「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ訪問記

2012年11月30日 | オーディオ談義

自分もかなりのオーディオ・マニアと自覚していたが、「凝り性」と「努力」という点では自分以上の方々が世の中には沢山いると改めて思ったのが今回のオーディオ訪問の感想だった。

我が家に11月22日(木)に来てくれた大分市にお住いのMさんとOさん宅にお約束通り試聴に訪れたのが28日(水)の午後のこと。この日は朝から秋晴れで肌寒くなく動きやすかった。

はじめに、大分市内中心部のMさん宅をご訪問。

           

            

CDはまったくお呼びではなく、ソースはすべてレコード。プレイヤー4台を駆使して、クラシック用、ジャズ用、ステレオ針、モノラル針の使い分けをしておられる。トーレンスが3台、ガラードが1台。


システムが2系統あって、そのうちの一つがタンノイ・オートグラフ。クラシック専用にしておられEMTの「TSD15」とオルトフォンの「SPUーA」のカートリッジを使い分けして楽しんでおられる。

アンプはマーク・レヴィンソンのプリにミュージカル・フィデリティのA370の超弩級パワーアンプ(A級130ワット)。イコライザーはカンノ。実に分厚い音が出ていたのに感心した。とてもこの厚みは我が家のシステムでは望むべくもない。

EMTとオルトフォンの音色の違いを楽しませてもらったが、個人的な好みではEMTの方に実在感があって軍配を上げる。オルトフォンはこのシステムに限っては何もかも自分の色に染め上げるような印象を受けた。

次に、第二システムはスピーカーが「クリプッシュ」(ユニットはエレクトロ・ヴォイス)、プリアンプはGASS,パワーアンプは真空管のKT88プッシュプル(セパレート:新藤ラボ)。

             

この音は明らかにジャズ向きに仕立て上げられていた。オートグラフの特徴がハーモニーだとすると、この音は楽器の位置をクリヤーに聴かせる分解能に優れているといえよう。

なお、「サムシン・エルス」(C・A・アダレー&マイルス・デイヴィス)の原盤を聴かせていただいたが、その生々しさに思わず息を呑んでしまった。レコード再生による高域がツボを得たときは別格の趣があることを痛感。

Mさんは自営業なので自由時間に恵まれておられ、朝晩かならずシステムのスイッチを入れられるそうで、こんな音で毎日楽しんでいると「罰が当たりますよ~」と言いたくなる(笑)。

2時間ほどお邪魔して、Mさんとともに今度はOさん宅のJBL「パラゴン」を試聴するために移動。

以下、続く。


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進歩なのか、退歩なのか?

2012年11月28日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

つい最近、オークションで購入した「美空ひばり」のCDだが、昭和の名曲とされる全16曲が収めてあり、いずれも彼女の持ち歌ではないもの、さすがに不世出の歌姫だけあって、「大阪しぐれ」「奥飛騨慕情」「矢切の渡し」についてはオリジナルの歌手よりもうまいと思った。

このところ、夢中になって聴いているが、別に歌謡曲が好きでもない方々に聴かせるとなると、きっといいご迷惑に違いない。25日(日)の15時半に我が家に試聴に来てくれた大分からのオーディオ仲間(Yさん、Mさん、Nさん)たちが、まったくそうだった。

はじめに、JBLの3ウェイ・システムで「ひばり」ちゃんを聴いてもらったところ、一同シ~ン。

沈黙を打ち破るようにMさんが、「ジャズを聴かせてくれませんか。先日聴かせていただいたときに、音が(スピーカーから)飛び出してくる感覚が・・・・」

はい、はい、定番の「カインド・オブ・ブルー」(マイルス・デイヴィス)といきましょう~。タメが利いたトランペットの音がまるで弾丸のような勢いで試聴者の顔に吹っ飛んでくる!(笑)

「スケール感も雄大です。良く鳴ってますねえ」と、Nさんも同感のご様子。ただし、ややハイ上がりの音である。
おそらく「375」ドライバー(16Ω)に、後継機種の「2441」のダイアフラム(JBL純正)を装着しているせいだろう。しかし、これはこれで悪くない。

次に、くどいようだが再度ひばりちゃんを「AXIOM80」(以下「80」)、そして本日(25日)の朝、設置したばかりのリチャード・アレン(以下、「アレン」)のフルレンジ(20センチ)で聴いてもらったところ、アレンが大好評。

「いい音やなあ!エンクロージャーはユニットに合わせて作ったんですか」と、Nさん。

「いいえ、タンノイⅢLZの寸法に合わせて作っただけです。中には羽毛の吸音材を詰め込んでます。また背圧を逃がすために裏蓋に1センチ直系の穴を124個開けてます。」

あまり、評判がいいものだから「80とアレンとどちらが好きですか?」と、Nさんに訊いてみると何と「アレンの方が好きです」。

アレーッ、80とアレンでは流した「血(お金)と汗と涙」の量がまるっきり違うのに~。トホホ。これではまったくマニアとしての立つ瀬がない(笑)。

責任はもちろん、80にあるのではなく自分の鳴らし方が悪いに決まっているのでこれは後々の要検討事項。

試聴中にYさんに緊急の連絡が入り、急用ができたとかで、結局皆さんは30分ほどおられただけで帰宅された。

「是非、近いうちにまた来ます」と、Nさん。

さて、お客さんを送り出した後、気になる80を再度試聴。気になる点が二つほど。

 設置場所が部屋の両端に寄り過ぎて、アレンに比べて絶対に不利

 
今回のシステムの見直しで大きめのエンクロージャーから狭い長屋の一室に閉じ込めたせいで、生気が幾分失われている。それに、微妙な点だが「音がキャンつく」傾向がないでもない。こういう音がするときは、背圧の逃がし方が足りないときによく起きる現象。

「よ~し、思い切ってスピーカーの位置を変更しよう。そして裏蓋を取っ払ってしまおう」と決心し、ためらうことなく行動に移した。

         

試聴席からはウェストミンスターがすっかり隠れてしまうが低音域は指向性が薄いので、ここは我慢のしどころ。

楽屋裏から撮影したのが右の画像だが、80の個室だけ後面開放型にしたわけである。もちろん、羽毛の吸音材は入れっぱなし。個室の形が不整形だが、これは内部の定在波を防ぐためにあえて仕切り板を斜めに挿入している。                            

そもそもスピーカーの裏蓋がなぜあるかというと、言わずもがなだがSPユニットの背後から出る逆相の音がSPの前面に回ってきて正相の音を邪魔するのでそれを防ぐためである。しかし、その反面、裏蓋を無くすメリットももちろんある。裏蓋がないとSPユニットの前後の振動が抵抗がなくなったせいでやりやすくなり、伸び伸びとした音になる。

プラス面とマイナス面と比較して、どちらがよりメリットが大きいかというわけである。オーディオをやってるとこういうケースが実に多い。こういう選択の連続でシステムの性格が次第に形づけられていく。「日本で一番、音がいい」とされる一関のジャズ喫茶「ベイシー」の店主、菅原昭二さんが名著「ベイシーの選択」の中でいみじくも述べられているとおり。

さて、試聴の結果だが、今のところ正解かな~?

80が本領を発揮したときは「繊細でふっくらした艶やかな響き」とされているが、すくなくとも”ふっくら感”は明らかに向上している。

それにしても、お客さんが来るたびに新たな発見をして行動に移しているが、これは進歩なのか、あるいは退歩なのか、はたしてどちら?

「お前はいったい、落ち着いて音楽を聴くつもりがあるのか!」と、言われそうだが(笑)。


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類は友を呼ぶ

2012年11月26日 | オーディオ談義

今回の3連休はお天気が良くて良かった。「保養」と「年賀状の図案づくり」を兼ねて福岡から帰省していた娘とウォーキング三昧の日々だった。

連休の最終日の25日(日)の14時半ごろに、娘をJRの駅まで送ろうとしていたところ、携帯で「夢の途中」のメロディが鳴った。

このところ3年ばかりご無沙汰しているオーディオ仲間のYさん(大分市)からだった。

「最近、音が随分良くなったそうですね。先日の22日にお宅を訪問されたMさんから聞きました。今は別府市内に居ます。Mさん、Nさんも一緒です。今からお伺いしますのでちょっとですが聴かせていただくわけにはいかないでしょうか」

「やあ、お久しぶり~。お元気でしたか。丁度、今から娘をJRの駅まで送っていくところです。15時半からなら家におりますが」

「それで、結構です」

3名の方々いずれも大分市にお住いの方々で、我が家には何度も来ていただいているが、よほどのことがないと向こうから電話がかかってくることはない。どうやらMさんが我が家の音をかなり評価して宣伝してくれたらしい。

たいへんありがたいことだが、実はYさんは、我がオーディオにとってお互いに「切磋琢磨」するライバルといえる存在である。ある会社の社長さんをされていて、別府市内に別邸を構え、オールホーンシステムの超豪華なシステムを楽しんでおられる。そのせいか、我が家の「AXIOM80」を評して「紙(コーン紙のこと)の音は薄っぺらいのでダメだ」と、人づてに情報が入っている。

