「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「エフゲニー・キーシン」のピアノ・リサイタル

2014年04月29日 | 音楽談義

先週の土曜日(26日)、「エフゲニー・キーシン」のピアノ・リサイタル(福岡アクロスホール)に行ってきた。

福岡に単身赴任中の娘が招待してくれたもので「いつも母親には宝塚観劇でサービスしているのでたまには父親も」ということらしい。そこそこの演奏者なら自宅のシステムできいていた方がマシだと思っているが、キーシンともなると話はまったく別で、喜び勇んで出かけた。

ちょっと“おもはゆい”が証拠写真ということでパチリ。家族の写真は昨年(2013)の7月14日付でupして以来9か月ぶり。

      

午後3時からの開演でプログラムは第一部がシューベルトの「ピアノ・ソナタ17番」、第二部がスクリャービンの「ピアノ・ソナタ2番」と練習曲集だった。

いずれも馴染みのない曲目だが中央15列目という比較的ピアノに近い場所だったので日頃滅多に聴けない生の音に大きな期待を寄せた。

ほぼ満席の中、定刻5分遅れで比較的小柄なキーシンのご登場。

ところが、どうもピアノの響きが思っていたほどではない。辺りを睥睨するようなグ~ンと伸びた豊かな低音域がきこえてこない。“こんなものかな”と幾分ガッカリしたが、演奏のほうはさすがにキーシン、十分堪能できるもので、とりわけ抒情性豊かな4楽章にはついウットリさせられた。

第一部(およそ50分)が済んで20分間の休憩となったところ、年配の調律士さんとおぼしき方が舞台に登場してピアノに歩み寄り、やおら調律を始めた。アレッ、普通、幕間に調律なんてやるのかな?憶測だがもしかしてキーシンがピアノの響きに違和感を覚えて注文を付けたのかもしれない。

はたして、第二部になったところピアノの響きが圧倒的に違うのである。オーケストラに匹敵するといっても過言ではないほどの、これぞグランド・ピアノの音!スクリャービンの音楽にはあまり馴染めなかったものの圧巻はアンコールの3曲。

                   

盛大な拍手に迎えられての1曲目のバッハ「シチリアーノ」はたしか手持ちのCDの中にも収録されている曲目でおそらくご本人のお気に入りなのだろう。

最後のリストの曲目が終わると、圧倒的なテクニックの前に観衆が総立ちになってブラボー。自分も思わず立ち上がって、拍手しながら「やっぱりキーシンは凄い」と唸った。いやあ、満足、満足。今日は記憶に残る貴重な一日となった。

娘が顛末を「フェイスブック」に載せたところ、長兄の甥っ子から「おじさんには最高の贈り物ですね」とコメントが寄せられたそうでやはり分かっている(笑)。

興奮冷めやらぬままに、市内の実姉の所に行っていた家内と落ち合って娘のマンションで一泊し、翌日の昼ごろに自宅に到着。急いでキーシンのCDをかき集めてみた。

ボックス型のCD全集が4巻(全16枚)。

          

ブログを作りながらの“ながらきき”もこの1か月ほどで「バッロク全集」(60枚)、「ドビュッシー、ラヴェル全集」(8枚組)が済んだところなので、これからはキーシンをきくことにしよう。

それにしても、以前から待望しているのだがキーシンほどのピアニストがなぜモーツァルトの「ピアノ・ソナタ全曲」を録音しないのだろうか。もしかするとテクニックに加えて何らかのサムシングを要するモーツァルトの演奏に逡巡しているのではあるまいか。

先日の「ブログを作りながらの音楽鑑賞」(4月22日付)の中で触れたが「吉田秀和 全集第5巻」の中でカール・ベーム(指揮者)が、いみじくも次のように述懐していた。

「年をとればとるほど、モーツァルトは難しくなる。フィガロのあの音、魔笛のこの音がどうしてこうであってああでないのかと考え出すと、ますますわからなくなる。モーツァルトの演奏は本当に大変なんだ」(395頁)。

若いときに(といってもキーシンは当年43歳だが)アッケラカンと勢いに任せて(モーツァルトを)弾くのも一興だと思うがいかが。

それにベートーヴェンのピアノ・ソナタの中でもっとも深遠とされる「第32番:作品111」にもぜひ挑戦してもらいたい。ショパンなんぞは、もう弾かなくていいから(笑)。
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うらやましい!

2014年04月26日 | 独り言

先般、「蟹江敬三」という役者さんが病気で亡くなった。まだ60代なのでちょっと“お迎え”が早過ぎる!合掌。

どちらかといえば貴重な“バイプレイヤー”として活躍しており、“ああそういえば”とご存知の方もいることだろう。

                            

先日のテレビの特集で生前の面影を放映していたので何の気なしに観ていたところ、ご本人が次のようなことを仰っていた。

「小さい頃からそれはもう内気で人前に出ることはおろか、友達との会話もままならないくらいでした。ところが小学校の学芸会のときに無理矢理、主役をやらされて仕方なく演じたところ、大勢の人から一身に注目を浴びる感覚がこんなに快感をもたらすものかと急に目覚めてしまいました。これが役者になった動機です。」

いやあ、実にうらやましい!

どうやら人間には二つのタイプがあるように思う。人の注目を浴びるのがとても快感な人と、それが苦手な人。もちろん自分は後者である。シャイな性格なので少なくとも「スポットライト」を浴びて張り切るタイプではない。

はたしてどちらが長い人生で得をするか、それはもう言わずもがなだろう(笑)。

前者には、特徴として上昇志向が強いという側面があるが、これは生きていくうえで欠かせないエネルギーである。職業でいえば政治家、芸能人、マスメディアに携わる人たちなどがストレートに該当しそうだが、大なり小なりいろんな組織や職業でも似たようなタイプがいる(笑)。

先日、県立図書館で大学時代の同じ専攻科の1年先輩に偶然お会いしたのでひとしきり旧職場の知人たちの噂話をしたが、退職後に厳しい選挙戦を経て地方自治体の首長になった人たちが数人いる。

「そういえば(そういう人たちは)在職中からとても上昇志向が強かったなあ、それにひきかえ俺たちは・・・」なんて二人で笑い合ったことだった。

ただし、先輩の前では口にしなかったが内心では「せっかくリタイアしたのに何をすき好んで、忙しいことに手を染めるんだろう。ようやく手にした自由な時間で好きなことに没頭できるのに何とももったいない限り。いい歳をして今さら地位も名誉も“お金”も要るまいに。」というのが本音。

もっとも、「元気なうちにもっと世の中のお役に立ちたい」という純粋な動機があるやもしれず、もしそうなら“その意気や壮とすべし”で、いちがいには否定できないが。

さて、このまま何ら脚光を浴びることもなく、そしてさしたる業績を刻むことなく、人の記憶に残らないまま自然消滅していくのが分かりきったような人生も、よく考えてみると何だか虚しくないこともない。

アッ、そういえばブログがある!

始めてから8年余り、投稿した記事の数も今や1154件に上る。幸いなことにおかげさまで応募している3つのランキングもいずれも上位にあって、同時に1位になったことが3度ほどある。アクセス数だってかなりいい線をいっているし、これらはもしかして永遠ともいえる足跡をネット上に刻むのではあるまいか。

このことを我が家の「猛虎=寅年生まれの雌」にうっかり口を滑らしたところ、ひどい目にあってしまった。

ちなみにこの人は我がブログにはいっさい目を通さないし、また、娘も母親似のためか人の注目を浴びるのが大好きで上昇志向が強いタイプ!

