「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

ますます面白くなる「半沢直樹」

2013年08月29日 | 独り言

先日のブログ「話題あれこれ」(8月7日付)でも取り上げたが、テレビドラマの「半沢直樹」がメチャ面白い。

娘から「お父さん、評判のいいテレビドラマがあるよ」と教えられて、半信半疑のまま3回目以降から観だしたのだが、去る25日(日)で6回目となり、物語も佳境に入る中、すっかり嵌ってしまった。

現役時代に37年間、上意下達のがんじがらめの組織の中で窮屈な思いをしてきたが、銀行に限らず組織の中に組み込まれて働くとなると、どこの職場でも似たようなものだなあというのがこのドラマを観ての第一印象。

しかし、「やられたらやり返す → 倍返し」は、理想だが現実にはとても無理。

これはドラマの世界の話で、実際にそんなことをしたら組織からシャットアウトの憂き目を見ること請け合いだが、叶わぬ夢のもとでストレス解消になっている方も多いことだろう。

そのせいか、銀行員の9割がこのドラマを観ているという記事も散見した。

あの真面目なコラムで知られる朝日新聞の「天声人語」(2013.8.26付)でも「半沢直樹」が取り上げられていた。ご覧になった方も多いと思うが抜粋させてもらおう。

『~控え目にふるまうのも競争に勝ち残るための戦略に他ならないが、それとは正反対の世界を人気ドラマが描いている。TBSの「半沢直樹」だ。手柄を部下に上げるどころか、自分の失敗の責任を押しつけてくる上司と、主人公は激しく戦う。

番組の公式サイトを開いて噴き出した。いきなり「クソ上司め、覚えていやがれ」とあった。半沢はバブル期に銀行に入った中間管理職である。「やられたらやり返す、倍返しだ!」の啖呵が冴える。

倍返しという言葉、80年代末にバレンタインデーのお返しの常識として使われた記憶がある。あの騒々しかった時代ははるか遠い。同じ言葉が仕返しという物騒な意味合いで再登場したのもご時世か。

「ブラック企業」「追い出し部屋」・・・・・。会社の仕打ちに辛抱ならなくても、現実にはなかなか刃向えない。10倍返しの返り討ちに遭いかねない。せめて境雅人さん演じる半沢の目力(めじから)と行動力に溜飲を下げる。そんな思いの人も多いだろう。

「チャンバラ小説の痛快さ」を狙った。原作を書いた作家の「池井戸 潤」さんはかって本紙にそう語っている。といって単純な勧善懲悪ものでもない。「オレたちバブル入行組」の最終盤の一行に首がすくむ。「人事が全てだ」』

この「人事が全てだ」は、お役人の世界でもよく聞く言葉だが、さぞや抵抗感を覚える方も多いに違いない。

「そんなことを考える暇があったら自分の職務を全うしろ!」
という声が今にも聞こえてきそう。

この言葉からは何だかギラギラしてエゴイスティックな印象を受けるというわけだが、現実には人事の辞令一つで遠隔地に飛ばされたりすると、これまでの生活スタイルが一変するのだから生身の人間にとってこれは凄く切実な話だし、今後の人生設計にとっての大切な指針の一つにもなる。

「はたして組織は自分を必要としているのか、いないのか」それを推し量る重要な尺度になっているので、「人事」は組織で働く人間にとってユメユメ無関心ではいられないはずなのである。

「第6回」のドラマの中で、銀行から中小企業に派遣された半沢の友人(かっての剣道部の同僚)が派遣先の職場のイジメにあって苦労する話が出てくるが、半沢が剣道の練習場に連れ出して猛稽古を通じて「学生時代を思い出せ」と叱咤激励をするシーンがある。

自分だけならまだしも両肩に妻子がドッカリと載っていると、組織の中で働く男性諸氏は無意識のうちにでもつい矛先が鈍って委縮しがちになるもので、それは日頃から十分噛みしめられている方も多いことだろう。そういうときに、「学生時代を思い出せ」は、当時の「覇気」を取り戻す意味でまことにいい言葉だと思う。

ドラマの中ではその言葉に発奮した半沢の友人が苛められた輩たちに逆襲して攻守ところを替えるシーンが出てくるが、まことに痛快そのものだった。

一方では、世の中には一定の組織に属さない自由業の人たちも多い。そういう人たちにはおそらくこういう世界はピンとこないだろうし、伸び伸びとやりたい放題に生きられてほんとうにうらやましい気がする。まあ、それはそれで別の苦労もあるかもしれないが。


そういえばオーディオとか釣りとか時間を多大に必要とする趣味を楽しむ人たちは、どちらかといえば自由業の人たちによく見られるみたいだ。

自分だってオーディオ歴は結構長いが、本格的に「オーディオをやってる」と実感するのはここ数年のことである。現役時代は時間的・心理的にもとてもそんな余裕が無く、たまに息抜きでやるくらいのものだった。

まあ、これは結果論になるがオーディオ機器への中途半端な投資と無駄遣いが現役時代に多かったのも、本腰を入れて実験と研究に割く時間が足りなかったことが大いに起因している。

そういう合理的な視点からすると、現在、組織の中で働くオーディオ好きの方々に対して、「
現役時代はオーディオを半ば封印しつつ、そこそこのシステムで楽しんでおいたほうが無難ですよ」と言えば、これは身も蓋もない話になるかな。

おっと、話が変な方向に逸れてしまった(笑)。


一日のはじまりはクラシックで

2013年08月27日 | 音楽談義

「はじまりはいつも雨」(飛鳥)という曲があったが、このところ「一日のはじまりはクラシック」

新しいテレビ視聴用のシステムを導入してから、朝の起き抜けにクラシック専門放送「クラシカ・ジャパン」(CS放送)を聴くことが多くなった。

CDトランスポートで再生する音と違って、宇宙から届く電波を専用チューナーで捕えた音はいささか実在感に乏しく目方が軽い(?)気がするが、何せスイッチひとつで気軽に聴けるし、これまで知らなかった優秀なアーチストを発掘できる楽しみもある。

このところ、ゾッコン参っているのが「ユリア・フィッシャー」(1983~)という女流ヴァイオリニスト。

            

出演していた番組名は「フランクルト・コンサート」(2時間)で、この番組説明によると、

「英国グラモフォン誌で2007年アーティスト・オブ・ジ・イヤーに選ばれた若き美人ヴァイオリニストがヴァイオリン協奏曲とピアノ協奏曲のソロを一晩で弾いた2008年1月フランクフルト公演。ヴァイオリンもピアノも一流の腕を持つ彼女のマルチな魅力が満載。

指揮のピンチャーは1971年生まれの若手作曲家。管弦楽はドイツの国家的プロジェクトとして18歳から28歳までのドイツの音大生を選抜したユンゲ・ドイツ・フィル。」

もっと詳しくググってみると、ユリア・フィッシャーは1995年のユーディ・メニューイン国際コンクール、1996年の第8回ユーロヴィジョン若手演奏家コンクールなど参加した8つの国際音楽コンクールの全てで優勝(うち3つはピアノでの受賞)。2006年7月には23歳の若さでフランクフルト音楽・舞台芸術大学の教授に就任した(ドイツ史上最年少記録)。

いやはや「錚々たる楽歴」の持ち主である。


この番組で弾いたヴァイオリン協奏曲はサンサーンスの「第3番」で第二楽章がとても親しみやすいメロディで有名だし、ピアノ協奏曲の方はこれまた有名なグリークのもの。

たしかに容姿端麗で見た目もよく、あの若い頃のアンネ・ゾフィー・ムターを彷彿とさせるものがある。どうやら天は二物を与えたようで、演奏の方も、ついうっとりと聴き惚れてしまうほどの巧みさで安心して聴ける。前述のようにヴィオリンとピアノの二刀流使いで、いずれも甲乙つけがたい思いがしたが強いて言えばヴィオリンの方がお上手とみた。

