「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

マダム・ピリンスカとショパンの秘密

2021年03月31日 | 音楽談義

高校野球の話だが、昨日(29日)の準々決勝で地元の「明豊高校」(別府市)が「6ー4」で近畿の雄「智弁学園」に打ち勝ち「ベスト4」に進出しました。素直にうれしいです!

家内によると、野球部員たちとすれ違うときはいつもきちんと挨拶するし、とてもいい子たちよ~。


この勢いで「深紅の大優勝旗」をと思うが、ちょっと虫が良すぎるかな~(笑)。

さて、このところオーディオがらみの話が続いているのでボチボチ「音楽ネタ」でもと、思っていたところ
恰好の本が見つかった。



著者:エリック=エマニュエル・シュミット(フランス)、2021年1月、音楽之友社刊

ショパンを何とかしてうまく弾きたいという青年が師匠の「マダム・ピリンスカ」(ポーランド人)から非常にユニークな教え方をされるという物語である。

その教え方というのは次のとおり。

1 露

今週はピアノに触ってはいけません。そして、毎朝公園の芝生にひざまずいて露を落とさずに花を摘む練習をしなさい。露は花びらか葉っぱの上にのったままでなければダメ、余計な動きは禁物!

何故なら、あなたはピアノの鍵盤をまるで木こりみたいに叩いている。その指を献身的で、敏感で、知的で細やかな指に変えたいの。たった今から、私はあなたに体のデリケートさを要求します。

 静寂

静寂を聴きなさい。寝室で気持ちを落ち着けて、呼吸を整えたら沈黙に耳を澄ますこと。ショパンは静寂の上に書いた。彼の音楽は静寂から生まれ、静寂へと戻っていく。そのように織りなされているの。沈黙を味わうこともできないあなたに、彼の音楽が分かるはずがありません。

 波紋

公園に行って池の水面に波紋を描く練習をしてらっしゃい。そうすれば響きとは何か、あなたにも理解できるんじゃないかしら。水平に広がる滑らかな水面を静かに眺めて、そして穀物の小さな種を一粒投げ込みなさい。

水は揺らめくでしょ? その動揺が引き起こすこと、輪が浮き上がり、広がり、消えていくまでの時間を観察しなさい。けっして力んではダメ。そしてしっかり目を開けて見るのよ。

水のように液体になる練習をしなさい。波に逆らわず、しがみつかず、音と音の間の空間を感じ取って、その成り行きに身を任せて、自由と柔軟性の幅を広げるのよ。

 恍惚

愛し合ってから(レッスンに)来なさい。あなたをほぐしたいのよ。ポーランドにこんな友達がいたわ。

マグダレーナというソプラノのオペラ歌手で、ミミやリュウ、蝶々夫人、マルグリット、マノンにもってこいの歌手だった。

がっちりした体型で、やり投げの選手みたいだったけど、まあそこは腕のいい衣装係がいれば何とかね・・。

彼女は舞台に立つ直前に愛し合ったときだけ、素晴らしい高音を出すことが出来たのよ。本当よ!この前提条件さえあれば彼女のシ♭(フラット)の高音はふっくらとして、肉感的で、輝かしく、神々しいまでの域に達した。でなきゃ、機関車の汽笛みたいだったわ。

そこで、彼女の夫のボグダンがどの公演にも付き添って、楽屋で彼女の高音のお支度をしたというわけ。彼女の契約はワルシャワ、ウィーン、ベルリン・・・と増え続けた。ボグダンは機械工の仕事を辞めて彼女の世話をしたの。

悪いことに彼女がワーグナーを歌い始めたもんだからボグダンの髪はどんどん薄くなっていった。

なぜなら、ワーグナーのオペラって何時間も大音響の噴火が続くけど場面が変わるたびに中断が入るから地獄のように大変なのよ。妻がきちんとこなせるように、ボグダンは休憩ごとにお膳の準備をし直さなければならなかった。

テストストロン過剰ね。セックスのやり過ぎは薄毛を促進するのよ。その後彼女は<ニーベルングの指輪>の契約にサインし、これがボグダンをやっつけた。心臓発作、脳卒中、車椅子、そして幕!

以上のとおりだが、1~3までは真面目な話で素直に頷けるが4については思わず「アハハ・・」と笑ってしまったが、もしかして実話かもしれないと思わせる信憑性がありますね。

ほら、芸術にエクスタシーはつきものでしょうが(笑)。

本書の中で一番印象に残った言葉を載せておこう。

「マダム・ピリンスカ、ショパンの秘密って何でしょう?」と青年。

「突き止めようなんてしないこと、ただ一緒にいるだけでいい秘密ってあるのよ。寄り添っていると自分が磨かれる、そんな秘密がね」

これまでショパンはあまり好きではなかったが、このショパン愛に満ち溢れた本書を読んで久しぶりに聴いてみる気になった。

「アンダンテスピアナートと華麗な大ポロネーズ」(クラウディオ・アラウ)



下降旋律がとても美しくてショパンの中では一番好きな曲目だが、たまに聴くとやっぱりいいですねえ(笑)。



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クラシック音楽愛好家のご来訪~その2~

2021年03月28日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

これまで、いろんな方々が我が家に試聴にお見えになったが、かってオーケストラの一員として活躍された方は今回のFさんが初めてである。

いわば、録音現場ともいえる生の音に精通したプロとでも言うべき方なので、
我が家の「自己勝手流の音」に対してどのようなご感想を洩らされるか興味津々である。

もちろん、良くても悪くても当人の面前での評価はご遠慮されるだろうが、おおよそ素振りや雰囲気でわかるものである(笑)。

さっそく、玄関を入ってすぐのオーディオルームにご案内して、はじめに、かってのヴィオラ奏者ということで「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K.364」(モーツァルト)を聴いていただいた。

ヴァイオリンは「五島みどり」さん、ヴィオラは「今井信子」さんと日本が世界に誇るご両人だ。

ヴィオラ奏者のFさんにとっては先刻ご承知の曲目だったが、

「ヴィオラがヴァイオリンと対等に演奏できるようにモーツァルトはヴィオラを通常より半音上げて作曲してます。ヴィオラにとってやや無理を強いられますので演奏するときは内心穏やかではありません。」

Fさんならではの、こういう専門的な話はとても参考になったし、いかにも音楽愛好家らしく目を閉じて静かに耳を傾けられる姿勢にほとほと感じ入った。

沢山のCDを持参されてきたので、さわりの部分を順番に聴いていった。

スピーカーの方は「AXIOM80(復刻版)+D123」を皮切りに「ワーフェデールのスーパー10+ウェストミンスター」、そして最後の真打は「AXIOM80」(オリジナル)へ。

次に、持参されたCDの中からコープランドを聴かせてもらった。



途中で大太鼓のズシ~ンと腹に響いてくるような物凄い低音が鳴り響いて度肝を抜かれたが、ウェストミンスター(150ヘルツ以下)はいささかも動じることなく見事に再生したのはうれしかった(笑)。

「こういう低音は初めてです。オフ会で聴かせてもらったJBLの口径48センチでも聴けなかった低音です。ユニットは口径30センチでしょう・・。」

「ハイ、低音にはいささか自信があります。むしろユニットよりも箱の効果だと思います。それに200ボルトを100ボルトに降圧した電源を使っていますし、全面床コンクリートにしてその上に(スピーカーを)設置していますので床が共振せずに低音のエネルギーを逃がさない点もあると思います」

ただ、これはこの原稿をしたためるときになってふと思いついたことだが、クロスオーバーを200ヘルツ以下にしないと本格的な締まった低音は出てこない。

その点JBLのシステムはたとえ大型の「375」ドライバーにしても200ヘルツまでは出せないので、どうしても低音域のクロスを500ヘルツ前後にせざるを得ない。すると低音域が締まらずにボワ~ンとふやけてしまう。そういうジレンマがあるのではないかと推察したことだった。

したがって、JBLの口径48センチをクロス200ヘルツ以下でそしてしっかりした箱で再生したときは、これ以上の凄い低音が出るような気がする。まあ、アンプにもよりけりだが・・。

(いつも言っていることだが、オーディオに関する諸説の普遍化は危険。あまりにもオーディオ環境の変数が多すぎるので、どうしても各家庭の状況に応じて臨機応変の対応が必要。つまり、この現象は我が家だけの事例なので念のため申し添えておきます)

