「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ訪問記

2013年09月30日 | オーディオ談義

先週、27日(金)の午前中のことだった。

前日に我が家に来ていただいたAさん宅(湯布院)に今度はお返しとばかりにこちらから急襲した。熱心なオーディオマニアはとかく“せっかち”が多い(笑)。

新たに導入された「パラシングルのWE300Bアンプ」とウェスタンの15Aホーンの組み合わせを少しでも早く聴いてみたいと、九州横断道路(別府~阿蘇)をビュンビュン飛ばしたが、秋の行楽シーズンを控えてのことだろうか、あいにく工事中の箇所が多くていつもは35分のところが40分かかった。ま、大したことはないか。

ウェスタンの15Aホーンとのご対面はおよそ半年ぶりくらいかなあ。曲目はショスタコーヴィッチの弦楽四重奏曲8番。

           

いやあ、相変わらず重心がズッシリと定まっていて、一言でいえば「揺るぎのない音」。こんな凄い音を日常的に聴かれている方が、我が家の音を聴いたときにいったいどういう感想をお持ちになるんだろうかと、思わず忸怩(じくじ)たるものを覚えてしまった(汗)。

周波数のアバレが微塵も感じられず長時間聴いてもいっさい疲れがこない印象で、新たに導入されたWE300Bアンプの威力に大いに感じ入った。

           

長年アンプづくりに携われてこられた大宰府のMさんが凝りに凝って作られた入魂の逸品で、下段が左右両チャンネル専用のセパレートアンプで中段の右側が電源部。これは内部で(左右両チャンネル)に分割されている。

その特徴を一言でいえばアンプとスピーカーの間で派生する「逆起電力」への対策が徹底的に施されていることに尽きる。

いずれも50キロ程度ある重量の持ち主とのことで、自分なら音楽鑑賞以前に腰痛を起こしてきっと入院するに違いない(笑)。

ウェスタンの555ドライバーは70ヘルツ程度とかなりの下限まで持ちこたえることが出来るそうなので現在のクロスオーバー(周波数)をお伺いすると「現在130ヘルツで調整してますが、低音が出過ぎるほどなのでもっと抑えたいですね。100ヘルツ程度に落とすことを考えてます。」

「そうですか。これで十分だとは思いますが、ウェスタンの555ドライバーをJBLの375に変えると、15Aホーンからどういう音が出るか興味ありますね」。

「誰も実験したことはないようですが、出来ることなら一度やってみたい気もしますね」と、Aさん。

直径10センチを超えるダイヤフラムを持つ375の威力については、我が家の場合だが“まだまだこんなもんではなかろう”という気持ちがいつも頭の片隅にある。


ひとしきり聴かせていただいた後で、今度は2階の大広間へ移動。

ここには、ヴァイタボックスのCN191コーナーホーン、JBLの3ウェイシステム、そしてナショナルの3ウェイシステムが置かれている。

今回のお目当てはナショナルのシステム。

                   

新しくウーファー(ナショナルの30センチ口径ユニット)用のエンクロージャーを製作されたとのことで、3.8センチ厚の木板でがっちりしたツクリ。材料代は別として、知り合いの大工さんが「お酒2本」で請け負ってくれたそうで、「いやあ、うまいことしましたねえ!」

内部を拝見すると、羽毛の吸音材がシンプルに1本。

              

100円ショップで購入された洗濯用ネットに、羽毛枕の中身を引っ張り出してスッポリ移動させたとのことで、「いろんな吸音材を容れて試してみましたが、これがベストでした」

次いで、今度は中域の「8PーW1」の内部も拝見。

              

音の方も全体的にうまくまとめられていて実にバランスがいい。こういうところがAさんのオーディオセンスなのだろう。3つのユニットともに能率が95dbなので1台のアンプで駆動できるのが大きな魅力。現在はヤマハのプリメインの型番「A-S2000」を使用されている。

このアンプはNECの「A10」と並んでAさんのお気に入りで、さすがに真空管アンプと比べると駆動力は明らかに一枚上だが、前日聴かれた我が家のWE300B(三極管シングル)の音色には一目置かれたようで、そのうち手持ちのカンノの「WE300B」アンプと比較試聴してみようとのことだった。

夢中になって試聴しているうちに、否応なく時間が過ぎて早くもお昼時になった。

「今日は実にいい耳の保養をさせてもらいました」と感謝の言葉を述べて辞去したが、帰路、クルマの中で「Aさん宅のシステムと比べて我が家の音のセールスポイントはいったい何だろう?」と、自問自答したことだった。
 


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「終の棲家(ついのすみか)」

2013年09月28日 | オーディオ談義

タイトルの「終の棲家」(ついのすみか)とは、ちょっと聞き慣れない言葉かもしれない。

国語辞典によると、ちゃんと
最後に安住する所。これから死ぬまで住むべき所」とある。司馬遼太郎さんの長編小説に「世に棲(す)む日々」というのがあるが「棲む」は「巣」からきた言葉で、「住む」と同義語。「動物が棲む」「人間が住む」という使い分けをする。

とまあ、少しばかり教養の一端を披瀝したところで(笑)、今回はオーディオ機器の中で王様的な位置を占めるスピーカーにも、人間と同様に「終の棲家」が見つかったという話である。

忘れもしない8月8日に縁あって我が家に嫁いできたグッドマンのエンクロージャー。この1か月半ばかり、いろんなSPユニットを入れ替えて楽しませてもらった。

オリジナル専用のユニット「AXIOM301」(口径30センチ)をはじめ、以下、口径20センチのジェンセンのP8P、ナショナルの20PW09、アルテックの403A、リチャードアレンの「ニューゴールデン8」、そしてフォステクスのSLEー20W。

こうやって書き上げてみると6機種にも上る。

それぞれ個性的な音が出てきて大いに楽しませてもらったが、とりわけ印象に残っているのは、「AXIOM301」「JBLのLE85」「JBLの075」による3ウェイシステムだった。反応が早くてシャープでジャズにはもってこいのシステムだったが、名残惜しいものの所詮は“かりそめのちぎり”でそろそろお別れする頃合いとなった。

音楽鑑賞に最適な「芸術の秋」が間近に迫っている!

そして、いよいよ我が家の本命として泣く子も黙る「AXIOM80」サマの登場である(笑)。

「古いオーディオマニアならどんな豪華なシステムをお持ちの方でも”AXIOM80”と聞くと、”オッ”と一目置かれるみたいですよ」と、先日お見えになったKさん(福岡)が述懐しておられたのを思い出す。

23日(月)の午前中に帰省する娘を駅まで送って帰宅するなりさっそく入れ替え作業に取り掛かった。もちろん寂しさを紛らすわけではありませんからね~(笑)。

            

前もって取付用の補助バッフルを作成していたので随分楽だった。およそ2時間ほどで作業が完了。それはいいものの、とりあえず不要になった「AXIOM301」「LE85」「075」(各ペア)の仕舞い込み場所を見つけるのに一苦労しそうだ。

さあ、どんな音が出るんだろう。オーディオマニアならご承知の通り、期待と不安が混じった緊張の一瞬である。

ウ~ン、素晴らしい!思わず唸ったねえ。

AXIOM80はメチャ繊細なツクリなので鳴らすのが極めて難しいユニットとして知られている。駆動するアンプやエンクロージャー次第でコロッと音が変わる。

愛用しておられたオーディオ評論家の瀬川冬樹さんが、「本領を発揮したときの繊細で、ふっくらした艶やかな響きは絶品!」と評されていたが、その中で一番難しい「ふっくら感」が見事に出てきたのである。

夢中になって次から次にCDを引っ張りだしてきて聴き耽った。久しぶりに大好きなオペラ「魔笛」(コリン・デーヴィス指揮)を2時間半にわたってじっくり鑑賞したが、これほど心に沁み込んできた魔笛は始めて。

こうした音楽三昧の中で、26日(木)の午後、オーディオ仲間のAさん(湯布院)から電話があって「新しいアンプ(WE300Bのパラ・シングル)とSPボックスが完成したのでお暇なときにどうぞ」とお誘いがあった。

ついでに「我が家もとうとうAXIOM80をグッドマンのオリジナル・エンクロージャーに納めましたよ」と、報告したところ「これからすぐに伺いますので是非聴かせてください」