実は当方もYさんの音を評して「SPユニットが多すぎて位相がおかしくなっている」と、言ったことがあるのでおそらくご当人の耳に入っていることだろう。

まあ、そういうわけでお互いのオーディオの進展にとって気になる間柄と言えるだろう。

Mさんには22日に次いでの連続のお越しだが、ちょうど良かった。実は、今日(25日)の朝から、第三システムの「AXIOM301」を外して、フルレンジSPユニット(口径20センチ)の「ニュー・ゴールデン8」を容れたばかりなので試聴してもらうのに絶好の機会。

           

                 

なぜ、フルレンジSPユニットを導入したかといえば、JBL3ウェイ・システムのスケール感がかなりのレベルになったので、その一方でシンプル極まりないフルレンジの音が聴きたくなったからである。

ネットワークを介さないフルレンジの良さは十分分かっている積もり。エンクロージャーに収める作業に2時間ばかりかかって、実際に聴いてみたところ実に「いい音」がするので驚いた。ちなみにアンプは同じイギリス製の出力管「PX25」の1号機。

フルレンジについては、つい先日、メル友の新潟のSさんからも「PE-16」を60センチ角の平面バッフルに取り付けて楽しんでおられているというメールが来て成る程と思った次第。

「釣りはフナ釣りに始まってフナ釣りに終わる」という言葉があり、その意味は初心時の親しみやすさから、歳を経て体力が衰えると近場のシンプルな仕掛けのフナ釣りに戻るというわけで、オーディオだってときどきは複雑なシステムよりも非常にシンプルな響きのフルレンジを聴きたくなるのは理を得ているともいえる。

とにかく、大分組がこのフルレンジ・システムに対してどういう感想を述べられるか興味津々である。

以下、続く。


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オーディオ製品のお国柄

2012年11月24日 | オーディオ談義

根が単純なせいか、人から褒めてもらうとすぐに調子に乗るのが良くも悪くも自分の持ち味だと思っているが、今回の試みは結果的にプラスと出たようだ。その経緯を記してみよう。

オーディオ仲間のAさんからJBLのシステムを絶賛してもらったので大いに自信がつき、さっそく他のオーディオ仲間に聴いてもらおうと、誘ってみた。22日(木)の午前中のことだった。

このところ2年ばかりご無沙汰の大分市にお住いのOさんに電話したところご友人のMさんと一緒に午後2時に来ていただくことで、いきなり、話がまとまった。

Oさんは大のジャズファンでJBLのパラゴンを愛聴されている。以前、県内で唯一の老舗デパートでオーディオ売り場を担当されていた方である。Mさんはタンノイ・オートグラフを愛聴され、レコード・プレイヤーを4台持つほどのレコード一辺倒の方。CDがこれだけ普及しても、レコードにこだわって愛聴されている方は先ず、音にうるさい方と思って間違いなし。

午後からシステムのスイッチを入れてウォーミングアップ開始。お二人はちょっと速めの13時50分ごろにご到着。

ご挨拶もそこそこに、オーディオ実験室をご覧になって、Oさんが「すっかり変わりましたね~。」と、おっしゃる。最後に聴いていただいたときのシステムはどうだったか、当方としてはまったく記憶がないほど、我が家のオーディオは落ち着きがない(笑)。

はたして、どういうご意見がいただけるかと、期待と不安が交錯する中でJBLのシステム、「AXIOM80」、そして「AXIOM301」の順に聴いていただいた。

「3系統のシステムともいずれも良くバランスが取れていて素晴らしい音ですね~」と、先ずOさんから外交辞令。「JBLのスピード感が凄いですね。まるで次から次に歯切れよく音が飛び出してくる印象です。その点、AXIOM80は余韻の漂い方が好ましいですね」。

「ジャズを聴くときにはJBL、クラシックではAXIOM80、テレビ視聴のときはAXIOM301に使い分けしています。それでも、いずれのシステムも中・高域用に真空管アンプを使ってますので、球の保護もあって3時間ほど経つとシステムを意識して切り替えてます」

JBLではアート・ペッパー、サリナ・ジョーンズ、ホリー・コール、サッチモなど試聴していただき、AXIOM80では是非ヴァイオリンをと所望されたので、北欧の貴公子「アーヴェ・テレフセン」の「ライム・ライト」を聴いていただいたが、この辺で”オーディオ的な遊びを”ということで真空管の銘柄を替えてみた。

AXIOM80用の300Bアンプには、日頃、CRの4300BLX(中国製)を挿しているのだが、本家本元のWE300B(1950年代)にして再び聴いてもらった。

すると「ヴァイオリンの質感がまるっきり違いますね。とても大きな差です。」と、二人とも驚かれていた。以前のシステムよりもはっきりと差が出るようになったので、システムのグレードが上がったのかもしれない。

第三システムのAXIOM301については、お二人とも以前使ってあったそうでたいへん変興味を持たれ、中高域に使っているJBLの「LE-85」について、「これでもいいんんですが、AXIOMにJBLのユニットの組み合わせはいかがなものでしょうか。JBLは明るすぎて、音色がちょっと合わないのでは」とのご意見。

「なるほど!そういう点はありますね。」と、納得。

オーディオ製品の性格は不思議なことにお国柄を如実に反映することは大半のマニアならご存知のとおり。AXIOMのユニット(イギリス)とJBLのユニット(アメリカ)では、まるで木と竹を繋いだようなものかもしれないと思い至った。

つい、機器の物理的な性能ばかりに目がいって、大切な”音楽的な雰囲気”がおろそかになっていたようだ。

その伝でいけば、現在AXIOM80を鳴らしているWE300B真空管(アメリカ)はお国柄からいってJBLの375+075を鳴らすのに”ふさわしい”のかもしれない。

そういうことを考えながら試聴していると、最後に「春の祭典」(ゲルギエフ指揮)を聴かせていただけませんか、とOさん。

物凄い低音を再生しなければならないので「AXIOM80ではちょっときついですね~」。

そこで、JBLのシステムで聴いていただいたところ見事に部屋中がドシ~ンと揺れるような低音が出てくれた。低域用のD130ユニットをハイカットで200ヘルツにしている威力が出た感じだが、エンクロージャーの功績大である。

Oさんが「見事に、(低音が)抜けましたねえ」。

予定の16時を過ぎたので「OさんとMさん宅に来週半ば頃に、試聴にお伺いする」ことをお互いに固く約束して帰途につかれた。

翌日の23日(金)は、昨日に大いに気になった「お国柄の統一」にトライしてみた。別にどんな組み合わせでも一向に構わないのだが、SPユニットとアンプの真空管ぐらいはお国柄を合わせた方がそれぞれの持ち味が最大限に引き出せそうな気もするところ。

作家の五味康祐さんによると「一流の作曲家の背後には神がいる。その神とは、愛国心であり、民族の発生から終末に至る民族の人格に他ならない」と、いった意味のことを著作「天の声」の終章に書かれている。

たかが音楽を鳴らす道具に過ぎないオーディオ機器だって、ちょっと大げさだが背後には個々の民族性が反映されていると思いたいところで、たとえばイギリスの音、アメリカの音、ドイツの音など歴然とした違いがあるのはたしかで、お国柄を際立たせることを”ささやかなポリシー”のひとつとするのも悪くはなかろう。

まず、「AXIOM301」には、オーディオ仲間のAさんから以前いただいていた同じグッドマン社の「ミダックス」を組み合わせた。アンプには同じくイギリス製の真空管PX25・2号機。

その次に、JBLの「375+075」用のアンプにWE300Bアンプを、AXIOM80にはPX25・1号機を入れ替えた。SPコードの長さの調整がたいへんで、半田ごてを握りっぱなし。ついでに以前から気になっていたネットワーク用のコンデンサーをアンプのそばからスピーカーのそばに移動させたりで、全体で3時間ほどかかった。

これで、一層「アメリカの音」らしく、また「イギリスの音」らしくなったようだ。片や陽気で開放的、片や後にずっと尾を引く翳りのある音。どちらにも、その音でないと伝わってこない音楽があるのはたしかである


こうして我が家ではお客さんが来るたびに何らかの示唆を受けてシステムに反映しているのでほんとうに助かる。

「お前の頭と耳はそんなに悪いのか、他人を当てにするな!」と叱られそうだが実際に駄脳・駄耳なんだからしかたがない(笑)。

           

この画像は今回の作業の結果だが、前回の記事の画像と微妙な違いがあるのがお分かりだろうか。


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凄いぞ、JBLシステム!

