときどきは電気を入れてやらなければと、気になっていた。

発売後からすると軽く20年は過ぎているのでデジタル機器の日進月歩の潮流から取り残されており、スペック的には旧石器時代の遺物みたいなものだが音質は流石にいい。

低音域の伸びと量感にかけてはこれが一番だから絶対に手放せない存在。

とはいえ、現在オークションにとても魅力的な「後継機種」が出品されている。

その名前は「Vivaldi」(ヴィヴァルディ)。dCSは製品に作曲家の名前を付けるのが好きと見える。






出品価格は「220万円」也・・。

どなたか寄付してくれないかなあ(笑)。


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彷徨する「赤い旅人」たちの終着駅

2022年07月20日 | オーディオ談義

我が家のオーディオを象徴するスピーカー「AXIOM80」(英国:グッドマン社、以下「80」)。

欠点もいろいろあるユニットだが、いくら少々飽きっぽい自分でもこればかりは命朽ち果てるまで運命を共にしようと誓っている。

名スピーカーは数あれど なぜ?

以前のこと、「80」のある愛好家が次のようなことを仰っていた。


「ほんとうに性能のいいスピーカーに巡り会えて私たちは幸せものですよ。長年使ってもまったく飽きが来ず、汲めども汲めども尽きない泉のようなところがあります。

アンプをはじめとする周辺機器の能力をたちどころに明らかにするので常に新たな発見があります。このユニットを聴き慣れると、他所様(よそさま)のどんなシステムに接し
てもけっして驚くことがありませんし、大ポカ(無駄遣い)をしなくて済みますね~」。

あれやこれや、どんなに高価であろうと、そしてどんなに凝ったシステムであろうと、クラシックの弦楽器の迫真的な再現性はこの「80」の右に出るものはなく、「生で聴くヴァイオリンよりも魅力的だ」との評価はけっして伊達ではない。

何しろユニットのツクリが通常のスピーカーとはまったく違うので頷けるわけだが、
この「80」は製作時期によって仕様が異なっており、我が家では手元にある2ペアのうち「初期版」が1ペア、「復刻版」が1ペアとなっている。

どこが違うかといえば、たとえば「マグネット」の磁力、コーン紙の軽重など、音の本質に関わる箇所の違いが所有者の悲喜交々な感情を呼び起こす。

関連して、以前のことだが東京都在住の「A」さんという方からメールをいただいたことがある。(匿名ということで無断掲載お許しください。)

「初めてのお便り大変失礼申し上げます。ブログ拝見させて戴きました。東京〇〇市に住むAと申します。
 
私も80には大変興味を抱いて40年にもなろうかと思います。以前、都内の友人がデッカ箱を我が家に持参し、箱毎鳴らしたほうがAxiomらしいと薄厚の箱に搭載し試聴しました。 
 
結果はなるほどと普段箱を必要としない聴き方をしている私も驚きました。 このSPは箱で苦労されてる方が少なからずいると思いますがそれもオーディオの楽しみなのですね。 
 
私の楽しみ方は床の上にゴロッと置いて思いっきりボリュウムを上げ近い位置で聴いています。部屋が大きくないので低域の量感には不満はありません。リアルな中高域はなんとも素晴らしいです。
 
ただ、このユニットは酷使すると不具合が多く発生します。 
 
最近、スペアーパーツを自作し末永く楽しめるように環境を整えました。今朝もボイスコイル4個製作してみました。全て合格となりました。楽しみが益々増えてこの先安心ですね。 
 
お互いオーディオをおおいに楽しみたいものです。大変失礼致しました。」

以上のような文面だったが、添付されていた画像に驚いた。

        

何じゃ、これは~!(笑)

あの複雑で繊細極まりないユニットを限りなく分解されているのだ。しかもボイスコイルまで自作されるなんて!