「な~にがですか!顔の見えない、しかも一銭の得にもならないブログなんてそんなものは当てになりません。試しに1か月ぐらい無投稿を続けてごらんなさい。誰も見る人がいなくなってすぐに忘却の彼方にいってしまいます!」

いやあ、ごもっとも!(笑)
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「故障した?」真空管

2014年04月25日 | オーディオ談義

去る3月の初旬、あまりの音の良さに「刻印付き」(1940年代製造)の「2A3」真空管を東京のオーディオショップ「〇〇堂」さんから3ペア(6本)購入したことをブログで記しておいた。

そのうちの4本(残る2本はスペア)をそれぞれ2本づつ、JBLの375ドライバー用の「2A3・2号機」に、「AXIOM80」(自作エンクロージャー)用の「2A3・1号機」に使用していたところ、1か月が過ぎたあたりから「375」の左チャンネルからノイズが発生しだした。それも、言葉ではとても表現しようのないようなノイズ。

それがおかしいことに、日によって出たり、出なかったりで常時発生するのではないので始末が悪い。音声信号の流れに沿って上流からバッファーアンプの球「6SL7」、プリアンプの球「6DJ8=6922」、パワーアンプの初段管「6SL7」と順次つぶして(左右入れ替えて)いったところ、ようやく最後の出力管に原因があることをつきとめた。

安価なミニチュア管ではなくて一番高価な出力管に原因があったことにガックリ。それにしてもまだ使用してからたった1か月あまり、あまりにも早い故障にどうも納得がいかない。

とはいえ、およそ70年前の製品、そしてヨーロッパ系の真空管は「音はいいが耐久性に一抹の不安がある」との噂はちゃんと耳に届いている。

真空管は消耗品だし、1か月も経っているしと、半ばあきらめ気味にダメ元を承知で購入した「〇〇堂」さんに次のようなメールを送ってみた。

「1か月ほど前に、〇〇の2A3真空管を3ペア購入した別府市の〇〇です。じつは、新品同様品として購入した中の1本が、使っていますと途中でノイズが発生します。一旦、アンプのスイッチを切って、再度スイッチを入れるとノイズが収まります。

しかし、また時間が経過しますと不定期にノイズが出ます。使用時間もほとんどごく短時間ですので当初からの不良品だと思います。この1本だけ交換とはいきませんでしょうか。銘柄の〇〇が無ければ、ほかの同等品の2A3でもいいのですが。ご返事お待ちします。」

すると、すぐに次のようなメールが返ってきた。

「いつもお世話になっています。〇〇堂の〇〇です。ご連絡いただき、ありがとうございます。当方では、チューブチェッカーのみの動作確認で販売しています。実用機に差してのチェックはしていません。(他のところでも同じだと思いますが・・・) 

しかし、〇〇様には3ペアもの2A3をご購入いただいていますので、今回のみ、ノイズが出ている1本だけ交換させていただきます。〇〇以外のメーカーでも良いとのことですので、十分に良いものを選んで発送します。品物が着きましたら、動作確認をされ、これで良いというのであれば、不良品の真空管をご返送ください。今後とも宜しくお願いします。」

いやあ、チャレンジはしてみるもので思わぬ朗報にニッコリ。さっそく同じ「刻印付き2A3」を愛用されており、この〇〇堂さんを紹介してくれたオーディオ仲間のKさん(福岡)にご注進。

すると、「それは普通ではとても出来ない相談ですよ~。〇〇堂さんはお客さんをとても大事にするところのようですね。都内でもお客さんとの息の長い取引が多いときいてます。」

これを踏まえて次のメールを発信。
 

「たいへん勝手な申し入れでしたが、誠意あるご対応に感謝します。それでは待たせていただきます。」

そして、20日(日)の午前中に代替品の真空管が無事到着。ところが、その間別のアンプに挿していた刻印付きの該当真空管の(故障の)症状がいっさい見受けられないのである。どうやらアンプとの相性があるようだ。

そこで、とうとう次の様なメールを出す羽目になってしまった。

「真空管無事到着しました。実は、雑音のあった2A3ですが別の2A3アンプに挿したところ、3日経っても異常がありません。アンプとの相性があるのかもしれません。したがって、今回送付していただいた分は折角ですから購入したいと思ってます。代金と振込口座を改めて教えてください。」

ヤレ、ヤレ、とうとう余分な出費となってしまった。はたして結果的に良かったのかどうか、今でも思案中「?」(笑)
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブログを作りながらの音楽鑑賞

2014年04月22日 | 音楽談義

去る3月29日付けのブログ「文学は音楽に敵わない」の中で、「永遠のゼロ」「海賊とよばれた男」などのベストセラー作家「百田尚樹」さんが大のクラシック・ファンで執筆中にも音楽をかけ流していることを記しておいた。

実は、それ以降、自分も百田さんにならってこの3週間あまりブログを作っている時間(早朝)にクラシックをずっとかけ流している。これまではテレビを聞きながらだったが、つい興味を引かれるニュースがあったりして集中できないことがあったが、クラシックだとどうやら思考が中断しなくて済むようだ。

そのかけ流したクラシックだが、それは3年ほど前に購入しておいたボックスタイプの「バロック・マスターピース」。

               

何せ60枚セットのものなのでその量に気圧されてずっと聴く機会がないままに放置していたものだが、この際とばかりBGM風に鳴らしてみた。

平均するとブログの作成時間は2時間前後(長すぎるかな?)なのでおよそ1件あたり2~3枚は消化できる計算になるが、そのとおりこの3週間あまりですべてを聴き終えた。

「バロック音楽」とは、音楽様式・時代様式だけでなく、むしろ音楽史上の年代を指すものとしても広く受け入れられているとネットにあった。

鑑賞後の個人的な感想だが「総じて聞き流すのにはいいが、己の士気を鼓舞してくれてずっとあとに残る音楽ではない」というのが印象だった。この60枚の中ではバッハの曲が22枚もあったが、やはり相変わらずでバッハの音楽そのものからして「?」。

クラシック音楽は煎じ詰めるとバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンの3人に尽きると言われているが、昔からバッハだけは苦手で、実に不幸なことだがこればかりはもう相性が悪いとしか言いようがない。

だが、待てよ~。

開き直るわけではないが、そういえばバッハとモーツァルトを両方愛好している人ってどれくらいいるんだろう?素人考えだが両者の音楽は曲風がまるっきり違うように思う。

こんなことを書くと「俺はバッハもモーツァルトも好きだぞ~」という方が大勢いるかもしれない。だがしかし、バッハはともかく問題は「モーツァルトが好き」のその中身である。

稀代の天才モーツァルトの作品にもいろいろあって、35年という短い生涯(1791年没)にもかかわらずその作品数は実に600曲以上にも上る。それこそ名曲の宝庫といってもいいくらいだが、30年以上もひたすらモーツァルトを聴き込んできた結果から言わせてもらうと、彼の真価は間違いなくオペラにある。

それも「ドン・ジョバンニ」、「フィガロの結婚」でもいいのだが、やはり「魔笛」が一頭地を抜いている。「魔笛」にはモーツァルトの音楽のすべてが込められているといっても過言ではない。

そこで、実はここ20年ほど、音楽評論家をはじめモーツァルトファンと称する方々の「ホンモノ度」を図る目安として、秘かに用いているのが「魔笛への傾倒度」。

たとえば、モーツァルトに関して偉そうなことを言ったり書いたりしている音楽評論家が「魔笛」にお熱を上げていないときは「この人は分かっていないのでアウト」といった具合(笑)。


というわけで、いささか我田引水気味だが、改めてバッハの音楽とモーツァルトの「魔笛」を両方こよなく愛好している方々はいったい世間にどのくらいおられるんだろう?