2012年11月22日 | オーディオ談義

大好きな作家の一人「吉村 昭」さん(故人)は、大切な青春時代に重症の結核を患い、大手術をしてずっと寝たきりという生活を一時期送られた。

遊びたい盛りで、ちゃんと意識があるのに寝たきりとは何とお気の毒。

自分のようにまるで”紙袋にザリガニを入れた”みたいに、落ち着きがなくガサコソ動き回る人間にはとても耐えられそうにないが、吉村さんは「こうやってじっと寝ている生活も、なかなかいいものだ」と、達観したように書いておられる。

いつも感じる清々しい作風はこういう心境から生まれるのだなあと、感心しつつ、なるべく自分もあやかりたいものだと心がけている。

日頃、夜の8時頃に就寝すると(早過ぎて恥ずかしいが!)、どうしても真夜中の2時~3時ごろに目が覚めるが、家人が寝静まっているときに動き回るわけにもいかず、せめて4時ごろまではじっとしていようと、寝床のなかで1~2時間は考え事をする。吉村さんの例があるのでそのくらいの時間は我慢できるはずと、常に自分に言い聞かせている。

ブログの内容や、どうしたらもっとオーディオの音が良くなるかなどと考えるわけだが、起き抜けで頭が新鮮なせいか、いい(?)アイデアが浮かぶのはいつもこの時間帯である。自分にとっては、まさに「ゴールデンタイム」(笑)。

昨日の21日(水)もそうだった。その前日は珍しく夕方の7時ごろに眠くなって就寝、目が覚めたのは3時頃で、久しぶりに見事な連続8時間の”一気眠り”に、満足感に浸って考えごとをしていたら、パッと閃めくものがあった。

「オーディオ・システムの見晴らしをもっと良くしてみよう!」

            

画像を観ていただくと分かりやすい。

フォステクスの
ウーファー「SLE-20W」4発を、現在3発しか使っていないので、不要の1発を外してその代わりに「AXIOM80」ユニットをエンクロージャーの一番上の部分に納めようという魂胆である。(ちなみに、このエンクロージャーは4発とも間に分厚い仕切りを入れて個室にしている)

AXIOM80さんには大きめの専用ボックスから狭い長屋の一室に引っ越してもらうわけで実にお気の毒だが、後ろ側のJBL375のウッドホーンがなかなか好調な音を出しているので、目前の障害物を取り払ってより存在感を引き立てようという狙いも当然ある。

寝床を抜け出したのが4時ごろで、カミさんが出勤するまえに、力仕事を加勢してもらわなければいけないのですぐに下準備にかかった。

いつものように(カミさんが)5時半頃に起きてきたので「おい、スピーカーを降ろすので加勢してくれ~」。「またですかあ・・」と、気乗り薄の返事だが仕方がない。いくらなんでもこんなに朝早くから隣のご主人に加勢を頼むわけにはいかない。

それからはガサゴソと室内を這いずり回ったが全体の作業が少なくとも10時ごろには終了すると踏んでいたものの、結局、朝食をはさんで10時30分頃までかかってしまった。

           

ネジ回しとハンダ付けの作業がメインだが、ユニットを傷付けないために細心の注意が必要で”用心しいしい”のため結構時間がかかる。

さあ、無事終了して注目の音だし。

試聴盤は昨日からCDトランスポートに入れっぱなしにしているグールドの「フランス組曲」(バッハ)。AXIOM80の音が随分こじんまりとなった印象だが、スケール感よりも音のバランスを重視したのでしかたがない。

主眼は背後のJBLシステムである。心なしか、375のウッドホーン経由の音が晴れ晴れと部屋全体に響き渡って心地よく感じる。視覚効果も無視できず「両雄並び立たず、これでよし」と思わず頷いた。

水曜日は運動ジムの定休日なので、13時ごろから家の周囲を30分ほど散歩して帰ってきたところ、玄関前でオーディオ仲間のAさんと鉢合わせ。

「いやあ、丁度良かったです。今日は朝からたまたまシステムの一部を変えたので来て欲しかったのですが、それほどの変更でもないかと随分迷っていたところです。ぜひ上がって聴いてみてください。」

はじめに、「AXIOM80」の音を聴いてもらったが、大きめのエンクロージャーから小さな空間に押し込めたせいもあって、どうもイマイチのご様子。バランス重視の結果なので仕方がない。

ところが、JBLの3ウェイシステムを聴いていただくと、絶賛に次ぐ絶賛だった。試聴盤はジャズでマイルス・デイヴィスの「カインド・オブ・ブルー」。

              

「ウッドホーンの内部を6つに分けたスリットのおかげでしょうか、物凄くコンプレッションが利いてます。(ウッドホーンの)出口で音がまさに炸裂する印象を受けます。音のヌケといい、スピード感といいオーディオの楽しさが満喫できますね。

それにタンノイ・ウェストミンスターの本格的なバックロードホーンのおかげで凄い低音が出てます。JBLのD130はもともとバックロードホーンに向いているユニットです。この音なら、是非沢山のジャズファンに聴いていただくことをお薦めします。これでAXIOM80ともう一つのシステムが付録みたいな存在になりました。」

これまで沢山の場数を踏まれ、耳の肥えたAさんからこんなに褒めてもらったのは初めてのような気がする。凄いぞ、JBLシステム!

ちなみに、クロス周波数を記しておくと、D130(8Ω:ハイカット200ヘルツ)、375(16Ω:ローカット300ヘルツ、ハイカット6500ヘルツ)、075(8Ω:ローカット7000ヘルツ)で、いずれも「6db/oct」である。

つい先日の10日(土)に、わざわざ福岡からオーディオ仲間が4人、試聴に来てくれたのだが、あれから375用のPX25真空管をチェコ製から本家本元のイギリス製のGECに替えたり、375ドライバーと075ツィーターを同じアンプで鳴らして音色を統一したりといろいろやってみたところだが、今回の見通し改善の効果も実に大きかった。

結局、この状態で聴いてもらうのだったと”ほぞ”をかんだが、もう後の祭り。いつもこうである。

やれやれ。


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19日(月)の出来事

2012年11月20日 | 独り言

19日(月)の朝のこと、「寒くなってきたので灯油を2缶買ってきてくれる?」と、出勤前のカミさんから指令が下った。「ああ、いいよ」と一つ返事で引き受けて従順な夫を演じる(?)いつもの自分。

午前中、灯油缶を二つ、後部座席の隙間に挟み込んでガソリン・スタンドに向かう途中、「クルマのエンジン・オイルも8000km近くなっているのでついでに替えよう」と、思いついた。いつもは5000kmごとに替えているのだが、今回は超高級(?)オイルとされているものを試しに使っており特別の走行距離なので念のため。

ちなみに、このオイルでたしかに燃費が1~2割程度アップしたことは間違いなし。

平日なので空いていて、すぐに店員さんが取り掛かってくれて30分ほどで終了。

「バッテリーが弱っているようです。10Vぐらいしか電圧がありません。新品の場合だと12V前後あるのですが。」

「10Vを割るとどうなるのかなあ」

「エンジンがからないようになる恐れがあります。」

「そりゃ、まずい。これから寒くなるし、ますますバッテリーには負担がかるしなあ」と、買い替えに心が大きく傾いた。

過去、いきなりのバッテリー切れでひどい目にあったことがあるので、こればかりは要注意である。

振り返ってみると10年間乗ったクラウンが釣りに行った帰りに現地の交差点で信号無視のオバハンにぶつけられて、泣く泣く中古のクラウン(先代)に乗り換えたのが3年前の8月のこと。

乗り換えた時点でバッテリーが新品だったとしても、もう3年4か月になるのでぼちぼち寿命だろうと凡そ察しがつく。

ただし、スタンドの店員さんの話を信用しないわけではないが、ディーラーに行ってもう一度バッテリーの能力を計測してもらってから替えることにした。

「たしかに、弱ってますね。替えた方がいいでしょう。」と、ディーラーのフロントマン。

待合室に入って我が家では購読していない日経を読んでいると、人懐っこそうな”おじいちゃん”が入ってきた。たまたま視線が合ったので、会釈すると、すぐに話しかけられた。

「私は81歳になりますが、明日からクルマで東京に行きます。そのために、今日は点検してもらいに来ました。」

「エーッ、それはお元気ですね。もちろん、途中で宿泊しながら行かれるんでしょう?」

「関西までフェリーで行きます。運転手の交替要員としてもう一人近所の人が付き添ってくれます。若い頃からクルマが大好きで、現在はセルシオに乗ってます。」

な~んだ、「セルシオ」に乗っていることが言いたかったのかな。セルシオは今では廃名してレクサス・シリーズの最高車種になっているが、いまだに通用するネームバリューがあるのはたしかである。

一度乗ってみたい気もするが、何せ燃費がね~。ハイブリッド車種もあるようだが、あの重さと図体では知れているだろう。それに、至るところで駐車スペースに入れるときに苦労するだろうから、どなたかがタダでくれるという以外はパスである。

午後からは、オーディオ実験室でグレン・グールドの「フランス組曲」(バッハ)の聴き比べを行った。

つい最近の新聞の下欄に載っていた、ある週(月?)刊誌の見出しに「グールドの一人勝ち」という項目が踊っていた。

たしかに、”言いえて妙”で過去から現在まで有名なピアニストは星の数ほどいるが、没後30年以上もなるのにいまだにクラシック・ファンの心を深くとらえて離さないのはグールドが筆頭だといっても過言ではあるまい。

彼の演奏は音楽の魂に満ち溢れており、「エクスタシ-」(恍惚:グールドの言葉)に浸れるという点で、他者の追随を許さない。これは言葉で説明するのは難しいが、分かる人には分かっていただけると思う。

モーツァルトのピアノ・ソナタ、バッハの「ゴールドベルク変奏曲」「イギリス組曲」などをよく聴くが、同じバッハの「フランス組曲」は何度聴いても「?」で、グールドの演奏にしては不思議な限り。

手元にあるのはCBSソニー盤なので、”すべての盤”ではないにしろ録音の悪さの評判を聞いていたので、もしかしてそのせいかもしれないと、輸入盤(2枚セット)を購入していたのだが、なにせ忙しくて聴く暇がなく、そのままにしていたところ、先日のCD整理の過程で改めて心理的に促された次第。

        

