「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオは闘争だ

2024年07月28日 | オーディオ談義

幕末の英雄「坂本龍馬」は、初対面の人間と会ったときに「こ奴を討ち取るとしたらどういう方法がよかろうか」と、常に考えたという。

はじめから「闘争心」剥き出しですね・・、その気概や良し!

で、我が家のオーディオだって、はじめてSPユニットに向き合ったときに、「こ奴を上手く鳴らすとしたらどういう方法がよかろうか」・・(笑)。

一例を挙げてみよう。



数年前にオークションで落札したワーフェデール(英国)の口径25cmのユニット「スーパー10(インチ)」(フルレンジ)。

「赤帯マグネットに駄作無し」の「まことしやかな言い伝え」がある代物が格安で手に入ったのだから、胸が躍動したのは言うまでもない。

それから(数年間にわたる)紆余曲折があって、今ではこういう有様へ。



ほぼ完成形かな~。

で、討ち取るための工夫の数々を 得々 と述べてみよう(笑)。

 たまたま4か所のネジ位置がピッタリ合った木製の植木鉢に収めてみた。これをそのままSPボックスに容れると箱の容積が拡大して有効利用ができるし、ユニットの背圧への(箱の内部からの)影響も少なくなるはず・・、それに、前面のバッフルへの音の乱反射も防止できるので、いいことづくめ~。

 このユニットはフルレンジだけど少し高音域の透明感が足りない気がする・・、そこでデッカ(英国)の「リボン・ツィーター」(以下「リボン」)を加えてみた。

 「位相」を一致させるために両者の振動版の位置を合わせる必要がある。そこで、箱の上に板をネジ止めして庇(ひさし)を作り、その上に「リボン」を載せた。

 大切なネットワークだが「ス-パー10」を8000ヘルツでハイカットし、リボンの方は7000ヘルツでローカットした。

 強力なマグネットは低音が出にくい傾向があるので、サブウーファーとして「AXIOM150マークⅡ」(植木鉢入り)を使い、これを「100ヘルツ」でハイカット。

 音質の自由度を確保するために2台のDAコンバーター、2台のプリアンプ、3台のパワーアンプを駆使した。

という流れだが、最後の6が焦点ですぞ!

以下、詳述しよう(笑)。

まずは、低能率の「リボン」を鳴らすために、初めに「TRアンプ」を使ってみたが、悪くはないんだけど音色がイマイチかなあ・・。そこで、真空管アンプ「LS7シングル」に入れ替えたところ、見事にバッチリ。

「PL100」(負荷インピーダンス=4Ω)のときは「TRアンプ」が功を奏したのだが、このリボンは負荷インピーダンスが「8オーム」なのでそれが大いにモノをいった。

ほら、オームの法則「電圧=電流×抵抗」によると、家庭の電圧は100Vと一定だから「4Ω」のときと「8Ω」では、アンプの負担(電流)が1/2になるんだからね~・・、ちょっと「くど過ぎる」かな(笑)。

したがって、アンプの構成は次の通りとなった。(後日のために記載しておこう)

 リボン → DAC「フェーズメーション」 → プリアンプ「E80CC」 → パワーアンプ「LS7シングル」



☆ 「スーパー10」 → DAC「D2R」 → プリアンプ「安井式」(改) → パワーアンプ「WE300Bシングル」

 「サブウーファー」 → DAC「D2R」 → プリアンプ「安井式」(改)→ パワーアンプ「TRアンプ」

自己採点だけど「90点」は付けてもいいかな・・、実に非のうちどころが無いサウンドである。

以上、自画自賛に終始したけど、まったく気分爽快・・、連日の猛暑の中で「役得」としてこれくらいの我儘は許してもらってもいいだろう~(笑)。



 
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禁断の封じ手

2024年07月25日 | オーディオ談義

昨日(24日)起きたときの温度は28℃。日中はともかく夜はエアコンを使わない主義なので、海(別府湾)側からの微風を期待して窓全開(2階)の結果だが、ときどき30℃を超えたりすることがあったりしてちょっと寝苦しさを感じるときがある~。

で、肝心の「睡眠」の方だが7時間ほどぐっすり眠ったりするときがあるかと思えば、5時間程度で目が覚めて、後はうつらうつらのときがあったりして日によってバラバラでどうもうまくコントロールできない。

睡眠不足のときは、身体中のあらゆるセンサーが鈍くなっているので「オーデイオ機器を弄らない」が、我が家のモットーだが、昨日は珍しく8時間睡眠だったので気分爽快~(笑)。

そこで懸案だった事項にようやく取り組む気になった。

これまで何回も題材にしているように大型スピーカーを聴いているうちに、次第に小型スピーカーへの回帰(郷愁)が起こるという循環が(我が家では)起きている。

で、その小型スピーカーだが2年半ほど前に購入したものの、どうもうまく鳴らせない状態が続いており、あれこれやってみるのだが当座はよくても次第に違和感を感じてくる。

10日前のブログ(7月16日付)でもこう記していたのをご記憶だろうか。

「この小型スピーカー+サブウーファーを3台の真空管アンプで鳴らしながら1週間ほど聴いてみたのだが、そのうち悪くはないんだけどうも食い足りなくなる・・、何だか無理して音を出している印象を受けてしまう。もっと自然な響きが出せないものか~。」

というわけで、どうも気になって「枕を高くして寝れない」なあ~(笑)。

その小型スピーカーというのがこれ。



「PL100」(英国モニター・オーディオ)だけど、「負荷インピーダンス4Ω」「能率88db」という代物で、完全に高出力の「TRアンプ」向きなので真空管アンプには不向き・・、それは当初からわかっていたんだけどね~。

なぜ購入したかといえば・・、当時、知人のお宅で聴かせてもらった「小型スピーカー」の魅力(シャープな音像など)にすっかり嵌ってしまい、真空管アンプでも鳴らせるだろうと取り急ぎ購入したもの。

しかし、見通しが甘かった・・、真空管式のシングル・アンプで無理なら高出力のプッシュプル・アンプならいいだろうと鳴らしてみたところ、音の粒子が粗くなる印象を受けてこれもアウト。

で、とうとう思いあまって「禁断の封じ手」を講じることにした。

「封じ手」とは「使うことを禁止されているわざ」(広辞苑)

つまり、我が家ではご法度とされている「TRアンプ」の登場である。

低音域部分の使用は大目に見るとしても、中高音域の豊かな倍音成分には「絶対に真空管アンプを使う」のは、我が家のレーゾン・デートルなんだから~。

しかし「パワー」の前には背に腹は代えられない・・、幸い、半年ほど前に仲間から借りて来て低音専用にちょくちょく使っている「TRアンプ」がある。



最初に、口径10cmほどのユニット(~2800ヘルツ)に使ってみたが、あまり変わり映えがしない・・、そこで「リボン・ツィーター」(2800ヘルツ~)に使ってみたところ、何とアッと驚くほどの変わり様・・。

これは素晴らしい・・、音の鮮度が一気に向上して華やかさが音響空間を包み込んだ! リボン・ツィーターの魅力全開である。

とりわけ「管楽器」が素敵で、「You Tube」の「アッカー・ビルク」(英国)の「クラリネット」なんか最高!