最後のCDは「ゴールドベルク変奏曲」(バッハ)を弦楽三重奏曲に編成したもの。Fさんが大好きな曲目だそう。



「弦楽三重奏や四重奏は無駄を省いた究極のクラシック音楽の形だ」と、読んだ記憶があるが、素晴らしい演奏にウットリと聞き惚れた。使ったスピーカーは「AXIOM80」のオリジナル版で、この小編成にはもってこいだろう。

そして、聴き終えてから感動冷めやらぬままにとっておきの質問を繰り出した。

「AXIOM80の復刻版とオリジナル版とでは印象が違いましたか」。

「ハイ、まったく別物の印象を受けました。オリジナル版は落ち着いた音色でさりげなく鳴ります、これがほんとうの楽器の音色だと思いました。」

そうですか・・・。

ウ~ン、またもや宿題が残った(笑)。

Fさんのお好きな音の傾向もだいたいわかったし、想像以上にデリケートなお耳の持ち主だったので、またのご来訪までには何とか復刻版をオリジナルと同等に引き上げなくては。

そのための秘策はいろいろある・・。

性懲りもなく果てしないオーディオへの挑戦と探求が延々と続く(笑)。




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クラシック音楽愛好家のご来訪~その1~

2021年03月26日 | オーディオ談義

つい先日、搭載した記事「有益なオーディオ情報をタダで手に入れようとするのは甘い!」は、なかなかの好評で未だにアクセスが絶えない状況にある。

この記事の末尾に、もし「どうしても(真空管の型番を)知りたい」という方がいれば「自己紹介欄」のメルアド宛ご連絡ください。それこそ熱意に免じて「タダ」で教えて差し上げます。」と、記載しておいた。

その後、今日まで実際に問い合わせがあったのはたったの3件だった(笑)。

この記事の後、過去記事を詮索した(アクセスの)形跡が見られたので、「筆者に問い合わせるよりは自分で(過去記事を)調べてみよう」という方がいたように感じた。

変な意地(?)を張って、まったく「可愛げ」がないねえ(笑)。

アッサリ問い合わせてくれれば真空管の型番のみならず、一緒に重要な付帯情報を伝えてあげたのに・・。

とはいえ「またまた、いつものように大袈裟な表現だなあ・・」と、信じてもらえなかった可能性も十分ある(笑)。

それはさておき、その3名の方々のうち2名はこれまでメールのやり取りをしたことがあった方々だが、1名の方が初めてだった。

「この二三日、たとえ知っても買いに走ることもないんだから…と考えて控えておりましたが、やはり気になって仕方がありません。

真空管は何なんでしょうか、お明かし願えませんでしょうか?宜しくお願い致します。」

「ハイハイ、喜んで情報提供しますよ」とばかりに即答したが、これを契機にメールの交流が始まって、たまたま隣県の「福岡」の方だったので「試聴させていただけませんか」ということになった。

願ってもないことなので「わざわざお見えになって聴いていただくほどの音ではありませんが、気が向いたらいつでもどうぞ~」と、返答したところバタバタと日程が「3月某日の午後」と決まった。

さっそく「散らかり放題」のオーディオルームの整理整頓にかかった。遠路からお客様がお見えになるたびに行うまるで恒例行事みたいなものだが、とはいっても荷物をそっくり別の部屋に運び込むだけの応急措置になるのだが(笑)。

とりあえず当日の試聴時間の節約のつもりで、メールで年齢、過去の職業や好きな音楽ジャンルなどの自己紹介をしたところ、相手の方(仮にFさんとしておこう)からも返信が来て「長年、〇〇交響楽団でヴィオラを演奏してました」とあった。

え~ッ、いわば音楽・音響のプロじゃないですか!

思わず身が引き締まり、ひときわオーディオの調整に余念が無かったのは言うまでもない(笑)。

しかも、Fさんは音楽家には珍しくたいへんなオーディオ愛好家であることが判明した。

「スピーカーはJBLの4320、4311、タンノイのランカスター、コーネッタ、ダイヤトーンのR208、R305、DS3000が主なところです。

1番好きなのは1番小さなR208で、音の高低のバランスや伸びよりも、一瞬のリアルさが1番大事で、違うと我慢出来ない様です。

聞くのはCDが主で、主にはクラシック中心ですがジャズや昔のポップスや歌謡曲など何でも聞きます。ただオーケストラのものは検事の耳になるので余り聴きません。

弦楽四重奏が本当はやりたくて、一時は打ち込んでやっておりましたので、ヴァイオリン等の弦楽器がリアルに聴こえるのが理想です。

アクシオム80はその意味で聴いてみたいスピーカーの最右翼だったのですが、見たことが復刻版が1度、聴いたことは1度もありません。

とても楽しみにしております。」

「そりゃあ、クラシック音楽愛好家なかんづく弦楽器を愛好されるかたなら一度はAXIOM80を聴いておいた方がいいでしょうね~」とは、心の声(笑)。

ただ、タンノイのコーネッタをお持ちとはご熱心さが伺える。ⅢLZの代わりにAXIOM80を容れても面白そうな箱ですね。


2~3日前まで「ぐずついた天気」がウソのように晴れ渡った3月某日、目印の積りで玄関前に出ていたら、きっかり13時25分に我が家にご到着された。

「いやあ、どうもどうも初めまして~」。

初印象は、いかにもクラシック音楽を長年演奏し愛好されてきた雰囲気そのままのイメージどおりの方だった。

今回の試聴のポイントは次の2点になる。

 ウェストミンスター(改)の低音域(150ヘルツ以下)は音楽のプロの耳からどのような受け止め方をされるのか。

(やたらに低音域に拘るようだが、大好きなオペラやオーケストラは豊かな低音域の支えが無いと聴けない音楽だから。)

2 AXIOM80の「オリジナル」版と「復刻版」の音色の違いについて、はたしてどのような感想を洩らされるのか。

以上、受け入れ側としても興味津々である。

以下続く。



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柳の下の二匹目のどじょうを狙う

2021年03月24日 | オーディオ談義

先日のブログに載せたように「AXIOM80」(復刻版)用の小振りの箱を作ったところ、想像以上に良く鳴ってくれるので毎日がルンルン気分になった。まさに「春到来」だが、どうやら厚さ12mmの薄板が功を奏したようだ。

自作ということなのでどうしても「贔屓目」があるにしろ、なかなかの出来栄えだと勝手に自惚れているが、数日前にオーディオ仲間(大分市内)のお二人さんが「聴かせてください」とお見えになった。

その時に
話題となったのが「箱の自作」についての是非だ。

「わたしは箱だけはプロの手に任せるようにしていますので箱づくりはしません」と、仲間のうちのお一人がキッパリ仰った。

そこで「いやあ、その気持ちよくわかります。ほんとうはプロの手に任せたいのですが、グッドマン社に限っては箱をつくってないものですから、自作するしか仕方が無いんです。それに、12mmの薄板で作った箱なんてオークションでも出品されてませんしねえ。」

さらに付け加えて、

「本格的な低音を出そうと思ったら箱の剛性が絶対に必要ですが、そうなるととても素人の手に負えません。その点、我が家の場合は低音用の箱はすべて既成の箱に任せています。ウェストミンスターにしてもJBLのD123にしてもしかりです。箱づくりの目的は我が家の場合、中高音域の倍音成分を豊かに鳴らすことに絞っています。」

と、まず言い訳がましいことを述べてから「柳の下の二匹目のどじょう」の登場といこう(笑)。



以前からウェストミンスターの上に載せているワーフェデールの「スーパー8」(口径25センチ:赤帯マグネット)を裸の状態で鳴らしているのが気になっていた。

このユニットについてはフルレンジで鳴らしていたのだが、何しろ裸なのでユニットの後ろ側に出る音〈逆相)が前に回り込んできて中低音域を邪魔していることは間違いないので、たとえ小振りの箱にしても容れるに越したことはないと判断した。

というわけで、性懲りもなく再度の箱づくりに取り掛かった。

今回も、前回の「箱づくり」の成功パターンを踏襲した。

 DIY店で12mm厚の木材を所定の大きさにカットしてもらう

 カットした木材に吸音材や定在波防止用の卵用トレイを張り付ける。そしてユニット取り付け用の穴(口径25センチ)をジグソーで開ける

 組み立て時にはオーディオ仲間のNさんに加勢に来てもらう。

 組み立てにはいっさいネジを使わず、強力接着剤を使用する。完成したら専用のベルトでしっかり締め上げて一晩おく

画像を見た方が分かりやすいでしょう。



ひときわ大きい赤帯マグネットを持つ「スーパー10」(ワーフェデール)。コーン型なのに強力なマグネットのおかげで、まるでホーンみたいに音が飛んで来まっせ~(笑)