自分が知っている範囲ですぐに思い浮かぶのは作家の五味康祐さん、そして前述した百田尚樹さんぐらいで、極めて少ない。

ここで、まことに畏れ多いがかのご高名な音楽評論家の「吉田秀和」さん(故人)を引き合いに出してみよう。実は以前から疑問に思っていたことがある。

はたして吉田秀和さんはモーツァルトの評論に関して「ホンモノ」だったのだろうか。どうもいろんな著作を拝見しても巧妙に「魔笛」の論評を避けておられるように思えて仕方がなかったからである。

そこで、念のためこの20日(日)にわざわざ県立図書館まで調べに行ってみた。いくらブログとはいえ、不特定多数の目に触れるのであまり無責任なことは書けない。まあ、性格的に結構“しつこいタチ”なのも影響している(笑)。

書庫にズラリと並んだ「吉田秀和全集」を1冊づつ手に取って目次を確認していったところ、第5巻にようやく「魔笛」の項目があった。

                        

さっそく借りてきて該当の387~396頁を熟読した。要約してみると、

「レコードでオペラの全曲をきき通すのは楽ではない。だから私はこれまでそういう仕事をやったことがなかった。ところが必要があって、三組の魔笛のレコードをきく羽目になった。その聴後感を書くことにする。」

から始まって、ショルティ指揮、ズイトナー指揮、ベーム指揮の「魔笛」について詳しい解説が為されている。いずれも手元にある盤なのでそれぞれの演奏内容は熟知しているが、さすがに当方が気が付かないことを指摘されていた。

たとえばショルティの「ことさらに白黒をはっきりつけたがり、大見得を切るクセがある」、ズイトナーの「ドイツの伝統を踏まえた緻密な演奏スタイル」、ベームの「ひたすら楽譜に忠実になるあまりの味気なさ」など、成る程と思えることばかり。

そして肝心の「魔笛」についての論評は次のとおり。

「何たる音楽だろう!!この音楽をきいて胸を打たれない人は音楽を必要としない人だ。こんなに美しくて、 しかも冷たい水が歯にしみるように胸にしみてくる音楽はほかにない。~中略~。すべての一つ一つが何の作為もなしに透明な矢のように私たちの胸に真っすぐに走ってくる。

この音楽は私にはほとんど涙なしにはきき終えられないものだが、さてその涙は悲しみから生まれたのか、それとも喜びからのものかときかれてもわかったためしがない。こういう芸術が、こういう世界があるのを知るのが、私にとってうれしいからか、それがあるからこそ悲しいのか。とにかく魔笛の浄らかな響き、金色に映える歌のかずかずの美しさというものは、数あるモーツァルトの傑作の中でも、また無類のものである。」

脱帽です!吉田秀和さん、素養を疑ってたいへん申し訳ありませんでした(笑)。

それにしても、こうやって書き写してみて分かったのだが、吉田さんはあえて漢字をできるだけ使わないように配慮してあることが分かった。たとえば音楽・オーディオ関係の記述には欠かせない「聴く」は「きく」、「胸に沁みる」は「しみる」といった具合。音楽評論には柔らかい雰囲気が必要とのことからだろうと思料する。

自分もこれから「聴く」は「きく」にしようかなあ(笑)。

さて、標題からずいぶんハズレてしまったので戻ろう。

バロック全集の“ながらきき”が済んだので、現在は「ドビュッシー・ラヴェル」(ジョン・マルチノン指揮)全集の8枚組に挑戦中。このブログをかき終えた時点で早くも2枚完了で~す(笑)。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

百見は一聴に如かず

2014年04月20日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

「百聞は一見に如かず」という言葉がある。中国の「漢書」に出てくるほどの由緒ある諺で、周知のとおり「何度も聞くより一度実際に自分の目で見る方が優る」(広辞苑)という意味だが、これをもじって「百見は一聴に如かず」という言葉が今回(13日)の試聴会のときにふと思い浮かんだ。

以下、その理由を説明してみよう。

このブログを始めてから8年余が経過した。ただ継続だけが取り柄のブログだが、おかげさまでアクセス数が順調に伸びて、この1週間で1日当たりの訪問者数が平均「800IP以上」、閲覧数が「2000PV以上」と、開設以来最高の盛況ぶり。目標の「1日当たり訪問者数1000IP」の大台もどうやら視野に入ってきつつある。

おそらく読者の大半の方々は全国津々浦々のオーディオマニアだと思うが、いつも(聴覚を使うことなく)ただ視覚だけを使って内容をご覧になっている。

しかし、他のブログならいざ知らず、オーディオのブログなんだからホントは実際に我が家の音を一度でも試聴していただければ、(音のいい悪いは別にして)もっと内容の真意が伝わりやすいのにといつも切歯扼腕しているのが偽らざるところ。

何といっても「音楽&オーディオ」は現実に“聴いて何ぼ”の世界であり、音楽や音を文章で表現するのは限界があることをいつも痛感している。

別の言い方をすれば「この人、自慢めいたことを交えて臆面もなく、さも自宅の音がいかにも“いい音”のように書き連ねているが、はたしてホントかいな?」と半信半疑の方が多いのではなかろうか(笑)。

そもそも電気回路を通して出す音にはまだ未解明の事柄が多いのでシステムの編成に当たっては多大のノウハウを要する。まず公式どおりにはいかない。したがって、どんなに偉そうなことを言ったり、書いたりしていても「自宅の音がサッパリ」では、いっさいの説得力を失うのはマニアならご存知のとおり。何といってもオーディオは理屈よりも実際に出てくる音が勝負ですからねえ(笑)。

そこで「百見は一聴に如かず」という冒頭の言葉の登場となる。

実は今回の試聴会で格好の実例が生じたのである。

13日(日)の午後に福岡から我が家にお見えになったお客さんたちの第一声は「想像はしていましたがAXIOM80がこれほどの音とは思いませんでした。実際に聴いてみないと分からないものですねえ!」

そうでしょう!!

しかし、正直言ってうれしかった(笑)。メチャ気難しいユニットでうまく鳴らすのに随分手こずったが、これまでの苦労(?)が一気に吹き飛んだ感じ。いろいろな欠点、たとえば音響空間のスケール感の物足りなさなどが指摘されるユニットだが、ことボーカルやヴァイオロン・ソロなどについては独特の雰囲気感を醸し出すことをご理解していただけたようだ。

ま、外交辞令も幾分あるかもしれない。GさんとNさんはこのブログの愛読者とのことなので、これをご覧になって「真意ではない」と思ったら遠慮なく連絡をしてくださいな。すぐに訂正・削除しま~す(笑)。

さて、3名の方々ともにジャズ・ファンだったので最初にかけたのは「エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロング」。システムの方は「WE300Bアンプ(モノ×2台)+AXIOM80(オリジナル・エンクロージャー)」だった。ふり返ってみると、「ジャズの真髄」ともいうべきこの盤が本日の試聴会の大宗を決めたような気がしている。

         

ほかのCDについては持参されたものを手当たり次第にかけまくったが、途中から「JBL3ウェイ・マルチ・システム」に切り替えたところ、“どなたか”から「やはりこちらの方がメイン・システムですね。」との声が上がった。

ごもっともな指摘だと思う。大編成のオーケストラやどんなジャンルにも幅広く対応できるという面からするとこちらのシステムの方が上だろう。ま、それだけうまく鳴っているということもある。

このJBLシステムは「AXIOM80」以上に苦労したが、ようやく陽の目を見てどうやら人に聴かせられるような音になったようだ。たかが、コンデンサー“一発(10μF)”を「375」に噛ませただけでこんなに変わるのだからオーディオは怖い。

「これだけの真空管アンプを使っているのにいっさいノイズが出ないのには感心しました」。

そういえば、3系統のシステムでプリ、パワーなど合わせて9台の真空管アンプを使っているが、うち8台は奈良のMさんの手になるもので、日頃聴いているときは(ノイズが出ないのは)当たり前だと思っていたが、こういうご意見を賜ると改めてその“手練れ”ぶりに感謝です!