すぐに返信メールを打った。

「ユニットの生命ともいうべきマグネットはどうされているんですか?」

その回答は、

「ここに来る80はコーンの破損やコイルタッチ、断線、異音、底打ちと様々な症状を
持った赤いマグネット達です。いろんな場所を歩き回って疲労しきった旅人なのでしょうか。かなり減磁していることでしょう。でもこの旅人達の再出発に再度息を吹き還らすことができればどんなにか嬉しいことでしょう。その赤い旅人だけを使います。ローサーも同じです。」

以上のとおりだが「赤い旅人」とは言い得て妙だと感心した。

            

確認の意味で我が家の復刻版の画像を掲載したが、ご覧のとおりマグネットの部分の個性的な「赤色」が「赤い旅人」と称される所以である。

他のイギリス系のユニットでもオークションなどでたまに「赤色マグネット」仕様を見ると思わずドキリとして「さぞやいい音がするだろう」と思わず舌なめずりしたくなるほど(笑)。

ちなみに、我が家で現用中のワーフェデール「スーパー12」「スーパー―10」「スーパー3」はすべて赤帯マグネットである。


ただし、80は繊細極まりないツクリのせいで壊れやすいことおびただしく、我が家でもこれまで修繕に出したこと度々で思いつくだけでも3回にはなる。

少しでも過大入力を与えると、ガサゴソとノイズが発生するし、鳴らし方(箱とかアンプに起因)が悪いとキャンキャンするような音になるなど、メチャ使いこなしが難しく、やむなく諦めて手放す人も多いと聞く。

そういう彷徨する「赤い旅人」たちの終着駅が、結局「A」さん宅になっているのだろう。

つくづく世間の広さを思い知りました!



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「野球は失敗のスポーツ」なのか

2022年07月19日 | 独り言

プロ野球「ペナントレース」の行方もセの方は早々に決着したようで昨年の日本一「ヤクルト」が独走中。

で、巨人ファンの我が家のカミさんはここ2か月あまりご機嫌がイマイチだ(笑)。

仕事から帰ってくると夕食もそこそこに自室にこもって「テレビ」(55インチ)で熱心に巨人の試合を見入っている。CS放送の「巨人全試合中継」チャンネルと契約しているので見逃すことがない。

なぜ巨人が好きなのか、面と向かって問い詰めたことはないのだが、どうやら7年ほど前に亡くなった「実姉」が巨人ファンだったのでその影響のようだ。

で、前述したように今年の巨人は投手陣も打撃陣もサッパリでヤクルトから差を開けられるばかり。

「あ~あ、また、もう!」とカミさんの憤りを込めた悲鳴がときどきオーディオルームまで聞こえてくるのがご愛嬌。

家庭円満のためには自分も巨人ファンが一番いいのだろうが、チームカラーとしては「ヤクルト」が好きなのでなるべく内に秘めるように心がけている。

いわば、これが「面従腹背」というやつですか(笑)。

そういえば、作家の村上春樹さんもヤクルト・ファンで、神宮球場での試合観戦中(外野席)にファールボールが飛んできて、ふとその瞬間に作家になろうと思い立ったことがエッセイに記されている。

また、このほど亡くなられた安倍元首相もヤクルト・ファンで有名だった。

で、野球中継の話に移るが若いころは一心不乱に観ていたのだが、だんだんと「投手と打者の対決」が間延びしているかのように感じてきて退屈感を覚えるようになってきた。具体的にはボール宣告3つとストライク宣告2つのカウントまでがどうもまどろっこしい。

歳をとって気が短くなったせいかな(笑)。

そこで登場するのが「プロ野球ハイライト」(CS放送:1時間)で、セ・パ全チームの選手の活躍ぶりがわかるし将来有望な選手の発掘もかねて毎日楽しみながら観ているが、今年はどうやら「投高打低」のようですね。

何かの本に「野球は失敗のスポーツ」という表現があったが、投攻守にわたってミスをした方が負けだし、それにどんな名選手でも10回打ったら7回は失敗するのでその通りなんだろう。

投手は「絶対に打たせないぞ」と、力を込めて投げる、その一方打者は「絶対に打ってやる」の一騎打ちだが、どちらが有利かは何しろ投手の味方がほかに8人も控えているのだから、はなっから投手の方だろう。