前回と違うのは、「羽毛が詰まった吸音材」を採用し底板に張り付けたこと。



これが完成形。

作業後の翌朝、朝一で早く聴きたいと逸る気持ちを抑えながら「おい、手伝ってくれ~」と家内を呼んでこの箱をウェストミンスターの上に載せようとしたら情けないことに二人とも非力なので肩の上まで持ち上げられない。

「これはとても無理よ~、(三軒隣の)若い〇〇さんに頼んであげる」と、急いで家内が走ってくれた。

気持ちよく駆けつけてくれた逞しい筋肉質の〇〇さん、「軽いですね~。独りで十分です」と軽々と持ち上げて載せてくれた。

「ありがとうございます」と、深々と頭を下げてから、家内と顔を見合わせて自分らのあまりの非力ぶりに深~いため息をついた(笑)。

さて、問題はどういう音が出るかですね。ハラハラ、ドキドキ、ワクワク~。

以下、続く。



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「神の領域」に近づく者たち

2021年03月23日 | 独り言

今年(2021年)のプロ野球はとても面白くなりそうで、4月からの開幕が待ち遠しくてたまらない。

まずは「MLB」(アメリカ大リーグ)だが、大谷選手が心身ともに絶好調でオープン戦の成績が凄い!

オープン戦といっても、選手たちは成績次第でマイナーリーグへの降格があるので本気で試合に臨んでいるのは言うまでもないが、周知のとおり大谷選手は昨年は左膝の手術の後遺症で足が踏ん張れず散々な打撃成績だったし、投げる方も右肘のトミージョン手術の完治にはほど遠く、使い物にならなかった。

そこで、今年こそはと秘かに誓うものがあるはずで、オープン戦の成績にもそれが如実に現れていると見た。

おそらく、公式戦では大リーグ史上において投打ともに(願望を込めて)「神の領域」に近づく成績を上げるのではないかと想像している。あと心配なのは故障だけ。

次に、日本のプロ野球だが家内が熱烈な巨人ファンなのであまり大っぴらに応援できないのだが、内心では「ヤクルト」に秘かに肩入れしている。

なぜかといえば、明豊高校(別府市)出身の「濱田」選手がいるから。

高校時代からその打撃は評判で通算で本塁打が40本以上だったし、たしか甲子園でもスタンド入りの本塁打を2~3本打っている。

ドラフト上位でヤクルト入りして今年で3年目だが、早くもオープン戦で本塁打が4本と絶好調でようやく才能が開花しそうだ。

村上選手(左打者)と組んで、左と右の大砲になると戦力アップは間違いないし、これで投手陣が整備できればリーグ優勝まで行けると思うので、何とか外人選手を補強できないかな。

いずれにしても「巨人 VS ヤクルト」の対戦のときは、金満「巨人」ではなく、自分と似た境遇の貧乏「ヤクルト」を秘かに応援させてもらうとしよう(笑)。

さて、大リーグの「大谷」選手が「神の領域」
に近づく人間だとすると、まったく畑は違うが「真空管オーディオ」の分野で思い当たる人物がいる。

いつぞやのブログでも紹介したことがあるのだが作家の「村上春樹」さん絡みの話である。

同氏は作家デビュー前は「ジャズ喫茶」の店主だったことは有名だが、その時のシステムは、スピーカーは「JBL」で、アンプは「アキュフェーズ」だったが、実はそれ以前には真空管アンプを使っていたと、たしか福岡の読者からメールをいただいた記憶がある。

そのアンプに使用されていた真空管とは型番「1619」。

大半のオーディオ愛好家にとって「?」だろうし、自分だって初めて聞く型番だ。

さっそく、このブログでもたびたび登場していただく「北国の真空管博士」に問い合わせてみたところ次のような回答があった。


               

「ああ1619ですか。4桁ナンバーですね。軍の無線機の通信用真空管です。直熱型のビーム管で、戦闘中にもすぐに使えるようにクィック・スタートが特徴です。私自身は使ったことがありませんが、当時の「無線と実験」誌では製作例がいくつか載せてありました。評判は悪くなかったようですよ。」

こういう答えがスラスラと即座に返ってくるのだから凄い!

古典管の世界ではもはや「神の領域」に近づいた方である。

日頃からの情熱と飽くなき探求心が成せる業だろう。

これに見習って、自分にも何かないかと思案したところ、それこそ「神の領域に近づく音」を目指すしかないが、とても無理でしょうかねえ(笑)。



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これ以上「道具」を増やしたくなかったのに・・

2021年03月21日 | オーディオ談義

前回のブログの末尾で少し触れたように、このところ欲しいオーディオ機器がメッキリと減っている。

50年余りのオーディオ人生の中で、ピンからキリまでいろんな音を出してきたがここ10年余りは自由時間をフルに活用して「音楽&オーディオ」に専念できた結果、自分で言うのも何だがかなりのレベルに到達したような気がする。

ここまで来ると、もうこれ以上望んでも所詮は「五十歩百歩」のような気がするし、人生の残り時間も勘案すると「これ以上オーディオ機器を増やさないようにしよう」と、決めていたのだが、このほどもろくもその誓いを
破ることになってしまった(笑)。



これが、その誓いをご破算にしてくれた「EL34プッシュプルアンプ」である。

出力が「プッシュプル型式」のメリットを生かして片チャンネルで30ワットあって、我が家の真空管アンプ群(大半がシングルアンプ型式)の中では一番の力持ち。

ウェストミンスター(改)の低音域(150ヘルツ以下)を担当するアンプとして、このアンプじゃないとどうしても再生できない音楽ソースがあって、のっぴきならなかったのが背景にある。

その音楽ソースとは、以前にも触れた「フラメンコ」の第2トラック「タラント・ソンソンセラ」のフラメンコ・ダンサーが「ドスン・ガツン」と床を踏み締める音。

しゅっちゅう聴く音楽ソースではないが、その時の超ド級の低音が耳に焼き付いて離れずその呪縛からどうしても抜け出せなかった。

そういえば、めったに聴かないジャズの「サキソフォン・コロッサス」で、マックス・ローチのシンバルが忘れられないばかりに「075ツィーター」(JBL)を外せないのと同じことだ(笑)。

オーディオ愛好家の「業」ともいうべき「深い暗闇」がポッカリ穴を開けて待っている。

ただし、このアンプは「中高音域」は蒸留水のようなサッパリした音で、まるでTRアンプみたいに情緒性に乏しくクラシック音楽の再生には明らかに向かないのが残念。あくまでも低音専用である。

このアンプを手に入れた経緯だが、3か月ほど前だったかオーディオ仲間のYさんがこのアンプで聴かせてくださいと持参されたことに始まった。

伺ってみると、オークションで市価の半分程度で落札されたものだが、キット製品のため完成寸前で放棄された新品だったそう。

このアンプを別のオーディオ仲間「N」さんが、ほんのチョコッと手を入れたところ音が出だしたとのこと。

結局、3か月ほど我が家で居候したわけだが、そのうちそろそろ決心せねばとYさんに「譲る気がありますか」と申し出たところ、「ハイ、いいですよ、オークションで落札した金額と同じでいいです」と、ご快諾をいただいた。お買い得品であることは間違いない。

それに、ずっと以前の話だが「ウェストミンスター」にJBLの口径38センチのユニットを容れて鳴らしたことがあり、量感はともかくスピード感に不満を感じて手放したのだが、その時のアンプは非力なシングルアンプだった。

もしかして、この強力なプッシュプル・アンプなら駆動できたかもしれないという憾みが執念深く未だに残っているので機会があればもう一度口径38センチに試してみたい気もする。

Yさんと話が決まってから、さっそく出力管のスペア「4本」(新品:近代管)をアムトランスから購入した。真空管は消耗品なのでスペアの確保は必須だし、低音専用だから近代管で十分だ。

さらに、このアンプは簡単にバイアス調整ができるので「EL34」よりも一回り大きな「KT88」真空管も挿せるとのことなので、そのうち機会があれば試してみたい気もする。