1952年製(オールド)と1988年製のWE300B真空管、そしてPX25真空管の「ナス管」と「ドーム管」の聴き比べなどをしながら、「“完熟”と“もぎ立て”の違い」などワイワイガヤガヤと“かまびすしく”3時間ほどがあっという間に過ぎた。

「こういう音を聴くとオーディオ熱に再び火が付きそうです」とのありがたい言葉を残して帰途につかれた皆さん。

翌日になってNさんからのご連絡によると、雨のため濃霧となり高速道が不通になって一般道を帰られたとのこと。随分夜遅くなったようだが、何よりご無事でよかった~。

オーディオの最大の楽しみ、それは“仲間との語らい”だと、しみじみ思った試聴会だった。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハイリスク ハイリターン

2014年04月19日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

「二歩前進、一歩後退」という感じだが、我が家の音はお客さんが試聴に見えるたびに良くなっているように思う。今回も13日(日)の試聴会に向けて準備怠りなかったが、最後に残ったのが次のポイント。

再掲してみると以下のとおりだが、ほんとうはこんなマニアックなことを書くのは気が進まないのだが後日のため記録しておくことにした。

1 
サブウーファーのクロスオーバーを現在の300ヘルツからさらに高域方向に上げて、もっと中低音域を厚めにする。サブウーファーがちょっとブーミーになっているので背圧を逃がす穴を塞いで密閉にする。

 JBL3ウェイシステムのうち、中音域の375ドライバーのローカットの周波数をメーカー指定の500ヘルツからもっと下方に落とす。小出力の真空管アンプ(刻印付き2A3シングルの3ワット程度)で駆動しているので思い切って300ヘルツくらいまで落としてみる。そうするとウーファー(D130)との繋がりがもっと良くなるはず。

まずの作業について。

現在、サブウーファーのハイカットの周波数は「2.7mh(ミリヘンリー)」と「1.5mh」の2個の銅箔コイルを直列に結線して計4,2mh。見合う周波数はおよそ300ヘルツ(以下、すべて6db/oct:8Ω負荷)。これをもっと上方に伸ばすとして、はたしてどちらのコイルを選択したらいいのだろうか?

「クロスオーバーネットワーク早見表」によると、2.7mhのときはおよそ450ヘルツ、1.5mhのときはおよそ850ヘルツのハイカットとなる。えらい違いである!こうなると実際に結線して両方のケースを比較試聴してみる以外に方法はない。

さっそく「半田ごて」の出番となって結線完了。SPコードにメチャ細い銅線(単線)を使っているので実に作業がやりやすい。

          

Aさんと一緒に両方を聴き比べた結果、「1.5mh=850ヘルツ」の方がベターだった。こんなにカットする周波数を高域方向に上げても「AXIOM80」(ローカットなし)との繋がりに違和感がないのだからサブウーファーユニット「SLE-20W」のクセのない素直な音と相性の良さに驚く。「AXIOM80」の繊細さに中低音域の厚みが加わったのだからこれで「鬼に金棒」かな(笑)。

次にの作業について。

はじめに我が家のJBL3ウェイシステムのネットワークの現状を記しておこう。

ウーファー(D130)はハイカット500ヘルツ(12db/oct)、中音域(375ドライバー)はローカット450ヘルツ(6db/oct)、ハイカット7000ヘルツ(6db/oct)、高音域(075ツィーター)はローカット7000ヘルツ(6db/oct)。

今回は
中音域を担当している375のローカット周波数を見直そうという魂胆である。メーカー(JBL)の指定は500ヘルツまでとなっているが、かなり低音域まで伸ばしてやっても大丈夫のようだ。もちろんトランジスターアンプで駆動するのは危険だが、真空管アンプ、それもたかだか3ワット程度の小出力なので安全圏だろうと勝手に決めつけた。

オーディオはいつも平穏無事の安全運転ばかりでは刺激に乏しい。たまには「虎穴に入らずんば虎子を得ず=ハイリスク ハイリターン」にもチャレンジしてみよう(笑)。

そこで倉庫に保管していたオイル・コンデンサー(ウェスタン製:10μF)を追加してみることにした。これで既存の22μFと合わせると32μFとなりこれに見合う周波数はおよそ300ヘルツ。したがって450ヘルツから300ヘルツまで低音域に深く食い込んだことになる。ただし、これは理論上の話で、実際にはインピーダンス(16Ω)は刻々と変化するので一応の目安に過ぎない。

             

マイカ・コンデンサーを介してコンデンサー同士の結線完了。ここでも半田ごてが活躍。これで試聴してみると、3ウェイシステムがまるでフルレンジみたいな鳴り方に近くなった。いやあ、満足、満足。

ところで、これは余談になるがスピーカー・ネットワークの編成はオーディオの醍醐味の一つだが、この作業ほどマニアの性向を浮き彫りにするものはない。

分かりやすいように具体的な事例を挙げると、低音域と中高音域を1000ヘルツでクロスさせる場合に(タンノイ・システムがそうだが)、たとえばウーファー側は800ヘルツあたりをコイルでハイカットし、中音域側は1200ヘルツあたりをコンデンサーでローカットして薄目にクロスさせることで「見通しのいい音」を狙うタイプと、一方ではウーファー側を1200ヘルツでハイカットし、中音域側を900ヘルツでローカットして厚めにクロスさせることで、「分厚くてズッシリと重たい音」を好むタイプとがある。もちろんいい悪いは別の話。

今回アドバイスをいただいたAさんは典型的な後者のタイプで、徹底的に音のディップ(音の谷間)を嫌う方。ご自宅の音(ウェスタン555システム、ヴァイタボックスのCN191クリプッシュ・コーナー・ホーン、JBL4ウェイシステム)がすべて分厚い音なのが証明している。

自分はといえば、どちらかというと“蒲柳の質”が好みなので前者の薄目のタイプに属するが、今回に限っては厚めの方がベターだった。こればかりは実際にやってみないと分からない。

とにかくスピーカー・ネットワークに手を染めることで自由自在に音づくりが出来るので、これほど面白いものはない。市販の既成のスピーカーばかり使う人にはまったく縁のない話だが、こんな楽しみを知らないままに過ごすなんて実にもったいない(笑)。

さて、泥縄式だったがこの態勢で13日(日)にお客さんたちをお迎えしたところ、予想以上のご感想がいただけたのは実にうれしかった。

以下、続く。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

事前準備

2014年04月17日 | オーディオ談義

去る13日(日)の午後、春雨が降りそぼる中、福岡からお客さんが試聴に来てくれた。

Gさん、Nさん、Uさんの3名(アルファベット順)でNさんとUさん
は一度我が家にお見えになったことがあるが、それも10年以上も前のこと。Gさんは始めてのご来訪。いずれも同世代の年季の入ったマニアで「オーディオ=命」みたいな人たちばかり。当然のことながらお耳の方も一筋縄ではいかない(笑)。

昨年の秋にGさんとNさん宅をご訪問して素晴らしい音を聴かせていただいたが、そのときに「今度はAXIOM80を聴かせてくださいよ」と言われていたので、それがようやく実現の運びになったというわけ。

今回も5日(土)の試聴会のときのようにシステムの事前準備に余念がなかった。

「お前はお客さんが見えるたびにジタバタするなあ」と、言われそうだが「オーディオに血道をあげて40年以上にもなるのに、この程度の音か!」と、思われるのが癪の種だし、それに「音=美的センス」を疑われるのも悔しい。まあ
ええ恰好しい”がそもそもの動機かもしれない(笑)。

いずれにしても、お客さんが見えるたびに工夫してシステムになんらかの手を加えているが、今回はつい最近のブログに記したように「AXIM80」システムへの「サブウーファー」の追加がメイン。

                 

しかし、自分の耳の場合は「独断と偏見」という危険を大いに孕んでいるので、前日の12日(土)に気心の知れたオーディオ仲間のAさん(湯布院)に来てもらって一緒に試聴してもらった。およそ1カ月ぶりくらいのご来訪だが、ワディアのCDトランスポートを修繕して戻ってきてからは初めての試聴。

テスト盤はベートーヴェンの「弦楽四重奏曲第14番作品131」(アルバン・ベルク四重奏団)。完成度の高さからベートーヴェンの長い創作活動の中で間違いなく頂点に位置するこの名曲が音楽として鑑賞できればそれでいいという気持ちだった。

全楽章(切れ目なしの7楽章)を試聴してからのAさんの忌憚のないご意見は次のとおりだった。

1 当日の試聴会のCDトランスポートは「ワディア270」をメインにした方がいいと思います。ピックアップを交換したせいでしょうか、以前とは段違いに良くなってます。素晴らしい音像定位ですね。それに非常にクオリティが高くて目を見張るような美しさです。こんな音はちょっと出せませんよ。

 サ
ブウーファーの使用にまったく違和感はありません。むしろクロスオーバーを現在の300ヘルツからさらに高い方に上げてはいかがでしょう。もっと中低音域を厚めにしたほうがいいと思います。それに銅箔コイルの使用を2個から1個にするメリットもありますよ。コイルとコンデンサーの使用は少ないに越したことはありません。なお、サブウーファーがちょっとブーミーになりがちですから背圧を逃がす穴を塞いで密閉にした方がいいでしょう。

 JBL3ウェイシステムですが、中音域の375ドライバーのローカットの周波数をメーカー指定の500ヘルツからもっと低域方向に落とした方がいいと思います。375は非常に丈夫に出来てます。小出力の真空管アンプ(刻印付き2A3シングルの3ワット程度)で駆動していますから300ヘルツくらいまで落としても大丈夫でしょう。そうするとウーファー(D130)との繋がりがもっと良くなるはずです。

まことに“ごもっとも”で、いつものことながらAさんのご指摘は実に鋭い。1はともかく、2と3は絶対に自分だけでは湧いてこない発想だった。簡単な手直しで済むので、さっそくAさんの目前で作業に取り掛かった。

以下、続く。
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

嘘ばっかり!