「どうぞ、どうぞ」

AXIOM80の凄さを熟知しておられるAさんならではの迅速な行動に大いに感じ入った次第(笑)。

すぐに機器のスイッチをいれて40分間ほどウォーミングアップ。

試聴は、「座右の盤」となっているモーツァルトのモテット「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」(KV165)。

「まったくスピーカーボックスの存在を忘れさせる音ですね。女性ボーカルの音像がくっきりと真ん中に立って、伸び伸びと歌っています。こんなに変わるものですか?素晴らしいです!この音なら自分も直し込んでいるAXIOM80にもう一度チャレンジしてもいいです。ようやく(AXIOM80に)終の棲家が見つかりましたね。」と、感激の面持ち。

Aさんとは長いお付き合いだが、「オーディオ装置の存在を忘れさせるほどの音」と絶賛されたのは後にも先にもこれが初めて。

ついでに3機種の真空管アンプテストを行ったところ、Aさんの順番は「WE300B」(モノ×2)、「PX25・2号機」、「VV52B」、自分の順番も「WE300B」アンプがベストでこれで決まり。

いやあ、良かった、良かった。これからもう「毎日がバラ色の人生」が待っているわけだ(笑)。
 


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身の回りあれこれ

2013年09月24日 | 独り言

早いもので母(94歳)が亡くなってからもう2年になる。

しばらく前から段取りを進めていた3回忌の法事をこの21日(土)に行った。子どもが4人(自分は末っ子)で、孫が9人。福岡や神戸から親戚中が寄り集まって滞りなく済んだが、お天気にも恵まれて快晴の中で“お墓参り”ができてよかった。

「生きている人間が、亡くなった人にしてあげられることはただ一つ、それは思い出してあげることしかない」と、村上春樹さんが何かの本に書いてたが、この2年間、1日たりとて母のことを思い出さなかった日はない。

亡くなった年齢に不足はないけれど、もっともっと長生きしてほしかった。親は子どもにとっては永遠の存在なのである。

今回の法事で帰省した娘が言うのには「家族3人が元気で長生きすることが、思い出とともに“おばあちゃん”も一緒に生きることだから、お互いに健康には気をつけようね。」

その娘だが、ようやく新しい「iphone」が購入できるようになったと喜んでいる。

現在、某通信系グループの会社に勤めているが、これまではアップル社との契約をしていなかったため仕方なく別の機種(富士通のアンドロイド)を使わざるを得なかった。いわば愛社精神に基づく道義上の問題というわけである。

たとえていえばニッサンの社員が日常的にトヨタのクルマを乗り回すわけにはいかないようなものだが、スマホなんてどこの製品も似たようなものだと思うが、娘に言わせるとやはり「iphone」が一番扱いやすいという。音楽好きなので「ipod」が内蔵されているのもメリットの一つ。

周知のとおり新しい「iphone」の発売日は20日(金)だった。19日の夜に帰り着いた娘がクルマの中で「お父さん、明日の9時半頃でいいから市内のドコモショップに乗せて行ってくれない」

都会では待ちに待った「iphone」ファンたちによって長蛇の列ができるはずだから、スマホとは縁遠い年寄りたちが多く住む地方の田舎でちゃっかり新しい「iphone」をゲットしようという目論見である。そんなにうまく問屋が卸すかな(笑)。

当日、ドコモショップに到着したのは9時40分頃だった。駐車場はすでに車が満杯だったが幸いなことに外での行列は皆無。この分ではうまくいくかもしれないと、とりあえず娘だけを降ろして「用事が済んだらお父さんの携帯に電話してくれ」と我が家へ一目散。

それから1時間ほど経っただろうか、「お父さん、迎えに来て~」。

「どうだった?」

「さすがに店内は満員状態で立錐の余地なしで女性がすごく多かった。結局、手に入らずに予約だけ済ませてきた。希望の機種は5Sで色がシャンペンゴールドなんだけど、ブラック仕様しかないのよね。入荷の見込みがまったく立たないみたいで、入ったときに再度連絡がある予定。仕方がないから、その時はもう一度帰省して受け取ることにするわ。」

「アップルもおかしなことをするなあ。最初からもったいぶらずにブラックだけではなくいろんな色を準備しておけばいいものを」

「顧客をじらして、ブランドイメージを高める作戦かもね」

ところで、「iphone」騒動が一段落したところで、ここ3日ほど娘と続けている午後のウォーキングの最中に娘が言うのには「お父さん、また定位置に返り咲いたみたいね」

ん?

ああ~、ブログ・ランキングのことかい。ときどき妙なことが起きて、どうもおかしいんだよなあ・・・・。


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5人のお客さんによる試聴会

2013年09月21日 | オーディオ談義

それは19日(木)の11時ごろのことだった。非常に懇意にしているオーディオ仲間のMさん(大分市)から連絡が入った。

「これから聴かせていただきたいんですけど、ご都合はいかがでしょう。人数は5人です。これから昼食を済ませていきますので、たぶん1時ごろまでには行けると思います。」

エッ、と一瞬驚いたが「ああ、いいですよ。とてもわざわざ来ていただいてお聞かせできるような音ではありませんけど、席を準備しておきましょう。」

さあ、忙しくなった。通常はお客さんといっても1名、多くてもせいぜい3名程度だから、5名ともなるとあちこちの部屋から椅子を調達しなければならない。

ヨイショと部屋の中への運び入れが済むと、今度はそれぞれが平等の位置で聴けるように配置決めを行った。

バタバタと昼食を済ませて待つこと30分あまり、12時50分ごろに全員そろってお見えになった。電話のときはメンバーの顔触れを詳細にお伺いしなかったが、実際に拝見するとすでにお馴染みの方々ばかり。

思わず「皆さん、平日の昼間からいいご身分ですねえ」と、口をついて出たが、これは自分も同様なのでまさに「天に唾する」ようなものかな(笑)。

とにかく冒頭に紹介したMさんをはじめ、Oさん、Yさん、そして同じ頭文字のNさんが2名。いずれも世界の名機を惜しげもなく購入して楽しんでおられる方々で、これだけの音の猛者が一堂に会するとなかなか壮観である。

まず、周到に予防線を張っておいた。

「決して皆さんが期待するほど“いい音”ではありませんよ。正直言って自分の耳には自信がありません。今後の参考にしますからこの機会に遠慮なくご意見を聞かせてください。」

カッコよく言ってみたものの、実際に“悪評たらたら”だったらどうしよう(笑)。

3つのシステムのうち、最初に聴いていただいたのが「AXIOM80」システム。

結論から言うと、今回一番絶賛を博したシステムだった。自分でいうのも何だが、たしかにベストコンディションのもとで惚れ惚れするほどうまく鳴ってくれた。

クラシック、ジャズ、歌謡曲、そして坂田美子(さかた よしこ)さんの「琵琶~うたものがたり~」(祇園精舎)までまったく非の打ちどころがない。

        

「いいなあ!」 「この前聴いたときよりも随分伸び伸びと鳴っている」 「こりゃあ、エッジレス・蝶ダンパーの威力全開だな」 「まったく次元の違う鳴り方をする凄いスピーカーだ」


傍で聴いていて途中から何だか胸が切なくなって目頭が熱くなってしまった。

「AXIOM80よ、そんなに頑張らなくていい。」

まるで手塩にかけて育てた娘が学芸会の舞台で一生懸命に独唱しているのを観ているような気分になってしまった。

たしか五味康祐さんの名著「西方の音」の中にも、愛器タンノイ・オートグラフを称して同様の“くだり”があったのを思い出す。

オーディオはスピーカーに対する痛切な愛情を抜きにしては語れない世界なのだ!