「KT88」といえばハイパワーアンプの代表選手マッキントッシュの「MC-275」に使われているので有名だ。

どなたか「KT88」(4本)余ってないかなあ(笑)。



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「深追いしない」を考える

2021年03月19日 | 独り言

玄侑宗久(げんゆう そうきゅう:僧侶、芥川賞受賞作家)氏の「サンショウウオの明るい禅」(海竜社刊)を読んでいたら、「深追いしない」という項目立てがあった。


その趣旨は、「"深追いしない"ということは、諦めるということではなくて、事をなすには最も適した時があるので、大人はその時をあわてず待つ」というものだった。

仏教的にいえば
「判断停止」
ということだそうだ。

しかし、これは言うは易いが実行はなかなか難しい。

たとえば自分の場合だと20~30代にかけてそれはもう、欲しくて欲しくてたまらないオーディオ機器があったが、残念なことに安月給の身でおいそれと簡単に手に入る代物ではない。


こういうときにあっさり「判断停止」ができると良かったのだが、それもかなわず結局、手の届く範囲の中途半端な機器で間に合わせてしまい、以後、クセになって入れ替わり立ち代り2~3年おきの購入と下取りの連続となってしまった。

それはそれで結構楽しかったが、今になって振り返ってみると随分と無駄に近い投資の繰り返しをしたなあと思う。

どうせ当時買える範囲内での機器の性能といえば50歩100歩の似たり寄ったりなのであのときのお金を貯めて後年、ドカ~ンと一気に投資すればたいへん効率的だったのにとつくづく思う。まあ、結果論ですけどね~。

それはともかく、「深追い」という言葉はいろんなイメージを膨らませてくれる。一般的な意味としては「未練を断ち切れずにどこまでも追いかける」と解していいだろう。

広辞苑では「深く追求すること」とあり、わざわざ括弧書きで、多く、度を過ごしてするときにいうとある。「深追いは危険だ」
ということわざも添えてある。

深追いする対象もいろいろありそうだ。良い方のイメージとしてはいろんな技術開発はまずもって研究者が深追いしたことによる成果だろう。文明の発展は「深追い」を抜きにしては語れない。

ところが、人間を深追いした場合はどうだろうか。「深追いは危険」の適用はこのことかもしれない。

たとえば、情と名がつく義理人情、愛情、友情、親愛の情、広義の意味で信用もこれに入るかもしれない。いずれも人の心が絡んでいる。

(ある脳科学者によると世の中で「人の心を読む」ほど難しいものはないそうだし、哲学者「大森荘蔵」氏(故人)によると「人の真実は百面相をして立ち現われ、一つ一つの面相が隠しようもないその人の真実なのだ」とある。つまり「人物像」となると、とても一括りには出来ない)

これらの「情」を深追いする場合の一番の特徴は、まず採算が度外視される、つまりお金が尺度にならないことだろう。「人の心はお金で買えない」とあるように理屈や理性抜きの世界だ。

よくニュースなどで男女間の別れ話のもつれから、ストーカー行為とか刃傷沙汰など数え切れないほど報道されているのがその証明。まさに「愛と憎しみは紙一重」(笑)。

大半が女性の方が被害者である。ということは男性の方が深追いしがちな傾向にあるのだろうか。良い、悪いは別にして情熱の持続性や冒険心がより強いのかもしれない。

ほら、
「女心(おんなごころ)と秋〔飽き〕の空」という言葉があるし、気分の切り替えが男性よりも早いみたいですね(笑)。

いずれにしろ、情に対する深追いは要注意というわけだが、リアルな裸の人間味も垣間見えるし情緒っぽい面もあるのでこの世から一掃されるのも何だか味気なさそう。

「熱願冷諦」という言葉があるそうで、その意は求めるときはひたむきに求めてやまないが、どうしても許されぬと悟ると「そうかい、それならそれでよろしい」ときっぱり思い切ることだそうだ。

なかなかの境地でこれだと世の中、万事波乱なくうまく回りそうだが、いさぎよく諦めるのはいいとしても、そもそも加齢とともに「ひたむきに求める」ものが随分と少なくなってくるのも何だか淋しい。


昔はあれもこれもと随分欲しかったオーディオ機器が最近はトンと脳裡に浮かんでこない。

「熱願冷諦」に対して
「冷願冷諦」にはなりたくないものだが(笑)。


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有益なオーディオ情報をタダで手に入れようとするのは甘い!

2021年03月17日 | 独り言

「日本人は水と安全はタダと思っている」とあったのは数十年前のベストセラー「日本人とユダヤ人」(イザヤ・ペンダサン)だった。

当時の「日本の平和ボケ」を鋭く指摘したこの言葉に対して、世間で新鮮かつショッキングな受け止め方をされたことを憶えている。

今回は、これをもじって「有益なオーディオ情報をタダで手に入れようとするのは甘い!」。

以下、少々立ち入ってみよう(笑)。

つい先日に完成した「AXIOM80+D123」の音に触発されていつものように「ああでもない、こうでもない」のクセが始まった。

現状に満足することなく、少しでも「もっといい音が出ないだろうか」の努力は「音楽&オーディオ」を「愛すればこそ」の賜物だと理解してほしい(笑)。

何しろスピーカーはアンプ次第でくるくる音が変わるので検討の余地が山ほどある。

それも真空管アンプの場合は「前段管、整流管、出力管」のどれを代えても音質に影響してくるのだからたまらない。

<第一段階>

AXIOM80には我が家のベストアンプ「WE300Bシングル」をあてがったのは当然のことだが、
問題は低音域(350ヘルツ以下)を受け持つJBLの「D123」(口径30センチ)に対応するアンプの選択だ。

能率が比較的高く「100db」近くあるのに「コーン紙」が重たいせいかやたらにハイパワーを求めてくるクセのあるユニットである。

TRアンプに比べて真空管アンプ(シングル)の弱点は「
パワーにある」といってもそれほど間違いではないと思うが、今回のケースでは「音質」に敬意を表して、低音域だけを担当させるのは実にもったいないけれど比較的出力に余裕がある「PX25シングル」アンプを動員した。



そういうわけで結局、このシステムを駆動するアンプは「WE300BとPX25」というアメリカとイギリスを代表する直熱三極管の「組み合わせ」となった。

<第二段階>

さらに、細部に分け入ってみよう。300Bシングルアンプの出力管には当初は「WE300B」(1988年製)を使っていたのだが、音質的にまったく不満はないもののやや低音が出過ぎるきらいがあった。

今回のケースでは低音域の補強は「D123」で補っているのだからあまり低音が出なくていいし、むしろ出過ぎると故障の原因にもなる。

何しろAXIOM80は良くも悪くも極めて繊細なツクリになっているので、低音過多の音楽ソースを聴くときには、まるで刑務所の塀の上を歩いているような気がしてきて知らず知らず冷や汗が出てくる(笑)。

そこで、思いついたのが以前「北国の真空管博士」から譲っていただいた出力管「〇〇〇」(刻印入り)だ。



300B真空管とはプレート電圧が違うので規格的に互換性は無いのだが、「私が改造した貴方の300Bアンプには十分使えるはずです」とのご託宣だった。

WE300Bに比べると規定通りのプレート電圧をかけていないので「やや薄味の低音域」が当時の記憶に残っていたのだが、むしろ今回のケースではもってこいの出番かもしれない。

さっそく差し換えてみると思わず「何じゃこりゃあ」と唸った!

音の透明感、音響空間の大きさや佇まいなど「WE300B」と互角、あるいはそれ以上なのである。もちろん低音域の押し出し感となると、D123がカバーしているので別の話。

さすがに「〇〇〇は鳴らし方によっては300Bに優るとも劣らない名管ですよ」という「博士」のお墨付きだけのことはあった。

お値段的にはWE300B(ペア)が製作年代と程度にもよりけりだがオークションで30万円前後もするほどなのに、この〇〇〇(ペア)となると、新品でもせいぜいその1/15程度だから小躍りしたくなるのも無理はない。

〇〇〇は「知る人ぞ知る」真空管なので有名じゃないし、ほんとうの価値を知っている人はごく少ないのが実情だ。

こういう「名も無き球」の実力派がまだごろごろ存在しているのだが、通常の真空管愛好家は「情報不足」で知らないだけである。

というわけで、今回はオーディオにおける情報の大切さを身に沁みて痛感したわけだが、読者の皆様にも「有益なオーディオ情報をタダで手に入れようとするのは甘い」ことを身を以って知っていただくために今回の真空管の型番「〇〇〇」は最後まで伏せさせてもらいます。

オークションなどで万一売りに出されたときに「何しろ安いし、ブログでもああ書いてたし、とりあえず買っとこか」という興味本位の人たちと、徒に競合したくもありませんしね。

どうか悪しからず。

とはいっても、このまま終わるとちょっと後味が悪いかなあ~(笑)。

そこで、もし「どうしても知りたい」という方がいれば「自己紹介欄」のメルアド宛ご連絡ください。

それこそ熱意に免じて「タダ」で教えて差し上げます(笑)。



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ブログ記事「モーツァルトの音楽効果」の後日談

2021年03月15日 | 独り言

1週間ほど前に搭載した記事「モーツァルトの音楽効果」について、とても興味深い現象が見られたので触れてみよう。

「そんな過去記事のことなんてどうでもいい」という読者が大半だろうが、どうかそう言わずに~(笑)。

さて、せっかくブログを投稿する以上どれだけの人たちが興味深く読んでくれているかについては、発信元としてやはり無関心ではおられない。誰でもそうだと思う。

このブログが所属しているのは「グーブログ」(NTT系)だが、現在およそ300万件あたりが加入しており、前日の投稿結果の順位が翌朝公表される。

そこで、この「モーツァルト・・」の記事の順位についてだが初日の「3月7日」が394位、次いで「8日」が323位、そして3日目が「273位」と、なんと尻上がりに順位が上がっていったのである!