この番組ではユリア・フィッシャー以外にも見どころがあって、管弦楽団の顔ぶれがいずれも若かったことで番組解説によってドイツ国内の音大生の選抜と分かり納得。

さすがに「ドイツ国家演奏家資格」制度を創設して、国家的な見地から演奏家のレベルの維持向上に努めているだけのことはあって非常に底辺が厚いようで、学生が弾いているとは信じ難いほどのレベルの高さだった。

将来のベルリン・フィル、ドレスデン・シュターツカペレの楽団員の有力な候補者たちだろう。

ご存知の方も多いと思うが、ご参考までに3年以上前にこのブログで掲載した「ドイツ国家演奏家資格」制度について抜粋しておこう。

「ドイツ国家演奏家資格」というのは一体何だろうか。いかにもドイツらしい四角四面の言葉だが、音楽を演奏するのに資格が要るなんて聞いたことがない!

ググってみると、「goo教えて」に次のような質疑応答があった。

質問
「国家演奏家資格っていうのは、どこの国で必要で、どんな風にすれば取れるんですか?」この質問に対して次の2つの回答があった。

回答1
「ドイツにそんな資格があるのを聞いたことがあります。相当難しいテスト(実際の演奏)のようです。聞いた話では東京芸大と桐朋のピアノ科の人ばかり6~7人が受けたところ1人しか合格しなかったそうです。」

回答2
「トロンボーン奏者堀江龍太郎さん(同資格取得者)のURLの記事にあった話として、大学院を卒業すると「ドイツ国家演奏家資格」が自動的に授与されるが、大学院の卒業試験が生半可なものではなく、成績が悪いと強制的に中退させられるという。ドイツでは、大学院を卒業した場合を除いて、「国家演奏家資格」試験を受けなければならないようです。」

以上で少しばかり分かってきた。

ドイツでは国家的な見地から独自の制度にもとづき先人の遺した偉大な遺産(楽譜)を簡単に穢さないように、さらには音楽芸術の表現にあたってきちんと一定の水準以上に保持していく仕組みをちゃんとつくっているのだ!

文学や絵画ではどんな小説や絵を描こうと始めから個人独自の創造の世界なので勝手気ままなのだが、楽譜の存在が前提となる(間接芸術としての)音楽に限って成り立つ話。 

さすがにバッハ、ベートーヴェン、ブラームス(「ドイツの3B」)、ワーグナーといった大作曲家たちを輩出した国だけのことはある。音楽芸術に対する考え方、位置づけがまるっきり我が国とは違っているようだ。

こういう制度を日本に導入できれば“もろ手”を挙げて賛成だが、諸般の事情もあって無理かな(笑)!
 


オーディオは勇気と根気

2013年08月24日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

去る8日(木)にグッドマン(イギリス)のエンクロージャーを手に入れてから、およそ2週間が経過したがいろいろ勉強させられることばかりだった。

はじめに、「AXIOM301(口径30センチ)+JBL075」を聴いたときは、もうこれで十分と思ったのだが、しばらく聴いているうちに「悪くはないのだが、音のスピードがもっとあればなあ」と、つい無い物ねだり。SPユニットの口径が大きくなると、コーン紙の重さが加味されて音声信号への反応が鈍くなるのは当たり前の話なのだが。

そこで、口径20センチのフルレンジ・ユニットの出番。バランス的には最も優れているように思う。量感もそこそこあるし、何よりも反応がシャープなのが得難いメリット。

           

18日(日)の作業で手持ちの4セットにすべて補助バッフルをつけた後、この1週間ほど入れ替わり立ち代わり試聴を繰り返してきた。駆動するアンプの方も真空管アンプ2台(WE300Bオールド、PX25アンプ各1台)とDCアンプ1台を交えての実験なので多大の時間を要した。

結論から言えば、どのユニットも魅力があって捨てがたい味があったが、過不足なく安心して音楽に浸れたのはナショナルの「20PW09」(写真の上段左側)だった。これは数年前にオークションで新品として手に入れたもの。

もう40年以上も前のユニットで、当時はその形状(ユニットの中央に丸い球が付いている)から「ゲンコツ」と言われたものだが、さすがに評判通りでその音色は全然色褪せていなかった。もう、惚れ惚れするくらいの音で、「音楽を聴くのならこれで十分」と思わせるものがあった。エンクロージャーとの相性も良かったのだろう。これで決まり~。

面白かったのはフォステクスの「SLE-20W」(写真の下段左側)で、周波数5000ヘルツあたりでクロスオーバーさせて、JBLのLE85ドライバーと組み合わせたところ、全帯域に亘って雄大な音が響き渡ってスケール感からいくとこれが一番だと思った。

ただし、グッドマンのエンクロージャーにJBLのユニットを上に載せるのは「水と油」みたいなもので、違和感がつきまとってどうしても良識が許さずあっさり諦めた(笑)。

しかし、この実験の余波は大きかった。「SLEー20W」一発だけでこれだけ低音が出るのなら、既存の「AXIOM80」システムの低音域に使っている2発にしても1発で十分ではなかろうかと思い立った。

このユニットを落札したときに「容積が55リットル以上のエンクロージャーに2発入れて使うように」という説明文に、ずっとこだわってきたわけだが、やはり実際に実験をして確認してみないと何とも言えないことを痛感。そこで、ためらうことなく2発から1発への入れ替え作業をしてみた。

                  

左側が改造前の写真。

いやあ、驚いた。「低音域を2発のユニットにすると量感は増すけれど、音が濁る。」とは散々聞かされてきたが、こんなに分解能が良くなるとは夢想だにしなかった。肝心の量感だって、これだけあれば十分。

「正しい音になると全体的に音の重心が下がり、音階が明瞭に聴こえる」というが、まったくその現象どおりで、早くこうしておけばよかったと、思わず天を仰いだ。

結局、今回の実験を通じて最大の収穫は我が家のメイン「AXIOM80」システムがすっかり生まれ変わったことで、グッドマンのエンクロージャー導入の余波は実に大きかった。

オーディオとは実験を何度も何度も繰り返す「勇気と根気」以外の何物でもないようで(笑)。
 


SPユニット転がし

2013年08月22日 | オーディオ談義

「何だ、またオーディオの話か」と、ガッカリされる向きもあるかと思うが(笑)、読書は別として目下の関心事はグッドマンの「AXIOM301」のオリジナル・エンクロージャーだけだから仕方がない。
               

オークションで幸運に恵まれて落札し、我が家にやってきたのが8日(木)で、すでに2週間ほど経っているが、時間がいくらあっても足りないほど関連作業で忙殺されている。ブログを書く時間さえ惜しいくらい(笑)。

初めに取り付けた「AXIOM301」も、とても「いい音」で鳴っていたのだが、これまで収集してきたフルレンジ用のSPユニットが数種類、手元にあるのでそれらをこのエンクロージャーに取り付けて鳴らしてみたい誘惑にはとても抗しきれない。

そこで、とうとう18日(日)になって朝から、取り付け用の補助バッフルづくりに取り掛かった。

先ずホームセンターに行き、厚さ1.2ミリの合板を10枚(5セット分:32センチ×32センチ)カットしてもらった。

それから駐車場に穴開け用のジグソー、ドリル・ドライバー、鋸などを持ち込んで作業開始。駐車場といっても、屋根はアクリル板なので太陽光線がギラギラと照りつけてメチャ暑いので扇風機は絶対の必需品。