それにしても、16日(月)のKさんのご訪問後にアンプの大幅入れ替えをしたのが見事に功を奏したようだ。

前半の1時間ほど「AXIOM80」を集中的に聴いていただいて、残りの1時間はJBL3ウェイ・システム、「AXIOM301」システムを聴いていただいたが、いずれのシステムともに好評で「音の入り口から出口までまったく手を抜いてないなあ」。

とはいえ、他家で音を聴かせてもらってその場で悪口を言う人はまずいないものだ。

その昔、「加銅鉄平」というオーディオ評論家がいたが、著書の中に「他家の音を聴いて面前で批評を加えるのは、あなたの子どもはバカですねと言うのと一緒だ」なんて、書いてあったが、“試聴後の本音は帰りのクルマの中で”というのがマナーというか、通り相場というものだろう。

したがって、(今回は掛け値なしに本音と受け取ったわけだが)自分は少々甘いのかもしれない(笑)。

ところで、帰り際にNさんが我が家では低音用に使っているDCアンプのケンウッド「01ーA」に非常に興味を示された。

「このアンプは30年以上も前に作られた物ですが、当時、ネジ1本に亘るまで鉄をいっさい使わない非磁性体のアンプとして評判になったものです。音色も中高域用に使っている真空管アンプにマッチしていて非常に気に入ってます。まったく出力不足を感じません。しかも電源部が別になってますので実に長持ちしますよ。

今でもオークションでときどき見かけますが、実に安くてお買い得品です。もちろん中古品になりますがきちんとメンテナンスをしてくれる業者さんが別府市内に居ます。以前、パイオニアでアンプづくりに携わっていた方で、トランジスターアンプならすべてお手の物ですから安心ですよ」と、申し上げておいた

自分は現在、この「01ーA」を7台保有している。何せ古い製品なのでいつ故障するか分からず、脅迫観念にとらわれて次から次にオークションで落としたが、現在、低音域専用として使用中が3台、1台は部品取り用として保存し、残りの3台もスペアとしてすべて完動品である。

お金をかけてそこそこ「いい音」が出るのは“あたり前”の話で(実際は高級装置ほど難しくなる面もあるのだが)、出来る限りお金を使わないように工夫をしながら、好みの音を追求していくのがどうやら貧乏性の自分には合っているようだ。

「限られた制約の中で無い知恵を振り絞る」、これはいずれボケ防止にも役立つと思っているのだが、はたしてどうだろうか(笑)。


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テレビ番組の効果音

2013年09月20日 | 独り言

ネット情報によると今や超人気のテレビ番組「半沢直樹」(TBS)が戦後になって5番目(ドラマ分野)の高視聴率を達成したとやらで、何と40%を超えたという。

この番組は本当に面白い。福岡に住んでいる娘から「お父さん、面白いテレビ番組があるの知ってる?」との連絡を受けて、第3回目からずっと観ている。

去る15日(日)の放映分は第9回目だが、1クール10回だから来たる22日をもって終了となるのでちょっと淋しくなる。久しぶりのヒット番組にTBSは活況を呈しているようだが、早くも続編が取り沙汰されており、今のところ映画製作には走らずにシリーズ化して息の長いテレビ番組にする方向のようだ。

原作者の「池井戸 潤」(過去に江戸川乱歩賞受賞)さんも主人公が出世の階段を登っていくストーリーの創作に意欲満々とのこと。

さて、(この番組が)なぜこんなに世間に受けるのか、といった話は過去のブログで触れたし、巷には分析記事が溢れているのであえて触れないが、ここで取り上げたいのは人の心理に与える音響効果である。

この番組では、大銀行の頭取さんとか大企業の社長さんなどのお偉いさんが頻繁に登場する。したがって贅を極めた豪華なVIPルームでのシーンが少なからず出てくるが、その時の入室、退室時の重々しいドアの開閉音
が実に印象的だ。

広大な室内空間の中で「ズシーン」と腹に響き渡ってくるような音がしてまことに凄い迫力である。まるで“生殺与奪”の権を握った人間から運命の宣告をされる裁きの場に居るかのような印象を受ける。

この音がドラマ全体の雰囲気や緊張感の持続に大いに寄与していることを認めざるを得ない。改めて重低音が人の心理に与える効果に大いに感じ入った次第。

ここで丁度いい機会なので「重低音 心理的効果」でググってみたところ、次のようなことが書いてあった。ご存知の方も多いだろうが引用させてもらおう。

人間の聴覚器官が耳であることは言うまでもないが、音の知覚が耳だけでなく身体全体で感じとっているものであることは、多くの文献でも指摘されており、周波数が低くなる程、身体で感じとっている比率が高くなるとも言われる。

近くで打たれる大太鼓の音が腹に響くのは、低音域音響エネルギーが人間の身体を振動させているのである。これらは、それと意識されるものから、無意識の中に感じとっているものまで、多くのものがある。

 この音響エネルギーは、しばしば大地や床面等を伝ってくる振動を伴うものがある。例えば、電車やSLの走る音や火山などの爆発音などは振動を伴っているが、この振動感さえも音の情報の一部となり、最終的には耳からの情報と重なって総合的な音響知覚が行われる。

そして体で感じている情報の多くはあまり意識されず、聴覚の「縁の下の力持ち」的な役割をはたす。これら音圧が体を振動させて感じる振動感や、床面や大地を伝って感じとられる振動感を、それと意識されるものから無意識の中に感じとっているものまで含めて「体感音響振動」と呼ぶ。

 体感音響振動は「縁の下の力持ち」なるが故に、人間の根源的、生理的、官能的な面や音識下の世界にも影響を及ぼす側面があるように感じられる。

音楽の場合では、陶酔感、恍惚感、リズム感、重低音感、エネルギー感などの心理的快感、生理的快感をもたらし、人間の官能にも訴える一方、ある種の音に対しては、不安感、緊張感、恐怖感などを倍加する。

耳から聴いている音は、意識的、論理的な面に訴えるウエイトが高いのに対し、体感音響振動は、より情緒的、本能的な面に作用し、何か人間の根源的なものに訴えてくるように感じられる。

≪音楽は身体で聴く -耳の聞こえないパーカッショニスト≫

 女性打楽器奏者エヴェリン・グレニーは 8才の時から聴力を失い始め、12才の時には音のない世界となった。自分の演奏した音を確認する方法は、自分の 「身体」。音楽は身体に伝わる〈振動〉で感じ取るのだという。

 「例えばマリンバの場合、低音は床を通じて下半身で、中音は胴体で、そして高音は頭部、特に頬骨で感じる」 のだそうである。これはとても感動的な話である。

 健聴者は音から得られる情報によりマスキングされて振動をあまり意識しないが、彼女の話を聞けば人間はいかに振動の影響を受けているかが理解されるだろう。

 また彼女は演奏会の後の説明で 「女性バイオリニストが好んで肩の露出したドレスを着て演奏するのは、顎と肩で直接、楽器の振動を感じ取りたいと思うからです」 とも言っていた。

この話は 『バイオリニストが、顎に楽器を抱えて、陶然と自分の弾く音に浸っているのは、顎の骨にバイオリンの表裏板からじかに伝わる振動音、ボーンコンダクションの音を聴いているためである。

楽器を演奏する人は耳で聴く音の他に、楽器を持つ手、身体を通して直接振動が伝わり聴覚系伝播されるが、音楽の中で聴く人に真の恍惚感を与えるのは、直接伝わる「振動」・ボーンコンダクションの方である』 という糸川英夫博士のボーンコンダクション理論と一致する。

というわけである。音楽を聴く上で重低音の大切さが分かるが、オーディオの場合、もっともコストがかかるのが重低音であり一番の泣き所となっていることはマニアなら先刻ご承知のことだろう。

話は戻って、「ドアの開閉音」である。昔の話になるが「ドアの開閉音はステータスの象徴」とばかりに、やたらにこだわる人がいたが、“たかがドアの音”だが人によってはまるっきり受け止め方が違うのである。

そもそも全体のツクリや土台がしっかりしていないと重量感のある音は出ないし、そこには「手間とお金」がたっぷり注ぎ込まれていることは言うまでもない。

ちなみに我が家のオーディオルームは広さが6m×7m、高さがおよそ4m、窓はすべて二重窓で出入り口のドアも二重扉にしているが、とても頑丈なツクリとは言えず開閉の音がどうも軽々しいのが癪の種になっている(笑)。

ほかにも卑近な例だがクルマのドアを閉める音にも如実に格差が現れる。

人によっては下駄代わりに過ぎないクルマだが、それぞれ価値観の違いもあって車種にこだわる人はたくさんいる。パタンという軽めの音からドスンという音までまさに千差万別だが、ドアの開閉音によってある程度“車格”が決まるといえば、思い当たる人も多いのではなかろうか。

ふと思い出したが、去る16日(月)に我が家に試聴にお見えになったKさん(福岡)から昼食の外出時に乗っけてもらったBMW(排気量4.5リットル)のドアは重すぎて降りるときにヨイショと一苦労だったが、閉めたときの音もこれまた格別だった(笑)。

話は戻って、それにしても我が家で受信しているクラシック専門放送「クラシカジャパン」(CS放送)のオペラ番組などよりも、はるかにこの番組の方に重低音が出るのはいったいどうしたことだろう?