とても渋くて人生の深い憂愁を感じさせるクラリネットの豊かな響きにウットリ~、管楽器はやはり肺活量の豊かな外国人向きのような気がする。是非ご一聴を、と自信を持ってお薦めしたい奏者である。

それはさておき「TRアンプ」の意外な活躍に、これは参ったなあ・・、複雑な心境である(笑)。

スピーカーにとっていちばん必要なのはアンプの「パワー」なのかもしれないなあ・・、「今さら気付いたか!もう遅いぞ」という声が外野席から聞こえてきそう、アハハ~(笑)。

あっ、そうそう「リボン・ツィーター」ならたしか「デッカ」も持ってたよなあ~、急いで倉庫から引っ張り出してきた。これも能率が低くて真空管アンプには向かない。



このリボン・ツィーターをTRアンプで鳴らしたらどうなんだろう・・。

なんだか真夏の暑さなんか吹き飛びそうな気がしてきましたぞ~(笑)。



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「お客さん優先」のサウンドの功罪

2024年07月21日 | オーディオ談義

ようやく梅雨が終わって本格的な猛暑の到来です。

我が家のオーディオルームでは陽当たりの良くなる午後だけエアコンを使うようにしているが「そんなことをしていたら熱中症になりますよ、歳をとると体感センサーが鈍ってきますからね。たとえば喉の渇きに気付かずに水を飲もうとしないとか・・」と仲間からご親切なアドバイス。

「ハイ、その通りです。大いに気を付けます・・。ただ体感センサーどころか、耳の方のセンサーも確実に衰えてきているのですが、過去の音が耳に焼き付いていますので、その音を基準にして脳の方が勝手に補正してくれているようです」

というわけで、このところ我が家のオーディオは第一に「サウンドに違和感を感じるかどうか」に尺度が移っている。

こうなるともう執念に近いですな・・、まあ「ボケ防止」にでもなればそれに越したことはないでしょう(笑)。

閑話休題

昨日(20日)のこと、久しぶりにオーディオ仲間のYさんがお見えになった。我が家のサウンドに対し舌鋒鋭く指摘される貴重なアドバイザーである。

このところ日程の折り合いがつかず、およそ1か月ぶりぐらいのご来訪。

「毎回来るたびに音が変わっているので楽しいですよ」と仰るのだが、内心はきっと呆れられているに違いない・・、「ほんとに腰の落ち着かない男だなあ」と(笑)。

今回聴いてもらう主な目的は友人から借りている「コーラル」のドライバーとウッドホーンの組み合わせだが、まずはYさんが大のお気入りの「AXIOM80」(以下「80」)から聴いていただくことにした。

何といっても「お客さん優先」が我が家のモットーだからね(笑)。

で、植木鉢入りの「80」の楽しみ方は、低音域を簡単に手早く変更できることにある。



これまで、「口径20cm入りの小型の箱」と「AXIO150マークⅡ(口径30cm)などを試してきたが、Yさん向けにはサブウーファーとして「150ヘルツ以下」を「ウェストミンスター」(改)に持たせることにした。



これで大概の音楽ソースが守備範囲に入るはず・・、とりわけオーケストラがそう。

珍しく「CD」を持参されてなかったので、「You Tube」ばかり聴いてもらったが、例によって鳴らし方については ひと工夫 あり~。以下、ちょっと専門的になるが後日のために記録しておこう。

<80>用

DAコンバーター「HD7A 192」(フェーズメーション) → 「E80CCプリアンプ」→ 「PP5/400パワーアンプ」

このDACは光ケーブルの音はすべてハイレゾ「192KHz」に変換するという優れもので重宝している!

<ウェストミンスター>用(150ヘルツ以下)

DAコンバーター「D2R」 → 「安井式プリアンプ 12AU7」(改) → 「TR式パワーアンプ」

いわば2系統の流れで、2台のDAコンバーター、2台のプリアンプを駆使した変則的なシステムだが「Yさんのご意見はいかが?」と、注意深く見守ったが特段の意見は無し・・、可もなし、不可もなしといったところかな~(笑)。

2時間ほどクラシックを中心に聴き耽ったが、「80」なだけに得意とする「ヴァイオリン」が中心、となると「ヒラリー・ハーン」の「ブルッフのヴァイオリン協奏曲」「バッハ」など、そしてソプラノは「レグラ・ミューレマン」が舞台の主役~。

ハーンは技巧もさることながらヴァイオリンを弾く「立ち姿」がメチャ素敵! そういう意味では画像付きの「You Tube」向きといえる。

ハーンはアメリカ人だが「アメリカは所詮ジャズの国です。活躍の舞台を早くヨーロッパに移した方がいいです。(もう移しているかな?)クラシックを本格的にやるのなら、ヨーロッパの深い文化と伝統に染まる必要があると思いますけどね・・」と、会話したことだった。

2時間ほど聴いてから、いよいよ本命の新たなドライバーとウッドホーンの組み合わせへ変更~。



ドライバーを「600ヘルツ」あたりでローカットし、ウェストミンスターは700ヘルツあたりでハイカットして聴いてもらった。

通常は「TRアンプ」はせいぜい「200ヘルツ」あたりまでしか使わないのだが、プリアンプを「安井式」(12AU7使用)にしたせいか、違和感を感じなかった。

マランツ式のプリアンプ(12AX7使用)が「TRアンプ」に合わないことがわかったのは大きな収穫。

もちろんケースバイケースだが真空管の「μ(ミュー=増幅率)」の高低による音の変化のクセがようやくわかってきた気がする。

端的に言えば、ミューが高い真空管は高音は華やかだけど低音がやや淋しい、逆にミューが低い真空管は低音が豊かだけど高音はやや淋しい・・、間違ってたらゴメンね~、「それはお前の家だけの現象だ」と言われそう(笑)。

で、Yさんに「どうですか・・」と、促してみたが「ウ~ン・・」と明確な意見なし~。

本日はいつもの「歯に衣着せぬ」Yさん独特の鋭い舌鋒がとうとう聞かれず仕舞いだった。

「お客さん優先」のサウンドを意識したとはいえ、
ちょっと淋しかったなあ・・(笑)。



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「もったいない精神」の追放

2024年07月18日 | オーディオ談義

一昨日(16日)のこと、テレビを観ていたら「オーディオ機器を高価買取ます」の派手な宣伝が目についた。

ゴールデンタイムの宣伝費用もバカになるまいと思うが、当然のごとく需要と供給の原理から成り立っているのだろう。

つまり、(オーディオマニアの)遺された家族が時間が経つにつれ処分に困り果てる姿が自ずからみえてくる。

身につまされますな~、鎌倉時代の随筆「徒然草」(兼好法師)にあるように、「死は前からは来ない、静かに後ろから忍び寄ってくる」・・、いつも覚悟はしているものの、こうやって直接刺激を受けると「今のうちに希少な真空管を使い果たしてしまおう」という気にさせられた(笑)。

つまり、「もったいない精神の追放」である。

そして真っ先にその対象となるのは消耗品の「真空管」となる・・、すぐにこのアンプを引っ張り出した。



音がいいとされる「直熱三極管」選手権で、西の横綱「PX25真空管」、東の横綱「WE300B」と並び称される両雄だが、その「PX25」族の中でもとりわけ希少な真空管が「PP5/400」(英国マツダ)である。

しかも、この球は珍しい初期版ときている。その証拠はトップのマイカが細い長方形をしていることからわかる。



我が家ではもったいなくて出番は「お盆と正月」と決めているのだが、もはや遺された時間は少ない・・、まなじりを決して(笑)、このアンプでさっそく植木鉢入りの「AXIOM80」を聴いてみたところ、過不足をまったく感じさせない自然な響きにうっとり~。

少なくとも我が家では「WE300B」アンプを凌駕しているんじゃないかな~。

すると、いつものようについ欲が出てきた。

もっと「いいサウンド」を・・、
ウーファーを代えてみようかな~、というわけで次のとおり。



JBLの「D123」をサブウーファーにして「100ヘルツ以下」を受け持たせようという算段である。その狙いは箱に入ってない、言い換えると音が籠らないストレートなサウンドにある。

するとこれはあきまへん・・、たったの100ヘルツ以下でも全体のサウンドを一変させるほどの力を持っているが、いかんせん「グッドマン」と「JBL」では音色が合いませぬ~。

このサウンドを聴いていると、何だかイギリス人がアメリカ人を内心で軽蔑しているのが分かるような気がしてきた(笑)。

ほら、あのトランプみたいな人物を大統領にしようというお国柄だからね~、モラルも法の秩序もお構いなしなんだから。

余談はさておいて、そこで「D123」の代わりに引っ張り出したのが、同じ口径30cmの「AXIOM150マークⅡ」である。

ものの20分ほどで作業が完了した。



これは素晴らしい・・、というかまったく違和感がない!