2014年04月15日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

これまで愛用してきたCDトランスポート「ワディア270」(以下「270」)だが、ピックアアップの交換などのオーバーホールを経て、このほど戻ってきたもののどうも期待したような性能を発揮してくれない。

          

とうとう
困り果てて、念のためDAコンバーターとの接続ケーブルを「STケーブル」(光)からバランスケーブル(XLRコネクター)に替えたところ見違えるような音質になった所まで前回に記載していた。

この接続コードによってどこがどう変わったかというと、まず音の瑞々しさが段違い。それにステージの再現性が秀逸で、演奏者がそれぞれの位置でピタリと定位する。ボーカルのときも歌手がすっくとスピーカーの中央に屹立(きつりつ)して(歌手の)口もけっして大きくならない。音響空間の響きも実に好ましい。

一言でいって「音の佇まい」が抜群。DAコンバーター(ワディア27iXVer.3.0)との同じ「ワディア」同士の組み合わせとクロック・リンクの強みがいかんなく発揮された印象を受ける。

こういう点になるとさすがの「ラ・スカラ」もDAコンバーターとの相性があるのだろうが、ここまでの演出力は無い。音の豊かさという点では目を見張るものがあるが、全体の統制力にやや欠ける面がある。音楽を聴く道具としてオーディオを考えると「音の佇まい」の方を優先したくなる。まるで「音楽をとるか、音をとるか」二者択一とはこのことだ。

面白いことに気が付いた。「270」はメチャ「AXIOM80」システムと相性がよく、その一方「ラ・スカラ」はJBL3ウェイシステムとの相性が実にいい。前者はフルレンジの強みで「音の佇まい」に優れ、後者は「響きの豊かさ」で一日の長がある。こりゃ、やっぱり二つ要る(笑)。

ちなみに、「ラ・スカラ」とDAコンバーターとの接続はBNCケーブル(入力4)で一応の解決をみた。

それにしても、バランスケーブルへの交換でようやく「270」が真価を発揮してくれたが、修繕に出す前と後とで確実に大きな差が感じられた。

「ピックアップ」の交換は実に効験あらたかで、読者の皆様も使用頻度にもよるが数年に一度は「ピックアップ」の交換を検討することをぜひお薦めしたい。いきなり音が悪くなると誰でも気付くものだが、段々と劣化していくときは次第に耳が慣れてくるのでそのまま放置する傾向がある。要注意である。

それともう一つ。アナログ機器ならともかく、デジタル機器同士を繋ぐときの接続ケーブルは機器の生死を左右するほどのキーポイントである。

ただし、メーカーの説明を真に受けると、とんでもない目に合うのであくまでも自分の耳が頼りである。実は「270」の取説(5頁)にはこうある。

「本機は今日のデジタル・オーディオにおいて高品位な伝送方式と考えられるフォーマットをすべてサポートしておりますが、付属のSTタイプ・グラスオプチカル・ケーブル、もしくは市販の最高級をご使用いただくようお勧めいたします。
当社の経験からデジタル・インターフェースを性能の高い順に列挙すると以下のようになります。

1 STタイプ・グラスオプチカル・コネクター

2 AES/EBL規格XLRコネクター

3 同軸S/PDIF同軸コネクター(BNCタイプ)

(注)「同軸コネクター(RCAタイプ)」と「TOSLINKプラスティック・オプチカル・コネクター」は音質上の理由から本機ではサポートしておりません。

1の「STタイプ」がもっとも性能がいいなんてまったく
嘘ばっかり!

これを信用したばかりに付属のSTケーブルを“いの一番”に使用して散々な目にあってしまった。今回の件でやはりケーブルは「バランス・ケーブル」(XLRコネクター)がベストだと確信した。もっとも、この「バランス・ケーブル」は持ち主の口から言うのもおかしいが、かなりの高級品(笑)。

ところで取説にもある「TOSLINKプラスティック・オプチカル・コネクター」だが、「ラ・スカラ」にその端子があったので実際に試してみたところ”とても“ひどい音”だった。「TOSLINK」は随分普及しているが、せいぜいAV向きだと心得ておいた方がいい。

とにかく接続ケーブルのおかげで命を吹き返した「270」に乾杯!

折しも、ずっとネットオークションに出品されていた極上品の「ワディア270」がどうやらめでたく買い手が見つかったようでこのほど落札されていた。入札者1名で価格の方は開始価格どおりの「348000円」なり。定価が128万の代物だが10年以上の落ち武者なのでまあいい線だろう。

「Sオーディオ」(東京)さんの引き取り価格は「25万円」なので、やはりオークションに出した方が圧倒的に有利のようだ。

しかし、今のところ手放す気は毛頭なし(笑)。

それにしても、dCSのCDトランスポート「ラ・スカラ」と同じdCSのDAコンバーター同士の純正組み合わせとなると、いったいどんな音が出るんだろう?一度「Sオーディオ」さんからDAコンバーターを借り受けて聴いてみたい気がする。

きっと、もの凄い音が出ることだろう。「その時にお前は未練なく返すことが出来るか?」と、問われるといささか自信が無い。よほど“先立つもの”の覚悟を決めてから借り受けないと“とんでもないこと”になりそう…(笑)。
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蘇ったCDトランスポート「ワディア270」

2014年04月13日 | オーディオ談義

去る4月5日(土)の仲間たちとの試聴会で不評をかこったCDトランスポート「ワディア270」。長年使ってきただけに深~い愛着があって実に残念!

           

マニアならお分かりのとおり、オーディオ機器の性能はほとんど良し悪しの基準が無いに等しい。個人の主観によって大きく左右されるので、手っ取り早く(機器の性能を)判断するには「比較する」のが一番。

その点「ラ・スカラ」(dCS)との比較はちょっと酷だった。第一、お値段(定価)からして2倍もの開きがある。しかし、それにしても「天下のワディア・デジタル」さんにしては“ちょっと、おかしい”という感じ。

音質に多大の影響を与える「ピックアップ」の交換をした割にはどうも目立った効果が感じられないし、明らかに魅力に欠ける。

もしかしたら当方の使い方が悪いのかもしれないと、改めて設定を見直してみることにした。ことオーディオに関しては結構、“しつこい”のである(笑)。

このCDトランスポートには「デジタル・リゾルーション・エンハンスメント」(以下「DRE」)という何だか舌を噛みそうな名前の機能が付いている。その機能の中身を取説から引用してみると、

「ワディア270に登載された画期的な新機能、それがCDの16ビット信号の下位に9ビット分の非相関ディザ(TPDFディザ)を足すことで、出力ビットレートを24ビットに拡張する“DRE”です。

24ビットデータの許容入力を持つDAコンバーター“ワディア27ixVer.3.0など”との組み合わせによってその威力は最大限に発揮され、リニアリティとジッター特性の改善がもたらす、ナチュラルで音楽性豊かなCD再生を実現。