TBSのテレビ用録音機材が優秀なのだろうか。それとも、宇宙から来る電波と地上の電波との距離の違いなのだろうか。あるいは、オペラの舞台などではより広大な空間のもとでどうしても音が拡散してしまうので収録時そのものに難があるのだろうか。

それはさておき、すでにお察しのとおりテレビ本体に付属しているスピーカーから出る音に重低音を期待するのはまず無理である。

我が家では(家内は別室で観る)テレビを観るときの音はいつもオーディオシステムを使っている。テレビチューナーの光デジタル出力端子からDAコンバーターの光デジタル入力端子に光ケーブルで接続しているので、リモコンのスイッチでCDソースと簡単に切り替えられて非常に便利。

使っているシステムは3系統のうち、これと決まっているものはないが、自然と低音域が一番雄大に聴こえるJBL3ウェイシステムのスイッチを入れることが多い。

タンノイ・ウェストミンスターのエンクロージャーと、200ヘルツ(6db/oct)でハイカットしたJBLのD130(口径38センチ)、そしてDCアンプ「ケンウッド0-1A」(非磁性体)
の組み合わせはなかなかの低音ですぞ~(笑)。

一般的な話として音楽を聴くときに低音域が過剰になると中高音域に被ってくるので全体の音像がぼやけてしまい明らかに聴きずらくなるが、テレビ番組の場合は人の会話が主体となっており、(低音域以外の)持続している音がないので伸び伸びと低音が活躍して実に心地よい。

したがって、お気に入りのテレビ番組はなるべくなら本格的なオーディオシステムで視聴されることをお薦めする次第。

たぶん、番組から受ける印象が一変しますよ。
 


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「数こそ質」なのか?

2013年09月18日 | 独り言

ブログを始めてからこの10月でまる7年になる。振り返ってみると一瞬のことだが、渦中にいるときはそうでもない。

「一日が過ぎるのは長く感じるけど、一年が過ぎるのは早い」と、ずっと前に退職した先輩がしみじみと言っていたが、自分も実際にその境遇になってみるとその感覚を実感するところが多々あり、それとよく似たところがある。

さて「石の上にも3年」という言葉があるが、初めの頃は大好きなオペラ「魔笛」(モーツァルト)の同好の士を募って「魔笛倶楽部を組織でき
ればいいな」ぐらいの軽い気持ちで(ブログの)投稿を続けていたが、調べてみると今回でとうとう投稿記事数が1042件となった。しかも(ブログへの)アクセス数も予想以上の盛況ぶり。

こんなニッチな内容で勝手気ままの独善的なブログを読んでいただき、
読者の方々には心から感謝です。ブログを続けていくうえで、一番大きな推進力になっています~。

とはいえ、「はたしてこのままでいいんだろうか」という疑問がときどき湧いてくることがあるのも事実。

とりわけ、他の人が書いた質のいい音楽関係のブログを拝見したときがそうで、そのブログはおよそ2週間に一度ほどの更新ペースを維持しながら、毎回、実に的確な表現のもとで内容が深~く掘り下げてあっていつも感心している。まあ、自分と波長が合うのかもしれないが。

こういう質の高いブログを拝見すると、もっと自分のブログもしっかりせねばという気にさせられる。

単に目新しいというだけで2日間ほど人の目に触れて後は“読み捨て”同然に忘れ去られていくパターンの繰り返しだが、はたしてそれでいいのだろうか。

そこには当然マンネリズムの罠もあるのだろうし、ランキングにこだわり過ぎる弊害もあるのかもしれない。

たとえば、何でもいいからとにかく記事を更新せねばと追われるような気持ちになったりするのがその典型。

そういえば、以前、仲良しの友達から「そろそろランキングから足を洗ったらどうですか」との直截なアドバイスを頂いたことがあるが、その背景には「なるべくストレスを溜めない方がいいですよ。投稿のぺースを落として、もっと内容の充実に目を向けるべきでは」という意味が込められていたのかもしれない。

しかし、いわば「量から質への転換」というのはいざ実行するとなるとなかなか難しい。何よりも物事に対する深い洞察力と思考力が求められるが、自分のような「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」式のタイプには無理のような気もするところ(笑)。

そういう中、興味深いテレビ番組があった。

それは、毎週日曜日の23時から放映されている「情熱大陸」(30分)。

毎日放送(MBS)が様々な分野で活躍する人たちをひとりひとり密着取材して取り上げ、紹介していくドキュメンタリー番組だが、最近ではあのベストセラー作家の「百田尚樹」さんや現在超売れっ子の「壇蜜」なども登場していた。

およそ2週間前の9月1日の番組で登場していたのは心臓外科医の「新浪博士」(にいなみ ひろし)氏。

埼玉医科大学教授として年間300例にも届く難易度の高い心臓手術を手がけている斯界(しかい)の第一人者。(ちなみに、番組の中で新浪氏がこの世で唯一、頭の上がらない存在として紹介されていたのが兄に当たる「ローソン」社長の新浪剛史氏。)

番組の中でこの新浪氏が言うのには数こそ質なのです。毎日のように手術をやってないと、腕が錆びつくだけです。」

成る程、そういう考え方もあるのかと「眼からウロコ」だった。まさに「質と量」の両立で、これは理想的!

たとえばベストセラー作家の東野圭吾さんなどが「いったい寝る間があるんだろうか」と思うくらい次々と作品を発表しているが、いずれも軒並みレベルが高いのもこれで頷ける。

どうやら、“人それぞれ”の持ち味があるようだ!

そういえば大好きな趣味の一つに「釣り」があるが、これが実に人の性格がよく出る。

一発大物狙いで、1回の釣行で大物が1匹釣れればいいという辛抱強い人と、たとえ小物でもいいから間断なく釣れる方が退屈しないでいいという人の二つのタイプにはっきり分かれる。自分は明らかに後者のタイプである。

そういうわけで、これから大事なことはただ一つ、とにかく“つべこべ”言わずに「身の丈に合った内容でコツコツと投稿を続ける」ことかな(笑)。


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お客さんのご来訪

2013年09月17日 | オーディオ談義

昨日(16日)は久しぶりにKさん(福岡)が我が家のシステムを試聴にお見えになった。最後のご来訪が6月だったからおよそ3か月ぶりのこと。

Kさんとは同じ「AXIOM80」(SPユニット)の愛好者としてブログを通じてこの3月に知り合ったが、爾来、この半年ほどの間、度重なる“往き来”を通じて交流を深めている。「音楽&オーディオ」への薀蓄と情熱は明らかに自分を上回っている方で非常に勉強させてもらっている。

この日は10時半から17時まで昼食をはさんでみっちり3系統のシステムを試聴していただいたが、一番驚かれたのはつい2日前にホーンを入れ替えたばかりの第三システムだった。

           

「JBLのユニットからこんな音が出るなんて誰も想像できないでしょうね。LE85は“じゃじゃ馬”として使いこなしが難しい評判のユニットです。

率直に傍から見ていた感想を言わせてもらいますと、まず同じJBL075(ツィーター)との組み合わせが難点の一つ目。二つ目が“AXIOM301”(低音域)との異質の組み合わせに“疑問あり”ですが、まるでフルレンジが鳴っているような見事な音像になっています。

音の佇まい、音色、繊細さ、奥行き感、まったく言うことなしですね。JBLの弱点とされるヴァイオリンも申し分なしです。これはAXIOM80システムよりも上ですよ。自宅で使っているオリジナルのAXIOM80でもこうはいきません。」


いやあ、褒めていただくのは非常にうれしいことだが我が家のレーゾンデートルとして長期間君臨している「AXIOM80」よりも上とはちょっと・・・。栄枯盛衰が世のならいとはいえ、あっさりの首位転落にはちょっと複雑な気分がする(笑)。

しかし、自分が聴いても惚れ惚れする音なのでまあ、快心のシステムと言ってもいいだろう。

改めてシステムの概要を記しておくと、

低音域(~1000ヘルツ)

SPユニット「AXIOM301」  アンプ「ケンウッドの01-A改」

中高音域(1000ヘルツ~)

SPユニット JBL「LE85」+羽根型ホーン アンプ真空管「2A3」シングル

高音域(味付け用)

SPユニット JBL「075」 アンプは中高音域と共用

このシステムがうまくいった原因をKさんと“つらつら”分析してみると次のとおり。ただし、あくまでも我が家での「システム環境のもとで」という条件付きであることは言うまでもない。