さすがはグッドマンのコンビというわけで、このスタイルでしばらく聴くとしよう。

「もったいない精神の追放」から出発して、梅雨時(どき)にいい暇つぶしが出来ましたぞ(笑)。



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いつも大事な時の「後知恵」(あとぢえ)で困る

2024年07月16日 | オーディオ談義

我が家のオーディオって「シーソー」の両端に座っているようなものではなかろうか・・、と思うことがある。

どういう意味なのか・・。

このところ、よく聴いていたのは大型スピーカーと新しいウッドホーンの組み合わせ。



目新しさも手伝って、まったく不満は無かったのだが、1週間ほどすると変化が欲しくなって次のようなスタイルへ~。



大型スピーカーから小型スピーカーへと極端な変わり様~、まるで「シーソー」遊びみたいです(笑)。

「PL100」(英国モニターオーディオ)+口径20cmのサブウーファー(ハイカット100Hz)

大型スピーカーに求めても得られないものが小型スピーカーには有り、その逆も当然有りうるというわけですね。

で、前者に求めるものは、「ゆとり」と「スケール感」で 細かいちまちま したことは気にせずにゆったりと音楽に浸れるところが素敵。

その一方、後者の小型スピーカーに求めるものは、シャープな音像と繊細な表現力である。

この両方が備わっているスピーカーがあればそれがベストだと思うが、世の中にはそういうスピーカーは存在しないと思っている。

まあ自分が知らないだけかもしれないけどね・・、それに求めるレベルも各自で違うし~(笑)。

で、この小型スピーカーを3台の真空管アンプで鳴らしながら1週間ほど聴いてみたのだが、そのうち悪くはないんだけどうも食い足りなくなる・・、何だか無理して音を出している印象を受けてしまう。もっと自然な響きが出せないものか~。

というわけで、とうとう二転三転後の落ち着き先はこれに~。



これでいろんな不満も万事解決~(笑)。

いわばシーソーゲームの中点の「支え」になっている感じで、スピード感、繊細な再生、適度な量感、そして楽器の音色をそのまま出す表現力のバランスの良さにウットリさせられる、やっぱりコレコレ・・。

そして、いつの間にかスピーカーの存在をすっかり忘れて音楽に聴き耽っている。

この音なら永遠に続けてもいい~(笑)。

それに、手がかかる子供ほど可愛いというが、この「AXIOM80」も釣り具の仕掛けのように独自の工夫を施している。

というのも、通常このユニットはそもそも箱に容れて微妙に背圧を利用しながら低音を出すツクリになっている。

したがって裸で鳴らすなんて論外だが、それを知らなかったために初めの頃に平面バッフルに取り付けて鳴らしていたときに
音量を少しでも大きくするとすぐに故障して、ガサゴソとノイズが出だしたものだった。

修理費用が1回あたり「2万5千円」なり~、こういう繰り返しを懲りずに4回ほど繰り返してきたが近年はまったく無縁である。

何故なら故障しないコツを掴んだからで、上記の画像を御覧になっていただくと判ると思うが、ユニットの後部にあたる植木鉢の中に はみ出ない ように工夫して吸音材(羽毛)をぎゅうぎゅう詰めに押し込んでいる。

すると、容れないときに比べてシットリとした湿り気のある響きに変化するのが不思議・・、むしろ箱に容れて鳴らすときよりも自然な印象を受ける。

そして「100ヘルツ以下」を口径20cmのユニットが入った箱で心持ち補ってやる。

もちろん故障とは無縁だし場所も取らない・・、「AXIOM80」にはこの鳴らし方がベストじゃないかしらんと自惚れているのもご愛嬌~(笑)。

「AXIOM80」をお持ちの方で、現状にご不満をお持ちの方や飽いてきた方はぜひ試してご覧あれ~。手間は別として、お金は木製の植木鉢代だけだからね~(笑)。

シマッタ・・、6月に「AXIOM80」を聴くためにわざわざ岡山県からお見えになったお客様にこのスタイルで聴いてもらうと良かったのに~、いつも大事な時の「後知恵」で困るんだよねえ(笑)。



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音のスピード感、繊細な表現力、適度な量感のマッチングを求めて

2024年07月14日 | オーディオ談義

オーディオ機器に求めるものといえば当然「性能」なんだけど、趣味の世界なのでどうしても好き嫌いの「感情」が伴ってくる・・、で、どちらを優先させるかといえば、我が家では後者の方かな~。

もちろん両者が揃っていればいうことなし・・、実例をあげてみよう。

先日のこと、オークションにワーフェデール(英国)の口径38センチ(15インチ)のユニットが1本出品されていた。

お値段は「13,800円」と超安いうえに、音がメチャいいとされている「赤帯マグネット」付き!

我が家のウェストミンスターに使えそうなユニットなので落札したいところだが、なんといってもペアとしてあと1本欲しいところ。

そこでヨーロッパのSPユニットに関して独自の輸入ルートをお持ちの「T」さんに伺ってみた。

「現在オークションにワーフェデールの口径38センチのユニットが1本出品されてます。落札したいのですが、ステレオ用としてあと1本欲しいところです。

そこで、T様のルートから同じ口径38センチが手に入る可能性はありますでしょうか。まことに勝手のいいご相談ですが、いかがなものでしょうか。」

すると、ご親切にも次のような返信があった。

「お元気ですか。

ご照会の件ですが、当該のオークションも覗いてみましたが、アルニコの15インチタイプはなかなか見つけられないと思います。

15インチはどちらかというとアメリカ人好みのようで、イギリス国内では、Wharfedaleに限らず、15インチのユニットそのものが、あまり見受けられないように思います。

ご期待にそえず申し訳ありませんが、これに懲りず、また何かありましたら、いつでもご照会なり、ご相談なりしてください。 では、失礼いたします。」

というわけで、手に入れるのが難しいとなればオークションの出品物を諦めざるを得ない。1本だけではどうしようもないしねえ~。

さて、ここで何が言いたいのかといえば、イギリスでは15インチ(38センチ)のユニットがあまり見受けられないということ。

たしかにグッドマンやワーフェデールなどの有名どころにしても、15インチがあることはあるがめったに見かけないし、有名なタンノイにしても使えるのは往年の「モニター・シルヴァー」か「レッド」、せいぜい「ゴールド」あたりまでだろう。

後日、この件を「有識者」にご注進したところ次のようなコメントがあった。

「そうなんです。イギリスは口径30センチのユニットが圧倒的に多いです。音のスピード感と繊細な表現力と適度な量感をマッチングさせるとなると口径30センチのユニットがベストと考えているのでしょう。

私もそう思います。したがって、あなたのユニットの選択は間違っていないと思いますよ。口径38センチのユニットを思いどおりに動かすのはたいへんです。タンノイの昔のユニットがなぜいいかというと、コーン紙の重さが軽いのも一因でしょう。」


私見だが、口径38センチのユニットはそれなりの魅力もあるのだが、どうしても空気を押し出す量とそれに付随する抵抗、そしてコーン紙の重さを考え合わせると、音声信号に対する追従性に問題が出てきそうに思えて仕方がない。

そういう先入観があるだけでもうダメ・・、で、我が家のユニットはウェストミンスター内蔵のユニットまで含めてウーファー系はすべて「口径30センチ」に留めている。



左からグッドマンの「AXIOM150マークⅡ」、ワーフェデールの「スーパー12」、そしてJBLの「D123」でいずれも「12インチ」(30cm)