汗まみれで作業していると、ご近所の方々が物珍しげに次々にやってきて「いったい何をやっているんですか?」

「はい、スピーカーユニットを取り付けるバッフルを作っています」

おそらく“ちんぷんかんぷん”だろうが、「熱中症にならないように気を付けてくださいよ」

「はい、ありがとうございます」。皆さん、口には出さねども、きっと、この家のご主人は「変わり型」と思われたに相違ない(笑)。

遂に5時間ほどかかって、ようやくお目当てのユニットたちを補助バッフルに取りつけた。我ながらうまくいったと思うほどの仕上がりぶり。

           

とりあえず4セット作ってみた。本命の「AXIOM80」は、これらを十分楽しんでから「真打の登場」として後日の愉しみにとっておくことにした。

ちなみに、写真でお分かりのとおりだが、ユニット名を挙げておくと、

上段左から、ナショナルの「ゲンコツ」、リチャードアレンの「ニューゴールデン8」、下段左からフォステクスの「SLEー20W」、アルテックの403A。

なお、補助バッフルが左右不整形なのは、エンクロージャー内部の既存のネットワークの部品の取り付け位置や高域ユニットを取り付けてあった穴を塞いだことにより、それらを避けるための“やむを得ない”措置。

どうせ、エンクロージャーはサランネットで目隠しされているので外部からは見えず、いっさい気にする必要はないのだが。

さあ、いよいよ日曜日の午後から試聴テスト開始~。

昨日(21日)まで、期待に胸を躍らせながらそれぞれのユニットをテストしてみた。

しかし、やみくもにテストというわけにもいかないので、事前に自分なりにささやかなポリシーを持つことにした。

「本格的なシステムはすでにJBLの3ウェイシステム、AXIOM80の2ウェイシステムがある。したがって、このシステムはレンジなどを重視したオーディオ的な音は狙わない。グッドマンのエンクロージャーにふさわしく典雅なブリティッシュ・サウンドを気軽に楽しめるようにしよう。」

その狙いからいくと、「リチャード・アレン」(イギリス)が面白そうで、次に来るのが国産の往年の名ユニットのナショナルの「ゲンコツ」、アルテックは典型的なアメリカン・サウンドだが、音の抜けの点では右に出るユニットはないのでこれも面白そう。

フォステクスはウーファー専用ユニットだが周波数帯域は5000ヘルツぐらいまでは行けるので、高音域のユニットとの組み合わせが必要となるのでこれはあくまでも参考用ユニット。手元に5セットあるので「使わないともったいない精神」があるのは言うまでもない。

次回ではこれらのSPユニットの試聴後の感想を述べてみるが、一言でいえばオーディオの愉しみは「SPユニット転がし」に尽きる!
     


久しぶりの図書館巡り

2013年08月19日 | 独り言

お盆を過ぎたころから日中の猛暑はともかく、朝晩は幾分涼しくなってきたような気がする今日この頃。

16日(金)はオーディオも一段落したことだしと、久しぶりに県立図書館に行ってみた。

ちょっと話が逸れるが、自分の最近のブログを読んだ娘(福岡在住)がさっそく家内に“ご注進”に及んだみたいだ。

おそらく「お父さんは、また最近オーディオにどっぷりハマってるみたいよ」とでも言ったのだろう。

「あなた、また凝り性ぶりを発揮しているみたいね。あまり度が過ぎると変人と思われるわよ。」と、(家内から)嫌味を言われてしまった。な~に、もともと変人なんだから気にしない、気にしない(笑)。

さて、「読書意欲」と「猛暑」は関係があるとみえて広い館内は比較的閑散としていた。そのせいだろうか、いつも真っ先に立ち寄る「新刊書コーナー」には、いつになく本が満ち溢れていた。

こんなことは始めてで、これも猛暑の恩恵かと内心シメシメと思いながら面白そうな本を手当たり次第に選択。

           

新刊本ばかり8冊(貸出制限10冊)を借りたが、うち音楽関係の本が4冊。

「神が書いた曲」「作曲は鳥のごとく」「ラテン・クラシックの情熱」「オーケストラの音楽史」。

「オークション(オーディオ)に限らず真夏は掘り出し物が多い」と、調子に乗って帰り途に地元の図書館を含めて予定外の2か所にも立ちより、これまた新刊本ばかり7冊借りた。

           

これから2週間(貸出し期限)でせっせと15冊を読まなければいけない。

よし、ピッチを挙げねばと、まず手に取ってみたのが「神が書いた曲」。副題に~音楽のクリティカル・エッセイ~とあるが、批評的な音楽エッセイとでも訳せばいいのだろうか。

著者の「梅津時比古」氏は桐朋学園大学の学長さんという肩書なので、お偉いさんなのだろうが、書いてあることがどうもピンとこなかった。

「独善的な感覚の世界ばかりを綴っているが、この人、いったい何が言いたいんだろう」と思いながら、とうとう最後までわけが分からずじまい。おそらく自分の読解力不足のせいだろうが、著者が書いた別の本を以前読んだことがあり、同様の感想を持ったので相性が悪いとしか言いようがないようだ。

総じて音楽関係者の書いた本にはあまり共感を覚えたことがないが、一方で作家の音楽評論にはスッと入っていけるのが不思議。

これに関連して、ふと、ずっと以前に登載したブログを憶い出した。ちょっと長くなるが再掲させてもらおう。

たいへん不遜な言い方になるが皆が激賞する「吉田秀和」さんのも、自分の方に非があると思うがこれまでストンと胸に落ちたことがなく内容にも引き込まれたことがない。自分が求める評論とは明らかに違う。

とはいえ、そもそも音符で綴られた音楽を言葉で表現するのは、はなっから無理に決まっているようなものだが。

ところがである。職業として二足のわらじ
を履いている方々の音楽・オーディオ評論は不思議にも実にピタリとくるのが不思議。

たとえば「音楽好きの作家」などはその最たる例。

文壇での音楽愛好家をざっと挙げてみるとすぐに思いつくだけでも次のとおり。

五味康祐 
→ (故人)「西方の音」「天の声」「いい音いい音楽」「五味オーディオ教室」など                              

小林秀雄
 → (故人)「モーツァルト」

石田依良
 → 「アイ・ラブ・モーツァルト」

大岡昇平
 → (故人)「音楽論集」

宮城谷昌光
 → 「クラシック私だけの名曲1001曲」

村上春樹
 → 「意味がなければスウィングはない」 

五味さんの「西方の音」については出版当時の新聞記事に「なぜプロの評論家にこんな優れた音楽評論が書けないのか」と書いてあるのを見かけたことがあるし、「音楽への情熱」が行間から伝わってくる筆力で多くの支持を受けたのも当然。

小林秀雄さんの「モーツァルト」についても、これを読んでない人は“もぐり”のモーツァルト・ファンと言ってもいいくらいの名著。


石田依良さんなどは、モーツァルトのオペラ魔笛が大好きだそうで好みの演奏はクリスティ指揮のもの。それにグールドのピアノ・ソナタとくれば自分とまったくピッタリなんでホントにうれしくなる。