 能率が110db近くあるJBLのユニットに低出力の真空管アンプを使ったことでJBL特有のアバレが抑えられた。

 LE85に使っているスロートホーンの長さが比較的長めであったことが幸いした。JBLのユニットはホーンの長さで随分音が変わるとのこと。以前使っていたHL87ホーン(小型蜂の巣)もなかなかの音だったがショートホーンだったのが致命傷だった。

 これまた使いこなしが難しいとされるJBLのツィーター075を味付け程度にして極力目立たないようにしたことが良かった。ちなみにローカットの値は「マイカコンデンサー0.075+シーメンスのコンデンサー0.22≒0.3μF」だから、理論上は6万6千ヘルツで人間の可聴帯域(20~2万ヘルツ)外だが、しかしこれが無いとまったく物足りなくなる。

ほか、細かいノウハウは沢山あるが、わざわざ記載するほどのこともないので省略させてもらおう。中には迷信やゲン担ぎみたいなものもあって公開するのが恥ずかしくなるのも理由の一つ(笑)。

なお、試聴の途中からKさんが持参された真空管「71A」アンプに交換したが、これがまた相性が良くて一段とグレードアップ。

           

およそ90年ほど前に製造された真空管171A(なす管)を使って、たかだか出力0.5ワット程度の真空管アンプからどうしてこんなに「いい音」が出るのだろうか。

あまりの素晴らしさに、思わず「もし現在ご自宅で使っておられないのなら、このアンプをしばらく我が家に置かせてもらうわけにはいきませんか。」と、つい本音が出てしまった。

日頃から気が弱くて相手の気持ちを忖度(そんたく)し過ぎるところがある自分だが、ことオーディオとなるとどうしてこんなに厚かましくなれるんだろう(笑)。

本当は譲っていただくのが一番いいので、それとなく水を向けてみるのだが「これは我が家の貴重な財産ですから・・・」と、いつになく歯切れが悪く言葉を濁されるKさんだった。

「真空管アンプを13台も持っておられるのに1台くらいいいじゃないですか」と喉まで出かかったが、「急がば回れ」という言葉もある。ここでは矛先を収めてあとはズルズルと時間の経過に任せることにした方が得策かもしれない(笑)。

とにかく、昨日は我が家の第一システム「AXIOM80」と第二システム「JBL3ウェイ」の存在感がまったく“かすんで”しまった一日となった。

こういう大逆転劇が“たまたま”あるのでオーディオは面白い。倍以上の「血(お金)と汗と涙」を注ぎ込んだこれら二つのシステムも負けてばかりでは立つ瀬がないので、何か新たな対策を講じなくてはなるまいて。


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段ボールの有効利用

2013年09月15日 | オーディオ談義

前々回のブログの終わりに記載していたJBLの羽根型ホーンの取りつけの件。

            

お金はないが時間はたっぷりあるので(笑)、さっそく昨日(14日)の朝から作業にとりかかった。道具立てはそろっているのであとはホーンを取りつけるためのアタッチメントの作成だけ。            

アタッチメントは段ボールを利用して成形してみた。県内に段ボールを利用したマネキン製作会社があったのを思い出したのがきっかけ。

                         

3枚ほどを接着剤で張り合わせてカッターナイフでスロートホーンの円周に合わせてカットして左右1セットが出来上がり。ネジとマジックテープは近くのホームセンターで調達。周囲の色に合わせて黒のペンキで綺麗に塗り上げた。所要時間は3時間ほどかな。

             

これらを繋ぎ合わせると、次のとおり。

             

我ながらなかなかの仕上がりぶりで、段ボールは細工がしやすくて大いに助かる。それにメチャ安価なので失敗しても何度でもチャレンジできるのがミソ。しかし、今回は一発で成功した。

さっそくシステムの中の小型蜂の巣ホーンのHL87を取り外して、取りつけてみた。

           

低域ユニット(AXIOM301)、JBL「LE85」、そしてJBL「075」と、各ユニットの位相を合わせるためそれぞれの振動板の位置を縦一列に揃えた。

そのため羽根型ホーンが大きく前面に出てきてしまい、少し“見かけ”が悪いが仕方がない。音質と”見かけ”とどちらを優先させるか、オーディオマニアなら答えは自ずと明らかだろう(笑)。

これで、さっそく試聴してみた結果、当然のごとく音は大きく変わったが結論から言えば甲乙つけ難しだった。

小型蜂の巣ホーンは音のメリハリは一枚上だが、1000ヘルツ以下の低音域ユニットとのつながりがイマイチで、その点ウィング型ホーンの方が繋がりが良くて自然な響きによってシステム全体に一体感を醸し出す、これは明らかに自分好みの鳴り方。

いつものように、近くの公園で60分ウォーキングを済ませて16時頃から夕食をはさんで20時ごろまで4時間ぶっ続けに鳴らしてみたがまったく耳疲れしなかった。

この調子ならクラシックも十分いけそうだ。システムの中に自分が手がけた細工が混じっていると愛着が出てきてしまい音まで良く聴こえるから不思議~。
          


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最近の読書「先生!」から

2013年09月13日 | 読書コーナー

先日、3か所の図書館から9冊借りてきてすべてにザット目を通したところ印象に残った本がたったの2冊。このところまったくハズレが多い。

というか、責任は本ではなくて単に自分のアンテナ・レベルが低すぎるだけなのかもしれない(笑)。

それはさておき、この2冊については何となく印象に残る箇所があったので、小難しい理屈は抜きにして該当部分だけ抜き書きしてみた。興味のある方はご一読ください。
          

☆ 「先生!」 池上 彰編(岩波新書、2013.7.19)

表紙の裏書にこうあった。

「先生!」・・・・この言葉から喚起されるエピソードは何ですか?池上彰さんの呼びかけに、現場で実際教えている人のほか、作家、医師、職人、タレントなど各界で活躍の27名が答えた。いじめや暴力問題にゆれ、教育制度改革が繰り返されているけれど、子どもと先生との関係は、かくも多様で面白い!希望のヒント満載のエッセイ集。

1 「想像力は無限だ」 岡野雅行(岡野工業代表社員、痛くない注射針などを開発)

学校にも行かなかった俺が楽しみにしていた時間がある。日曜日の朝8時から9時までNHKラジオで放送していた「音楽の泉」という番組だ。今でも忘れられねえ。堀内敬三さんの解説。うまかったねえ。それから音楽が流れる。ベートーベン、ショパン、バッハ、チャイコフスキー、ムソルグスキー・・・・。

親父もお袋も俺のことはもうとっくに諦めている。俺は部屋で一人ラジオから流れる音楽を聴き、想像を膨らませていた。俺だけの世界だ。一つ、例を挙げよう。サン=サーンスの「死の舞踏」って曲がある。

ボン、ボン、ボンと、時計の音が鳴り、なだらかなヴァイオリンから始まる。夜の始まりだ。それを合図に墓の中から骸骨が出てくる。バラバラの骨が次第に組み合わさっていくんだ。そして激しく踊り出す。骨と骨とがかち合う音もする。それが音楽から思い浮かぶんだ。

なるほど、すげえなあ、と想像がどんどんふくらんでいく。と、ここでニワトリらしき鳴き声。夜明けだ。はっとここで骸骨はおとなしくなる。骨はバラバラになり、墓の中に入って静まる。こういう具合だ。

そこから俺の想像がまた広がった。これは日本でいう「耳なし芳一」じゃねえか。

ある晩、寺に一人の武者がやってくる。和尚は不在で、いるのは目の見えない琵琶法師芳一だけだ。武者は屋敷で琵琶をひいてくれと芳一に頼み込む。ついて行ってみると立派な屋敷らしい。そこで芳一は平家物語を激しく打ち鳴らしながら語る。芳一は屋敷で大勢の家人に聞かせているつもりだが、実際は墓場で、滅びた平家の幽霊たちの中で歌い続けていたという話だ。

「死の舞踏」と「耳なし芳一」、似てるだろう?