しかも「200番台」への上位突入となると、1週間に1度ぐらいの快挙である。

さすがに4日目は375位に順位を落としたが、それでも初日を上回っている。

こういう現象はブログを開始してから14年余りにもなるが初めてのことである。

興味津々になってその推移を見守るためにしばらく(新たなブログの)更新を控えたほどだった。

一部の読者には「いつも二日おきに更新するのに、この人もしかして病気かな?」と心配された向きがあったかもしれない。(まあ、それほど関心があってご親切な方は滅多におられまいが・・笑)

それにしても、これまですべての記事が日を追って鮮度を失い、みるみる色褪せていくのに今回ばかりは「尻上がり」に伸びたのはいったい何故?

暇つぶしのつもりで(笑)、自分なりに考えてみた。

1 記事の内容

このブログはご承知の通り、オーディオがらみの記事が大半を占めているのだが、どうも内容が専門過ぎて分かりづらいという読者が多いのではあるまいか。

その点、音楽関係の記事は親しみやすく何度繰り返して読んでも飽きないということなんだろう。

そもそも、このブログはオペラ「魔笛」(モーツァルト)に感激して、どっぷり嵌り込んだので全国的な「魔笛倶楽部」を作りたいという趣旨から始めたものである。

「初心忘れず」といきたいところだが、音楽ネタはすぐに尽きるしねえ(笑)。

その点、オーディオのネタは山ほどあるし、それに自らの興味の的だし、いつの間にか引きずられてしまった。

さらに付け加えると、おそらくどなたでもそうだとは思うが、年齢を重ねるにつれ感性が衰えてきて昔ほど音楽を聴いても瑞々しい感動を覚えなくなった。これは、音楽愛好家にとってとても悲しく寂しいことである。

昔は名演に対して感涙に咽ぶことがたびたびあったのに、今ではさっぱり。

さらにはどんな名曲であろうと何回も聴いていると、さすがに倦(う)んできて鮮度が薄くなってくるのも事実。

そこで、音楽に対する感性の衰えやマンネリ化を「オーディオ=良質の音」で何とかカバーしようという焦りにも似た感覚がどこかにあるような気がする、少なくとも自分はそう。

言い換えると、オーディオを音楽の召使いではなく「対等の立場」に引き上げようとしているのかもしれない、無駄な抵抗ですけどね(笑)。音楽に「神」は居るけど、オーディオにはいない。

2 量と質の問題

一般的に量と質は相反関係にあり、量が増えれば質は落ちる。ほら「粗製濫造」という言葉があるでしょうが(笑)。

ブログも似たようなもので、これまで次から次に「闇夜に鉄砲を撃つ」みたいにあれやこれや更新を続けてきたが、やや筆力がマンネリ化してきたのも否めない。

その一方、読者側からすれば「当たり前感覚」が浸透してきてブログの「希少価値」が薄くなったともいえるだろう。

3 二つのタイプに分かれる読者

現在、所属している「グーブログ」のランキングのほかにも、余分に「クラシック・ランキング」に応募している。ブログの末尾に次のようなバナーを張り付けているので既にご承知のことだろう。

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おかげさまでいつも上位にランクさせていただいているが、実はこれにもいささか疑問が残っている。

現在、1日当たり平均して「1000件」ほどのアクセスがあるのだが、このランキングの獲得するポイントはせいぜい200件前後(初日)である。

つまり割合からいくと5人に1人ぐらいが筆者のお願いに真面目に応えて「
バナー」をクリックされているが、その一方では8割方の読者が知らん顔して無視しているのだ!

筆者に対して誠実な姿勢を見せる読者には感謝の至りだが、その一方で、自己中心的で身勝手な連中との比率が「1:4」とはこれいかに~(笑)。

たしかに面倒くさいのはわかるが、こういう輩にはブログの更新意欲を失うだけなので「いっさい目を通して欲しくない」のがホンネだが、いちいち区別して戸は立てられないしねえ。何せネットだから~。

以上、3点ほどざっと思いついたことを忖度なしに羅列してみたが、視点を変えて読者側からご教示いただければ幸いです。

期待せずにお待ちします(笑)。


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オーディオは「芸術」と対峙するための神聖な道具なのだ!

2021年03月13日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

「AXIOM80」(復刻版)用の新しいエンクロージャー(以下「箱」)に挑戦して2日目のこと。

起き抜け早々に1階のオーディオルームに入るなり、すぐに箱を締め付けていたベルトを外して低音域担当の箱の上に載せた。



実はここからがひと騒動だった。

「AXIOM80」には真空管アンプ「WE300Bシングル」を、低音域担当の「AXIOM150 マークⅡ」(グッドマン)には「2A3シングル」アンプをあてがって鳴らしてみた。

ハラハラ・ドキドキ・ワクワクする一瞬だが、耳を澄ましてみると悪くはないのだがどうも伸び伸びとした音が出てこない。

肝心の「AXIOM80」については小さめの箱なのに予想以上の出来栄えだった。

うまく鳴らしたときにだけ味わえる「柔らかさ&ふっくら感」が聴き取れたし、贔屓目かも知れないが「薄い板」と「卵用トレイ」が見事に利いてる感じ。

その一方で、「AXIOM150・・」が受け持つ低音域がいささか縮こまっている感じがしたので、ハイカットを150ヘルツ(コイルの直列2個)から350ヘルツ(コイル1個)に上げてみたところ全体的にようやく伸び伸び感が出てきた。

ウェストミンスターの大型の箱では「150ヘルツ」で、ごく自然に本格的な低音が出たが、この中型の箱となるとせいぜい「350ヘルツ」あたりが限界のようだ。

つまり箱の大きさ次第でハイカットの周波数が限定されることに初めて気が付いた。今さらだが~(笑)。

ちなみに、ハイカットの周波数が上がれば上がるほど低音域の締りがなくなってボンヤリした音が出てくる傾向がある。

ほら、タンノイの大型システム(クロス1000ヘルツ)がそうでしょうが(笑)。

敷衍すると、オーディオは低音域を受け持つ箱のツクリとネットワークによって方向性がほぼ決まるようで、これらを「なおざり」にするとどんなに高級なレコードプレイヤーやCD機器、あるいはアンプで補おうとしてもお値段に見合った効果が得られない、と思っている。

気を良くして1時間ほどこのコンビで聴いてみたものの、そのうち「エッジレスと強力なマグネット」によるハイスピード・サウンドが売り物の「AXIOM80」に比べて、低音域のスピードの遅れが気になりだした。

いったん気になりだすともうダメ(笑)。

「AXIOM150・・」に比べてコーン紙のカーブが浅いJBLの「D123」(口径30センチ)ならもっとスピード感が向上するような気がしてきた。

そこで、倉庫の片隅に保管しているバッフル付きの「D123」を引っ張り出してきて、交換へ。我が家では困ったときの打開策として、いつも「D123」の出番がやってくる(笑)。

バッフルと箱側の双方のネジ穴を合わせているので所要時間は10分程度だから随分楽である。

これで鳴らしてみるとようやく愁眉が開いた。

二つのユニットがまるでフルレンジを聴いているような融け合った鳴り方をしてくれる。「AXIOM80」とJBLの30センチ・ユニットの異色の組み合わせも大いにありですね。

オーディオは実際にやってみなくちゃ分からん(笑)。

そして、この「品が良くて透き通った音」でモーツァルトをずっと聴いていたら、これまで「恰好の遊び道具」に過ぎないと思っていたオーディオが、まるで「芸術
と対峙するための神聖な道具」かのように変貌を遂げてきたのが不思議。

「いい音」とは、リスナーの心を洗い清め「敬虔な祈り」へと昇華してくれる存在なのかもしれないと、久しぶりに精神の高揚感を覚えた。格安の投資でこれだから、まったくありがたい限り(笑)。

最後に、この箱の今後の展開性だがまず「ウェストミンスター」(クロス150ヘルツに改造)の上に載せることが考えられる。

仲間から「めったに聴けない低音」と称賛されているウェストミンスター、それにAXIOM80との組み合わせとなるとうまくいけば「鬼に金棒」だけどそうは簡単に問屋が卸すかな?