左側が輸入盤(コロンビア)で、片方はCBSソニー盤である。

はじめに、第一システムの「AXIOM80」で聴いたところ、明らかに輸入盤の方が上だった。音に芯が1本通っていて、”ずっと聴いていたい”という気にさせられた。何よりも音が自然な響きである。一方、CBSソニー盤の方は音が散漫でどこか焦点が定まらない印象で音楽として鑑賞するのはふさわしくないという感じ。改めてその点を再確認できた。

次に第二システムのJBLの3ウェイシステムで聴いてみたが、これも同じ印象を受けたのでやはりCD盤の録音そのものに問題があるようで、これほど輸入盤とCBSソニー盤とで差があるとなるとちょっと考えさせられる。

まあ、いずれにしても、「フランス組曲」が聴ける状態になって大きな収穫だった。

なお、この日の夕方、何とはなしに「今日はオイル交換に加えて、バッテリーまで交換してたいへんだった。」と、つぶやいたところ、カミさんが一部負担してくれるとのことで「良かったあ!」

どうやら、日頃の協力的な姿勢を評価してくれたらしい(笑)。


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サマセット・モームの短編小説「雨」

2012年11月18日 | 読書コーナー

一昨日(16日)の夕食中のことだが、「男の人って、お酒を飲むと気が狂ったみたいになるのねえ」と、カミさんがテレビを観ながらつぶやいた。

NHKのアナウンサーで、土日の休日に朝のニュース・キャスターを務めている「森本」さんが、友人と飲酒後に満員電車の中で女性のオッパイを11分間にわたって触り続けていたというニュースにはほんとうに驚いた。あの謹厳実直そうな人がねえ。

本人は当時の状況をまったく覚えていないそうで、真相はやぶの中だろうが、周囲に証人もいることだし限りなくクロに近いだろうと推測される。

長いこと社会生活をやってると、酒のうえの過ちは大なり小なり誰にでもあるものだが、痴漢行為となると話は別で、けっして許されることではないものの、つい「お気の毒~」と思ってしまった。

もちろん、被害者の心理を逆なでするつもりは毛頭ないが、およそ酩酊した状態で身辺に強烈な(?)誘惑が存在すれば”魔がさす”ということはままありそうなことで、それが人間であることの証明みたいな気もするところ。

この事例は、つい日頃の「理性」がおろそかになって「本能」に負けたという事例だが、その間に酒が介入しているだけまだ救われる面がある。

一方では、酒などのいっさいの媒体なしに(強いて言えば「雨」かな)人間の「理性」があっさり「本能」に負けてしまうという罪深い小説がある。

それはサマセット・モームの短編小説「雨」である。

20代前半のまだ初心(うぶ)な頃に一読したところ、衝撃のあまり、しばし物事が手につかなかった記憶がある。

いくらフィクションの世界とはいえ、この作品は短編小説の分野では古今東西、ベストテン級の名作とされているので、人間の本質について深く考えさせる何かがあるのだろう。

既に読まれた方も多いと思うがネットで探してみたところ、どなたかのブログに適切な”あらすじ”が記載されていたので勝手ながら引用させていただいた。

舞台は南洋のサモア諸島である。熱烈な信仰者デイヴィドソン牧師は妻と共に任地へ向かう途中、伝染病検疫のため島に停留することになる。

医者のマクフェイル夫妻、そして見るからに自堕落な娼婦、ミス・トムソンも一緒だった。島は折から雨期、太鼓でも鳴らすように激しく屋根にたたきつけ、滝のように視界を奪うスコールが連日続いていた。

デイヴィドソンはミス・トムソンが我慢ならなかった。彼女は夜にもお構いなく音楽をがんがん鳴らし、ここでもお客を取る始末。デイヴィドソン夫妻には敵意に満ちたまなざしを投げかける。デイヴィドソンは彼女を「教化」しようと熱意を燃やす。

しかし、あの手この手も通じずデイヴィドソンはついに彼女を強制送還させる措置をとる。

ふてぶてしいトムソンもこれはショックだった。送還されたら監獄が待っているだろう。手のひらを返したようにデイヴィドソンにすり寄ってくる。これ幸いにデイヴィドソンも懸命に彼女の「教化」につとめる。

そして明日は送還されるという夜、デイヴィドソンは彼女の部屋で夜遅くまで彼女と話し合う。そして…。

彼女の部屋を出たデイヴィドソン牧師は夜のうちに浜辺で”喉”を切り自殺する。衝撃のドクター・マクフェイルがトムソンの部屋に入る。変わらず音楽を鳴らしている彼女にマクフェイルは激怒する。

しかし、マクフェイルに、あざけりと激しい憎悪を込め彼女は言った。

男、男がなんだ!豚だ!汚らわしい豚!みんな同じ穴の狢(むじな)、男はみんな、豚!豚!」。

マクフェイルは思った。「いっさいがはっきりした」。

ミステリー風の終わり方だが、牧師が娼婦への肉欲に負けてしまい悔恨のあまり自殺したことはあきらかである。

小説の中では、この結末に至るまでに実に巧妙な伏線が途中に張られていて、牧師が娼婦の教化に邁進している最中、就寝中にネブラスカの山々の夢をよく見る話が出てきて、医者にとってもその山並みには覚えがあり、「その形を見てなんとなく女性の乳房を連想した」ことを思い出す”くだり”が今でも鮮明に記憶に残っている。

結局、神に仕える牧師でさえも本能の前には理性があえなく砕け散ってしまうという人間の弱さ、罪深さを描いた小説だが、いかにも
人間を皮肉な視点でとらえがちなモームらしい作品である。

さ~て、今日(17日)は朝から強い風雨だし「ウォ-キング」などで外に出かけるのも億劫なので、久しぶりにモームの「雨」でも再読してみるかと倉庫に入って探してみたらすぐに見つかった。

               

森本さんの件から、つい話が発展してしまったが、人間の脆さがたまたま起こした今回の過ちにどういう償いが価するのか、ちょっと考えさせられた。

それにしても、これから年末が押し迫ってお酒を飲む機会が増えてくるが深酒したときはくれぐれもご用心、私たちの年輩の方々にはどうか晩節を汚されることがないように!

もちろん、”要らん世話”だが(笑)。
 


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CDの所有枚数

2012年11月16日 | 独り言

2週間ほど前の11月2日(金)のこと、日課となっている「ウォーキング」の道すがら、「100円ショップ」に立ち寄って偶然、CD収納用の「両面不織物ケース」を発見したのがすべての始まりとなった。

                              

わずか100円でCDが50枚も収納できるメリットにすっかり引きつけられてしまい、選びやすさや部屋の方も大いに”片付くし”と一石三鳥の効果を狙って、爾来、整理するファイルなどを追加購入して毎日コツコツと作業を続けた結果、ようやくこの14日(水)をもってすべて完了した。

             

結局、クラシックでは作曲家ごとに、そしてジャズでは「ボーカル」「有名アーチスト」「アト・ランダム」といった具合に仕分けしたファイルが全部で27冊になってしまった。最上段がCDケースに入っていたジャケットや解説など紙物類を納めたファイルで、ラックの中がCD本体を納めたファイル。

ファイル1冊あたり平均30枚のCDを収納しているとして単純計算だと約800枚になる。ほかにもオペラ「魔笛」(モーツァルト)の44セットやボックス入りの全集、シリーズ物はそのまま手つかずの別途保存なので、全体ではまあまあの保有枚数となる。

しかし、クラシック以外のジャズ、ポピュラー、歌謡曲などだけでも合わせて10冊になるので、いわゆるジャンルを問わず”音楽なら何でもあり”の八百屋さんみたいなものかもしれない。

もともと幼い頃の記憶が相当影響している。まだ小学校に上がる前の年端もいかない頃に、1週間に一度、日曜日になると必ず祖母に連れられて近所の映画館に行っていた(福岡時代)。

その頃の映画で今でも想い出すのは「美空ひばり」が主演した東映映画で当時の主題歌がすっかり脳裡に焼き付いている。今でも「べらんめえ芸者」や「花笠道中」なんか懐かしくて大好きである。

おかげで「ひばり」ちゃんのCDはかなり持っているが、そのうちベストだと思うのは昭和48年1月19日に録音(ライブ)された「美空ひばりオン・ステージ」(2枚組:東京厚生年金会館大ホール)。当時、彼女は30代後半の心技体がもっとも充実していた頃で声の艶といい張りといいまったく惚れ惚れするほどで、このCDはいまだに愛聴してやまない。

              

ただし、惜しいことにこのCDは今では廃盤となっている。とにかく彼女は空前絶後の大歌手だと思っている。

それから中学時代はビルボード誌のヒット・ランキングを毎週チェックしてポピュラー音楽に熱中していた。そういうわけで自分の音楽好きの出発点はその辺にあるので、やっぱり「三つ子の魂百までも」である。

結局、音楽的な”出自”は正直言ってイマイチかな~(笑)。

ところで肝心のクラシックのCDについては、今となってはまったく聴く気にならないものが相当ある。他の演奏者と比較する意味で購入したものがかなりあって、一度聴いてみて好みに合わないと思ったものは以後あまり聴く気がしない。

したがって有効活用する意味でオークションに出す方法もあるのだが、簡単に右から左へというわけにはいかず、まあたった一度とはいえ、脳裡に自分の足跡として刻み込まれたものには何となく愛着が残るものだ。

それに、これらのCDはすべて薄く「カット」を施しているので、有料で譲渡するとなるととても無理だろう。神経質な人が手に入れたらきっと”怒髪天を衝く”に違いない。

はてさて、この「CDにカット」とは何ぞや?