たとえば、投手大谷と打者大谷が対戦した場合、前者が勝つ割合が圧倒的に高い気がする。

先日の日経新聞に次のような記事があった。



「最新のテクノロジーの恩恵は打者より投手の方が受けやすい」とあり、これからも投手有利の状況が続いていくようなので、端的にチームを強くしようと思ったら、投手の方にお金を注ぎこむのが常道だろう。

かくして、日本の至宝「大谷選手」が所属するMLBの「エンゼルス」は打者ばかりにお金をかけているので一向に強くならない。

来年限りで契約が切れる大谷選手も早くこんな「おんぼろチーム」に別れを告げて新天地を求めるべきだ。

ヤンキース、レッドソックス、メッツ、ドジャースといった「金満球団」が60億円(年間)以上出すという噂がネットを飛び交っているが、はたしてどこの球団に落ち着くか、興味は尽きない。



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音楽とオーディオのどちらを優先する?

2022年07月17日 | 音楽談義

つい先日、家内がドキリとするようなことを言った。

「昔は、お父さんはモーツァルトの音楽を聴いて”涙が出るほどいいなあ~”とよく感激していたのに、最近はなんだかオーディオばっかり熱中してちっとも音楽のことを話題にしなくなったね~」。

ウーム、言われてみるとそうかもしれない。このところ、どうも音楽にのめり込む気がしないのも事実で、どうもこの暑さで集中力が散漫になっているせいかな。

いや、暑さのせいではなく歳のせいで感受性が鈍くなったことが本当のところだろう(笑)。

このブログでもこのところ、好きな曲目の紹介など音楽関係の記事はほぼ無縁の状態で「スピーカーをどうしたこうした」とかのオーディオ関係の記事ばかりで埋め尽くされている。

で、ここで「音楽&とオーディオ」の関係について考えてみよう。

今さら改めて述べるほどのことでもないが、これはいわば「主従の関係」であり「目的と手段」の関係でもある。

もちろん王様が音楽、オーディオが召使いである。音楽を聴くためにオーデイオがあるのだから当然至極。

そして、音楽がおろそかになってオーディオが主になっている人は俗にいう「音キチ」とされ、これは道を踏み間違えて倒錯している人に対する蔑称となる。

で、当然のごとく「音キチでいいじゃないか!」と開き直る方がいてもちっとも不思議ではない。

実は自分もその心境に近づいている(笑)。

若干言い訳めくが「好きな音楽をいい音で聴きたい」と、一心不乱にシステムの一部を代えたり、ちょっとした工夫で「いい音」になったときの快感が忘れられず、それは名曲に親しむときに覚える快感に勝るとも劣らない。

とはいえ、「キリがない」のも事実で、いくら「いい音」を手に入れたとしても何回も聴いているうちに何かしら不満が出てきてどこかをいじりたくなる、その繰り返しが延々と続いていく。いわばずっとトンネルの中にいて出口の明かりが見えないようなものかもしれない。

対比するとしたら、音楽は完結の世界になるが、オーディオは永遠に彷徨を続ける未完の世界となる。

で、どちらが飽きないかといえばそれは後者でしょう(笑)。どんなに気に入った音楽でも何回も聴いていると飽きてくる経験をどなたでもお持ちのはずだから。

ここで、先日のブログでも取り上げた村上春樹さんの言葉を引用しよう。

「 僕は思うのだが、優れた芸術とは多くの奥深い疑問を我々に突き付けるテキストのことだ。そしてたいていの場合、そこには解答は用意されていない。解答は我々一人ひとりが自分の力で見つけていくしかない。

おまけにそのテキストは~もしそれが優れたテキストであればだが~休みなく動き続け、形を変え続ける。そこには無限の可能性がある。時には間違った解答も出てくることもあるかもしれない。そこにはそんな危険性もある、しかし可能性とは危険性の同義語でもあるのだ。」