もちろん我が家で常用している小出力の「3極管シングル」アンプとの絡みもあるので一概には言えないが、これまで使ってきた口径38センチのユニットのJBLの「D130」やタンノイなどすべてオークションに放出してしまった。   

そういえば、タンノイの創始者「G.R.ファウンテン」氏が愛用していたのは「オートグラフ」ではなく、口径25センチの「イートン」だったことはよく知られている。

これがイギリス人の良識ある一般的なオーディオ観といっていいだろう。

自分もタンノイは「ⅢLZ・イン・オリジナル・キャビネット」「インパルス15」「ウェストミンスター」と使ってきたものの、一番バランスが良かったのは最初に使った「ⅢLZ」だった。今となっては手放さなきゃよかった(笑)。

まあ、「口径38センチ」のユニットが好きという方も当然いらっしゃるだろうし、さらには箱の容量とかパワーアンプの出力との兼ね合いもあるので一律には論じられないが肝心の「お耳のセンス」の方は「?」だと内心秘かに思っている。

もちろん、これは「クラシック愛好家」だけに通じる話で、「ジャズ愛好家」には別次元の話なので念のため申し添えておきます・・(笑)。



この映像は、つい最近メールを寄せていただいている、クラシック愛好家でプロカメラマンの「K」さん撮影のものです。


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無知というものの哀しさ

2024年07月10日 | オーディオ談義

「右チャンネルから音が出たり出なかったりするんだけど、ちょっと診てもらえませんか~」とオーディオ仲間のMさんへメッセージ。

Mさんはれっきとしたベテランの「アンプ・ビルダー」さんである。「ああそれは、半田の接着不良でしょう。明日お伺いします。」と即座に返事が返ってきた。

対象のアンプは「2A3」シングルアンプである。



ご覧の通り、大きな出力トランスのせいでやたらに重たい・・、こういう大きな出力トランスを持つアンプが繊細な音を出す事例をこれまで見聞したことはないが、低音域のゆとりに関しては大いに重宝しているので、専ら低音域用として使っている。

出力管の「2A3」は比較的ポピュラーな球なのでRCAを始めとしてブランドがいくつも出回っているが、我が家では「VISSEAUX」(フランス:刻印)を選択している。

刻印付きともなると今や希少品だそうで海外のオークションでは軽く「15万円以上で取引されている」との噂・・、まあスペアを含めて売るつもりはないけどね~(笑)。

で、お見えになったMさんがアンプの裏蓋を開けて点検したところ、すぐに「ボリューム」周りの半田が接触不良で「ついたり離れたり」の状態。

半田ごてが入りにくい部分というのが原因だった。

「音が出たり、出なかったり」というケースでは、まず半田の接触不良を疑った方が良さそうだ。

まずは一件落着だったが、Mさんがついでに持参されたのがこのほど落札された「TR式」のプリアンプだった。価格はわずか「8千円」というから、超安っ!

なぜこれほど安かったのかといえば、出品者が「STORE」だったせいで、ぞんざいな取り扱いだったことに尽きる・・、たとえば上蓋を開けて内部の画像を見せて欲しいと要望しても聞き入れてくれない。

したがって、入札者はMさん含めてたったの2名という有様~。

ところが、到着して上蓋を開けてみたところ、なんと希少なマイカ・コンデンサーがペアで使われていた!



画像上部の「茶色のコンデンサー」がそれで、市価ともなると確実に3万円ぐらいはするという代物、おまけに電源トランスは「TANGO」という有名どころが使われている。

もし、「STORE」が手間を惜しまずに「上蓋」を開けて画像を公開していたら、入札者が殺到し落札価格もきっと跳ね上がったことだろう。

Mさんのチャレンジ精神に拍手といったところだが、一方では「無知」というものの哀しさにやりきれなくなりますな・・(笑)。

で、修繕とか掘り出し物の話が一段落してから、「久しぶりにAXIOM80を聴かせてくれませんか」との要望に応えた。



この頃はこういう聴き方をしています、というわけで、オイルコンデンサーで「500へルツ」あたりでローカットし、それ以下の低音域は後方に控えるウェストミンスター(改)で補完するという世界中でも「ここだけ」のシステム。

両者、すなわち「AXIOM80」と「ウェストミンスター」内蔵の「スーパー12」(ワーフェデール:赤帯)ユニットの「位相」すなわち振動版の位置関係については、言わずもがなだが音の速さは秒速「340m」なので、100ヘルツのときの波長は「3.4m」、「500ヘルツ」のときは「1.7m」だからまあ許容範囲ではなかろうか・・。

ちなみに、植木鉢に据え付けた「AXIOM80」(復刻版)の背後には、「羽毛の吸音材」をこぼれ落ちないように工夫して詰め込んでいる。

「まったく違和感がないです!」と聞き惚れるMさん・・。

ついでに、コーラルのドライバーとウッドホーンのコンビも聴いてもらい、どちらが「お好きですか・・」と単刀直入にお訊ねしたところ「もっと長時間聴かないと簡単に応えは出せませんね・・」、誘導しようというこちらの思惑が見事に外れて、ギャフン~(笑)。



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オーディオの小宇宙を楽しむ

2024年06月28日 | オーディオ談義

「南方 熊楠」(みなみかた くまぐす:1867~1941)という人物をご存じだろうか?

いろんな書物を手当たり次第に濫読していると、必ずといっていいほど突き当たる御仁であり、いわば「博覧強記の知の巨人」というイメージを強く持っている。



本書の冒頭に「宇宙の楽しさを求めた人」と題して次のようなご本人の言葉があった。

「宇宙のすべては尽きることがない。ただ人間には生まれながらにして 心 というものがある。心がある以上、心が得られる限りの楽しさを宇宙から受け取ることができる。宇宙のほんの少しの部分を自分のものとして心の楽しさに変えていく。これが 智 と呼ばれているものの正体だと、ボクは思うんだ」(現代語訳)

そうなんです! と思わず膝を打った(笑)。

地位も名誉も何も要らない・・、オーディオという訳の分からん小宇宙 のほんの少しの部分を取り出して、我がものとしていく一連の作業ほど楽しいものはない、まあ、身勝手な解釈だけどね~(笑)。

そもそも相手が小宇宙なんだから永遠に果てしない世界・・、道理で飽きが来ないはずだ。

という前置きのもとで、具体論に入ろう。

我が家のオーディオの目下の関心事は、仲間から借りてきたコーラルのドライバーとウッドホーン。



この新しいサウンドに夢中になって早くも3日が経過した。

なんとかクラシック向きの音にしようと やっきになって9台の真空管アンプの中からとっかえひっかえ試しながら聴いていると、どうにか一段落してようやく音楽に専念できる段階に至った。

ところが・・、それも束の間で新たな好奇心が湧いてきた。

これまで使ってきた「175ドライバー」(JBL)に、このウッドホーンを取り付けたらどういう音が出るんだろうか~。

前々回のブログ「新風を吹き込まれたオーディオシステム」では「果報は寝て待て」と悠長なことを書いてたが、なにも逸る気持ちを無理して抑えることもあるまい・・、誰にも遠慮はいらないんだから~(笑)。

というわけで、さっそく作業に取り掛かった。

いちばん心配したのは「175」と「ウッドホーン」の3か所のネジ穴の位置が合うかどうか・・、だったがどうにかうまくいって辛うじて凌いだ感じ~、なんといっても他人の所有物だから、傷を付けないことに専心した。