これについては、ずっと昔のブログに載せたことがあるが、おそらく大半の方が「忘却の彼方」と思うので改めて要約して再掲させてもらおう。

「これはCD盤の表のレーベル面の中心部から外側に向けてスーッとカッターナイフで薄く線を入れて、(レーベル面の)裏側に微かに線を残す細工である。これは一部のマニアでは支持を受けているが、業界では物議を醸しオークションで流通できないなどの理由で猛反対を受けていて、あまり公にされていない。

たしかに、これにはCD盤へのカッターナイフの力の入れ具合など微妙なコツが要るのであまりお薦めできないし、くれぐれも真似しないほうが無難。

このカットはCD盤の高速回転に基づく渦電流を打ち消す効果があると聞いているわけだが、この11月10日(土)に我が家に試聴に来たオーディオ仲間のU君(機械工学専攻)から、実に分かりやすい説明をもらっている。

CD盤にはレーザー光を反射させるためのアルミ蒸着膜が張ってあり、これが(再生時に)高速回転するときにCDプレーヤーのモーターやそのドライブアンプなどからの漏れ磁界により渦電流を発生させる。音質を悪くするのは生じた渦電流により別の磁界が発生してその磁界がモーターの回転精度やドライブ・アンプに悪さをするのだろう。

以上、理論的に裏付けがあるわけで、たしかに実際に聴いてみて自分は効果があると実感している。」

以上である。

さて、話は戻って一応CDの整理は出来たものの問題は使い勝手である。私たちがCDを聴くときに、最初に深く脳裡に刻み込まれているのは何といってもCDのジャケットである。このジャケットを観てからおもむろに中身のCD本体を取り出すという順番の習慣が恐ろしいほど身についているのを今回深く実感した。

したがって、まずおもむろに解説用ファイルをひも解き、それからファイルのCDの順番を確認するという行為が欠かせないのでかなりの二度手間となるのはマイナス。それに、一度聴いたCDは必ず元のファイルに収めることも必須事項である。

また、膨大な空のCDケースの直し場所も必要である。
自分の場合、小さな倉庫に山積みになっていて、いずれ廃品回収に出す積もりだが、しばらくは様子を見ないと早計は禁物。

それでも、以前と比べてはるかにCDがコンパクトに整理され、取り出しやすいので今のところマイナスを補って余りある効果があると思っている。第一、部屋の中の見た目が良くなったしスペースも大助かり。

それに今回所有しているCDのすべてに目を通したので全容を把握しているという自信がついたし、同名の曲目を演奏者ごとにまとめたので選択しやすいのも大きなメリットである。

とにかく実際にファイルに直し込む、直し込まないは別として、たまには所有しているCDにすべて目を通して、作曲家、曲名、演奏者などを記帳して選択しやすくしておくのも悪くないと思うのだが、どうだろうか。

 


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「オーディオ試聴会の顛末」~その2~

2012年11月13日 | オーディオ談義

12日(月)の午前中、オーディオ仲間のMさん(奈良)からメールが入って、「本日のブログで清き一票を投じようにもランキングがありません!」。

アレェ~、今日付(13日)で登載予定の記事をうっかりクリックの選択ミスをして、”公開する”にしてしまった。まだ未完成のままの原稿なのであわてて”公開しない”に変更した。同じことを、午後の運動ジムで話し相手のご婦人からもご指摘があった。

したがって、既に次の記事をご覧になった方があるかと思うが、後半部分を変更していますのでよろしかったら最後まで読んでくださいね~。

それでは以下、本文です。


たしかジャズ評論家の寺島靖国さんの著書だったと思うが、「お客さんと一緒に試聴するときは自分のシステムのアラがどうもうまく把握できない。一人で聴いているときには冷静な判断が出来るのに。」といった趣旨のことが書かれてあった。

自分の場合はまったく逆である。一人で聴くときはどちらかというと音楽鑑賞の方に没入してしまって”いいなあ、いいなあ~”と、自己満足に陥りがちなのだが、お客さんと一緒のときは音楽はうわの空になって音の分析の方に偏ってしまい、アラが見えてきてしようがない。したがって、システムの向上にとっては「お客さん大歓迎」の心境である。

10日(土)の午後にオーデイオ仲間4人(福岡)と一緒に聴いた「オーディオ試聴会」がまさにそうだった。

13時から17時までみっちり、ぶっ続けの4時間に亘る試聴はたいへん有意義な機会となった。

ここで、三系統のシステムをざっと紹介しておくと、

    SP 「AXIOM301+LEー85(JBL)」、アンプ 「真空管2A3+PX25・1号機」

☆☆  SP 「D130+375+075」(すべてJBL)、アンプ 「ケンウッド01-A改+PX25・2号機」

☆☆☆ SP 「SLEー20W3発(フォステクス)+AXIOM80+JBL075」、アンプ「01ーA改、WE300B、PX25・1号機兼用)

共通部分は、CDトランスポート(ワディア270)とDAコンバーター(ワディア27ixVer3.0)とのクロック・リンク。

はじめに、ブレンデルが弾くモーツァルトのピアノ協奏曲12番(K・414)の第二楽章をこの順番で聴いてもらった。

「こうやって比較して聴くと、それぞれのシステムの違いが良く分かるねえ」と仲間たち。

人間をはじめ物事は比較することでより具体的に本質を把握できることが多い。オーディオ・システムもその例に漏れない。そもそも、完璧なシステムなんかあり得ない話で、「原音再生」という命題のもとでは生演奏を上回る音が出せるはずがないし、そういう意味ではどんなシステムにも何らかの欠点はあるものだ。オーディオは明らかに減点主義の世界である。

したがって、比較試聴はそれぞれのシステムの良さよりもむしろ欠陥を露わに出す傾向にあるので絶対に不利なのだが、その分「あれとこれとではこの部分が違う」といった遠慮のない意見が出やすいので大いに参考になる。

仲間たちの意見を含めて総評を記載してみると、

は非常にまとまりのいい音だが、こじんまりとした世界。もっと量感が欲しい。とはいえ、あくまでも他のシステムと比べての話。

☆☆は力強いがちょっと一本調子の音になる。勢いと迫力、切れの良さで勝負するような音楽に向いていて、やはりジャズ向き。言い尽くされたことだがクラシックのような人間の心の奥深い襞を微妙に表現しなければならない音楽の再生はJBLにはちょっと「?」。少なくともヴァイオリンの表現力は少し劣る。それでも、「鬼太鼓座」の大太鼓の音はスケール感があって、大いに感心してもらった。

☆☆☆は細かい音を微妙かつ繊細に表現できて、一番評判が良かった。仲間のうち紅一点のHさんが持参してくれたシャンソンのCDだが、フランス語の発音で舌を細かく操った「チッ」という付随音を見事に再生してくれた。我が家のシステムでシャンソンを再生したのは初めてだが、テスト盤として一枚欲しいところ。

それとO部君が持ってきたシューベルトの「ピアノ・ソナタ」(キーシン)も素晴らしかった。福岡のアクロスホールで実演を聴いた後、群がるファンの中で必死の思いで手に入れたとのこと。そういえばドイツに留学して指揮者チェリビダッケに師事し、現在は音楽学校を運営しているプロの音楽家で高校時代の同窓のO畑君もキーシンを絶賛していた。

                                  

この☆☆☆システムは先週、YさんとUさんの試聴で評価がイマイチだったのであれから出力管を「WE300B」に変更、プリアンプのボリュームの調整、音声コードの変更、「200V→100V電源」にしたりと努力の結果がようやく実った感じ。

しかし、あえて難を言えば低域の力感がイマイチで中高域との繋がりがあまりよろしくない印象を受けた。原因は低域用に二股になった安物の音声コードを使ったせいだろうとおよそ想像はつく。ウーファー3発を再生するとなると信号系統にいろいろ制約があってなかなか思いどおりにいかない。

17時半からは河岸を代えて談論風発の懇親会。実に楽しかった。

話の中で、いつぞやのブログに記載したことがあるが、ダメになった真空管を福岡の「音とものづくりの歴史資料館」のH崎先生に見事に生き返らせてもらった件が出た。結局、廃棄予定にしていた10本のうち4本が蘇って大助かり。その中には稀少品のWE300B、PX25がそれぞれ1本入っている。

そのノウハウについて、ブログに登載していいかどうかH崎先生に相談したところ「需要の喚起といった観点から真空管業界のことも考えた方がいいでしょう。これは親しい仲間同士の内輪の話で留めておくことでいかがでしょうか」とやんわり否定されたが、これには奈良のMさんもまったく同じご意見だった。というわけで、この件についてはここまでにしておこう。

さて、福岡組は21時に別府発のバスで帰途に。

翌日の早朝、二日酔いで不調ながらも昨日の反省を込めてすぐにシステムの手直しを行った。

☆☆のJBLシステムは、Aさんが持参してくれたハイカット用のコイル(6500ヘルツ)を入れ替えた。やはりAさんが仰っていたように375は6500~7000ヘルツでハイッカットする方がいいようだ。

☆☆☆は低域用(200ヘルツ以下)の音声コードを単独にして、アンプも1台にした。したがってSLEー20Wのユニットは8Ωなので、片チャンネル「8Ω÷3発」≒2.7Ωの負荷となってアンプが耐えきれるか心配だったがどうにか合格。明らかに力感が向上した。