つまり、正解でも間違いでも構わない、自分さえ納得できたら誰が何といおうと「それでよし」ということでしょうか。

言い換えると「音楽&オーディオ」は何も「飯の種」じゃないんだから、どちらを優先しようとしまいと、本人の好き勝手にやればいい。

面倒くさい話は抜きにして、そういうことで行きましょう、ねっ(笑)。



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ミステリーの傑作

2022年07月16日 | 読書コーナー



「巻を措く能わず」(かんをおくあたわず)という言葉がある。「非常に面白くて一気に最後まで読んでしまう」という意味だが、まさに本書が該当する。

食事に時間を割くのが忌々しくなるほどで(笑)、年に数冊出会えるかどうかの傑作。

著者の「翔田 寛」(しょうだ かん)氏は過去に江戸川乱歩賞を受賞されている。上から目線の物言いになるが、当時から「この人は才能あり」と思っていたが、期待に違わず次から次に傑作をものにされている。

そして最新刊が本書(2022年3月26日)だ。

ネットにレビューがあったので2件ほど紹介。

「1枚の油絵の真贋を巡る調査から浮かび上がってきたのは100年以上前に起こった女性の失踪事件。婚約者を訪ねる途中、山中で忽然と姿を消した女性と明治期を代表する洋画家・高橋由一の描いた奇妙な違和感を感じさせる絵のつながりは?

明治時代の道路建設をめぐる百姓一揆や信仰、警察社会などの時代背景がしっかり描かれており、まるでノンフィクションを読んでいるような印象。調べを進めるごとに深まる謎と現代で新たに起こる殺人事件。1枚の絵から明らかになる事実をパズルのように組立て、謎を解いていく展開が面白い美術ミステリーだった。」

次に二つ目。

「実在の画家の絵をテーマにした小説で、史実とフィクションを織り交ぜた展開にリアリティがあった。日本文化史が専門の准教授・香織のもとを、かつての教え子・はるかが相談に訪れた。

彼女の実家が所有する油絵を売却しようとしたところ、贋作の疑いが掛けられたという。一枚の絵の真贋を巡る調査は、やがて絵が描かれた明治時代のある行方不明事件の真相を暴く事になる。明治時代の社会情勢も取り入れ、現代と過去を交互に描く構成がスリリングだった。一枚の絵が雄弁に語る真実に、耳を傾ける人がいて良かった。美術好きにお薦めしたい一冊。」

文中に出てくる明治期の洋画家「高橋由一」といっても、ピンと来ない方が大半だと思うがこの「鮭の絵」をご覧になったら、「ああ、あれか」という方がきっといらっしゃることだろう。



そう、教科書に載ってましたね。国の「重要文化財指定」作品です。

もし「お宝なんでも鑑定団」に出品されたとしたら「千万円」単位のお値段がつきまっせ~(笑)。



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一度は行ってみたかったバイロイト音楽祭

2022年07月15日 | 音楽談義

現役時代にときどき夢想していたのがクルマでの日本一周旅行だったが、今となっては健康の問題もあってとうてい叶わぬ夢となった。

そして海外に目を転じると何といっても「バイロイト音楽祭」だったが、これはもはや絶望の域へ(笑)。

せめて、昔の記事で渇きを癒そう。

いつも新聞のセンセーショナルな見出し広告に釣られて読むものの、期待を裏切られてもう買わないぞと誓うのだが、ほとぼりが冷めるとつい手が出てしまう月刊誌「文藝春秋」。

   

ただし、今回の10月号はそれなりの意義があった。なぜなら作家の村上春樹さんが特別寄稿されていたからで、そのタイトルは次のとおり。

バイロイト日記「至るところにある妄想」~この夏、ドイツでワーグナーと向き合って考えたこと~

ワーグナーにはモーツァルトほどの興味はないが、それかといって絶対に無視できない存在だし、何せ村上さんの文章なのでこれは買わざるを得ない(笑)。

ワクワクしながら70頁ほどを一気に読ませていただいたが、期待に違わぬ内容だった。

おそらく生涯のうちにもはや行くこともないであろう「バイロイト音楽祭」の雰囲気にチョッピリ浸れた気分になっただけでもとてもありがたい。

読まれた方も多いと思うが、自分のために概要(抜粋)を記録しておくとしよう。

村上氏のご訪問時期は2019年7月下旬の暑い盛りのことで日記風に綴られている。

 ドイツの新聞社の依頼により、「実際にワーグナーのオペラを観劇して原稿を書いてくれ」という依頼がこの春に飛び込んできた。スケジュールの都合により一度は断ったものの、指揮者が「ティーレマン」と聞いて段々と心変わりしてしまった。