さて、自分にとって作家による音楽・オーディオ評論になぜこうも惹きこまれるのかと改めて整理してみた。

もちろん、これはあくまでも個人的な意見。

 語彙が豊富で表現力が的確

2 さすがに作家だけあって
展開力にストーリー並みの面白さがある

 
音楽体験の出発点と感じ方、語り口に独自の思考法や人生観が投影されている。人生全般に対する視野の広さが伺えるところに魅かれる。

4 
音楽を生業(なりわい)とする人たちからは感じられない「好きでたまらない」という熱気と純粋な気持ちがストレートに伝わってくる。それに自分たちと同じような熱烈なファンの延長線みたいなところが親しみやすさと連帯感を感じさせる。

と、いったところ。

このうち、特に表現力の問題は大きいと思う。

文筆による表現のプロともいうべき作家の筆致はやはり音楽評論家のそれを大きく凌駕している。両者ともに鑑賞する力は大差ないのだろうが、やはり著者独自の哲学や人生観を問わず語りに浮かび上がらせる表現力において読者への説得力がまるで違う。

これまでおよそ40年以上に亘って「音楽とオーディオ」の業界をつぶさに見てきたが、やはり両者のバランスが取れていた五味康祐さんの存在は実に大きかった。

すでに死後30年以上にもなるが、いまだに五味さんクラスの評論家にはついぞ出会ったことがないのが残念至極。

尻すぼみ状態の一途をたどる「音楽とオーディオ」だが、こんなに楽しくて奥の深い趣味はないのだから、その裾野を少しでも広げるためにも、音楽がたまらないほど好きな筆達者の熱心な作家が早く出て来てほしいものだが。


「芸術の秋」の到来を待つばかり

2013年08月17日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

「AXIOM80」のスピーカーエンクロージャの改変についていろいろ試行錯誤した結果、いい面と悪い面とを体験しながら最後に行き着いたのがつぎの組み合わせだった。

                

「何だ、元の木阿弥じゃないか」と、仰る方もいるかもしれないが、それが大違い。

エンクロージャーの真中に仕切り板をつけたことにより、ウーファー2発の内部の空間を狭くし、その分を「AXIOM80」(以下「80」)に与えてやったのでバスレフ方式に変更。

「80」の背圧を逃がすために、丸い隙間を埋めている黒く塗った板に小さな穴を開けていることに気が付かれただろうか。

これで、ようやく当初の狙い通りの音になった。結果からみれば簡単なことだが、ここにたどり着くまでにいろいろ勉強させられた。

特に吸音材(羽毛)の量による音の変化は多大なものがあった。

大目にすると全体の量感が少なくなるし、逆に少なめになると音がキャンキャンして耳障りな音になる。

結局、多すぎず、少なすぎず、最適のバランスを見つけるために裏蓋のネジを何回も開けたり、閉めたりしながら試聴したので、とうとうネジ穴が甘くなって、タメが利かなくなったが、そういうときはご存知の方も多いと思うが、爪楊枝をポイとネジ穴の中に投げ込んでやると、元通りネジのタメが利くようになる。

今回の作業で試聴盤に使ったのは、ピアノ、ヴァイオリン、そして声楽だったが、最近よく聴く「パガニーニの思い出」(変奏曲:ショパン)は、曲想も録音も気に入って大いに助かった。高校時代の同窓のU君から預かったCDだがこのままネコババしたいくらい(笑)。

            

これでようやく我が家の「80」用のエンクロージャーは完全な結着をみたといっていい。

そこで、心置きなくこのエンクロージャーに4発同時に入れて、いずれ鳴らしてみようと思ってコツコツ集めていたアルテックの「403A」を3セット、オークションに出すことにした。

残る1セットは、最近手に入れたグッドマンのオリジナル・エンクロージャーで聴いてみる積もりなので残した。


             

実はオークションは購入の方はかなり頻繁に利用しているものの、出品はこれまでしたことがない。

もう使う見込みのない不要な機器の手持ちがかなりあるのだが、いろいろと落札者とのやりとりが面倒くさそうなので、敬遠しているわけだが、こういうときにはオークションの委託を快く引き受けてくれるオーディオ仲間のMさん(大分市)が頼みの綱。

お願いして、試聴がてら13日(火)の午後に引き取りに来ていただいた。

出品価格や時期などは、写真撮影の手間などもあってMさんと事後相談することにして、とりあえず今回改造した「80」システムを聴いていただいたところ、これが大好評だった。

「スピーカーの存在をすっかり忘れて音楽に聴き惚れてしまいました。ようやくAXIOM80の本来の音を聴いた気がします」。

いやあ、最高の褒め言葉をいただいた気がする。

所詮、オーディオは音楽を聴く道具なのだから、何といっても音楽が王様であり、オーディオは召使いのようなもの。召使いが目立ち過ぎると本末転倒で碌な事にはならない。

これで我が家のシステムは、ジャズとオーケストラなどの大編成の音楽は「JBL3ウェイシステム」、小編成の室内楽、ボーカルなどは「AXIOM80」システム、そしてクラシカ・ジャパンなどのテレビ視聴用には「AXIOM301」システムと、ようやく道具立てがそろった。

もうお盆も過ぎたことだし、夏も峠をこえたはずなので、あとは「芸術の秋」の到来を待つばかり。

これからは、いいソースを見つけてできるだけ音楽主体の生活に戻ることにしよう。


二転三転

2013年08月16日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

ここ4年ほど使ってきた「AXIOM80」システムの全面改造には本当に手こずるが、スピーカー周りの作業は音の変化が大きいので期待に胸を弾ませながら、思わず時の経つのを忘れるほど楽しい。

当初の狙いは「フルレンジ」だったものの、それがうまくいかず、今度は思いつきで「AXIOM80」(以下「80」)を、片チャンネル2発にしたところ、前回述べたようにこれまた、うまくいかない。

               

ユニットが2発のときの理論上の音のエネルギーは√2(≒1.4142・・)倍になるはずだが、それ以前の問題として音がキンキン、キャンキャンして中高音域が歪っぽくなってしまった。これは「80」のご機嫌が悪いときの典型的な症状で、原因は相互のユニットの背圧が干渉し合っての結果だろう。

(「80」を2発で鳴らすときの)メーカー(グッドマン)の指定は「並列方式」なのに、縦列で置いたものだからこういうことになる。

ちなみに、その際の設計図(左側)は次のとおり。仔細に眺めてみると、ユニットを取り付けるバッフル面に外向きに微妙な角度をつけているのが分かる。相互のユニットの音の干渉を避けるための細かい配慮で、さすがにグッドマン!

        

しかし、どんなに転んでもタダでは起きないのが自分の取り柄(笑)。

再度チャレンジして「これではどうか」とエンクロージャーの真中に分厚い板の仕切りを入れて、エンクロージャーをピッタリ上下二つに分けて鳴らしてみた。

まったく二転三転。

                  

この作業にはメチャ手間がかかった。仕切り板が上下の音圧に負けないようにするため「L型金具」を2個使ってがっちりネジ止めしたわけだが、これで狙いは一応成功して随分聴きやすくなった。しかし、理想にはまだまだ・・・。

「80」には無い物ねだりかもしれないが、もっと量感が欲しいなあ!

「窮すれば通ず」ここでようやく妙案が浮かんだ!

以下、続く。


オーディオ熱中症

2013年08月14日 | オーディオ談義

周知のとおり今年の夏は異常な暑さで、高知の四万十(しまんと)ではとうとう史上最高の41度を記録した。

現地の人が「身体が焼かれるような気分」と言っていたが、その暑さの程におよそ想像がつこうというもの。熱中症で倒れる人も例年に比べて3割増というからもう大変。熱中症と日射病との違いだが、前者では室内でも発症するのが大きな特徴。

そこで、この9日(金)から11日(日)にかけて「オーディオ熱中症」に罹った人間がこの日本列島のどこかに一人いた(笑)。

とにかく3日間、朝から晩まで部屋の中を這いずりまわって横倒しにしたスピーカーをあれこれいじり回すのだから傍から見ると少し異常?