誰も西洋のクラシックと日本の物語を関連づけて言う人はいないけど、俺はラジオを聞きながら、そんな想像をふくらましていたね。クラシックは想像音楽なんだ。カッコよく言えば、俺の「先生」だったって言ってもいいかもしれねえな。

いまクラシックと言ったら、勉強みたいに思っている子どもも多いんじゃねえか?それじゃあ想像力は働かねえ。想像は自由なんだ。

俺は、モノをつくるときに図面は引かない。図面を引くと図面にしばられる。図面が正しいわけではなくて、俺が作っているものが正しいんだ。だから、今の子どもたちも、解答の付いている問題集ばかリやってないで、解答のないものに自由に想像をふくらませたらどうだろう。

音楽はいいぞ。想像力が無限に広がるから。


2 大切な「症状」(田中茂樹、医師、臨床心理士)

毎週ある症例検討会で自分の順番が回ってきたとき、私は担当していたいくつかのケースを報告しました。小学生から高校生の複数のケースでいずれも保護者の面接でした。すべて数回の面接で「問題」が解決していました。少なくとも私にはそのように見えていました。

実は私は、同僚である教員スタッフや若いカウンセラーの報告をそれまで聞いていて、いつも少し“もどかしさ”を感じていました。患者さんの問題はもっと簡単に解決できるのになぜそんなに悠長に時間を使うのか、と。

ですから自分のケースでは、今から思えば「どうだ」と言わんばかりに報告していたと思います。「あなたたちカウンセラーよりも、カウンセリングの素人である私のほうが役に立っていますよ」と。

同僚の教員スタッフや大学院生からの反応は悪くありませんでした。しかし、そのとき一人の先生がコメントをされました。そしてそれは私にとってまったく意外なものでした。

「田中先生は少し早く治しすぎですかね。すぐに症状をとってしまっておられる。」その先生は少し悪戯(いたずら)そうな笑顔でそう言われたのです。

自信を持ってプレゼンテーションをしていた私は少し“むっ”としていたかもしれません。思わず言い返してしまいました。

「先生!患者さんは症状をとって欲しいから時間やお金を使って面接に来られているのではないですか?」

それに対して先生は次のように話されました。

「症状はその人にとって大切なものです。簡単にとってしまっていいはずではないのです」

その話し方はたいへんストレートで力強いものでした。頭では理解できませんでしたが、私の心の深いところに強いメッセージとして届きました。

その日から私はカウンセリングの勉強を本格的に始めました。その言葉の意味が知りたいと思ったからでした。10年以上経ち、もう大学院や心理臨床センターからは離れた今でもずっと続けています。

そして、私の医師としての仕事のスタイルも変わっていきました。それまでは患者さんの問題をどうやって解決しようかということばかりに気持ちが向かっていました。

それが、次第に「この人は何を問題と感じておられるのだろうか」とか、「今どのような気持ちでおられるのだろうか」ということを意識するようになっていきました。~以下略~

☆ 遺伝子(2013.7.13 新紀元社刊)

〇 男性と女性、どちらが病気になりにくい?

私たちの体は、ウィルスや細菌などに感染したときに、これらをやっつけてくれる免疫の仕組みを持っています。その免疫に関わるたくさんの遺伝子が、X染色体上にあることが分かりました。

そのため、X染色体を1本しか持たない男性は、女性に比べて免疫の働きが失われやすく、感染に弱い傾向があると言われています。

また、X染色体上には赤と緑を識別する遺伝子があり変異を起こすと「色覚異常」の病気になります。

女性の場合は、両親からそれぞれ1本ずつ、計2本のX染色体を受け継ぎます。そのため、1本に色覚異常の遺伝子がのっていても、もう1本に正常な遺伝子があれば発症しません。

ところが、男性はX染色体を1本しか持たないので母親から受け継いだX染色体にこの遺伝子があると、色覚異常になってしまいます。このことから男性は、もしものときに備えての保険を持っていないことになります。

X染色体に遺伝形質が現れることを伴性遺伝といいます。血液が固まりにくい病気である血友病も伴性遺伝です。

女性の方が、寿命が長いのも関係があるかもしれません。

以上のとおりだが、折しも、昨日(2013.9.13)の地元紙の夕刊で、国内の100歳以上の長寿者の9割が女性だと書いてあった。

どうやら、統計的には「長生きをしたければ女性に生まれるに限る」ようだが、一方で女性にオーディオマニアが圧倒的に少ないのはこれはまたどうしたことだろう?

オーディオを楽しめなければ、どんなに長生きをしても仕方がないのになあ(笑)。


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「音楽&オーディオ」サーフィン

2013年09月12日 | 音楽談義

「ここのシステムは来るたびに、しょっちゅうどこか変わってるなあ!」と、忌憚なくおっしゃるオーディオ仲間がいるが、実際その通りだからまったく反論の余地がないところ。

しかし、そもそも、しょっちゅう変わるのがはたしていいことなのか悪いことなのか?

ネガティブに考えれば、移り気でじっくりと腰を据えて音楽を鑑賞していない証拠である、一方、アクティブに考えれば日頃から怠りなく熱心にオーディオ研究に励んでいるということになる。

まあ、一般的には音楽をないがしろにした「音キチ」はあまり好ましいことではないが、自分の場合は音楽優先の気持ちはいっさい失っていないので許してもらおう(笑)。

まあ、そういうわけで頻繁にシステムの一部を変えていて、そのたびにテスト盤としてボーカルを使っている。生物学的にみて人間は人の声を聞き分けることに非常に長けている。これはヴァイオリンやピアノの楽器の種類の比ではない。

ストラディヴァリウスやグァルネリ、そしてスタンウェイやベーゼンドルファーの音を聴きわけるよりも、人の声を特定できる方が生存していくうえではるかに有利だから。

そういうわけで、システムの変化の度合いを調べるために日頃から「美空ひばり」ちゃんや「ちあきなおみ」ちゃんを聴くことが多いが、このほど、たまにはクラシックをと「フィッシャー=ディースカウ」(ドイツ:バリトン)の「菩提樹」(シューベルト)を聴いたところ、一瞬にして場の空気が変わったのには驚いた。

思わず背筋が伸びて姿勢を正した。「これぞクラシック」と身じろぎもせずにしばし聴き入ったが、やっぱり音楽の深みがまったく違うなあ。久しぶりに感涙!

         

この「菩提樹」は娘が持っていたCD「ヴォーカル大好き」(オムニバス盤)の3曲目だが、これはたしかディースカウにとっての代表的な名盤とされるシューベルトの歌曲集「冬の旅」の中にも収録されていたはずだがと、探してみると5曲目にあった。

そういうことから、今度は「冬の旅」(全24曲)を久しぶりにじっくりと腰を据えて聴いてみた。シューベルト晩年の内面告白とされるこの曲集は彼の恵まれなかった人生を象徴するかのように実に暗い。しかし、その中にもじわっと心に沁みわたってくる独特の優しさと慰めがある。

ディースカウはこの「冬の旅」を7回に亘って録音しているが、手元の盤は彼の声が「美しさと表現力のピークにあった」とされる1965年の3度目の録音のものである。

「冬の旅にはただ叙情的な接し方をはるかに超えたものが必要です。ドラマにも匹敵する、そしてドラマをも含む感情の全てを尽くすことが必要です」(ディースカウ談)

聴けば聴くほどに惹き込まれてしまう名曲・名盤である。

ところで、前述のように「一瞬にして場の空気が変わった」
と書いたが、ふと菅原昭二さんの名著「ジャズ喫茶ベイシーの選択」の中にも似たような表現があったことを思い出した。

書棚から引っ張り出して初めの頁から読み進めていくと、ようやく163頁(単行本)に該当箇所が出てきた。抜粋させてもらおう。

『最初のレコードは、ビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビー」をかけた。1961年録音のビル・エヴァンスのこのレコードは、演奏もさることながら、「録音」が素晴らしく、おそらく、ピアノ・トリオの「ライブ」録音の最高峰といってよいものだ。A面1枚目のマイ・フーリッシュ・ハートの冒頭のピアノの二音が、空気をいきなりニューヨークのヴィレッジヴァンガードの店内に変えてしまう・・・・。かけると一瞬にして空気が変わる!これがよくできたライブ・レコーディングのレコードを聴く醍醐味でもあるが、これはその中でも格別のもので、まァ、N0.1と言ってもよいだろう。』

「ワルツ・フォー・デビー」を知らない人は(ジャズ・ファンの中では)モグリと言ってもいいだろうが、良くできたレコード・システムで聴くと雰囲気の伝わり方も“ひとしお”だろうなあと、およそ想像がつく。