 劇場に着いてみると全体に漂っているのは間違いなくコンサヴァティブな雰囲気である。要するに見るからに裕福そうな身なりのドイツ人たちが国中からこの南ドイツの標高500mほどの山あいにある小都市に参集してくるわけだ。

おおかたは中高年ばかりで若い人たちには切符も高いし、敷居も高いのだろう。劇場には冷房装置が付いておらず(なにしろ基本的に140年前に建てられたままだから)扇子でもないとたまらない。

 劇場の客席は2000ほどだがぎっしり満員で、すし詰め状態。何しろ席が狭くて一度腰を下ろしたらもう外には出られない。

 大きな蓋を上から被せられたようなかっこうで客席からは見えなくなっているオーケストラ・ピット。その音がいったん板張りの壁にぶつかって跳ね返り、客席に響き戻ってくる。

 まるで地の底から音がわき上がってくるような、特別な響きがそこに生まれる。その音響を地上で受け止め、混然一体として混じり込む強力な歌唱と合唱。

 その混じり合いが、現実の世界とは成り立ちの異なるもう一つの新たな空間を、我々の眼前に鮮やかに浮かび上がらせる~世界の呪術的移動。

 個々の歌手の歌唱ももちろん素晴らしいのだが、聴衆の心にもっとも強く迫ってくるのは、何といってもこの得も言われぬ一体感だろう。

 音楽とドラマを対等に組み合わせようとしたワーグナーの世界観が、そこには見事に具現されている。

 あたかも音楽が意識下の世界にあり、ドラマが意識上の世界にあるかのように僕には感じられる。あるいはそう聴きとれる。そう、それこそがバイロイトの響きであり、バイロイトの音楽なのだ。

 僕は思うのだが、優れた芸術とは多くの奥深い疑問を我々に突き付けるテキストのことだ。そしてたいていの場合、そこには解答は用意されていない。解答は我々一人ひとりが自分の力で見つけていくしかない。

 おまけにそのテキストは~もしそれが優れたテキストであればだが~休みなく動き続け、形を変え続ける。そこには無限の可能性がある。時には間違った解答も出てくることもあるかもしれない。そこにはそんな危険性もある、しかし可能性とは危険性の同義語でもあるのだ。

 僕はそのような多くの奥深い疑問と、いくつかの僕なりの解答と、そして深く純粋な音楽的感動を手に、バイロイト駅からミュンヘン空港へ向かった。そしてまた日本へと。

以上のとおりだが、興味のある方はぜひ全文を読まれることをお薦めします。いつもの「村上ワールド」を堪能できますよ。

最後に、読後の取り留めのない感想を3点ほど挙げておくと、

 ドイツにはクラシック音楽が広く深く根付いている。それが民族の矜持となり一つの思想的な潮流となって、いろんな施策やモノづくりの根底にある哲学や姿勢に色濃く反映されている気がする。ちなみに今回のバイロイト音楽祭もメルケル首相が出席していたそうだ。

翻って日本にはそういうバックボーンがあるのだろうか。

    

(ローマ教皇に「フルトヴェングラー全集」を進呈するメルケル首相)