これも前回のブログで詳述したように、たまたまオークションで手に入れたグッドマンのオリジナル・エンクロージャーに大いに触発されてのことである。

ところで話が逸れるが、出品も含めてオークションをよく利用されているオーディオ仲間のMさん(大分市)によると、「真夏は掘り出し物が格安で手に入る確率が高い」という。全体的に動きが低調だし、落札間際でのたたき合いによる値段の高騰も少ないとのこと。

「猛暑のせいで音楽を聴く気にならない」 → 「オーディオ機器への興味が薄れる」 → 「オークションを覗く人が少なくなる」の三段論法だが“なるほど”と思った。

掘り出し物を見つけるなら今が狙い目というわけだが、今回の(掘り出し物の)ゲットはこの暑さにもめげずにオーディオに熱心に勤しむ人間に、きっと神様が微笑んでくれたに違いない(笑)。

さて、スピーカーエンクロージャーの重要性についてはこれまでのオーディオ経験でおよそ分かっていたつもりだったが、車の運転を覚えるのと一緒で、頭で分かっていても実際に体感しないと骨身に沁み込まないようだ。

今回、ようやく重い神輿を上げて我が家の「AXIOM80」システムのエンクロージャーを抜本的かつ全面的に見直すことにしたが、マニアの方の中には他人の実験事例なんて興味のない方もおありだろうが、「失敗学のすすめ」(畑村陽太郎)にもあるように、他人の生きた教材を見聞すると参考になるかもしれませんよ。

ちなみに、これまでの姿は次の写真のとおり。

                   

「AXIOM80」(以下、「80」)とウーファー2発の間には背圧処理の関係で厚さ5センチの重い仕切り板を斜めに入れていたのだが、いかにも「80」が窮屈な空間に押し込められていたことが分かる。それを羽毛の吸音材でカバーしていたわけだが、今回の改造はこの仕切り板を外して、ウーファー2発も取っ払い「80」をフルレンジで鳴らしてみようというわけである。

この仕切り板の撤去に9日(金)の早朝から取り掛かったが、とても素人の手に負えるものではなく途中でとうとうギブアップ。このエンクロージャーを作ってもらった業者に電話して持って返ってもらい外してもらった。幸いその日の午後には無事帰還。

すぐに作業に取り掛かって、次の写真のような結果に。

            

これで、とりあえず試聴してみたわけだが期待したほどではなかった。悪くはないのだが「80」に元気が感じられない。今、考えると明らかに羽毛の量が多すぎた。もっと減らしてやって実験すればよかったがもう後の祭り。吸音材の量の調整ばかりは、エンクロージャーの裏蓋を開けたり、閉めたりして試聴するのでメチャ手間がかかる。

次に、やってみたのがスペアの「80」を活用して片チャンネル2発で鳴らすやり方。

                      

ところが、これが大失敗だった。

以下、続く。


良貨は悪貨を駆逐する

2013年08月12日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

これまで大切に保管してきたグッドマンの「AXIOM301」(口径30センチ)だが、たまたまネットオークションで専用のエンクロージャーを格安で手に入れたことにより、さっそく同じ「AXIOM80」仲間のSさん(福岡から東京に単身赴任中)から祝福の電話があった。

「おめでとうございます。グッドマンのオリジナル・エンクロージャーをよくぞ手に入れましたね。ブログで拝見する限り、オリジナルに間違いないようですよ。我が家のAXIOM80専用のオリジナル・エンクロージャーとツクリがまったく同じです。国産との見分け方のポイントは3つあります。

一つ目は前のサランネットが外れないこと、二つ目はGOODMANSのエンブレムが付いていること、三つ目は裏蓋を止めるネジが今どき使わないマイナス型の古いものを使ってあることです。

今度はぜひ、補助バッフルを使ってAXIOM80をマウントしてみてください。次回にご訪問するのが楽しみです。」


「いやあ、もうまったく笑いが止らない状況です。ご指摘のあった件ですが、三点ともピタリ一致しますのでどうやらオリジナルに間違いないようです。今どき、こんな貴重なエンクロージャーがよくぞオークションに出品されたものだと思います。しかも格安で手に入ったのですからまさに僥倖です!。補助バッフルを使うといろんなユニット(口径30センチ以下)が付けられるので、楽しみが無限に広がります。このエンクロージャーならどんなユニットだって、きっとうまく鳴らしてくれることでしょう。」

また、オーディオ仲間で、我が家の真空管アンプの修理を一手にお願いしているMさん(奈良)からもメールを頂いた。

「理想的なエンクロージャーが手に入りましたね。オリジナルとは!!小生のあくまでも予想なのですが、意見を述べさせて下さい。“羽毛の吸音材の調整などやたらに時間がかかって夕方になってようやく1台の取り付けが完了”と、ありましたが、この羽毛の吸音材が気になり、もう一度カタログを観てみました。次のとおりですが、これに効率の良い羽毛を入れたらARUの効果が出て来ないのでは、と思うのですが試聴はいかがでしたか?」

      

ご丁寧に、エンクロージャーの設計図まで添付していただいて、ただただ感謝。

スピーカー周りの作業は、ユニットを傷つけないことをはじめとして細心の注意を要する。ハンダ付け時の事故が怖いし、ウッカリしてドライバーでユニットを傷つけたりするが、Mさんご指摘のように内部の吸音材の量などによってガラリと音が変わったりするので、かなりの試行錯誤が必要となる。

また、これまで自己流でかなりのエンクロージャーを作ったり、いじったりしてきたが今回の製品の内部を仔細に点検してみると、まるで教科書に戻って復読するような原点回帰を覚え、大いに勉強になった。

とりわけエンクロージャー内部の木の地肌は絶対見せないように、スミからスミまですべてグラスウールが張り付けてあるのには驚いた。これはさっそく他のエンクロージャーにも応用しなければ。

さて、タンノイ製のワックスを塗ってピカピカに仕上げたエンクロージャーに羽毛の吸音材などを適度に入れて無事にマウントした「AXIOM301」の試聴結果だが、お決まりの「素晴らしい」なんて陳皮な言葉を吐くつもりは毛頭ないが、「何という上品な音なんだろう。これぞまさしくブリティッシュ・サウンド」の感を深くした。

自作のチャチなエンクロージャーに収めていた時の「音の違い」に歴然としたが、タンノイのオーソリティだった五味康祐さん(作家)が、わざわざ「スピーカーエンクロージャー」とまでの表現で、SPユニットとエンクロージャーの一体性を力説されていたことを改めて憶い出した。

ところで、この「AXIOM301」は、資料によると「30~16000ヘルツ」までの周波数帯域を再生できるので、フルレンジとしても使用可能だが、通常は、トレバックス(ツィーター)やミダックス(スコーカー)などのユニットを用いて、2ウェイ、3ウェイ化が図られている。

今回のオークションでも「トレバックス」が同時に出品されていたので、入札しようかどうか迷ってオーディオ仲間のAさんに相談したところ「音の良さ、値段、使いやすさ(能率110db!)の面からみてJBLの075に優るツィーターはありません。〇〇さん(自分のこと)は075の予備を持っておられるので、それを使えば十分でしょう。」

そういうわけで、最終的に「JBL075」を使って、クロスオーバー7000ヘルツ(6db/oct)で2ウェイにした。ローカット用のオイル・コンデンサーはウェスタン社製のブラック仕様を使い、これにマイカ・コンデンサーを噛ませるのは我が家の常套手段である。

当初は中高音部の分厚さを狙って同じJBLのLE85(ホーンなし)を使ったが、高域方向への抜けはさすがに075には及ばない。もうこの辺になると好みの問題だが、そういうわけで最終的な姿は次のとおり。

               

駆動するアンプは「AXIOM301」に真空管VV52Bシングル、JBL075には真空管2A3・2号機シングル。 

さて、今回の件によってエンクロージャーの重要性に身をもって気付かされたわけだが、改めて疑惑の眼(まなこ)を向けたのが我が家の本命である「AXIOM80」を収納しているエンクロージャー。

はたして「AXIOM80」をこのまま狭い空間の中に押し込めておいていいのだろうか?