その結果、次の通り据え付けた。



これが右チャンネルで、左チャンネルの方はオリジナルの「コーラルのドライバーとウッドホーン」。

クロスオーバーは「175」を使うので、両チャンネルともにローカットを「900ヘルツ」に設定した。

こうやって聴くと、たちどころに左右のサウンドの差が判明するというわけで、ワクワクしながら耳を澄ますと、「175」の方に分解能と透明感の点でやや一日の長があった。

といっても、まったくわずかな差で、もしブラインド・テストだと判らないかもしれない範囲・・、天下の「JBL」とほぼ互角の勝負をするのだから国産の「コーラル」善戦の感を強くした。

そして、次の実験は・・、



左チャンネルに従来の「175+小型ハチの巣型ホーン」を据え付けて試してみた。右チャンネルは言わずもがなだが「175+ウッドホーン」である。

音色はまったく変わらない・・、ただし「鮮度」という点で微妙な差になるがウッドホーンの方に軍配を上げたくなる。見通しの良さや明るさもやや上回っているので「原音」への近さからいくと、
こっちの方かなあ~。

それにしても、いずれ仲間に返却する運命にあるのだが、このウッドホーンだけは欲しいなあ・・。

なかなかの掘り出し物で、部屋の面積(5m×7m)に応じてやや「小振り」なところが気に入っているし、「マルチセルラー」型という利点も大いにありそうだ。

さらに欲が膨らんで「ドライバーとホーン」ともに譲ってもらってもいいかもねえ~、もちろんオークションで落札した価格と送料を含めたお値段ということで・・、ちょっと虫が良すぎるかなあ(笑)。



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新風を吹き込まれたオーディオ・システム

2024年06月26日 | オーディオ談義

一昨日(24日)のことだった。

「コーラルのドライバーとウッドホーンを落札したんだけど、組み合わせるウーファーとネットワークに時間がかかりそうなので、エージングを兼ねてしばらくお宅で使ってみる気はありませんか」と、オーディオ仲間のMさん(大分市)から申し出があった。

「エ~ッ・・」まったく思いがけない話だったので、一瞬のけぞったがすぐに気を取り直して「いいですよ~、現在使っている175ドライバー(JBL)の代わりに使えそうですね・・、今から取りに伺いましょうか」と一つ返事。



まるでダボハゼみたいに飛びついたわけだが、オーディオはときどき新風を吹き込んでやらないと~、これは絶好の機会になりそう(笑)。

およそ1か月ぶりくらいにお会いしたMさんは相変わらず元気そうだったが、もう心の方はどういう音が出るか気もそぞろ・・「それじゃあ、しばらく借りとくからね~」と、挨拶もそこそこに急ぎ持ち帰った。

通常40分はかかるところをクルマを素っ飛ばして所要時間35分!(笑)

さっそくネットで調べてみたところ、コーラルのドライバーは「M103」(8オーム)という型番で、能率「104db」というから小出力の真空管アンプで十分使えそうだし、クロスオーバーも500ヘルツから使えるので実験するにはもってこいの代物だった。

ちなみに、現在使っているJBLの175ドライバーは諸元ではクロスオーバーが1000ヘルツと設定されているのでかなり違う。

それに、ホーンのタイプが「マルチ・セルラー」ときている。あの大好きなヴァイタボックスの「CN191コーナーホーン」もたしかそうだったはずで、(ドライバーによる)いい音の秘訣は「マルチセルラー」方式ではないかと秘かに睨んでいたほどなのでワクワク~。

さっそく、据え付けてみた。



いちばん悩んだのがネットワークだったが、結果としては、

まず、ウーファーについては「コイル」(1.5mh:ムンドルフ)を使って700ヘルツでハイカット、そしてドライバー「M103」をコンデンサーを使って「650ヘルツ」あたりでローカットした。

そして、500ヘルツあたりから使えるドライバーは経験上、高音域の輝きが少し物足りなくなるので、「075ツィーター」(JBL)を1万ヘルツ以上に設定してみた。

さあ、ワクワクしながら音出し・・、もう たまらん ですなあ(笑)。

とはいえ、いずれ返却しなければいけない機器だから、あまりいい音が出ても困るし・・、なかなか複雑な心境である。

そして、一聴した結果「何だか蒸留水みたいな薄味の音だなあ・・」というのが第一印象でどうも質感が冴えない。

おかしいなあ・・、しばらくして、あっ、そうか~、700ヘルツまでの帯域を「TRアンプ」で駆動していたので、そのせいかもしれない・・、急いで「2A3シングル」真空管アンプに代えたところ、見事に音に生気と濃厚な質感が蘇った。

(我が家の)教訓 → TRアンプは100ヘルツ以上の帯域には使うべからず!

とにかく安堵した・・、プアな音の原因はコーラルのドライバーのせいではなかったことになる。

そして、どうしても「M103」と「175」との比較をしたくなるが、もう どっこいどっこい の勝負かなあ・・、コーラル善戦の意を強くしたが、マルチセルラー型ホーンが大いに利いている気がした。

ふと「175」に付いている「ハチの巣型」ホーンを、このマルチセルラー型に代えたらどういう音が出るんだろう・・に思い至ったが、「果報は寝て待て」という言葉もあるし、まあ後日の楽しみとしておこう(笑)。

ちなみに、アンプは3台使用した。



左から、「700ヘルツ」までを受け持つ「2A3」シングル、「1万ヘルツ」以上を受け持つ「171」シングル、そして右端が「650ヘルツ」以上を受け持つ「WE300B」シングル。

当分の間、この爽やかなサウンドで蒸し暑くて鬱陶しい梅雨の時季を乗り越せたらいいんだけどなあ~(笑)。


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肝心なことは目に見えないんだよ

2024年06月22日 | オーディオ談義

フランスの作家アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの代表作に「星の王子さま」という小説がある。

日本でもアニメやミュージカルになったりして人気があるが、何といってもその秘密は心を打つ名言が作品の中に沢山散りばめられていることにある。


そのうち代表的な名句としてよく知られているのが「心で見なくちゃ”ものごとは
よく見えないってことさ。肝心なことは、目に見えないんだよ!」

「肝心なことは目に見えない」とは、「表面だけで判断してはいけない」ことを指しているのだろうが、オーディオだって負けてはいない。

そもそも「音」ってのは空気の振動なので目には見えないんだから~(笑)。

それは冗談としても音質に大きな影響を与えるのに(まったく目に見えないので)意外に無視されているのが「磁界と振動」ではなかろうか。

まあ、振動の場合は適度に有った方が音がいい、たとえば真空管のガラス管がスピーカーから出る音圧によって適度に振動した方が音が良くなるという説もあって、上手く ハモらせれば 一概に「悪」とは言えないようだが、「磁界」ばかりは百害あって一利なし。

まったく目に見えないだけにこれほど始末の悪い物はない。なぜ悪いのか、一口で言えば「磁界によって迷走電流が起きてそれが音声回路に悪さをする」ということらしい。

電気の知識については門外漢だが、大学で機械工学を専門にしたオーディオ仲間がそう言ってた。

鉄は磁気を帯びる磁性体なので迷走電流が起きやすく、「微小電流を扱うプリアンプのシャーシには鉄を使わない」をポリシーにしているアンプビルダーさんもいるほどでたしかに一理あると思う。

このような振動や磁界を別にしてもオーディはどうも「つかみどころのない迷宮」のような気がして仕方がない。

何かの本に「学問の目的の一つは分かっていることと、分かっていないことの境界線をはっきりさせることにある」と、書いてあったがオーディオを研究対象(「音響物理学」)としてみた時にこの境界線なるものが分からないし、おそらく皆さんだってそうではなかろうか。

あまりにも「変数」が多すぎる!