音場の深みや拡がり、音のディテール感などが微妙に変化する2種類のディザ処理モード選択(ハイパス/ローパス)、および処理のオン・オフをリモコンで操作でき、プログラムソースやシステム構成に応じた最適なモードをリスニングポジションから直接お選びいただけます」

さて、問題はその処理モード選択の「ハイパス/ローパス」だが、実はこれまでずっと「ハイパス」を選択してきたのだが、もしかして選択ミスかもと、わらをもすがる思いでリモコンで初めて「ローパス」を選択して聴いたところ、これが何ともっと悪くなってしまった!高音域がキンキンして音の潤いに乏しい。

頼みの綱がダメとなると、”どうすりゃいいのさ思案橋”~。

CDトランスポートが2台あって、性能に大きな差があるとれば劣る方はいっさい出番がなくなり、もはや無用の長物と化する。

「処分」という言葉が頭の中でちらほら浮かんできたが、最後の最後に念のためDAコンバーターとの接続ケーブルを替えてみることにした。これまでは「STケーブル(光)」だったが、「ラ・スカラ」から外したバランス・ケーブル(AEU/EBU規格XLRコネクター)により試聴したところ、これがアッと驚くほどの激変ぶり。

以下、続く。
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

脳へのご褒美

2014年04月11日 | オーディオ談義

独りで聴いているときに比べて仲間と一緒に聴いていると、なぜか不思議に目立つのが自分のオーディオ・システムのアラ。

その原因をつらつら考えてみるに、どうも独りのときは音の良し悪しを忘れて「音楽」の方に神経が集中してしまう、その一方、仲間と一緒のときは音楽よりも、つい「音=オーディオ」の分析の方に関心がいってしまう傾向があるようだ。

自分の場合、システムの変化の都度、仲間に来てもらって一緒に聴きたくなるのもきっとその辺に理由があるに違いないとにらんでいる。

それともう一つ。先日の「健康番組」で、ある脳神経外科医がこんなことを言っていた。脳にはときどきご褒美をあげることが必要です。趣味においても出来るだけ仲間と一緒に楽しみながらいろんな意見をもらうことが大切ですよ。」

成る程!

他人のシステムを聴いて面と向かって悪口を言う人はまず居ないので、脳が何らかの“褒め言葉”を期待して仲間を呼び寄せている面もあるのかもしれない(笑)。


さて、去る5日(土)の試聴会のときにも例に漏れず途中からシステムの欠点が気になって仕方がなかった。

具体的に挙げると、

1 
第二システムの響きが不足している

2 JBL3ウェイシステムのうち、低音域と中音域の繋がりがイマイチ


まず、だが自作のエンクロージャーに容れた「AXIOM80」がどうも精彩を欠いていた。日頃、テレビ視聴用として活用しているので本格的な音楽鑑賞となるとついアラが目立ってしまったこともある。

原因はひとえに中低音域の響きが不足していることに尽きる。理由はおよそ想像がつく。厚さ5センチの合板で作ったエンクロージャーのツクリがあまりにもしっかりしているので、第一システムのような箱鳴りがいっさい無いものだからユニットの個性がモロに出てしまった。

逆に言えば、ユニットの生地が率直に出せるというメリットもある。うまく鳴らせば箱鳴りを伴わないむしろ正しい音に近づく可能性が大いにある。このエンクロ-ジャーを使う以上、箱鳴りをいっさい期待せず、あくまでもユニット勝負に持ち込んだ方が得策だと判断した。

このブログをずっと追いかけている読者の方ならご存知のように、以前「AXIOM80」の低音を補強するためにフォステクスの「SLE-20W」(ウーファー専用:口径20センチ)を使っていたことがあるが、このユニットを再度復活させることにした。

「AXIOM80」に組み合わせるウーファーとなると、その選択は実に難しい。そのハイスピードに太刀打ちできるユニットとなると口径38センチのユニットなどは鈍すぎてまず失格。その点「SLE-20W」は「AXIOM80」と同じエッジレス仕様だし、適度な口径も手伝って十分合格点を与えられるユニットである。大いに気に入って10本も買い占めたくらいだから(笑)。

工事の概要としては、自作エンクロージャーの下部に頑丈な密室を作って「SLE-20W」を1本だけ納め、コイルで周波数を200ヘルツあたりでハイカットして専用のアンプで駆動するというもの。「AXIOM80」はローカットしないままなので、いわば場所を取らないサブウーファー的な活用になる。

うまくいくかどうか、やってみなければ分からないが、な~にダメなときは繋いだアンプのスイッチを切ってやればいいだけの話。

日曜日(6日)に必要な道具を揃えて計画を練った。

まずエンクロ-ジャー内部を区切るための頑丈な仕切り板(30×33センチ、厚さ5センチ)を左右両方で2枚準備。ガッチリ固定するためのネジとL型金具、そして内部に詰め込む羽毛の吸音材も準備。次にハイカットするコイルを倉庫に入って探したところ、「2.7mh」と「1.5mh」がそれぞれ2個あった。SPコードのプラス線に直列に挿入すると「4.2mh(ミリヘンリー)」となる。

「クロスオーバー周波数早見表」で調べてみるとちょうど300ヘルツ(6db/oct、インピーダンス8Ωの場合)あたりでハイカットできる計算になる。理想は200ヘルツだが“まあいいか”(笑)。

作業の手順をじっくり考えるために一晩おいて、月曜日(7日)の朝から取りかかった。およそ半日がかりの仕事と踏んだが、予想どおりだった。

スピーカーを裏返しに倒し裏蓋を開けて室内を這いずりまわることおよそ4時間、滞りなく作業は済んだ。論より証拠というわけで、次の写真をご覧いただこう。一番下のスポットにキッチリ収まっているのが「SLE-20W」。

                  

次に、SPコードの+線に挿入した「1.5mh+2.7mh」のコイル(ソロ製)が下記の写真。

                  

その昔、「ネットワーク=命」で熱中していた時期があり、その時の残骸だが、もう出番がないものと思って仕舞い込んでいたが、まさか再び出番がやってくるとは夢にも思わなかった。処分しなくて良かった~(笑)。

さっそく胸をワクワクさせながら試聴してみると、これがバッチリで言うことなし!弱点だった中低音域がほどよい加減でふくらんで両方のユニットがうまく溶け合っている。さすがに両者ともエッジレスなので相性がいい。しかも音像定位感も双方のユニットの振動板の位置がほぼ一致しているのでまったく不自然感がない。むしろオリジナル・エンクロージャーを使った第一システムよりも好ましいと思えるほど。

音声信号の流れはプリアンプ(3系統出力のうちの1系統を利用) → 「PX25・2号機」 → 「SLE-20W」(300ヘルツ以下)。また、肝心の本体の「AXIOM80」用のアンプには我が家のエース「刻印付き2A3・1号機」を奮発した。

それに、当初は予想だにしなかったがこのサブウーファーは第一システムのときにも共通して使用できることが分かったので二重の喜び。

最後にのJBL3ウェイ・マルチ・システムについては、低音域用のアンプに「PX25・1号機」を持ってくることで一応解決。

しばらく、これで聴いてみることにしよう。

来たる13日(日)には、昨年の秋にお伺いした「NさんとGさん」(クリック可)が福岡からお見えになる予定なのでご意見を拝聴するのにまたとない機会。

「脳へのご褒美」になるといいのだが(笑)。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「1日当たり160円」で楽しめる!