優れた製品が手に入ると、周辺機器への波及効果が大きい。「悪貨は良貨を駆逐する」ならぬ「良貨は悪貨を駆逐する」!(笑)


かくして、「善は急げ」とばかりに「AXIOM80」システムの見直し作業を開始~。

以下、続く。


前言撤回!

2013年08月10日 | オーディオ談義

いつぞやのブログで「オークションで掘り出し物を見つけるのは、もう至難の業」と、書いたことがある。

10年ほど前と違って、現在ではもはや素人と玄人が入り乱れて鵜の目鷹の目で掘り出し物を探しまわっているので、とてもこちらまでお鉢が回ってきそうにないことを嘆いたわけだが、どうやらこの言葉を潔く撤回しないといけないようだ。

そう、超掘り出し物を見つけたのだ!

経緯を記してみよう。

つい最近のブログ「グッドタイミング!」(8月5日付)で、手持ちの「AXIOM301」ユニットを自作のエンクロージャーに取り付けたものの、ユニットの大きさの割にエンクロージャーの容積が小さすぎて、「これは一応“仮の姿”」ということを書いておいた。

               

実際の写真がこれだが、すぐに行動に移すのがマニアたる所以。新しく
それなりのものを作るか、それともオークションで手頃なものがあればいいのだがと「グッドマン エンクロージャー」でググってみたところ、偶然ヒットしたのが「AXIOM301」専用のオリジナルのエンクロージャーで、何と出品の真っ最中!

ユニットの方はすべて取っ払ってあるので、まさに理想的な代物で、もう40年以上も前の製品だが、エンクロージャーは少々傷んでいても十分使えるし、開始価格も1万円と安いのですぐにダボハゼのようにすぐに喰いついた。

                       

「よし、これは絶対手に入れるぞ」。日曜日(4日)の夜が落札日だが、最終価格は6桁ぐらいはいくだろうと覚悟して最高額で入札したまま、就寝。

翌朝の月曜日は人間ドックの日だが、もうそれどころではない。朝一でメールを覗いてみると「あなたが落札者です」とのうれしい知らせ。しかも肝心の値段の方も信じられないような安さで落札、いやあよかったあ、万歳!これだからオークションは止められない(笑)。

どうやらグッドマン社の(オリジナルの)エンクロ-ジャーの本当の値打ちをご存知ない人が多いようだ。内部の定在波を防ぐために後ろ側の角を切って6角形にしているが、とても手が込んでいて、素人ではこういう工作はまず出来ない。

しかも、補助バッフルを使えば「AXIOM80」用にも使えるのが狙い目。

すぐに代金をネットで振り込んだが、何せ図体が大きいものだから送料が1万円かかるのには参った。これはなんと落札価格の4分の1。出品者は神奈川県なので、6日発送で到着予定が8日(木)。

8日は朝からソワソワ、ワクワクする中、10時ごろに無事到着。想像以上に大きくて重たい。横幅51センチ×高さ101センチ×奥行き40センチ。一人で持ち上げるのはとても無理なので、ヤマトさん(2名)に、玄関先で梱包を解いてもらい、部屋の中まで運び込んでもらった。

さあ、いよいよ「AXIOM301」の取り付け工事開始。

            

オリジナルのネットワークが、内部に取り付けられていたが、グッドマンといえどもメーカーの既製品はすべてお粗末なので使うつもりは毛頭なし。

取りつけはかなり難航した。いろいろ試行錯誤の繰り返しで、途中でネジの合うものをホームセンターに買いに入ったり、羽毛の吸音材の調整などやたらに時間がかかって夕方になってようやく1台の取り付けが完了。

                

この日はここで、とうとうギブアップ。もう疲れ果てて、バタンキューだった。

翌朝(金)になると元気回復で、目が覚めると同時に2台目の取り付けにかかった。もう、要領が呑み込めたので、小1時間ほどであっさり終了。

最終的に、自作のネットワークでクロス7000ヘルツ(6db/oct)で「AXIOM301」とJBLの「LE85(裸)」を組み合わせた。

さあ、待望の試聴開始だ~。

以下、続く。


やっぱり凄いっ、JBL!

2013年08月08日 | オーディオ談義

前々回の「グッドタイミング!」からの続きです。

およそオーディオの世界では「完璧なシステムはあり得ない」ということを前提にしての話だが、オーディオマニアには3つのタイプがあるように思う。


一番目はたしか「寺島靖国」(オーディオ喫茶店主)さんだったと思うが、自己のシステムを他人と一緒になって試聴しているときに、なぜか平常心を失ってしまうが、独りになって冷静に聴いてみると(音質について)的確な判断ができるという趣旨の話を著書で読んだ記憶がある。いわばお客さんがいるとアガルタイプかな。

二番目は「俺はお客さんが居ようといるまいと、ちっとも変わんねえよ」という、“物怖じしないタイプ”。


三番目が自分のようなタイプで、独りで聴いているときには「ええ音やなあ!」と、ウットリするのだが、他人と一緒に聴いていたりすると妙にクールになってしまい、システムのアラがことさら耳につくようになる。よく言えば自己を卑下する謙遜型、悪く言えばマイナス思考型とでも言うべきか。

4日(日)の13時から始まったオーディオ仲間3人との我が家での試聴会もその例に漏れなかった。

あれほど気に入っていたAXIOM301やAXIOM80の音を聴いていると、たしかに繊細かつ音の抜けは抜群で、いい音には違いないのだが、「これにスケール感さえ加われば言うことないのだが」という無い物ねだりの、普段では考えられないような無理な注文をつけてしまう。

美空ひばりの「夫婦春秋」、ワディム・レーピンのヴァイオリン・ソロなどとっかえひっかえ聴いてもらうのだが、お客さんたちの反応は「いいですねえ!」。しかし、雰囲気からしてお義理の気配が濃厚だし、自分だって
隔靴掻痒の感が拭えない。

ひとしきり、聴いてもらったうえで不完全燃焼のまま最後にJBLの3ウェイシステムに移った。

      

はじめに、カウント・ベイシーの「ビッグバンド」。たっぷりとした豊かな響きが部屋全体にみなぎって場が一気に盛り上がった。「これならゆったりとリラックスして聴ける。いやあ、素晴らしい!」
と、皆さん、あっという間に顔がほころんでニコニコ顔。

そういえば、全員そろって「ジャズ好きだったなあ」(笑)。

次に、「(我が家のJBLは)クラシックでも十分いけますよ」とばかりに、ワーグナーの「ワルキューレ」(ショルティ指揮)をかけてみた。

これまた大好評で「とてもJBLとは思えないほどクラシックも柔らかく聴こえる。これなら長時間聴いてもまったく退屈しない」
と手放しの絶賛ぶり

まことに、いいことづくめで皆さん異口同音に「JBLはやっぱり凄いっ!」

ウ~ン、こういうことならお客さんたちの好みをよく勘案して最初からJBLシステムで聴いてもらえば良かった!