フ~、これでとりあえず一段落。

考えてみると相も変わらず、いつも「現在進行形」にある我がオーディオ・システムである。

それだけに、いつまでも楽しめる!(笑)

 


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オーディオ試聴会の顛末

2012年11月11日 | オーディオ談義

11月10日(土)の午後に設定した我が家でのオーディオ試聴会。

遠路、福岡からはるばる来てくれるオーディオ仲間(4名)たちに、我が家で出せる限りの最高の音を聴いてもらいたいとここ2週間ばかり、片時も脳裡から離れることなくその対策に余念がなかったところ。

具体的な対策としては、「オーディオ実験室」の整理整頓、音響効果に良くない大量のCDプラスティック・ケースの排除、直し込んでいたJBL375ドライバー(以下「375」)の修繕と活用などがそうだった。特に375の導入は括目すべきところがあって大満足だが、試聴していくうちにやはりツィーター(高域専用ユニット)の必要性を感じてしまった。

ちょっと専門的な話になるが、コイルとコンデンサーを使って375の周波数帯域を「200~9000ヘルツ」、ツィーター(JBL「075」)の帯域を、「9000ヘルツ~」に分割しようという目論見である。

余談になるがこの辺りがオーディオの一番面白いところで、既成のスピーカーシスステムを購入してそのまま使っている人には絶対に味わえない楽しみである。もちろんチャンネルデバイダーを使う向きもあるが、私見ではどうも味わいに乏しくなる傾向があるように思う。

とはいえ、ネットワークは実に奥が深くて自分などはまだ”ひよっこ”のレベルで、とても偉そうなことは言えない。

それはともかく、新たに375の帯域を9000ヘルツ前後でハイカットするコイルが必要となる。手持ちのコイルは0.14mh(ミリヘンリー)があって、手元の「周波数早見表」では9000ヘルツでカットできる(6db/oct)値だが、それはSPユニットのインピーダンスが8Ωの場合。

我が家の375は(インピーダンスが)16Ωなので0.28mhの値のコイルが必要となる。とりあえず、0.14mhで聴いていたのだが、やはりどうしても気になってオーディオ仲間のAさんに泣き付いた。

「10日(土)の午後に福岡からオーディオ仲間が4名来るんですけど、375をハイカットする適当な値のコイルが無くて困ってます。ムンドルフのコイルを購入しようにも、もう時間がなくて・・・。もしかして0.3mhくらいのコイルをお持ちではないですか」

「たぶん持っていると思います。探してみましょう。」

そして、10日の午前中に「もう使わないので差し上げます」と、持ってきていただいたのがトリテックの0.39mhのコイル。この値だとおよそ6500ヘルツ前後のハイカットとなる。

                       

この前から、グッドマンのスコーカーの「ミダックス」、「10μFのオイルコンデンサー4個」、そして今回の「コイル」と次々にもらいっ放しで、ありがたいことである。どうしても代金を受け取ろうとなされないので、そのうち、まとめて何らかの形で清算しないと~。

交換する前に、「この音で
試聴会に臨みますがどうでしょうかねえ」と三系統のシステムをそれぞれ聴いてもらったが、何といっても焦点はJBLの375で、ダイアフラムを交換してから初めて聴いていただくことになる。

「自宅でも375を使ってますが、やはりツィーターは必要ですね。既に実験で確認済みです。これは、なかなかいい音だと思いますが、裸のままの075の音がどうも荒れ気味ですね。ちょっと気になります。」

「そうですか。それではAXIOM80システムの味付け用に使っているリングホーン付きの075と入れ替えてみましょう」

さっそく加勢してもらって入れ替え作業を実施。

           

「いやあ、高域が全然気にならなくなりました。これで十分でしょう。」

「それでは、あまり時間がないのでコイルの交換は後日にして、今日はこれで午後の試聴会に臨むことにしましょうかね~。」

以下、続く。

 


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「2対1の多数決」で勝負あり!

2012年11月09日 | オーディオ談義

ここ数日、こまめに続けていたCDの整理がようやく9割方完成して、残すは歌謡曲のジャンルだけとなった。

                  

スペース的に大助かりで、最上段がCDの解説やジャケット、トラックナンバーの見出しなどを納めたファイル。CDラックの棚の中のファイルは、寸法に合わせて上下を鋏でチョキチョキ。

これまで3か所に分散していたCDが一か所にまとまったことで全体に目が行き届き、曲目の選択範囲が広がった。その代り、それほど大きくもない倉庫には空のCDケースが山積み。

またCDを1枚1枚、手に取って整理していると、購入はしたもののまだ聴いたことがないのもかなりあって嬉しい発見もあった。たとえば、フランクの「ヴァイオリン・ソナタ」を購入せねばと思っていたところ、女流ヴァイオリニストのローラ・ボベスコの演奏が見つかったりという具合。

ところで、先日のCD整理のブログについて同じ別府市内のYさんからメールがあった。Yさんは9月の下旬に、ご友人のUさんとともに初めて我が家に試聴にお見えになった方である。ご親切にも画像つきだが、無断転載お許しを。

「しばらくです。 貴殿のHP のCD整理の話題を拝見しました。丁度、私も棚がいっぱいになってきたのでどうにかしたいと思っておりました。で、コクヨのメデイアパスというものを買ってみました。収納スペースは1/3程ですみます。CDに入っているペーパー類も収納できます。背タイトルが少し斜めからですが確認できます。2枚組ものもあります。ですが50枚で1680円と少し高いです。参考まで。」

          

「国の誉れ」こと、
コクヨ(国誉)さんの製品は非常にスマートで、大いに心が揺れ動くが、何せ「素隠居」にはちとお値段の方が・・・・。ご覧になっていただいた初めの画像のファイルはすべて100円ショップで購入したもの。数えてみると44冊なので4400円なり。これに「インデックス」代や「クリアポケット」代を含めても6000円程度だろう。

したがって、次のようなメールを返送した。

「コクヨさんの製品はとてもスマートで心惹かれますが、どうやら当方には100円ショップが似合っているようです。
さて、昨日の5日、修理に出していたJBLの375が戻ってきました。音が見違えるほど変わりましたので、U氏と試聴にお見えになりませんか。10日の午後以外は空いてます。」

すると、8日(木)の午後2時半ごろにYさんから電話が入った。「ご都合がよろしかったら、今から試聴させてもらいたいのですが。Uさんも同行します。OKであれば10分ほどで着きます。」

「どうぞ、どうぞ、お待ちしてます。」

丁度、導入したばかりの「375」の評価を冷静な第三者からお伺いしたいところで、願ってもない機会。すぐに「オーディオ実験室」をバタバタと片付けてから、システムのウォーミングアップ開始。

きっかり10分後にお見えになったお二人に、はじめに聴いてもらったのは「ベスト・オブ・エンヤ」。このアルバムは「375」に代えてから実にうまく鳴るようになった。次に、U氏がジャズファンなのでグレッグ・コーエンの「モーメンツ・トゥ・モーメンツ」、クラシックではモーツァルトのK・136の第二楽章、そしてYさんご希望のバッハの「主よ人の望みと喜びよ」(オルガン演奏)。

お二人とも9月下旬に我が家で試聴されたときとはあまりにも音の印象が変わっていて、随分驚かれていた。やはり同じJBLといっても「375」と「LE85」では相当違うようである。自分も素性の分かるダイアフラムを装着した「375」を聴いてみて、初めてJBLの凄さが分かったような気がする。

とにかく、なかなかの高評価との印象を受けたので、まずはひと安心。

次に第一システムの試聴に移った。「AXIOM80も最近、ローカット用のコンデンサーをすべてオイル・コンデンサーに代えましたので以前よりは良くなったと思いますよ」と、力説するのだがどうも反応が芳しくないご様子。

クラシックを聴くときの「AXIOM80」の音の”しなやかさ”は、金属のダイアフラムからは絶対に得られないものがあると思うのだが、選曲が悪いせいか、いかにも旗色が悪い。しかし、それでもあくまで「AXIOM80」にこだわる自分がいる。

とうとう、Yさんから「〇〇さん、”2対1”の多数決で勝負ありですよ。375のシステムの方が断然いいです。」と、引導を渡された。

「ウ~ン、多勢に無勢ですねぇ。」と、民主主義の原則に潔く従った(笑)。

これから、我が家では第一システムと第二システムとの熾烈な戦いが始まりそうである。


お二人が帰られた後、急いで「AXIOM80」を駆動するアンプの真空管を中国製から、オリジナルのWE300Bに代えてみたが、これで、10日(土)の午後に予定している試聴会(福岡から4名)に臨んでみよう。

はたして当日の投票結果はいかに。

 


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JBL375の「ご帰還」

2012年11月07日 | オーディオ談義

5日(月)は早朝からシトシトと冷雨の状態。

「外に出かけない方がいいよ」という合図みたいなもので、これ幸いと家に閉じこもって前回のブログに記したようにCDの整理に勤(いそ)しんだ。

11時半ごろになって、そろそろ昼飯時だなあと思っていたところ、玄関のチャイムがピンポ~ン。「さあ、お客さんが来たぞ~」と出てみると、宅配便。何と、修理に出していたJBL375の1週間ぶりの「ご帰還」だった。