次には、オリジナルのAXIOM80が入った箱の上に載せて「ダブルのフルレンジで鳴らす」ってのも考えられる。

春ももう目の前だし、楽しみが増える一方だね~(笑)。



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新たな挑戦

2021年03月11日 | オーディオ談義

3月7日が誕生日というせいもあるかもしれないが、3とか7とかの奇数がやたらに好きである。麻雀でいえば「辺(ペン)ちゃん待ち」というやつですな(笑)。

いわゆる「素数」(自分以外では割れない数、たとえば2,3,5,7,11,13・・)については日頃から縁起のいい数字として日常生活の中で何かと験(げん)を担ぐことが多い。

オーディオだって例外ではない(笑)。

今年の3月7日(日)は実に素敵な誕生日となった。経緯を述べてみよう。

我が家にはSPユニット「AXIOM80」が2セットある。オリジナル版と復刻版だが、何しろメチャ繊細な音を出す代わりに過大入力に弱く壊れやすいことでも有名だ。すぐにザザッといったノイズが出てくる。

そこで「スペア」として復刻版を温存していたのだが、「オリジナル版」が一向に壊れる気配を見せないので、とうとう「復刻版」の本格的な活用を決意するに至った。

となると「丸裸」で鳴らすのは可哀そうなので適当なエンクロージャー(以下、箱)を作ってやらねばいけない。

まあ、箱作りは上手いかどうかは別にしてけっして嫌いではない(笑)。

さらに言わせてもらえれば、箱作りを通じてユニットの背圧〈逆相の音)処理の方法、位相の問題やネットワークの構築などオーディオの本質に関わる問題を勉強できる。

まあ、この世界には上には上があるのであまり大きなことは言えませんがね・・(笑)。

その点、箱を販売しなかったグッドマン(英国)のユニットは工夫の「し甲斐」があって挑戦するのにはもってこいだ。

今回の構想としては「新しい箱にAXIOM80を容れてフルレンジで鳴らす」を基本に「低音域を別のユニットで補強する」の2点に尽きる。今のところ、これが我が家の基本的なスタイルだ。

さっそく、車で50分ほどの大分市郊外にある大規模な「
DIY」店に行って、「1.2cm厚」の薄目の板を左右両チャンネル分として計12枚カットしてもらった。

ちなみに、季刊誌「管球王国」(ステレオサウンド社)に書いてあったが、AXIOM80用の箱はできるだけ薄めの板を使って共振させるほうがいいとあった。

寸法は、小振りそのもので「横50cm、縦40cm、奥行き40cm」を基本に板厚を考慮して(組み立てたときに)「はみ出さない」ように神経を使った。

自宅に持ち帰ると、すぐに組み立て開始前の準備作業に入った。

箱の内側には2か月ほど前に手に入れた「卵入れ用のトレイ」を張り付けることにした。これは新規の試みである。あの適当な凸凹が定在波の防止に良さそうな感じだが、まあ、これは勘ですな!(笑)。

それぞれの板の内側にこのトレイを張り付け、余白にはティッシュペーパーを張り詰める。正面のバッフルにはジグソーで「AXIOM80」用の穴を、裏蓋には「ARU」(背圧調整器)用の穴を開け、最後は外側に黒色のペンキを塗って自己流ながらも準備完了。

ペンキが乾くのを待って6日に大分市内のオーディオ仲間「N」さんに加勢に来てもらい二人して組み立て作業に取り掛かった。独りで出来ないことはないが、二人でやる方が正確だし圧倒的に楽だ。



「百聞は一見に如かず」で、ご覧の通り。

ネジを使わずに強力な接着剤で相互の板をくっつけて、最終段階としてNさん持参の「締め上げベルト」2本でがっちり固定した。

2~3時間もすれば接着できるはずなのですぐに音出ししてみたかったが、「音圧による振動は強力ですから箱に与える影響を無視できません。私なら今晩は締めあげたままにしておいて明日聴きます」とNさん。

「九仞の功を一簣に虧く(きゅうじんのこうをいっきにかく)」という中国の故事がある。逸
(はや)る気持ちを抑えて「それもそうですね」と同意。

気忙しい性格だが、ここはぐっと我慢のしどころだ。

翌日の7日はいつもより1時間も早く目が覚めたのはどうしてだろう?(笑)

そして、ここから波乱万丈の展開になるのだが、ちょっと長くなるので次回へ~。



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モーツァルトの音楽効果

2021年03月07日 | 音楽談義

3月4日のこと、ネットを見ていたら「体にいい食品」というのが10個羅列されていた。

古来「武士道は死ぬことと見つけたり」(葉隠れ)に象徴されるように、日本人にとって「生への執着」は見苦しいものという意識づけがあるが、そんなことにはお構いなく「少しでも長生きして音楽&オーディオを楽しみたい」のですぐにメモした(笑)。

ご参考のために掲げておこう。

1 お茶 2 ギリシャヨーグルト 3 チアシド 4 プラム&プルーン 5 アボカド 6 ベリー類 7 ヘンプシード 8 カカオ 9 ココナッツオイル 10 ターメリック(うこん)

このうち個人的に常用しているのは1、2 、6、8 ぐらいだが、一般的にそのくらいのもんでしょう。9は認知症予防にいいそうですよ。

食べ物の健康法に次いで運動についてだが、3か月ほど前に「エアロバイク」を購入した。家庭で好きな時間に気軽にこげるので実に便利がいい。

ネットで売れ筋をググってみて、「順位」と「お値段」の見合いで購入したのだが、組み立ても簡単だったし、おかげで「運動ジム」に行く手間も省けたし、実に重宝している。



オーディオルームに設置して、テレビや音楽を聴きながら漕いでいるのだが、実写となるとあまりに雑然としていて見苦しいので宣伝用の画像を拝借した(笑)。

食物、運動とくれば最後は心の健康療法ですね。となると、音楽それもモーツァルトでしょう。

「モーツァルトで免疫力を高める、老化を防止する、快眠へといざなう!」 (株)角川SSコミュニケーションズ刊
                                     

著者の
和合治久氏は埼玉医科大学短期大学教授、国際比較免疫学会アジア・オセアニア会長、日本比較免疫学会副会長、専門分野は免疫音楽医療学で日本における第一人者。

モーツァルトは自分も大好きな作曲家だが、聴いていて気持ちが良くなるから聴いているだけで、これまで健康効果を期待したことなんかまったくないが、本書は医学的な見地からモーツァルトの音楽の魅力を解明しようと試みているのがやや新鮮で興味を引かれた。

以下、本書を引用させてもらおう。

モーツァルトの名曲になぜより高い健康効果が認められるのか、それは次のように判明している。

人間の意志とは無関係に作動する自律神経の中でも身体をリラックス状態に導く副交感神経を刺激する音の特性が豊富にバランスよく含まれている。

その特性を具体的に挙げると次の3点。

 音の高い周波数(3500ヘルツ以上の高音)がよく含まれている

 自然の音と同じ一定のリズムを保ちながら「変化のある音=”ゆらぎ”」に満ち満ちていること

 倍音(音と音とがぶつかり合ってさらに高い周波数になる)と呼ばれる音の特性が交感神経(ストレスなどを喚起する)の働きにブレーキをかけること

の”ゆらぎ”については、さらに解説が必要と思う。

たとえば、夏のひんやりしたそよ風は強くなったり弱くなったりする不規則性が人間の生体リズムと一致して涼しく感じるが、扇風機の風は人工的で一定の強さしか吹かないため心地よく感じず「その違い」とのこと。