ふと、2年ほど前のブログで「順番への思惑」(クリック可)というタイトルで投稿した記憶が蘇った。

作家「阿刀田 
隆」さんのエッセイによると、自作の短編集では作品を並べる順番に工夫を凝らしており、たとえば全体で10篇あるとすると、気に入った作品が仮に順番にABCDEの5編あるとすれば、最初に持ってくるのがB、その次がA、三番目にCを持ってきて、真中あたりにEを置き、一番最後にDを持ってくるという内容。

その並べる順番の思惑とやらを要約すると、

「やはり最初が良くなくてはいけない。読者は最初の一編を読んで期待を持つ。これが悪いとその先を読んでもらえない恐れがある。ただ、一番先にAを置かないのはBで引き込み、さらに面白いAへとつないだ方が運動性が生じる。展望が開ける。BからAへと弾みをつけ、3番目をそう悪くはないCを置く。そして、最後にそれなりに悪くないDで全体の印象を整える。中だるみのあたりにEを置く理由もこれでお分かりだろう。」という内容。

この要領でいくと、今回、お客さんたちに聴いていただく順番は最初に「AXIOM80」システム、次に「JBLの3ウェイ」システム、そして最後に「AXIOM301」で締めるのがどうやら正解だったようだ(笑)。

ま、「終わり良ければすべて良し」という考えもあるのだが、はたしてどうだろうか。

ちなみに、我が家のシステム編成は持ち主の移り気によってクルクル変わるので、「2013.8.4」現在のJBL3ウェイシステムの概要を記憶に留めておくために記しておこう。

マルチ・アンプ・システムのときは「低音域はDCアンプ、中高音域は真空管アンプを使う」というのが我が家の不変のポリシーである。

音の入り口部分

CDトランスポート(ワディア270) → クロック・リンク → DAコンバーター(ワディア27ixVer3.0)

低音域(~200ヘルツ)

プリアンプ1号機 → パワーアンプ(ケンウッド「01-A改」) → 「JBLーD130(口径38センチ)」(タンノイ・ウェストミンスターのエンクロージャー入り)


中音域(400~1万ヘルツ)

プリアンプ2号機 → パワーアンプ(真空管PX25シングル・1号機) → 「JBL375(16Ω)」(ウッド・ホーン付き)

高音域(1万ヘルツ~)

アッテネーター → パワーアンプ(真空管2A3シングル・1号機) → 「JBL075」(ステンレス・ホーン付き)

チャンデバをいっさい使わない変則的なマルチ・チャンネル方式だが、我ながら苦心に苦心を重ねた産物である。


話題あれこれ

2013年08月07日 | 独り言

☆ 面白いテレビドラマ

「お父さん、今、面白いテレビドラマがあるけど知ってる?」と、娘。

「フ~ン、どういうドラマかな」

「“半沢直樹”という銀行の内幕を内容にしたドラマで凄い人気よ」

「ああ、知ってるけど、まだ観たことはないなあ。たしか作家の“池井戸 潤”さんの原作を基にしたドラマだな。次回から観てみよう」

九州地方では日曜日の午後9時からの放映で、8月4日、11日と2週連続で三回目と四回目を録画して観たが、なかなかよくできている。

池井戸さんは、慶大を出て三菱銀行に就職され、中途退職して作家に専念された方だが、「果つる底なき」で、ミステリー作家の登竜門とされる「江戸川乱歩賞」(賞金1千万円)を受賞されている。

同賞の受賞作はすべてと言っていいほど読破しているが、この「果つる底なき」も銀行を舞台にした内容で、歴代の受賞作と比べても高水準の作品で実際に銀行勤めをした経験が存分に生かされていた作品との記憶がある。以後、池井戸さんの作品は注目して手当たり次第読んだ。

テレビドラマ「半沢直樹」もがんじがらめの銀行組織の中で出世競争、上司と部下の軋轢、やられたらやり返す「倍返し」など、日頃から息が詰まるような組織の中で悪戦苦闘する会社員のストレス解消ドラマの印象を受けた。

ま、これからも続けて観てみることにしようかな。

それにしても、池井戸さんは以前このブログでも取り上げた「下町ロケット」で直木賞を受賞されてから大ブレークしたようだ。いまや、百田尚樹さんと並んで、書けば売れるというベストセラー作家になっている。

基本的に、苦闘の末に最後は正義が勝つという「勧善懲悪」の筋書きなので読みやすいのだろう。ヒーローづくりもうまい。ただし、いろいろ読んでみたがいまだにデヴュー作の「果つる底なき」を越える作品が出ていないのが残念。

☆ 数年ぶりの人間ドック

5日(月)は数年ぶりに人間ドックに入った。

「自覚症状が出たときはもう遅いよ。少なくとも年に一度は是非受けなさい。自分もおかげで命拾いしたよ」との、知人の真剣なアドバイスに素直に従ったわけだが、幸いなことに、内臓に関する所見はいっさいなかった。

一番怖かったガンが発見されなくてホット一息。万一のときは「陽子線治療」を受けるつもりだが何と300万円もかかる。その分オーディオシステムに回せるからうれしい(笑)。

ただし唯一、数値が悪化していたのがHBA1C(1か月間の血糖値の指標)。
ここ10年では最悪の状態になっていた。

実は思い当たることが大いにある。

先般の北海道旅行で「食わねば損」とばかり、意地汚く暴飲暴食をしたこと(笑)。

ここ1か月ばかり、梅酒をはじめ自宅で作った果実酒をつい口当たりがいいものだから飲み過ぎたこと。家内によると、氷砂糖を山ほど入れているので、まるで「砂糖水」を呑むようなものだと厳しく諌められた。

おまけに、先般のブログに書いたように「芋焼酎+カボス」の時期が到来して、夕方から毎日のように誘惑に負けていることなど枚挙にいとまがない。
 

運動の方は連日、日課のようにしてこまめに取り組んでいるのだが、どうやら効果の程は「過飲食」には到底及ばないようだ。

とにかく、これからのモットーは「腹八分目」である。

それから、今回の人間ドックでの唯一の救いは左右の聴力が前回(数年前)よりもむしろ良くなっていたこと。

これは非常にうれしかった。

何といっても耳が聴こえなくなったら「音楽&オーディオ」が楽しめないので、もう「死んだ方がマシ」なんだから(笑)。


グッドタイミング!