そういうわけで、今度は久しぶりに「ジャズ喫茶ベイシーの選択」を読み直したわけだが、菅原さんはJBL「375」ドライバーに当初は537-500(蜂の巣)のホーンレンズを付けていたが、すぐに537-512のウィング型ホーンに変えられたと書いてあった。(32~33頁)。

JBLの生き字引とまで言われる菅原さんほどの方があっさり蜂の巣ホーンを見限るとは驚いた。個人的には蜂の巣ホーンは「375」にはベストのホーンだと思っているが何せ「高嶺の花」でまったく手が出ない。そこで我が家の「375」にはやむなく「ウッド・ホーン」を使っている。

しかし、第三システムで現在JBL「LE85」ドライバーにHL87ホーン(小型蜂の巣)を付けているものの、ホーンスロートと小型のウィング型ホーンも別に持っている。

              

そういうことなら、我が家も小型蜂の巣ホーンから付け替えてみようかなあ。

今回は「ネットサーフィン」ならぬ、音楽&オーディオ」サーフィンだったが、おかげで愉しみがまた一つ増えてしまった(笑)。


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信頼のブランド

2013年09月09日 | オーディオ談義

このところ、たびたび我が家にオーディオの試聴にお見えになるお客さんたち。

それぞれのご意見が実にありがたくいつも参考にさせてもらっているが、まったくの“鵜呑み”というわけにもいかず最終的な取捨選択はひとえに自分にかかっている。

揺るがぬ信念のもとに的確な判断が出来るといいのだが、現実にはそうもいかない(笑)。

本音を言わせてもらうと、昔からあまり自分の耳に絶大の信頼を置いているわけではない。そういう意味では永遠に「ストレイ シープ」なのである。そういうときに日頃から頼りにしているのが常用しているオーディオ機器の「ブランド」。

どなたにも衣食住の全般にわたって、「これさえ使っていればひとまず安心」という「信頼のブランド」が何かあるに違いないが、趣味のオ
ーディオもその例に漏れない。端的に言えば性能と精神安定剤が両立したようなものかな。

自分が長年にわたって使ってきた中でタンノイとかJBLとかの有名ブランドは別にして、比較的小物とされる真空管などを含めて強く印象に残っているものといえば、イギリス勢では「グッドマン」「STC」「GEC」「ムラード」でこれらの銘柄はすべてハズレがなくて満足のいくものばかりだった。そういえば、いずれも相当古い年代のものばかり!

アメリカ勢では言わずと知れた「WE」(ウェスタン)、「RCA」がそう。

そしてドイツ勢では「シーメンス」と「テレフンケン」。「テレフンケン」は有名ブランドのため贋作が多く真空管では「ダイヤ<>マーク」と言われる管底の刻印があれば間違いは無いようだ。刻印なしのやたらに綺麗なプリントは逆に怪しいらしい。

ほかにも自分が知らないだけで沢山信頼のブランドがあるのだろうが、現時点では以上に尽きる。

さて、そのうちドイツの「シーメンス」だが2年半ほど前に病院で心臓の画像診断を受けたときに現代科学の粋を極めた最新鋭の巨大な撮影機器の正面に誇らしげに「SIEMENS」のエンブレムがあったのを思い出す。

ウィキペディアによると、

シーメンスSiemens AG )は、ドイツのバイエルン州ミュンヘンに本社を置く多国籍企業。06年の連結売上高は873億ユーロ、約14兆円。連結純利益は303億ユーロ、約5000億円。もともと電信、電車、電子機器の製造会社から発展し、現在では情報通信、電力関連、交通、医療、防衛、生産設備、家電製品等の分野で製造、およびシステム・ソリューション事業を幅広く手がけるコングロマリットである。

強いて言えば日本における東芝(連結売上高6兆円)と日立(同9兆円)を合わせたような存在といえようか。

このシーメンス製の真空管やコンデンサーだが、これまでのところまったく期待を裏切られたことがない。他のブランドと比べて段違いに性能が飛び抜けているというわけでもないが、最後はこれにしてホットひと息つくパターンが非常に多い。

もちろん「無事これ名馬」という丈夫さと長寿命の側面も持っている。ちなみに現在使っているプリやパワーアンプの「12AT7」「12AU7」の電圧増幅管はすべてシーメンス製。

そして、このほどシーメンス・ブランドとして新たに購入したのが次のコンデンサー。

           

左側がこれまで使ってきたスプラグのビタミンQで、右側が該当のシーメンスのメタライズされたコンデンサー。数値はいずれも「0.22μF(マイクロ・ファラッド)」で、
我が家ではプリアンプ用の「カップリング・コンデンサー」としてずっと使っている。

              

「カップリング・コンデンサー」とは、一言でいえば「直流電圧をカットして信号交流電圧を伝える役目」を持っている。

その性能によってアンプの音質が大きく左右されるほどのもっとも重要なコンデンサーなので銘柄をいろいろ交換して試しやすいように我が家のプリアンプでは、写真のように該当の回路部分を特別に外側へとわざわざ引っ張り出してもらっている。こんなことをするとハム音が心配だがどうやら無事通過。Mさん(奈良)、いつも“ありがとうさん”です~!

こういうところは、まさに真空管アンプならではの愉しみ方である。

さて、これまでは極小値のマイカコンデンサーにスプラグの「ビタミンQ」をパラって噛ませてきたが、音質にまったく不満はなかったものの、そこはそれ、マニアの常で「もっといい音を」と冒険心を出して、今回お気に入りのシーメンスを新たに購入して「ビタミンQ」と入れ替えたところこれが大成功!

まったく違和感のない自然な音とでもいえばいいのだろうか。明らかに音の佇まいが向上している。

あまりにも気に入ったものだから、さらにオークションで2セット(4本)追加購入してしまった。急がないと品切れにでもなったら大変。

          

今度はネットワーク用として、第二システム及び第三システムのJBL075(ツィーター)をローカットするために他のコンデンサーと併せて追加挿入しているがこれも大満足。音の鮮度が一段と上がった気がする。

とにかく性能に満足すると憑りついたように執念深く追いかけて使い切るのが自分のクセだが、この場合安価なので、ま、いっか(笑)。


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お客さんラッシュ

2013年09月05日 | オーディオ談義

昨日の4日(水)は我が家にお客さんが相次いで試聴に来てくれた。

「オーディオは持ち主さえ(音質に)満足していればそれでいい」はたしかに一つの真理だが、いろんな方々のご意見を参考にしながら研究していくのも別の愉しみがあり、そういう意味で自分は「お客さん大歓迎」である。

はじめにお見えになったのは大分市からMさんとNさんのお二人。ご常連で、我が家の音を熟知されており、「どこがどう変わって、はたして良くなったのか、逆に悪くなったのか」腹蔵ない意見を聴かせてくれる貴重な応援団である。

ちなみにMさんはご自宅でタンノイのオートグラフとクリプッシュホーンを愛用されており、圧倒的なレコード派である。Nさんは、マッキントッシュの超弩級パワーアンプMC1000でJBLの4350を駆動されており、こちらはジャズ一辺倒の方。

はじめにかけた曲目はMさんご持参の次のCD。

       

マイスキー(チェロ)とアルゲリッチ(ピアノ)のコンビで「魔笛の主題による12の変奏曲」(ベートーヴェン)。

ちなみに、楽聖ベートーヴェンが数あるモーツァルトの作品の中で最高傑作としていたのがオペラ「魔笛」である。

モーツァルトの死の年(1791年)に書かれたこのオペラには彼の音楽のすべてが詰まっていると個人的に思っているが、(引き合いに出すのはまことに畏れ多いが)ベートーヴェンも「魔笛」に感激のあまり上記の「変奏曲」を作曲し献上している。

正直言ってアルゲリッチもマイスキーも好きな奏者ではないが、この曲を聴くのは初めてでじっくりと耳を傾けた。

オペラの劇中でパパゲーノ(道化役)が歌う「恋人か女房があればいいが」をフィーチャーした曲だが、慣れ親しんだメロディもあって思わず惹き込まれた。しかし、チェロとピアノのコンビだが、両者の楽器の音域から考えるとヴァイオリンとピアノの方がマッチする気もした。

システムの方だが、最初に聴いたのが最新の第三システムのグッドマンのエンクロージャーを中心としたシステム。次に、同じ曲目を第一システムの「グッドマンのAXIOM80」で聴いてみて、ズバリご意見を拝聴すると、お二人とも異口同音に「断然AXIOM80の方がいい!」