「修理が完了しましたので商品を送ります。代金は引き換え払いなので〇〇円を用意しておいてください」の連絡も何もないままの”いきなり”なので少々驚いた。もちろん、うれしい驚きだがそれにしてもこのSP修理専門店の店主さんは非常に気持ちのいい方で腕も”たしか”だが、忙しすぎるのだろうか、お客とのコミュニケーションは「?」。

代金を支払って、すぐに電話して修理の状況を訊いてみた。

「コイルが切れていたので直しておきました。リード線は太すぎてダイアフラムに当たる可能性がありますので細いテフロンのシルバー線に交換しました。」

「このダイアフラムはオークションで購入したものですが、それ自体に欠陥があったということですね。」

「自分でダイアフラムを購入して作業される方がありますが、お勧めできませんね。センターリングというのは非常に難しい作業なんですよ。プロの場合は10本ほどのダイアフラムから本体と相性のいいものを選ぶ作業をやりますが、素人さんは2本だけ買って合わせようとしますのでどだい無理です。」

そう言われると急に自信がなくなってきた。

「手元の1本は自分で作業したものですが、念のため送付しましょうか?」

「まあ、そのまま使ってみて音が歪んだりしたときは送ってください。それから、修理したダイアフラムは375の後継機種の2441用ですね。375用と比べると低音は出ませんよ。その代わり高域の伸びはいいようです。値段は一番高いです。」

「カタログデータでは500~18000ヘルツとありましたが、大丈夫ですかね?」

「そんなに出ません!せいぜい上は9000ヘルツぐらいでしょう。」

「それならツィーターを付けた方がよさそうですね。また、異常が出たときはよろしくお願いします。」

ウ~ン、結局オークションでマガイもの(2本のうち1本)を掴まされたわけである。「評価」を保留にしていたのだが、「悪い評価」を付けてやろうかと思ったが、何せJBLの純正にしては価格がすごく安かった。今回の修繕代を合わせても、まだお釣りがくるほどなので実質的に損はないことだしと、思い直して「知らん顔」をすることに決めた。今さらケチをつけても、逆に「返してくれ」と言われると困るしね~。

とにかく、CDの移し替え作業を中断してすぐに第二システムへのJBL375の取り付け作業にかかった。もちろん、昼食も後回し。こっちの作業の方が”誘惑度”大で胸がワクワクする。

この375には以前、ウッドホ-ンを付けていたが思うように鳴ってくれず、やむなく外したのだが、新しいダイアフラムで音が変化した可能性があるので、再度ウッドホーンを取りつけて試聴してみることにした。(375は)めちゃ重いが図体が小さいので作業は一人で十分。

         

375の下の折りたたみの段ボールは見てくれは悪いが、振動防止には抜群の効果で目下この方式を愛用中。

40分ほどで左右両チャンネルの作業が終了して、いよいよ期待の音出しである。

念のためシステムの概要を記しておくと、低域のSPユニットはJBLのD-130(38センチ口径)で、ハイカットは200ヘルツ(6db/oct)。アンプはケンウッドのDCアンプ「01-A改」。

中高域はJBL375でローカットは300ヘルツ(6db/oct)、低域が出にくいダイアフラムというのでオイル・コンデンサーを4個かまして、既定値の500ヘルツよりもぐっと下げてみた。壊れても知らないぞ~。

駆動するアンプはプリアンプ経由で「PX25・2号機」真空管アンプ。

いやあ、スゴイ音が出てきた!

周波数特性に山や谷がなくて、すべての帯域に亘って均一にエネルギーが充満している印象と言えばいいのだろうか。広帯域化している2441のダイアフラム(16Ω)で、375がこんなに変わるとはうれしい驚きだった。こういうことがあるので、うかつにオーディオ機器は手放せない。

現在、「375」を使っている方でご不満を感じる方はどういう素性のダイフラムを使っているか、専門店で一度確認された方がいいと思う。

それにしても、わずか数ワットの出力の真空管アンプでこれだけ鳴ってくれれば言うことなし。久しぶりにジャズを聴く意欲にかられて「サキコロ」を聴いてみたが、シンバルがやっと自分の理想とする「重たい高音」で鳴ってくれた。これなら、高域専用のユニット(ツィーター)は、むしろ付けない方がいいくらいだが、ほんとうに悩ましい問題。

とにかく「AXIOM80」に求められない良さがあることはたしかである。

次に、ものはついでとウッドホーンから切り離した同じJBLの「LEー85」を小型の「蜂の巣ホーン」を付けて第三システムに組み込んだ。

             

一室にシステムが3系統あると雑然としていて、配線も丸出しで実に”見てくれ”が悪いが楽しみが多い分、仕方がない。我が家の場合は「オーディオルーム」ではなくて「オーディオ実験室」という呼称がふさわしいようだ。

ちなみに、この第三システムは次のとおり。

低域  アンプ:真空管「2A3」シングル、SPユニット:「AXIOM301」(ハイカット 1200ヘルツ)

中域  アンプ:真空管「PX25・1号機」、SPユニット:JBL「LEー85」(ローカット800、ハイカット7000ヘルツ)

高域  アンプ:中域と兼用、SPユニット:JBL「075」(ローカット 8000ヘルツ)

端正でまとまりがある音で、これはこれでなかなかよろしい。

「近いうちに」ご来訪予定のオーディオ仲間たち(福岡)4人に試聴してもらって、3系統のシステムの人気投票をしてもらう積もり~。


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ブラームスのヴァイオリン協奏曲

2012年11月05日 | 音楽談義

2日(金)の散歩中にたまたま入った「100円ショップ」で見つけた、CD収納用の「両面不織布ケース」。

たったの100円で50枚も収容可能というから、オーディオルームの片付けと、スペースをかせぐためにさっそく購入して3日(土)~4日にかけ、合間を見つけて(CDの)収納作業をやってみた。

                     

まだ途中だが、思いのほか時間がかかった。

画面右側が空になったCDケース。左側がCD本体を移し替えてファイルに収納したもの。計4冊でうち1冊を参考のため開いている。ご覧のとおりスペース的には1/4程度に収まりそうなので大いに助かる。それに、曲目を探すときにもこれまでのようにどこに直し込んだか戸惑うこともなさそうである。

何といってもモーツァルトのCDが一番多いので、最初に取り掛かったが、オペラを除いてファイル3冊に収まった。ヴァイオリン、ピアノ、管楽器ごとの大まかな分類で、ファイル1冊あたりおよそ30枚なので計90枚程度だが、ここ2~3年一度も聴いていないのが大半なのでこういうファイル形式の収納が我が家には似合っている。

次に取り掛かったのが、ブラームスのCD。そのうち半数以上が「ヴァイオリン協奏曲」
だった

これまで何枚所有しているか分からなかったが、ちょうどいい機会だと数えてみたら18枚あった。

演奏者を収納順に順次挙げてみると、

ワディム・レーピン、ヘンリク・シェリング、ヒラリー・ハーン、ヨハンナ・マルツィ、ヤッシャ・ハイフェッツ、アンネ・ゾフィー・ムター、アルテュール・グリュミオー、ジョコンダ・デ・ヴィトー(フリッチャイ指揮とフルトヴェングラー指揮の2枚)、ミシェル・オークレール、ダヴィド・オイストラフ(指揮者がそれぞれ別のもの6枚)、レオニード・コーガン、そして真打のジネット・ヌヴー(女性)。

ヌヴーの演奏に大感激したのが始まりで、とうとう病(やまい)嵩じてこれだけ集めてしまった。いろいろ当時の思い出が湧いてきて、こうなると作業そっちのけで久しぶりにヌヴーを聴きたくなった。

1948年のライブ録音、指揮はイッセルシュテット。

やっぱり、ヌヴーはいい!これを「神演」と言わずして何と言おうか。何を書いても月並みな表現になりそうで、こういう演奏こそ「筆舌に尽くし難し」という言葉がピッタリ。感動のあまりつい涙ぐんでしまった。以前とまったく同じで、まだ自分の「音楽マインド」は失われてなかったと、ひと安心。もっとも、ヌヴーに感動できない人はクラシック愛好家としてはモグリかもねえ。

ヌヴーほどのヴァイオリニストとなると、他のブログにも登場する機会が多い。たとえば無断で引用させてもらうと、

 昭和40年ごろに「盤鬼」と称された「西条卓夫」氏が、「芸術新潮」で新譜のレコード評を担当していたが、同曲目の新譜が出るたびに、最後に「ヌヴーにトドメをさす」と、付け加えていたのは有名な話。


☆ 
ヌヴーが30歳で事故死(飛行機墜落)していなかったら1950年代から1970年代にかけてのヴァイオリニストの序列はおろか、ヴァイオリン音楽のあり方も大きく変わっていたかもしれない。

 ヴァイオリンには女性奏者が多いがハイフェッツやオイストラフに伍する巨星は輩出されていない。ヴァニャフスキ国際コンクールで大差でヌヴー(優勝)に完敗を喫したオイストラフ(第二位)は「悪魔のような才能だ」と妻宛の手紙に書いた。ヌヴーこそ男勝りの気性で彼らを凌ぐことが出来た筈の唯一のヴァイオリニストだった。