2014年04月08日 | オーディオ談義

前回のブログに記載した4月5日(土)の試聴会だが、期待通りの大盛況のうちに終わった。

当のご本人たち(3名)からメールをいただいたので、無断で申し訳ないが別に差支えないと思うので掲載させてもらおう。

「先日は皆様お疲れ様!しかし疲れを感じない程のひと時でありましたね。弱音部を含めた再生表現、弦と弓の擦れあう音などAXIOM、JBL共に“ゾクッ”と鳥肌が立つ瞬時を感じさせてもらいました。これは新たなCDトランスポート及び音聖殿の準備万端の迎撃体制の為せる技でありましょうか?機器音痴の私には分りませんが‥。誠にありがとうございました。

「昨日は、また至福のひととき、ありがとうございました。今回は、“〇〇君の思い”がきっかけで実現しましたね。また、〇〇君の「ラズモフスキー」から、ベートーベンの弦楽四重奏への展開も、わたしにとっては、弦への新たな興味へとつながりました。そして、〇〇システムの新たな成長には、まったく驚かされました。新CDの情報量の多さは、音のきめ細かさや、バックロードホーン(JBLシステム)による音の広がりにも感じられました。そして、恒例になりつつある、お酒を交えての談笑もほんとに楽しいものですね!」

「皆様、並びに〇〇君へのお礼が遅くなりました。イヤー楽しかったですね。お腹の方は腹一杯でちょっと食べ過ぎかなと反省しています。」

これまでの試聴会ではいつも「今度こそは」の思いが空回りをしていたが、どうやら今回は非常に大きな手ごたえを感じた。これまで開催したうちではベスト、点数にすると80点というところかなあ~(笑)。

今回のハイライトは現在借受中のCDトランスポート
「ラ・スカラ」(dCS)と修理を終えて戻ってきたばかりの「ワディア270」との真剣勝負にあった。

          

DAコンバーター側に6種類の入力端子があるので接続が実に簡単。ワディア270はSTケーブル(光)で「入力1」、「ラ・スカラ」はバランスケーブルで「入力6」に設定した。リモコンのスイッチひとつで切り替えができるので比較試聴がすぐに出来る。

さて、2~3曲聴いてもらっただけで皆さんの総意はまるで草木もなびくように(笑)、「ラ・スカラ」に大きく傾いた。

「音の粒子が細かくてピタリとフォーカスが決まっている」「音のエッジがくっきり浮かび上がる」「オリジナルCDとコピーCDーRの差が明瞭に分かる」などの賛辞が相次いだ。システムの方はといえば第一システムの「WE300Bアンプ+AXIOM80」に自ずと収斂していった。


したがって、5時間ほどの試聴のうち「ワディア270」の出番は何とわずか10分ほどだった。ウ~ン、これには参った!

持ち主としては両者の差はごくわずかでもう「好き好き」の範疇だと思うのだが、ことのほか音にウルサイ連中は寛容さというものをいささかも持ち合わせていない(笑)。

「やっぱり、そうかなあ~」。可哀想な「ストレイ シープ」(さまよえる子羊)は“千千(ちぢ)”に心が乱れてしまう。

試聴しながら素早く頭の中で計算した。仮に7年間使うとすると1年間で〇万円となり、1か月で〇千円、1日当たりにすると「160円」で楽しめることになる。な~んだ、たいしたことないか。(読者の皆さん、計算機を持ち出しての価格の詮索は無用ですぞ!)

それ以上に強力に背中を後押ししたものがもう一つ。

仲間のたっての願いでベートーヴェンの「弦楽四重奏曲第14番:作品131」(アルバン・ベルク四重奏団)を聴いていたところ不覚にも涙がどっとあふれ出てしまった。仲間たちに気付かれないようにそっと拭ったが、晩年のベートーヴェンの心境の一端に触れたように思えたのが原因。

          

ベートーヴェンの後期の弦楽四重奏曲群(12~16番)といえば誰もが仰ぎ見る高い峰々だが、その中でも白眉とされる14番を聴いてこんなに感激したことはこれまでに一度もなかった。とっくの昔に卒業したと思っていたベートーヴェンだが、やっぱり凄い音楽だと改めて舌を巻いた!

これは畢竟「ラ・スカラ」の再生能力にあることは間違いない。こんな音が毎日聴けるのなら「実に安いものだ!」という気にさせてくれた。

最後になったが今回の試聴を通じて「第二システム」と「JBL3ウェイ・マルチ・システム」にアラが見えてきたことも収穫の一つだった。仲間と一緒に聴いていると不思議にいつもより耳が鋭敏になる気がする。おそらく適度な緊張感の為せる業だろう(笑)。

妙案が浮かんだので6日(日)からさっそく改良工事に取り掛かった。
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

“今度こそは”

2014年04月05日 | オーディオ談義

さあ、いよいよ今日(5日)はオーディオ仲間3名が福岡からやってくる日。

高校時代の同級生たちだが、いずれ劣らぬ「音楽&オーディオ」好きでどちらかといえばクラシック音楽の方に比重がかかっている。我が家にはおよそ半年に1回のペースで来てもらって、その都度試聴結果の感想を楽しく拝聴している。

試聴後の飲み会の席でいろんな意見が出るが、いくら親しい間柄といってもさすがに直接悪しざまには言われないものの、いまだに合格点をもらえていないのは気配でおおよそ分かる(笑)。

理想とするところは「オーディオシステムの存在を忘れて音楽に没頭し、感動の涙を流してもらう」ことにあるのだが、とてもとても~。

いつも今度こそは”と、事前のオーディオ機器の調整に余念がないものの、あえなく返り討ちにあっているわけだが、それも次第に音が良くなっているのならまだしも、むしろ悪くなっている可能性もあるのだからオーディオは怖い。

それに「今度こそは」を繰り返すうちに「狼少年」と同じで、ここ2~3回はややマンネリ気味に陥っているのを自覚しているが、今回は新たなCDトランスポート「ラ・スカラ」(dCS)の出現もあって、ようやく宿願の「今度こそは」が実現出来るのではないかと秘かな期待感を抱いている。

とにかく、ここ1週間ほどは「迎撃態勢」を固めるのに一生懸命だった。

まず、少しでもオーディオルームの音響空間を広げるために、整理整頓して不要な機器や小荷物を倉庫に移管したり廃棄したりした。同時並行的に真空管アンプとスピーカーの相性テストにも心血を注いだ。

最上流にあたるCDトランスポートが変わると、下流域の編成にも多大の影響を及ぼすことを十分確認したが、どうにか満足のいく状態になった気がする。しかし、経験上自分の耳があまり当てにならないのも十二分に分かっている(笑)。

ここで、後日のために今日現在のシステムの最終形を記録しておこう。

             

共通部分として、CDトランスポート(ラ・スカラ) → DAコンバーター(ワディア27ixver.3.0) → バッファーアンプ(真空管式) → 音声信号を4分配。

ちなみに、この増幅機能のないバッファーアンプは秘密兵器として長年愛用しており、真空管アンプの泰斗「大宰府のMさん」の作品で使用目的は「デジタル臭い音をアナログに近い音にする」ことにある。回路については秘中の秘(笑)。

以下、次の3系統に分けている。(アンプはいずれも直熱三極管シングル)

☆ 第一システム

「WE300B」アンプ(モノ×2台:1952年製オールド球) → 「AXIOM80」(復刻版:グッドマン指定のオリジナル・エンクロージャー)

☆ 第二システム

「PX25・1号機」(ナス管)アンプ → 「AXIOM80」(復刻版:自作エンクロージャー入り)

☆ 第三システム(JBL3ウェイ・マルチ・システム)

低音域 → 「PX25・2号機」(ドーム管)アンプ → 「JBL・D130ウーファー(口径38センチ)」(エンクロージャーはタンノイ・ウェストミンスター)

中音域 → プリアンプ → 「刻印付き2A3・1号機」アンプ → 「JBL375ドライバー(16Ω)」+ウッドホーン

高音域 → プリアンプ → 「71A」アンプ → 「JBL075(8Ω)」+ステンレス製リングホーン

今回の試聴会の
ハイライトは何といっても借受中の「ラ・スカラ」に加えて、修繕に出していたCDトランスポート「ワディア270」が昨日(4日)になってようやく戻ってきたので、その聴き比べにある。

実は、「5日にオーディオ仲間との試聴会があるのでそれまでに間に合わせてください」と「Sオーディオさん」(東京)に泣き付いたところ、気持ちよく希望をかなえてくれたといわけで、どうもありがとさんです!

