それほど広くもないスペース(6m×7m)に7系統のシステムがひしめきあっている我が家のオーディオルーム。
音響面では明らかにマイナスなのだろうが、目先が変わっていろいろ楽しめるというプラス面もあって「功罪相半ば」といったところだろうか。
機械モノはときどき通電してやる方がいいと聞いているので各システムをまんべんなく使用するように心がけているが、それぞれに捨てがたい味があってどのシステムがベストとはなかなか決め難いが、このところ一番視聴時間が多いのが、またかと言われそうだが(笑)、スピーカー「AXIOM80」(復刻版)+アンプ「6AR6シングル」(三極管接続:楕円形プレート管)の組み合わせ。
読者におかれては「えっ、71系アンプじゃないのか」と指摘されそうだが、たまには電気を通してやらないと、と、(71系アンプに)後ろ髪を引かれる思いで登場させたところ、改めて周波数レンジは広いし、フレッシュ感はあるしでどこといって欠点がなく極めて安定感のある実力派アンプであることを確認した。
このアンプは3年ほど前に購入したので我が家では新人の部類に入るが、当初からするといろいろ改変している。
知人にお願いしてボリュームをクラロスタットに交換、ほんの少しだが回路の手直し、そして最後は前段管の交換へ。
当初は「6SL7」だったが何となく不満で(笑)、変換用アダプターを使って「12AX7」(BRIMAR)、そして最後は「13D9」(BRIMAR)でようやく落ち着いた。奇しくもミュー(μ=増幅率)が70前後で「6SL7」とほぼ同じ値だった。
ちなみにBRIMAR(=STC:英国)の「13Dシリーズ」は現在「13D3」を2本づつプリアンプ2台に使用しているがまったく破綻を見せない極めて優秀な電圧増幅管として心から感服している状態。
いずれにしても、あの一癖も二癖もある「じゃじゃ馬ユニット・AXIOM80」を長時間駆動しても疲れない音というのだから、このアンプはそれだけでも生存競争を勝ち抜く立派な資格がある(笑)。
そういえば、近年、人生のステージによって好む音が変わってくることを実感している。あの芭蕉が唱えた「不易流行」に通じるものがあるのかな。
たとえば、現役の方々はとにかく仕事が忙しくてオーディオに割ける時間もなく(以前の自分がそうだった!)、たまに聴くときは刺激が欲しくてメリハリの利いた音を愛好するものだが、現在の自分のように家に居りさえすれば年から年中機器のスイッチを入れっぱなしの状態だと「身構える必要がなく、しかも聴き疲れしない音」が一番優先する要素となっている。
「魚釣りはフナ釣りに始まって、フナ釣りに終わる」という名言があるが、オーディオだって晩年になると「シンプルに終わる」のも、あながち的外れではないのかな~。
たとえばSPユニットはフルレンジを中心に据え、アンプはシンプルな回路で比較的小型で持ち重りのしないアンプを選ぶといった具合。
これは余談になるが、特に強調したいのは「重たくないアンプ」優先ということで、実は最近ブログ用の画像を撮ろうと「WE300B」アンプを持ち上げて移動させたところギクッと腰を痛めてしまった。
さあ、たいへん!
ようやく2~3日して良くなったが、それなりの年齢の方は重たいアンプにはくれぐれも用心しましょうねえ(笑)。
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