2013年08月05日 | オーディオ談義

以前のブログ「フルレンジ+ツィーターの組み合わせ」でオーディオ仲間のAさん(湯布院)が、ナショナルの8PW1(通称「げんこつ」)に市販のツィーターを加えて、楽しんでおられる話を書いた。

その後、Aさんにお会いするたびに「大掛かりなシステムは今のところまったく聴いてません。このシンプルな組み合わせばかりを毎日のように楽しんでますよ。」と仰る。周波数を分割しないことによって得られる自然なハーモニー感がたまらなくいいとのこと。

「オーディオはフルレンジに始まって、フルレンジに終わる」という言い伝えを聞いたことがあるが、似たような諺に「魚釣りはフナ釣りに始まって、フナ釣りに終わる」がある。

ご存知の方も多いと思うが、その意味とは、

「フナ釣りで入門し、海、川などさまざまな釣りを体験して最後には又フナ釣りの、釣りの原点としての面白さ、奥の深さに気づきフナ釣りに戻ると言う事です。ひと通りの釣りを体験した、老釣り師は、安全面、体力面から言ってもマブナ釣りに戻ると言う現実的な面もあるのではと思います。」

Aさんのように全国津々浦々のオーディオ巡礼を通じて豊富な場数を踏み、軽く家1軒分を越えるほどの投資を(オーディオに)注ぎ込んでこられた方が、改めてフルレンジの奥の深さに目覚められるというのは、本当にゆゆしきことだと思う。

こういう身近な事例を目の当たりにすると、我が家の「フルレンジ」ちゃんたちにも頑張ってもらわねばという心境になってしまう。

現在、テレビ視聴時用として使用しているのがリチャードアレンの「ニューゴールデン8」だ。手軽に利用できる口径18センチの代物で自作なのでまことにお粗末なツクリのエンクロージャーに収めているが、我が家の第三システムとして重宝している。

                   

別段、音に不満はないのだが、そこはそれAさんに触発されてマニア特有の欲の深さとでもいうべきか、
先日思い切って手持ちの「AXIOM301」ユニット(口径30センチ)に取り換えてみた。

                    

まったく試験用として遊び程度の感覚で聴いてみたところ、これが実にいい音がする!

あの「AXIOM80」に通じる透明感が紛れもなく存在していた。高音域にはJBLのLE85をホーンなしの裸で付け足した。ローカット用のコンデンサーは0.5μF(マイクロファラッド)だから、計算上は4万ヘルツで人間の可聴帯域外だが、これが有るのと無いのとでは大違い。

これで三日ほど聴いてみたが、あまりにも好みの音がするものだからさらにまた欲が出てしまった。こうなればもう強欲というほかない(笑)。

エンクロージャーの開口部が口径18センチ用なので、気になって仕方がないのでこれを30センチ用に改造するためにジグソーを持ち出して、バッフルの穴を大きくした。半日ほどかかってようやく完成。部屋の中で作業したものの、廊下にまで木くずが散らばって、夕方に帰ってきた家内から大目玉をくらった(笑)。

                 

ユニットの大きさに比べてエンクロージャーの容積が足りないのは一目瞭然だが、な~にとりあえず「仮の姿」というわけである。

台の上に、さらにわざわざ空間を設けているのは、エンクロージャーの真下から背圧を逃がすために縦2センチ×横30センチほどのスリットを新たに入れたから。

さあ、これで聴いてみると、これがまた一段と良くなった感じ!しかし、「井の中の蛙」になって、独りよがりの世界はあまり好ましくない。

折しも、4日(日)の午後からオーディオ仲間(大分)が3人やって来て試聴会を予定しているので、はたしてどういう鉄槌が下るのか、まことにグッドタイミング!

以下、続く。


小人閑居して不善を為す

2013年08月03日 | オーディオ談義

「暑さ寒さも彼岸まで」というが、2日に発表された気象庁の1か月予報では日本列島はこの上なく猛暑になるという。これじゃあとても我慢の限界を越えそう。

あっさりと自然冷房主義を放棄して一日中エアコンをフル稼動させ、このところずっとオーディオ・ルームに閉じこもって、オーディオ三昧、音楽三昧の日々を送っている。

こういうときに、昔の人は実にいいことを言っている。そう、「小人閑居して不善を為す」(笑)。

そういうわけで我がオーディオシステムにも動きがあったので述べてみよう。

発端はワディム・レーピンのヴァイオリン演奏だった。

去る7月上旬に我が家に来てくれたオーディオ仲間のS君(福岡)が愛聴盤として持ってきてくれたのがこれ。

        

このCDにはヴィオリン技巧の頂点を極めたパガニーニ(1782~1840)をはじめバジーニ、ウィニアスキーなどの曲が収めてあり、レーピンのあまりの名演ぶりに一同、試聴しながら息を呑んだものだった。

たしか自分も同じCDを持っているはずだがと、探してみると以前購入した10枚セットの中入っていた。

            

そこで、最近試聴にお見えになるお客さんたちに、ことごとくこのCDをお聞かせすると、異口同音に「凄い演奏ですね。ヴィオリニストは誰ですか?」

「ワディム・レーピンです。ロシア出身ですがあの(往年の名ヴァイオリニストとして名を馳せた)オイストラフと肩を並べるほどの逸材なのは間違いありません」。

さて、これまで積読状態だったレーピンの10枚セットを改めて仔細に眺めてみると、7枚目にモーツァルトのヴァイオリン協奏曲「2番、3番、5番」が収めてあるのを発見した。指揮はユーディ・メニューイン。

モーツァルトのV協奏曲といえば、音楽評論家推薦のベスト1の名盤として君臨しているのが「グリュミオーとデービス」盤だが、これは別格として、このところ聴くことが多いのは「パールマンとレヴァイン」盤だが、この「レーピンとメニューイン」盤にも大いに興味を引かれて聴いてみた。

ところが、「?」

「レーピンの演奏にしてはどうもイマイチ乗れないなあ。バックのオーケストラと何だかバラバラの響きに聴こえる。録音が悪いのか、それともオーディオ・システムに問題があるのか?」

録音の方はどうしようもないので、システムの方に疑惑の目を向けてこの際いじってみることにした。

使用していたのは「AXIOM80」の2ウェイシステムで、これまでボーカルやヴァイオリン・ソロだと目立たないもののオーケストラなど大編成となるとクロスオーバー付近の200ヘルツ前後で音が希薄になる傾向にあるのがそれとなく気にはなっていた。低音部と中高音部との繋がりをもっと滑らかにしよう。

このCDを聴いてようやく気持ちが固まった。よし、実験あるのみ。な~に、悪いときは元に戻せば済む話。

対策の第一番目は「AXIOM80」を200ヘルツ付近でローカットしているコンデンサーを思い切って外して、フルレンジで鳴らしてみることに。第二番目は裏蓋を外して、羽毛の吸音材をぎゅうぎゅう詰めにしたまま後面開放にする。

ニッパーとハンダごて、カッターナイフ、ドリルドライバーを持ち出して30分ほどで作業完了。

          

外したのはトリテックとムンドルフの混成旅団のコンデンサー。コンデンサーに極上のマイカコンデンサー(極小値)をパラって繋ぐと音が良くなるという言い伝えを信じて、ウェスタン製の極小値のマイカコンを接続している。

そういうわけで「AXIOM80」をローカットなしのフルレンジで鳴らすとなると、低音部の方はサブウーファーという役割になって従来どおり200ヘルツ付近でのハイカットのまま使用。

これで聴いてみると、音の佇まいが一変した。バランス、音の彫の深さなどなかなかいい。念願だった「AXIOM80」がようやく伸び伸びと“ふっくら”“ゆったり”鳴ってくれた。

ただし、いいことばかりではない。ソースの録音状況によって低音域の音量のこまめな調整が必要になるし、さらに困ったことに低音域をローカットしていないと、極めて繊細なツクリなので大入力のときに壊れやすいのも事実。

これまでに2回ほど失敗して、その都度岡山のSP修理店に助けを求めている。手間がかかるし、修理の金額だってバカにならない。

これから毎日ヒヤヒヤしながら音量を少なめにして聴くことになるが、同じ「AXIOM80」愛好家のKさん(福岡)に言わせると、「俺の言うことを聞かないとシベリアの収容所送りにするぞとばかりに、じわじわエージングを重ねていけばいずれ(ユニットが)慣れてくるものです」との心強い言葉もある。

まったく「虎穴に入らずんば虎児を得ず」のような心境で、しばらくこれで聴いてみることにしよう。

はたして吉と出るか、凶と出るか、こればかりは博打だなあ(笑)。