なお、次のような興味を惹かれた記事があった。

☆ 聴覚は心臓が停止した30分後まで残っている感覚

人間は外部からの刺激を聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚という五感でキャッチしているがその中で聴覚は最後まで生き残っている感覚で心臓が停止した後も30分間くらい働いている。したがって、意識のない病人の枕元で悪口を言ったりするのはとんでもないこと。(そんな人はいないだろうが・・・)

聴覚が休みなく働くことは(危機をいち早く察知するという点で)動物にとって極めて重要な機能で五感全体が脳に送っているエネルギーのうち85%以上が聴覚によるもの。

☆ 音楽の周波数と脊髄の位置は対応関係にある

脊髄は頭頂から尾椎(尾てい骨)まで、ピアノの鍵盤のように並んでいて、周波数の違いにより反響する部分が異なる。
尾椎は250ヘルツ前後、腰椎は250~500ヘルツ程度、胃のあたりが1000ヘルツ、胸椎が750~2000ヘルツ、頚椎が2000~3000ヘルツ、延髄から上は4000ヘルツ以上で、高い周波数ほど脊髄の上の方に反響する。低い音がズーンとお腹に響くように感じるのもこれで説明がつく。


ほかにも、モーツァルトの音楽以外ではバッハにも同様の効果が認められ、さらに「グレゴリオ聖歌」にも”ゆらぎ”が豊富とのこと。楽器では、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、オーボエなどがそうで、ピアノの場合は背骨にツボ刺激を与えるような響きを持っているとのこと。

最後に音楽療法の効果を高める曲目が具体的に10曲紹介してあったが、自分が勝手に推奨する「これぞ癒しのモーツァルト」は次のとおり。

ヴァイオリン協奏曲全曲、ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲、ディヴェルツメントK136、踊れ喜べ、汝幸いなる魂よK165,ピアノソナタ全曲、オペラ「魔笛」。

やや下火になりつつある「コロナ禍」とはいえ、日頃から食べ物、運動、そして心の健康に気をつけて免疫力を養いましょう!



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「AXIOM80」へのアプローチ・2021年版~プリアンプ編~

2021年03月06日 | オーディオ談義

このところSPユニット「AXIOM80」に言及したブログを登載しているが、このユニットについてある方のメールに「よくもまあAXIOM80を諦めずに取り組みましたね!」と、あったことを憶えている。

この方はとうとうAXIOM80を放棄して別のグッドマンのユニットを愛用されている由。その気持ち大いにわかります。

私は「往生際の悪い粘着気質の執念深いタイプ」なんです~(笑)。

しかし、「クラシック音楽とオーディオ」を熱心にやっている人で「日焼けした爽やかなスポーツマンタイプ」をこれまで見聞したことがないのも事実。

そもそも音楽(Music)の語源は「ギリシャ神話に出てくるミューズ(Muse)の女神」なんだから、戦士とは違ってどちらかといえば女性的な翳りを帯びている分野といえるのかもしれない。

さて、つい先日のこと「AXIOM80にふさわしいベストのプリアンプを選びたいので加勢してくれませんか」と、オーディオ仲間のYさんに来ていただいた。

ときどき、プリアンプとパワーアンプのどちらが音質に影響を与えますかという質問を散見するが、スピーカーとの相性や周辺機器との相性もあって簡単に断定できないが、プリアンプ次第で音質はガラッと変わるのでゆめゆめ油断できない代物と言える。

そこで、手当たり次第に5台のプリアンプを次から次に俎上に載せてみた。プリアンプは総じて軽いのでこういう芸当が簡単にできるのはありがたい。

2 プリアンプ編




左側がYさん所有の自作のアンプ。外側のケースはラックスの「CL35」だが中身はそっくり別の仕様になっている。

右側下段のアンプはオーディオ専門誌「無線と実験」にたびたび寄稿されている「安井」式のアンプで「12AU7」(4本)の構成、上段は「マッキントッシュのC22もどき」で「12AX7」(3本)で両方とも知人のMさん(大分市)の手になるもの。

この3台のうち、自己所有は「安井式」だけで他の2台は借り物となる。

続いて、




これは、れっきとした現用中の物で回路の基盤はフランスの名門オーディオ「JADIS」製の基盤を改良したもので構成は「12AU7」を6本使用したもの。



続いて、これも現用中の物で「マランツ7もどき」として構成は「12AX7」を3本使用したもの。

以上の5台で順次「AXIOM80」を鳴らし、ズバリ相性がいいか悪いか、この1点に絞って試聴してみた。

とはいえ、相性といっても曖昧な言葉になるのでより具体化すると「AXIOM80」の個性をうまく引き出してくれる、あるいは阻害しないことが肝心で、たとえば「透明感」「スピード感」「楽器の音色の再現性」といったところがポイントだ。

極めて繊細でデリケートな「AXIOM80」のこと、それぞれのプリアンプの個性をいとも簡単に出してくれた。

「いやあ、実に楽しいですねえ。オーディオ冥利に尽きます」と、喜ばれるYさん。

その結果、Yさんの表情、呟きとご様子から推察するとベスト1はご自作の「ラックス35もどき」で、以下「JADIS」「安井式」「マランツ7もどき」「マッキンC22もどき」の順番と受け取った。

そして、自分はといえば「JADIS」「安井式」「マランツ7もどき」が横一線でこれらを3本柱とすると、「ラックスCL35もどき」はたしかにいいことはいいが所詮は別れる運命なのだから横恋慕は止めておこうと自制心が働いた(笑)。

なお、ご参考までに我が家の「プリアンプの音を良くする3か条」を挙げておこう。

とはいえ、仲間からの知恵を拝借したものが混じっているので無断公開になるが、どうか気を悪くしないでね~。

ちなみに、我が家のプリアンプ3本柱にはこの「3か条のご誓文」をすべて拳拳服膺しているが、信用するも信用しないもすべて貴方の自由ですから念のため申し添えておきます(笑)。

✰ マイカ・コンデンサーの起用

アンプの急所ともいえるカップリング・コンデンサーにマイカ・コンデンサー(以下「マイカコン」)をパラってやると高音域の特性が良くなるという説がある。既にご存知の方も多いことだろう。

「ツィーター」のネットワークにもマイカコンをパラっている方を見かけるが、我が家の場合はプリアンプの「JADIS」にウェスタン製の極小値の「マイカコン」を半田付けしてパラっている。



これを付けた場合と外した場合とでYさんのご意見を伺ってみると「付けた方が断然いいです。楽器の音がより自然になりました」と驚かれていた。3本柱のうち他の2本は、比較的近代の「マイカコン」をパラっている。

✰ ボリューム器具の選択

ボリューム器具に関してはピンからキリまでいろんな種類が百花繚乱だが、音質に大きく影響を与える部分なので特定の銘柄を決めて使用している。

メーカー名は民間の宣伝の片棒を担ぐわけにはいかないのでヒ・ミ・ツだが、もうこれまでのブログでたびたび言及しているのでお分かりですよね(笑)。

✰ 特定のショットキーバリアダイオードの採用

プリアンプの整流には真空管式とダイオード式の二つがあるが、一長一短あってどちらがいいか簡単に断定できないものの、我が家の場合はダイオード式を採用しているが、その種類によってSN比に影響してくるので特定の銘柄に絞って使用している。

以上、3つとも精神安定剤の役割も兼ねているわけだが「AXIOM80」用のプリアンプに関しては今のところ「より取り見取り」の満腹状態なので、「浮気する意欲」も「改造する意欲」もサラサラなし。

ただし、それが幸なのか、不幸なのかはよくわからない(笑)。



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楽団を抱える経費に比べたらオーディオ機器なんて安い安い

2021年03月04日 | 独り言

我が家にたびたび試聴にお見えになるオーディオ仲間のYさん。何しろクルマで10分ほどの所だから往来がしやすい。

我が家のシステムのご意見番としてとてもありがたい存在だが、いつも来ていただくだけでは申し訳ないので久しぶりにお伺いした。
           

           

「これがマークレヴィンソンのパワーアンプですか」、と部屋に入るなり改めてしげしげと眺めさせてもらった。以前は、たしかアキュフェーズのセパレート・アンプを使っておられたはず。

マークレヴィンソンといえばプリアンプが有名で、その特徴はといえば無色透明の一言に尽きるが、しいて言えばベジタリアン系の印象を持っている。このパワーアンプも血筋は争えずその傾向を受け継いでいるように思った。

我が家の「AXIOM80+真空管アンプ」のコンビとは随分傾向の異なる音だが、これほどの音は滅多に聴けないと思うし、とりわけ管楽器の音は素晴らしかったが弦楽器に関しては少し響きが足りないような気がして、「いい音」と「好きな音」の違いを改めて考えさせられた。