たとえば音響に及ぼす要素として大雑把に上げてみても、

「音楽ソースの録音状況」に始まって「部屋の大きさと形状」「レコードプレイヤーやCD機器の性能」「プリアンプ」「パワーアンプ」「スピーカー」「ケーブル類」そして「各家庭ごとの電源の供給事情」など、枚挙にいとまがないほど。


さらに小さく細分化していくと選択する真空管やエンクロージャーなどに及び、それぞれの相性まで考え合わせるともうエンドレスだ。

しかも、どの1か所でも手を抜くとそのレベルに落ち着いてしまうという怖さがある。

そして、忘れてはならないのがスピーカー絡みの要素の一つとして縁の下の力持ち的存在の「ネットワーク」。

市販のスピーカーをそのまま使う人には生涯にわたって無縁の代物になるが、周波数帯域に応じて個々のユニットを組み合わせながら使う人間には心強い存在である。(チャンデバは使わない主義なので念のため)

もちろん、それが良いか悪いかは別の話になるが、オーディオを骨の髄まで楽しむという点では絶対外せない代物だと思っている(笑)。


今回、そのネットワークによる音の違いを実感したので述べてみよう。

現在、我が家でいちばん活躍しているスピーカーがこれ。



サブウーファーとして活用している右端の「D123」(JBL:口径30cm)のハイカットを「100ヘルツ」にするか「200ヘルツ」にするかで、天と地ほど音が変わってくるのだから恐ろしい~(笑)。

今回の場合は、「200ヘルツ」にすると音が全体的に濁ってくるのでコイル(ムンドルフ)を継ぎ足し「6.8+8.2=12mh(ミリヘンリー)」にして「100ヘルツ」にしたところ、ようやく落ち着いた。



やはり低音域の処理は全体の死活を大きく左右するようですね・・、今さらの話ですがね(笑)。



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お気に入りのスピーカーの出現

2024年06月20日 | オーディオ談義

いろいろスピーカー弄りをやっていると、つい学生時代の頃を思い出す。

学生の本分は何といっても勉強に尽きると思うが、あらゆる教科にわたって満遍なく平均点以上の点数を取る学生が居るかと思えば、それとは対極的に特定の科目、たとえば数学などがいつも満点だけどその他の科目が平均点以下という個性的な学生も居る・・。

仮に、前者を「総合」型、後者を「一点突破」型としよう。

いったいどちらに豊かな将来性があるんだろうか・・、やはり職業的な向き不向きがありそうだけど、個人的には後者に何となく大化けしそうな印象を受ける。

で、自分はといえば可もなく不可もなく平均点そこそこの凡庸な人間に過ぎなかったので余計「一点突破型」に魅力を感じてしまう・・(笑)。

ところが、日常生活の中で身近に接しながらの「使い勝手」となると、どうも「総合型」に軍配を挙げたくなるのだ。

その典型的なスピーカーがこれ~。



あらゆる音楽ソースに対してまんべんなく80点以上の点数を確実に獲得する・・、それはもう嫌になるほどでまったく「ハズレ」がない。いわば「原音」に対しての「忠実型」ともいえようか・・。

いろんな音楽ソースの音質を気にせずに安心して音楽に浸れるという点にかけては抜群のスピーカーで、現実にもう10日間ほど代える気がせず愛聴しまくっている。こういうことは極めて珍しい。

賢明な読者の方なら、このところ「オーディオ実験記事」が無かったことを既に気付きのことだと思うが、実はそういう事情でした・・(笑)。

というわけで、ヴァイオリンの濡れたような音色の再生に秀でた「一点突破型」の「AXIOM80」とは違った良さがあって、この「総合型」スピーカーは我が家では欠かせない存在になりつつある。

ところが・・、
そういうスピーカーでも10日も経つと少し弄りたくなってきた。

その動機としては、もっと「いい音」が出るかもしれないという欲が張った期待感・・、そして特定のスピーカーに頼り過ぎてしまった結果、故障した時のあの虚しい喪失感を味わいたくない・・、あっ、そうそう「失恋」と似た感じかな~(笑)。

かくして、このスピーカーの実験結果を記録しておこう。

実験1 <サブウーファーの交換>

現在、サブウーファーとして活用しているのは「PL100」(英国モニターオーディオ」である。

上記画像右側の黒い小型のスピーカーだが、見た目からは想像できないほどの量感と引き締まった低音(100ヘルツ以下)に100%満足しているものの、ほかの代替スピーカーも考えておいた方がいいかもしれないと、昨日になってようやく重い腰を上げた。

その候補の一番手が、目下「予備役」編入中のJBLの「D123」(口径30cm)。箱に容れて使うのは場所を取るので、例によって植木鉢に容れることにした。平面バッフルと比べて、ユニットの後ろ側に出る音が前面に回り込みにくくなるメリットがある。



ご覧のとおりだが、たかが100ヘルツ以下の低音域とはいえ設置場所によって音が大きく変わるのには驚いた。

最初は真横に置いたのだがこれはアウト・・、
結局、やや後方に位置させユニットの後ろ側から出る逆相の音を後方のウェストミンスターと壁の間に流し込んでやるようにすると、左右両方のスピーカーの間に音像が定位してくれて一応の決着をみた。

で、肝心の「音質」だが・・、ユニットを箱に容れないメリットが発揮されたようで、いっさい籠った音の印象を受けないし、「D123」ユニットの浅いカーブの形状のせいか音速スピードが速くて違和感がない・・、狙い通りで「PL100と遜色なし」と判断したいところだが、即断は禁物でしばらくこのままで聴いてみよう。

ちなみに、駆動するアンプは「PL100」のときと同じように「TRアンプ」である。低音だけ鳴らすなら「真空管アンプ」よりもむしろいいくらい。

次に実験2 <PX25シングルアンプの登場>

ワーフェデールの「スーパー10」(口径25cm)を駆動するアンプをいろいろ試してみたが、ようやく「PX25シングル」アンプで落ち着いた。



前段管は比較的「μ(ミュー)」の高い「3A/110B」(英国STC)、整流管はウェスタンの「422A」(1957年製)。

このアンプで聴くと高音域がよく伸びているせいかJBLのツィーター「075」が不要になった・・、これは大きい。

ユニットは出来るだけ少ない方がいいというのが我が家のポリシーである。各ユニット間の担当周波数の端っこが重なり合ってしまい音が濁りやすくなる、そして 大切な音の余韻がぼやけてしまう というのがその理由。

まあ、例によってプラス、マイナスあって結局は持ち主の頭の中での「差引勘定」になるわけだけどね~。

で、我が家の場合はこのスピ-カーのように「フルレンジ」ユニットを基本に据えて、高音域と低音域が足りなければ、それぞれ僅かに付け足すというスタイルだけど果たしていいのか悪いのか・・。

読者の皆さま方はどう思われますか~、えっ、「勝手にしやがれ」ですって・・、(笑)。



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叩けば叩くほど良くなる法華の太鼓

2024年06月19日 | オーディオ談義

先日といっても10日ほど前のこと、ブログで投稿した女流ヴァイオリニスト「ヒラリー・ハーン」が弾くブルッフの「ヴァイオリン協奏曲」に関する記述をご記憶だろうか。



大のお気に入りとして毎日浴びるほど聴いていたが、どんな名曲でも耳に馴染み過ぎると段々と鮮度が薄れてくる。

つまり、人間の脳が一番嫌う「マンネリ」という宿命が襲ってくるわけだが、それとともに興味が演奏からヴァイオリンの方に移って、彼女が弾くヴァイオリンはおそらく「ストラディヴァリ」だろうと推測していたら、南スコットランド在住の「ウマさん」から「それはフランス製のヴィヨームですよ」とご教示いただいた。

はじめて聞くブランドだったので少なからず驚いたが、追い打ちを掛けるように関西の「M」さんからも次のようなメールが届いた。

Mさんはあの線香くさいバッハの宗教曲をこよなく愛好されるほどのお方なので本格的なクラシックファンといっても過言ではなかろう。

1. 1864年製 J.B.ヴィヨームの可能性が高い

ハーンさんは2002年からこの楽器をメインに使用しており、インタビューや自身のウェブサイトでも「生涯の楽器」と呼んでいます。多くの演奏会やレコーディングでこの楽器を使用していることから、今回紹介された動画でもJ.B.ヴィヨームの可能性が高いと言えます。