 バイロイト音楽祭に比べたら、ワーグナーの楽劇の再生を家庭のオーディオ・システムでいかに図ろうと、所詮は「五十歩百歩」ですかね(笑)。

 音楽とドラマで成り立つオペラだが、モーツァルトは音楽こそが主導権を握ってドラマを引っ張っていくべきだと主張している。

その一方、ワーグナーの楽劇では両者を対等の世界として構築している。

いったいどちらがより「人の心」を打つのかと考えた時に、モーツァルト・ファンとワーグナー・ファンの分岐点がそこにあるような気がする。



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真夏の騒動記~エースの酷使を避けよう~

2022年07月14日 | オーディオ談義

このところスピーカーは専ら「AXIOM80」を使っている。とにかく、暑い時期は爽やかで涼しい音がよろしい(笑)。

で、このSPにもっとも相性がいいのが「071アンプ」。能力自体は別ですよ!



毎日、図書館と運動ジムに行く時間を除いてスイッチを入れっぱなしになるが、時間にすると1日当たり12時間前後にもなろうか。何しろ本を読むときも鳴らしっぱなしなんだから。

となると、鳴らせば鳴らすほど音がこなれてくるSPと違って、真空管も含めてアンプは所詮「消耗品」なので寿命が心配になってくる。

それにどんなに「気に入った音」であろうと、たまには違う音も聴きたくなる(笑)。さらにはアンプ類はときどき電気を通してやらないと目覚めが遅くなって故障の一因にもなる。

いろいろ理屈をこねまわしながら、結局二番目候補というか「準エース」の出番となった。



同じ「71A系」のアンプだが、右側がエース、そして左側が今回「俎上」の準エース。両方ともオーディオ仲間の「N」さん(大分市)から3か月ほど前に改造してもらったものだ。

両者の違いは、「前段管」、「出力管」、「整流管」と「回路」になるが、やはり実際に音を出してみると、言葉では表現できないほどの微妙な差になるものの、やはり違う。

どうも、(準エースが)しっくりこないのでジタバタ騒動してみた。

まずは整流管(交流を直流に代える役目)を「80S」(BRIMAR)から「OKーX213」(ナス管メッシュプレート)に交換したところガラッと変わった。

これまで耳に馴染んできた「エース」の音により近づいた感じがする。

あえて述べれば「80S」は性能が良すぎて洗いざらい白日の下にさらけ出す感じだが、「OK・・」は奥ゆかしさがあって全体的に上品な雰囲気が漂ってくる。明らかにこちらの方が「色気」があって好みだなあ(笑)。

次に前段管の差し替えに移った。

候補は「AC/HL」(英国マツダ:初期版)と「MHL-4」(英国オスラム)の一騎打ちだ。前者は「μ(ミュー)=増幅率」が「30前後」で後者は「20前後」とかなり違う。

「μ」の違いによって球の内部抵抗が変わってくる。「μ」が高いほど内部抵抗が高くなるそうだ。

こういう時は古典管の泰山北斗「北国の真空管博士」に相談するに限る。

「AC/HLとMHL-4のどちらを使うか迷ってます。基本的な話ですが、同じような音の場合、内部抵抗が低い球を使った方がいいんでしょうかね」

「一般的にはμが低い、つまり内部抵抗の低い球は落ち着きがあってやや音の重心が低くなります。その一方内部抵抗の高い球は軽快な音を出す傾向にありますが、いざ単独の評価となると難しいですね。要は適材適所ということです。たとえば有名な300BやPX25などはμの低い前段管を使わないと本来の音が出ませんからね」

専門用語が多くて、たとえばGmなどの「三定数」を持ち出されて自分には理解しずらかったが、わかりやすく要約すると以上のとおり。

残るは「出力管」の「71A」だが、何しろ天下の「レイセオン」のボックスプレートだから能力に疑問を差し挟むと天罰が下りそうなのでこればかりは不変といこう(笑)。

で、結局は実際に聴いてみてどれが好みか、自分の耳の判断に委ねることにした。



これが最終形で、前段管には「MHL-4」、出力管は「71A」(レイセオン)、整流管は「OK-X213」に落ち着いた。

仮にエースが「100点」だとすると「95点」ぐらいにはなったかな~。

とりあえず、「真夏の騒動記」はこれにて一件落着(笑)。



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