ところで、Yさんは以前からフルートを吹かれているが、「ノマタ」に特注してプラチナ製を新調されている。口当てのところに独自の彫り込みがしてあって世界に1台の代物だそう。
           

さっそく生演奏を聴かせてもらったが、”ふっくら”として”粒立ち”や“音色”が良くて、こんな音はとても電気回路を通したシステムでは出せないと感動した(笑)。

Yさんがなぜあれほど我が家の「AXIOM80」を絶賛されるのか、日頃からこうした生の音を聴かれているからだと思い至った。


「いやあ、これは素晴らしい。生の音を堪能しました。ちなみにこのフルートはいったいどのくらいするもんですか。どうか参考までに・・・」

しばし、ためらわれた後に「クラウン1台分です。材質によってやはり音が違いますね」。

ウ~ン。

ちなみにウィーン・フィルの首席フルートだったウォルフガング・シュルツ(故人)のフルートもたしか日本製で800万円くらいする代物と聞いたことがある。

音楽にはいろんな楽器があってそれぞれピンからキリまであるが一流の楽器、たとえばストラディヴァリ(ヴァイオリン)ともなると億単位だし、ピアノもスタンウェイやベーゼンドルファークラスともなると1千万円は軽く越える。

こうした途方もない楽器の値段と比べると、オーディオシステムの値段なんてトータルとしても安いものである。

とはいえ、いろんな考え方があるのも事実。

極端に言えば次の二つに分かれる。

「どうせ“生の音”には及びもつかないのだからオーディオシステムなんかには期待しない。そこそこの音でいいんだからお金を突っ込むなんて愚の骨頂。」

もう一つは、

「生の臨場感に少しでも近づいて、たとえ錯覚でもいいからうまく騙されたい。財力の許す限りシステムにどんなに投資しても惜しくない」。


もちろん自分は後者に属するが、代弁するわけではないものの、昔の王侯貴族(ヨーロッパ)は自前の楽団や演奏家を抱えて広いサロンで音楽を楽しんでいたが、現代ではオーディオシステムがそれにとって代わっている。

一流の楽団として機能させ、それもオーケストラからボーカル、小編成の室内楽まで幅広いジャンルを家庭で十全に聴こうと思ったら、オーディオシステムにお金がかかるのは当たり前。

楽団を抱える経費に比べたら安い、安い・・(笑)。



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「AXIOM80」へのアプローチ・2021年版~エンクロージャー編~

2021年03月01日 | オーディオ談義

今日からいよいよ3月ですね。7日が誕生日なので3月は大好きです(笑)。

さて、徒に馬齢を重ねるばかりのオーディオだが、熱中度の
濃淡を含めて50年近くにもなるのにいまだに迷っていることがある。

それは一言でいえば「低音域の処理」に尽きる。

低音が出過ぎると中高音域にもろに被ってきて音の焦点がぼやけるし、それかといって足りなさ過ぎるとスケール感に乏しいショボい音になって、自分の人生はいったい何だったのかというようなみじめな気分に陥る(笑)。

それに、リスナー―側ではどうにもできない音楽ソースの録音状況によっても低音域の量は簡単に左右されるので、微妙な兼ね合いの調整度が実に難しい。

ときどき「オーディオって低音域の処理に尽きるなあ」とまで思う。

そこで、我が家の場合だが、ドスン、ガツンという重量感を伴った低音に一喜一憂している時期がしばらく続くと、とても一筋縄ではいかないことが分かって、今度はその反動のように「50ヘルツあたりからの緻密な音楽再生」に方向転換したくなるのが常である。

こういう繰り返しを懲りることなく、そして飽きることなく何度となく続けてきているが、おそらくこのままオーディオ人生が終焉を迎えることだろう・・、ま、いっか(笑)。

そして「50ヘルツあたりからの緻密な音楽再生」となると、言わずと知れた「AXIOM80」の出番である。

とまあ、以上が「導入部」のつもりだがうまくいったかな~(笑)。

このところ、我が家では4つのスピーカーのうち「AXIOM80」がフル回転している。

この気難しいジャジャ馬のようなユニットには10年以上、ああでもないこうでもないと試行錯誤を繰り返してほんとうに苦労したが、このところ
ようやく満足できる状態になってきた。自己採点するとしたら90点ぐらいかな。

そこで、一応区切りとして我が家なりの鳴らし方を記録しておくとしよう。

ただし「特定のスピーカーにしろ、いかにうまく鳴らすか」となると、音の入り口からアンプなどの増幅部分、さらには電源対策から機器同士を繋ぐケーブルまで総合的に網羅した対策が必要なのでとても1回ぐらいのブログでは済まない。

実は、このところたびたびメールをいただく関西在住のHさんがいずれ「AXIOM80を手に入れたい」と望んでおられるので、その構想の一助にでもなればという気持ちもある。

ただし、人それぞれに感性は違うし、部屋の大きさや周辺機器も違ったりするので、これはあくまでも参考事例の一つに過ぎない。

このユニットの楽しみ方は自分なりに創意工夫することに尽きるので、賢人におかれてはどうか「鵜呑み」にされませんように~(笑)。

それではまず順番にいこう。


1 エンクロージャーについて

普通、オーディオといえば前段機器のレコードプレイヤーやCDトラポ、DAコンバーター、増幅過程のアンプ類、SPユニットなどが表面に浮かぶが、一番大切なものをお忘れじゃありませんかと思うことがある。

そう、SPユニットをどういう「エンクロージャー」に容れて共鳴させるかなんですよね!

ヴァイオリンを始め弦楽器群はすべて「木」の共鳴音を利用しているし、ピアノだって響板が命なんだから~。

しかるに、タンノイと違ってグッドマンはエンクロージャーを作らなかった。つまりその仕様をリスナー側の裁量に任せたわけだが、そこから幸か不幸か悲喜こもごものドラマが演じられることになった。

そういう意味では、我が家の場合はAXIOM80を「涙ながらに骨の髄までしゃぶり尽くした」と言ってもいいだろう(笑)。


振り返ってみると、まず当初はグッドマンの指定とされる箱に容れてみたがどうも板厚が厚すぎてうまく響いてくれない。

そこで「1.5cm」の薄い合板(ひのき)を使ってオーディオ仲間に加勢してもらい3年前に自作したのがこの画像。



AXIOM80に必須の「ARU」(背圧調整器)は自作のものを底板を繰り抜いて付けている。

はじめは「AXIOM80」1本で鳴らしていたのだが、どうしても低音域に不満が残ったので1年前に幸い予備のバッフルがあったので画像のとおりサブ・ウーファーとして「ニューゴールデン8」(リチャードアレン:口径20センチ:以下「ゴールデン8」)を取り付けて一緒に鳴らしてみるとなかなかいけるじゃないか!(笑)

この場合、「AXIOM80」はフルレンジで鳴らし、「ゴールデン8」はコイル(Jantzen:12mh)で、100ヘルツあたりでハイカットしている。

口径20㎝を選んだ理由だが、AXIOM80(口径25cm)のハイスピードサウンドに合わせるためには小口径が圧倒的に有利だから。

駆動するアンプはそれぞれ別仕立で前者には「PX25シングル」を充て、後者には「2A3シングル」(フランスVISSEAUX:刻印)を充てている。

音楽ソースの録音状況に応じて(100ヘルツ以下の)低音の量がパワーアンプのボリュームひとつでいかようにも調整できるし、これでバスドラムも結構いけますよ~(笑)。

ただし駆動するアンプについてはとても重要なので改めて項目立てをするとしよう。

ちなみに、ひとつの箱の中に2つのユニットを入れると微妙な背圧のバランスが心配になるが、AXIOM80だって2個入りの箱があるんだからと強引に押し切った。

まずは、やってみなくちゃ分からん(笑)というわけだったが、AXIOM80の最大の弱点とされる低音域にぐっと厚みが増したのはうれしい限り。

さらに、竹材を用いての箱の内部補強や全体の軽量さを補うために「漬物石」を天板の奥の方に置くなど様々な工夫を凝らしてる。

オーディオ仲間も「まったく違和感がありませんよ」と言ってくれるのでまずは成功と踏んでいる。

ただし、理想としては板厚を「1~1.5cm」のまま、画像の2倍くらいの大きなサイズの箱を作って鳴らしてみたい気がする。その時は、おそらくサブウーファーは不要となるだろう。

以下続く。



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