2. 状況によって別の楽器を使用している可能性も

ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番は、華麗で力強い演奏が求められる曲です。そのため、ハーンさんはJ.B.ヴィヨーム以外にも、音色や音量に特化した楽器を使用している可能性があります。

例えば、1710年製ストラディヴァリウス「エクス=サン・サルヴァトーレ」は華やかな音色で知られており、ブルッフのようなロマン派作品に適していると言えます。


以下に、ハーンさんが使用しているヴァイオリンに関する詳細情報を記載します。

○ J.B.ヴィヨーム (1864年製)
愛称:「ex-Tellefsen」
音色:パワフルで、レンジが広く、音色も豊か
逸話:ハーンさんは2002年からこの楽器を使用しており、自身のウェブサイトで「生涯の楽器」と呼んでいます。

○ ストラディヴァリウス「エクス=サン・サルヴァトーレ」(1710年製)
音色:華やかで、繊細
逸話:ハーンさんはこの楽器を、バッハやモーツァルトなどの古典作品の演奏に使用することが多い。

○ グァルネリ・デル・ジェス「イザイ」(1650年製)
音色:深みがあり、力強い
逸話:ハーンさんはこの楽器を、ベートーヴェンやブラームスなどのロマン派作品の演奏に使用することが多い。

以上の情報により、ブログ主さんのストラディバリウス説も否定は出来ません。でもブルッフはブラームスのころのロマン派でもあり華麗で力強い演奏を求めるとなるとグァルネリになるような気もしますね!

以上、詳細な情報をありがとうございます。

ハーンほどの超一流の演奏家ともなると、いろんな名器を貸与してくれる団体が目白押しなんでしょうね・・、しかもヴァイオリンはずっと寝かしておくよりも頻繁に弾いてやらないと調子が出てこないと聞いている。

これはオーディオのスピーカーも同じで、「木」で出来ているものは響き(振動)を与え続けてやることによって細胞の向きが一定の方向に向いてきて美音を出してくれると読んだことがある。

300年ほど前に作られたヴァイオリンだってずっと弾きこなされてきたせいで適当に木が枯れてきて音が良くなっているのかもしれませんよ。

つまり「叩け叩くほど良くなる法華の太鼓」というわけで、使って減るもんじゃなし、 オーディオ愛好家たるもの 毎日のように
スピーカーを苛め抜いてやりましょうよ~(笑)。


 

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音を表現する言葉の難しさ

2024年06月18日 | オーディオ談義

昨日(17日)のこと、このブログの読者でお馴染みの「K」さん(横浜市)からメールが届いた。

「日々精力的な試行、その体力と精神力に敬服してますが、各改造ユニットの音が想像できず何とも歯がゆい限り(実際聴かねばわからぬと?)

そこで実験に例えばヴァイオリンの絹の響きが…、オーケストラのダブルベースのうなりが・・・、ピアノの左手の響きが・・・、など演奏とSPの特徴を合わせて解説頂けると「凡人」もさらに楽しめる(見える)のですが。」

なるべく読者に理解してもらい喜んでもらえるようにブログを書いてるつもりですが、 舌足らず でまことに申し訳ありません‥(笑)。

たしかに思い当たる節があって、このところのオーディオ実験では、「これは素晴らしい!」といった調子で「音に対する表現」を端折(はしょ)っていたことに気が付いた。

その理由についてだが、たしかにKさんが仰るように「どうせ実際に聴いてもらわないと読者に理解してもらえないので、どんなに美辞麗句を並べようと所詮は無駄~」という魂胆が根底にあることは間違いない・・。

言葉(文章)で表現できないのが音楽なんだから、そもそも無理な話ですよと言うと、身も蓋もないけれど・・(笑)。

あっ、そういえば、音に対する表現の難しさについて、3年ほど前に同じ「AXIOM80」愛好家の「S」さん(愛媛県)から次のようなメールをいただいたことがある。

「音の表現ほど難しいものはないと思っています

ワインのソムリエが「干し草のような」「キノコのような」と表現すると

そこには一種の共通認識があるおかげで 言葉からある程度イメージが可能なのですが 音の表現となると・・・ 

Axiom80の音を言葉で表現した若き瀬川冬樹氏はやはり名を成しただけあって 言語化が上手だったと思います 

モナリザだって嫌いな人もいるでしょうから 皆 それぞれ 自分の好きなものを追い求めるしかないようで 理想の音は こうありたい自分を反映しているかもしれません 

感覚過敏気味の自分にはaxiom80が相性が良かったのかもしれませんが

おおらかに ゆったりと余裕のあるヒトになりたくもあり 普通の音を目指しつつ 毒(狂気)が同類には匂いでわかるといったところでしょうか」

というわけです。

「ワイン」の話が出てきたので、わかりやすく対比するために「思索紀行」(立花隆)の中の一文を抜き書き出してみると、

 ワインのプロの間では試飲の仕方が完全に様式として確立されている。そして言葉で匂いと味わいを表現しなければならない。さらには、その表現力をどれだけ身に付けているかで「匂いと味きき」の能力が試される。

✰ 匂いの表現方法にはなんと百種以上ある。たとえば天然の香りが次々にあげられ、初めはたいてい花の香りから始まる。スミレ、ジャスミンなど、あらゆる花の名前が登場してきて、次に果物の香りとしてリンゴ、イチゴさらにはアーモンドなどのナッツ類も登場する

ほかにも、本書では「味覚」「嗅覚」の表現の豊かさについて事細かに述べられているが、それに比べると「聴覚=音」の表現の貧しさについては嘆かざるを得ない。

たとえば「スミレの香りみたいな音」といってもチンプンカンプンですよね(笑)。

したがって「音の表現」についてもワインのように様式として確立し、もっと豊かで感覚的に分かりやすい表現ができないものかといつも思う。

ちなみに、「音」の表現に関して常用される言葉としてはアトランダムに「光沢」「色艶」「彫琢」「奥行き感」「スケール感」「透明感」「いぶし銀」「色気」などで、ほかにもいろいろありそうだが、所詮は「群盲像を撫でる」ようなもので抽象的の域を出ない。

で、近年我が家のオーディオでいちばん重視しているのが両方のスピーカーの間に舞台(ステージ)が出来上がり、その上に演奏者がきちんと奥まって定位していること。

音が前に出てきているはずなのに、なぜか聴感上は音がスピーカーの奥に引っ込んで聴こえるのが不思議・・、クラシックを聴くうえでこの鳴り方が大いに気に入っているのでアンプとスピーカーのバランスを推し測るいちばんの目安にしている。

最後に・・、音の表現に関連して以前のブログで「ドレミの7音は虹の色」と題して投稿したことがある。



要約すると「音を聴くと色を思い浮かべる特殊な知覚「共感覚」の持ち主が感じる「ドレミファソラシ」の7音の名前が虹の色「赤・橙(だいだい)・黄・緑・青・藍(あい)・紫」と、ほぼ順序よく対応しているとの調査結果を新潟大学のチームがまとめ、英科学誌電子版に発表した。

つまり「ドは赤」「ミは黄」「ソは青」「シは紫」といった具合。

メカニズムは不明だが「なぜ音楽に心を動かされるのかという未解明の問題にヒントを与えてくれるかもしれない。

共感覚とは「音に色を感じる」、「味に形を感じる」といった二つ以上の感覚が結びつく知覚現象のことで、音楽家ではシベリウスやリストが知られている。」

というわけで、低音域の豊かな音は「赤系の音」、中音域では「緑系の音」、高音域の音は「紫系の音」といった具合だが、それでもまだ正確に言い表せない気がする。

味覚細胞や嗅覚細胞には対象となる微粒子が直接触れてくるが、聴覚細胞に届くのはせいぜい「空気の波」に過ぎないのだから仕方がないのかもしれませんね。


どなたか、表現方法でいい知恵をお持ちじゃないですかね?(笑)