「スピーカーの中央に見事にステージが出来上がっています。音の佇まいが素晴らしいです。やはりAXIOM80は凄い再生能力を持ってますね。」とMさん。

本音を言わせてもらうと、実は今回の試聴のメインは第三システムなので、いつものお決まりの結果にややガックリ(笑)。

そこで、今度はNさんが持参されたジャズのCDをかけてみた。

        

見事な肢体を持つジャケットに思わず目が吸い寄せられるが(笑)、両者とも稀少盤だそうでもはや手に入れるのは難しいとのこと。

これらを、初めにAXIOM80システムで聴き、次に第三システムで聴くと、アッサリ軍配は後者に上がった。

「音離れが実にいいですね。クラシックはAXIOM80に限りますが、ジャズはこのシステムの方がずっといいです。」

よし、それならばと今度はジャズ向きシステムの真打として第二システムが登場。

ウーファーにJBLのD130(38センチ口径)、スコーカーにJBL375ドライバー(16Ω)、ツィーターにJBL075と、泣く子も黙る(?)JBLの3ウェイ・オール・ホーン・システムである。しかもウーファーを容れているエンクロージャーはタンノイのウェストミンスターだから、低音域に不足はなし。

さらに、それぞれの帯域に合わせて3台のアンプ(うち2台は真空管アンプ)を使用したマルチ・アンプ・システムときている。

結論から言えばオーディオシステムはやはり比較試聴をしないと、的確な判断は無理のようである。このシステムを聴いた結果、第三システムの評価がガラリと変わってしまった。

以下、次回へ続く。


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夢よ、もう一度

2013年09月03日 | 独り言

最近、テレビ視聴用のシステムが充実したこともあって面白そうな番組の「チェック&録画」にますます拍車がかかっている。

そういうときに重宝しているのが翌月の1か月分の番組をまとめて掲載している月刊誌「DIGITAL TV GUIDE」。毎月末に翌月分のガイド誌を購入してるが、そのときに店頭で配布されているのが講談社の月刊誌「本」。

              

定価80円と本の裏にあるのだが、なぜかタダなのでいそいそとガイド誌と併せて持ち帰っている。

講談社から出版される本の宣伝を兼ねた情報誌というのがその理由だろうが、手頃な大きさと薄さなので買ったその日のうちに必ずざっとひと通り目を通すことにしている。

今回の記事の中で、特に目についたのは「祝!江戸川乱歩賞受賞~八万三千十人の恋人と私~」と題した3頁に亘るエッセイ。

江戸川乱歩賞と言えば、このブログでも何度も投稿したように推理作家の登竜門とされる賞で、過去の受賞者の中には現在大活躍している「東野圭吾」、「高橋克彦」など錚々たる作家を輩出していて栄光に彩られた歴史を持っている。そういえば大人気ドラマ「半沢直樹」の原作者の「池井戸 潤」も「果つる底なき」で過去に受賞している。

付録としての賞金の1千万円も大きな魅力として映る。

2013年(第59回)受賞の最新作は「襲名犯」で作者は「竹吉 優輔」さん。まだ未読だがそのうち読ませてもらうつもり。

その竹吉さんが寄稿したのが、このエッセイというわけだが、ご本人の自己紹介を兼ねて今回めでたく受賞に至った経緯が記されていた。

要約すると、

「現在32歳。茨城の片田舎でのんびりと生活中。職業は図書館司書。題名の八万三千十人は図書館がある管内の市民の数に由来している。大学院を出てから一般企業に就職したが体を壊して長期入院に至り、やむなく退職してその入院中に長編第一作を執筆して友人たちに見てもらいながら、第二作、第三作と続けていた。今回の受賞はわずか三回目の挑戦なので運が良かった。」といった内容。

ちなみに、折よく「襲名犯」の書評が地元紙(2013.9.1付)に記載されていたので抜粋させてもらおう。

「衝撃的な猟奇殺人の真相と新たな犯人探しの妙もさることながら、主人公の日常、交友関係、過去と現在などが細やかに描かれており、その展開を追うだけでスリリングな面白さが味わえる。事件が生々しく迫ってくるのだ。新たな才能の登場に注目して欲しい。」と、なかなかの好評ぶり。


先ほどのエッセイに戻るが、さすがに新進気鋭の作家にふさわしく、巧みな表現のもとに簡にして要を得た内容だが、興味を引かれたのは「図書館司書」という職業で、実はこれが自分の一番やりたかった職業なのである。

とにかく、小さい頃からメチャ本好きで本に囲まれた生活をするのが夢だった。別に高尚な本を読むわけでもないのだが、今でも図書館に行って本に取り囲まれると気持ちがス~ッと晴れる。音楽とオーディオに大忙しながらも、なぜか図書館通いが止められないのもそのせいである。

学校を出て就職してからも「何とか司書になれる方法はないものか」とガイド本を読んだりして模索したが、学生時代の専攻とは縁もゆかりもない仕事にそう簡単に踏み切るわけにもいかず、そのうちお決まりの無難で安易なコースへズブズブと埋没してしまった(笑)。

したがって、今でも「図書館司書」という職業に就いている方を見るとうらやましい気持ちになるが、もうその夢を果すのは到底許されない年齢になってしまったのがチョッピリ悲しい。

そして、残るもう一つの夢が「音楽喫茶」を開くことだった。これは「図書館司書」よりも、もっと現実的な夢で在職中にもちょくちょく色気を出したのだが、その都度、身近にいる“誰かさん”の猛反対であえなく頓挫。

とうとう寄る年波には勝てず、こちらの夢の方も完全についえたかと思っていたのだが、それが「もしかして」という一縷の望みが出てきたので、つい心が弾んでいる今日この頃!

それは先月の8月上旬に家内の実家に帰ったときのことだった。家内の里は県内でも有数の過疎地とされている草木深き山奥の真っ只中にあるが、すでに両親は亡くなりご多聞にもれず誰も住む人間はいないので朽ち果てるばかり。

管理を現地の知り合いにお願いしているが、せめて年に一回程度は顔を出して風雨で傷んだ箇所の点検や周辺の草刈りをしているわけだが、高地にあるせいか実にヒンヤリとして涼しい。今年の猛暑の中で草刈りをしても汗がすぐに引っ込むし、日中はエアコンなしで十分生活できるほどで、夜ともなると肌寒く感じて布団は必需品。

中学校まで、この地で育ったせいか暑さにはめっぽう弱い家内なので、この山林地帯の涼しさには改めて心を惹かれた様子。

翌日になって別府へ帰る車の中で、家内がポツリと「せめて夏の間だけでも避暑地としてここで過ごせるといいわね。ログハウスがあるといいんだけど。」

生まれつき「木どころ」で育ったせいか、建築する家の材質には特にウルサイ家内だが以前から「ログハウス」が最高との思いがあるようだ。


得たりや応と、「天井の高いログハウスを作って音楽喫茶をやるなんてのはどうだ!音響は部屋の大きさでほとんど決まるんだから、きっといい音がするぞ。お前はコーヒーを出してくれるだけでいい。オーディオ・システムの方は今あるのを持って行けばいいので、お金はいっさい掛からないからな。」

極めて大事な話なので運転しながら横目でチラッと家内の顔を伺うと満更でもないような顔つきだった(笑)。よし、我が家の財務大臣がOKサインを出してくれると話は早い!

何せ、現地の土地代はタダみたいなものだし、建設費用といったって木は豊富にある所で、腕のいい大工さんを世話してくれる人だって知っている。しかも、高速道路を一部使えば片道たったの1時間半で別府との往復ができるのでそれほど不便ではない。

それからは、夢は果てしなく広がる一方である。

一関(岩手県)で営まれている菅原昭二さんの名店「JAZZ喫茶ベイシー」には及ばないまでも、せめてそれに近づくレベルにはしたいものだ。場所は風通しが良くて見晴らしのいい高台がいいなあ。遠方から知り合いが来るので、日帰りというわけにもいかないだろうからせめて2~3人は宿泊できるスペースを設けた方がいい。室内のオーディオ・システムの配置は・・・・・・。

おっと、肝心のお客さんを辺鄙な山奥に呼び寄せる手段を忘れるところだった。広報が何よりも大切だ!

どうやらこのブログも宣伝用としてようやく価値が出てきそうになったぞ~。

これじゃあ当分の間、(ブログを)続けざるを得ないなあ(笑)。


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