☆ 五味康祐氏の名著「西方の音」(1969年刊)の中の記述(248頁)「ヌヴーの急逝以来、僕らは第一級のヴァイオリニストを持たない」とある。当然オイストラフ、ハイフェッツなどが健在だった頃の話で、今でこそ両者は巨匠の名をほしいままにしているが、当時はそれほどの位置づけではなかったのかもしれない。

「ブラームスのヴァイオリン協奏曲」でヌヴ-とくればオイストラフだが、前者を「剛」とすれば、オイストラフは「柔」。所有している6枚のうち、双璧はクレンペラー指揮とセル指揮のもので、いずれも甲乙つけがたし。

オイストラフは当時、ソ連邦の外貨稼ぎのため世界各地で客演していたが、あまりに酷使されたため旅行先で心臓まひで急死してしまった。現代の芸術家の扱いと比べると、ちょっと可哀想である。

さて、今日(5日)はいよいよ大物「ベートーヴェン」のCD収納にとりかかる。

温厚で内省的な作曲家ブラームスに言わせると「絶えずベートーヴェンのような巨人がうしろからのっし、のっしと歩いてくるのが聞える。その気持ちがどんなものか、君には見当もつかないだろう」(「音楽の名言・名句事典」より)。

そのベートーヴェンだが、交友関係にあったドイツの女流詩人にあてた手紙の中で「音楽は一切の知恵・一切の哲学よりもさらに高い啓示である・・・・・私の音楽の意味をつかみ得た人は、ほかの人々が引きずっているあらゆる悲惨から脱却するに相違ない」。(同)。

いかにもベートーヴェンらしい自信に満ち溢れた言葉だが、後期のピアノ・ソナタ「30番~32番」、交響曲第6番「田園」は「ブラームスのヴァイオリン協奏曲」並みの収集なので時間がかかりそうだ。あまり道草をくわないようにしよう。



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CDの整理

2012年11月03日 | 独り言

毎日、毎日がとても時間が足りないほど忙しい。

「音楽&オーディオ」をはじめ、ミステリーを読んだり録画したテレビ番組を観たり、そして「ブログの原稿作り」などが目白押しというわけだが、まあ、うれしい悲鳴である。

なるべく長生きしてこれらの趣味をずっと楽しみたいので、健康対策にはかなり気を遣っている。いろんな健康本や番組を通じて知識を仕入れているが、「王道」は周知のとおり日頃の「食生活」と「運動」のようである。

「食生活」は薄志弱行の徒なので、自分の意志に負けることが多いが「運動」だけはこまめにやっている。

モットーは、午前中はまだ体が本格的に目覚めていないので「軽いストレッチ」程度にとどめておくことにして、本格的な有酸素運動は午後に回している。

運動ジムでの「40分のエアロバイク」と1時間程度の「ゆったりウォーキング」を日ごとに入れ替えてやっている。

2日(金)は「ゆったりウォーキング」の日で、秋晴れの中で潮風に吹かれながら海岸線をぶらついたが、帰り道で「100円ショップ」を覗いてみた。いつも駐車場が一杯で車を停める隙間もないくらいなので丁度いい機会。

別にお目当ての商品があるわけでもなく、店内をひととおりぶらついたが、ふと目に留まったのが「CD・DVD50枚収納不織布ケース」

         

ホウ~、たったこれだけの厚さで50枚も収納できるとは、我が家のオーディオルーム(6m×7m)の整理整頓に大いに役立つなあと、咄嗟に閃いた。

「近いうち」に福岡からオーディオ4人組が来訪の予定なので、混雑・散乱を極めているオーディオルームを何とかしなくてはいけないという深層心理が働いたのだろう。

近年は、おおかた聴く曲目も限られてきて、スピーカーの横に置いているCDラックの中のCDもほとんどが無用の長物に化しつつある。これらが片付くとスペース的に大いに助かる。

それに、スピーカーから出た音がプラスティックに当たって跳ね返る響きは非常によろしくない。

知り合いのO市にお住いの神経質なマニアのEさんは、汚い音がするからとCDラックに厚い布をかけているくらいである。

「よし、思い切ってCDケースを廃棄して本体だけ両面不織布ケースに納めよう」と決心した。何といっても、100円なので助かる。とりあえず1個だけ買って試してみることに。

すぐに自宅に戻って作業開始。

          

作曲者名、曲名、演奏者名、そしてトラックナンバーまで書き込むのでかなりの手間である。すべて処理するのに少なくとも4日間くらいは必要だろう。

不要になったCDケースはとりあえず倉庫に保管し、解説が書き込まれたジャケットの方はすぐに引っ張り出しやすい様に別途考えてみることに。

今日(3日)は、開店時刻の10時になったらお店に駆け込んで、曲名などを書き込む大きめのラベル(貼り付け可能)と「不織布ケース」、それをまとめるファイルを追加して購入しよう。


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~JBL375のダイアフラム交換~最終回

2012年11月02日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

はじめに、記事全体が分かりやすい様に写真を再掲。

           

まず、強力な磁石が詰まっている本体の胴体に、ダイアフラム(以下、「フラム」)を取り付ける作業はどうにか終了。正対した2本のガイドピンに合わせてフラムを載せて本体との隙間がないことを確認して、8本の小さなネジを(フラムに)順次挿入して締めつけていった。

この時に使用したのが、事前に購入していた「プラステック・ドライバー」である。(写真再掲)

                            

金属製のドライバーだと、本体の強力な磁石に引きつけられて、ドライバーの先がフラムを突き破る恐れがある。しかし、この期待した7センチほどのドライバーは意外にもろかった。強化プラスティックとうたっているものの、ちょっと力を入れて締めるとあっさり破損。

先端がネジ穴に残ってしまい、慌てたがカッターナイフの先で削り取って無事取り除いた。締めるときに微妙な力加減が必要だと分かった。

けっして役に立たないということではないが、最後の力強い”ひと締め”だけは、やはり金属製ドライバ-に頼った方が無難のようである。ネジのスペアが4個付いていたので、再度付け直して、その要領で進めていった。

ネジ締めが終わると、いよいよ作業のポイントとなるフラムのターミナル箇所と配線材とのドッキング。

ここからの作業はとても一人では難しいのでお隣のご主人に声をかけて来てもらった。これまでにも、重たいスピーカーの上げ下ろしなどのときにいつも加勢してもらっている。70代半ばの方だがいつも気軽に一つ返事で来てくれるのでほんとうにありがたい。

近くの碁会所に通われるほどの、碁が大好きな方なのだが「(自分は)碁はまったく、たしなまない」ので相手をしてやれないのが残念。

こういうときに、カミさんが居てくれると助かるのだが、「家にじっとしているよりは仕事で外に出た方が面白い」という生粋の外交派だから困ったことだ。そのせいで、洗濯物の取り入れや昼食の支度と後始末、風呂の掃除と湯加減などのお鉢が回ってくる。

俺は主夫ではないぞ!(笑)

さて、すぐに来ていただいた「ご主人」に、説明もそこそこに写真左側の裏蓋を微妙に傾斜した角度で持っていただいて、ターミナル部分の2個ある小さなネジのうちの1本を外した。

アッ!

ここでハップニング。何と、小さなネジがフラムの内側にある強力な磁石に吸い取られて(フラムに)ピタッと張り付いた。

そ~っと、指先でつまんで(フラムから)引き剥がしたが貫通して穴は開かなかったものの、当たった個所に小さな凹みができてしまった。「いったい、何をやってんだ!」。

この程度なら音に物理的影響はないかもしれないが、心理的には「?」。

ドライバーの引きつけに囚われて、ネジまでもが吸い付けられることは思いもしなかった。それにしても恐ろしい吸引力。これだから素人はやってられないなあ~と、慨嘆。

とにもかくにも、どうにか難所を乗り切ってひとまず終了。お隣のご主人には丁重にお礼を申し上げて引き取ってもらった。

いよいよ「375」に小さな「蜂の巣」ホーンを取りつけて音出し。音声コードを接続して、アンプのスイッチをオン。

アレッ、左チャンネルはいいものの右チャンネルからまったく音が出ない。ヤレヤレ、またやり直しかよ~。

ため息をつきながら再度、開けてみると何と配線材のターミナル部分のハンダが外れていた。これじゃあ、音が出ない筈だわなあ。俗にいう「いもハンダ」である。自分の不器用さに思わず腹が立ってくる。

「何回もスミマセン」と、恐縮しながら再び隣のご主人に来てもらって再度、作業のやり直し。

これでひとまず終了して、今度は大丈夫だろうと、音出しを試してみるものの、これまた「サッパリ」音が出ない。

おかしいなあ!どうも原因が思い当たらない。もしかしてオークションで落札したダイアフラムに原因があるのかもしれない。

とうとう匙(さじ)を投げてしまった。

以前、「AXIOM80」を2回修繕してもらったことがある岡山のSP修理専門店に泣き付いて27日(土)に送付。

そういうわけで現在、結果待ちの状況である。昨日(1日)の午後、電話を入れてみたらまだ順番待ちの状態だった。「原因は大体わかってます」とは、店主の言葉だが、商売繁盛でまことにご同慶の至り。

オーディオ機器のうちスピーカーだけは昔からそれほど原理も変わっておらず、むしろ強力なマグネットを使っているせいで性能がいい。修繕しいしい、愛着を持って使っている人が多いのだろう。

今回の教訓だが「ダイアフラム」の交換は、やはり専門家か専門店に任せた方が無難のようだ。
 


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