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敗者復活戦で予想外の収穫

2024年06月13日 | オーディオ談義

このところ毎日のように ああでもないこうでもない と弄り続けるスピーカーたち~。

オーディオをやってていちばん楽しいのはスピーカー周りの作業だと経験上承知していたが、これほど変化に富むとは・・(笑)。

そのそものきっかけは、長らく予備役に編入していた「AXIOM80」(復刻版)を復活させたことだった。

そして、期待に違わない大活躍~。



で、とりあえずこの画像が最終形となったが、落ち着く間もなく理想の低音を求めて実験開始。

まずは「口径20cm」のユニットが入ったスピーカをハイカット「85ヘルツ」で鳴らしてみたところ、見事に合格。



次に、口径25cmのユニットが入った大きめの箱でも試してみた。



これも悪くは無かったが低音がややボンつき気味で、オーケストラには向いてそうだが、総合力では「口径20cm」に軍配を挙げたくなるのであえなく追放。

とまあ、いろいろとスピーカー同士の優劣を判断しているとどうしても敗者が出てくるのは仕方がない。

したがって、敗者の行く先を決めてやるのも持ち主の責任である(笑)。

ところが、この「敗者復活戦」で予想外の収穫が・・、とりあえず記録しておくことにしよう。

まず、第一の収穫がこれ。



「AXIOM80」(復刻版)のせいで「冷や飯」を食う羽目になったJBLの「175ドライバー」をウェストミンスター(スーパー12:口径30cm内蔵)との2ウェイで鳴らしてみることにした。

クロスオーバーは、「スーパー12の」のハイカットを「700ヘルツ」(ムンドルフのコイル:1.8mh)、「175」のローカットを2000ヘルツに設定して聴いてみたところ、いかにも大型スピーカーらしい風格が漂ってきた。

「細かい事を ちまちま 言うな」といわんばかりのサウンドで、あらゆる音楽ソースを温かく包み込むような印象を受ける・・、想像以上に良くて思わずウットリの巻~。

次に、二番目の収穫・・。

「AXIOM80」のせいで、あえなく敗者の憂き目を見たワーフェデールの「スーパー10」。



重量級の大型マグネット(赤帯)によるハイスピード感は捨てがたいものがあって、このままだと「宝の持ち腐れ」に終わってしまう・・、何とか活用してやらないともったいない。

そこで、次の画像のように植木鉢に取り付けたまま、思い切って箱に放り込んでみた。



ただし、少しばかり「小細工」を弄(ろう)してみた。

☆ フルレンジとはいえ高音域に不足を感じたので、同じワーフェデールの「スーパー3」を載せてみた(別のアンプで駆動)。

 強力なマグネットを有するユニットは比較的低音が出にくい傾向がある・・、あのローサーしかり~。そこで「PL100」(ハイカット85ヘルツ)で補完。

 箱の下の方の開口部に「羽毛の吸音材」を挿しこんで、背圧を調整してみた。

そして、耳を傾けたところ・・、これは素晴らしい!

何ら欠点が見当たらない(笑)。

これら「二つの敗者復活戦」で、急に「AXIOM80」の影が薄くなってきたのはご愛敬。

まさに「主客転倒」だね、これは~、オッと「瓢箪(ひょうたん)から駒が出る」が正しいのかな~。

いずれにしても、専制君主(AXIOM80)の独裁体制は「好ましくない」のでこれでいい・・、我が家は円満で平和な民主主義体制なんだから~(笑)。


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躍動するネットワーク

2024年06月11日 | オーディオ談義

前回のブログ「日々雑感」を投稿した後で思い付いたんだけど、あの独特のヴァイオリンの「妖しい音色と響き」って何だか禁欲的な色彩を帯びていませんかね・・。

したがって、演奏者自体もそういう傾向が見られる・・、たとえば「千住真理子」さん、「五嶋みどり」さんなどはいまだに独身だし、浮いた噂一つ聞かない。

おっと、諏訪内晶子や、前橋汀子などにはスキャンダルめいた話もありますね・・、まあ何ごとにも例外はあるようでして~(笑)。

さて、その妖しい音色と響きを持ったヴァイオリンの再生に秀でたスピーカーといえば、もう言わずもがなの「AXIOM80」~。

現在、我が家ではオリジナル版と復刻版の2ペアがフル稼働中・・。

使いだしてからもう20年以上になるのに日々新しい発見があるのだから、大いに楽しませてもらったという意味で完全に元を取りましたね(笑)。

これも「グッドマン社」(英国)がユニットづくりに専念し、箱を作らなかったことに起因するわけでその英断にはおおいに感謝~。

それにひきかえタンノイは・・、もう止めておこう、人を不快にするだけだからね~(笑)。

それでは前々回のブログ「二転、三転、そして四転」からの続きです。

以下、少々マニアックな話になるので不快感を覚えそうな方はここでストップして読み進まないようにね~(笑)。

で、前回のブログの最後の画像がこれでした。



取り越し苦労かもしれないが「地震の襲来」に備えて、安定性のある口径20cmのユニットが入ったスピーカーをハイカット「200ヘルツ」で鳴らしてみようという試みだった。

実際に聴いてみると、悪くはないんだけど・・、どうも「安っぽい響き」という印象を受けた、言い換えると音に深みが無い、思慮深さが感じられない・・、といったところかな~。

すぐに元に戻して・・、これで最終形といこう。



この高さなら、万一の揺れで「AXIOM80」が落っこちても何とか修復可能だろうし、第一、音も一番いい~。

これで「復刻版」は完成の域に達したので、次は「オリジナル版」の実験といこう。



「復刻版」にならって、低音域の「331ヘルツ」をオイルコンデンサーでローカットする。そして、ローカットした低音域を「PL100」(英国:モニターオーデイオ)で補完する。

その補完する帯域は、ムンドルフのコイル「6・8mh」により、およそ94ヘルツでハイカット。

この設定でワクワクしながら耳を澄ますと・・、いやあ驚いたねえ~(笑)。

画像でご覧のように小さなスピーカーなのに、ローエンドまでよく伸びている・・、まさに大きな図体の「ウェストミンスター」に匹敵するようなスケール感を醸し出すのだから、まさに「小さな巨人」だよ、これは~。

ま、そういうわけで「オリジナル版」の使い方は「331ヘルツ」でローカット、補完するスピーカーは「PL100」と「ウェストミンスター」の日替わりメニューで対応するようとしよう。

これにて「一件落着」といきたいところだが・・、踏ん切りの悪い粘着質タイプのオーディオマニアはどうしようもないものでして・・(笑)。

実は「復刻版」の低音域を補完する口径20cmのユニットの実験結果がどうも気になって仕方がない・・、もっと素敵な音が出るはずなんだけどなあ。

そこで、思い切ってコイルをもう1個追加して「6.8mh+8.2mh=15mh」によりハイカットを「200ヘルツ」から「85ヘルツ」へと変更して聴いてみた。

ところが・・、何とまあ前回とは様変わりで「安っぽい響き」が完全に消え失せたのである!

スッキリ爽やかで魅力的な音に変身~、これなら「PL100」と十分伍していける~。

結局、ユニットの責任ではなくて周波数の調整ミスだったというわけ~。

たったコイル一つで音が様変わりするのだからオーディオの恐ろしさを身に沁みて感じました・・。

で、これがネットワークの最終形となる。


音質の「鍵」を握る、躍動するネットワーク・・、市販のスピーカーをそのまま使う人には絶対に味わえない「至福のひと時」でしたぞ!(笑)。


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