セッテイングと「音出しテスト」だけ簡単に済ませて、今日がいよいよ本番。ご意見を参考にしながら「ラ・スカラ」を残すかどうか、“乾坤一擲”この日の試聴結果に委ねようと思っている。皆さんの責任重大(笑)。

次に、二番目はつい最近のブログにupしたように375ドライバーの位相接続ミス発見のおかげで、JBLシステムが見違えるように良くなったこと。エース的存在の「刻印付き2A3・1号機」アンプを組み合わせたこともあり、今や、「AXIOM80」と肩を並べるほどの存在になった。

このところ「ワーグナー」を聴くときはいつもJBLシステムだが、「AXIOM80」との棲み分けがうまくいくようになって大助かり。

それに体調だって夜の飲み会に備えて、ここ2日ほど完璧に酒断ちして絶好調。

さあ、いよいよあと数時間で仲間たちが到着する。まるで、入学試験を前にした受験生のような気分(笑)。
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

独り言~「政治とカネ」「天敵の存在」~

2014年04月03日 | 独り言

☆ 政治とカネ

周知のとおり、このほど「みんなの党」の渡辺代表に政治資金疑惑が発生した。

都内の某化粧品会社の社長から無担保で8億円借金しておきながら、それを政治資金報告書に記載していなかったというもので、貸した側も借りた側も両方認めているので事実に間違いはないようだ。

渡辺代表は個人的に借りたお金であり、政治資金ではないとのことだが、借りた時期が衆議院選挙や参議院選挙の直前ということもあり、そういう言い訳はとても通用しそうにないし、貸した側もこれは選挙資金と明確に断言している。

いったい、そういう途方もない大金をどこにどう使ったのだろうか。

派閥の親分ともなると子分の代議士たちに配るお金を工面するのがたいへんで、しかもお金の切れ目が縁の切れ目になるケースも多いと聞く。つまり、「みんなの党」に所属する代議士たちに選挙に際して「がんばれよ!」と配った可能性が非常に大きい。

以前、このブログで取り上げたが、霞が関の現役官僚が覆面で書いたとされる「原発 ホワイトアウト」の中で、昨今2世代議士たちが多くなったとあり、それには功罪あるけれども、お金の心配をしなくていいので政策に没頭できる利点があると書いてあった。

「成る程!」と思ったが、いったい政治になぜそんなにお金がかかるんだろうか?

何度も書くようだが「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちるとただの人」という言葉がある。厳しい選挙に勝ち抜いてようやく「代議士=先生」になったものの、次回の選挙でもしかして落選するかもしれないという恐怖感は余人にはとうてい計り難く、
おそらく想像を絶するものがあるだろう。

したがって、国策よりもむしろ地元対策に余念がないのは容易に想像できるし、そのためには先立つものが要るというわけだが、「具体的なお金の使い道となると、いったい何だろう」というわけでネットでググってみるとこういう事例があった。

「2009年度・現世田谷区長保坂展人氏の後援会の収支報告書では、約2886万の支出。事務所費約702万・宣伝事業費約614万・人件費約521万・パーティー開催事業費約321万…ポスターやチラシを作るのも、パーティーで金を集めるのも、カネ・カネ・カネなんです。マスコミにたびたび登場する保坂氏でコレなので、無名の新人を多数立候補させ、自分の派閥(グループ)に入れようとしたら、億単位の銭…それが現実です。」

現在、代議士については必要な経費の一部をたしか国が負担しているはずだが、それではとうてい足りないのだろう。そこで経費の節約という言葉が浮かんでくるが、そんなことを言ってみても、貧乏ったらしい代議士に国民の夢と希望を託すのは現実的ではないし無茶というもの。

ここはひとつ、せっかく代表として選ばれた代議士さんたちだから純粋に国策に打ち込めるような環境整備をしてあげるのが一番だと思う。

そこで提案。

国が経費を現在の2倍負担する代わりに、代議士の定数を半分にしたらどうだろうか。もし、それがダメなら有害無益な参議院をいっそのこと廃止したらいいと思うがどうだろうか。ちょっと短絡的かな~(笑)。

☆ 「天敵の存在」

4月5日(土)にお客さんたちが来るので、せめてオーディオ・ルームぐらい綺麗にしておこうと、このところ整理整頓に余念がない。古いスクラップブックにも1頁づつ目を通して要・不要を振り分けているが、いちいち中身を読むものだから時間がかかってしようがない。そのうち、つい興味を引かれたものが出てきたので紹介させてもらおう。

およそ4年前の2010年の4月19日付で地元紙に掲載されていたものでタイトルは「”のほほん天国”日本」。寄稿者は「丹羽 宇一郎」氏(前中国大使)。

このほど米国の首都ワシントンとニューヨークを訪問してきた。もっぱら学者と政治家にあったが、その時に話したのが、ナマコとカニをめぐる次のような日本の言い伝えだ。

ナマコは弱りやすく漁師が沖合で捕っても港へ着くまでにほとんど死んでしまうが、そのナマコの群れの中にカニを1匹入れておくと、生きたまま持ち帰れるという。なぜか。カニはナマコの天敵に当たり、緊張するため死なないといわれている。科学的にはナマコの天敵はカニではないようだが、“何事も新鮮であり続けるためには天敵が必要”とのたとえ話として彼らに紹介した。」

この話の流れは、ソ連の崩壊とともに資本主義へのチェック機能が働かなくなり、リーマンショックをはじめとする金融危機などの暴走が始まったことにあるのだが、これを現代の日本になぞらえると「天敵=カニ」に当たるのは中国と韓国ではあるまいか。

近年、歴史認識についてこれら両国の国際的な口撃は実にしつこくて目に余るものがある。

「戦争は狂気なんだから」の一言で片付けるのは不謹慎だろうが、それにしても
まったく「厄介な隣人だ!」と、心理的にくたびれているのははたして自分だけだろうか。

もちろんこんな大それたことを“一介の市井の徒”が何も心配することはないと思うが一日本人として小さな胸を痛めているのも事実。多少なりとも愛国心がある人なら誰だってそうだと思う。

しかし、モノは考えようでこれら「天敵」のおかげで日本は絶え間ない緊張感のもとでモチベーションが維持できるとしたら、(天敵の存在は)かえっていいことなのかもしれないと上記の丹羽さんの寄稿を読んで思った次第。

次に、この話を身の回りのレベルに降ろしてみよう。

組織で仕事をしたことのある人ならお分かりのとおり、中間管理職というものは上役と部下の板挟みになる厄介なポストだが、不思議なことに両方に恵まれることはまずない。人事異動のたびに経験したが、何かしら歯が合わずムシの好かない輩が上役や部下のうちのどちらかに必ず居るものである。

しかし、振り返ってみるとたいして偉くもならなかったが、気の緩みから大きなポカをしなくて済んだのもそういう連中のおかげだったのかもしれないと思う今日この頃。

したがって、もし組織の中で現在働いている方で周囲に「天敵」がいるとするなら、ここはひとつ前向きに考えることも一つの方法ですよ。もちろん“度が過ぎる天敵”ともなると別問題でしょうが。

たしか司馬遼太郎さんの「翔ぶが如く」だったと思うが鹿児島の方言で「泣こかい、飛ぼかい、泣くよかひっ飛べ」という言葉が出てくる。要するに「捨て身で生きろ」ということだが、人生にはそういう覚悟が必要なときもあるでしょう。

アッ、そういえば我が家にも“度が過ぎる天敵”がいた!おかげさまで緊張と闘争の毎日が続いて、いつもフレッシュ状態です(笑)。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ワディア270」の修理見積額が出ました

2014年04月01日 | オーディオ談義

およそ3週間前に修理に出していた「ワディア270」CDトランスポートの修繕見積額の連絡が「Sオーディオ」さん(東京)からようやく届いた。

        

<修理内容> 

・ドライブベルト 2本 ¥2,000
 
・ディスプレイ蛍光表示管 ¥18,000
 
・ピックアップ ¥15,000
 
部品代金 ¥35,000
 
技術料 ¥25,000 
 
合計 ¥60,000 + 消費税 ¥3,000

当初、こちらから依頼していた修理の内容は「トレイの開閉の不順」「全般的なメンテナンス」の2点だったが、前者は「ドライブベルト2本の交換」に該当するし、後者については「ピックアップの交換」ということになった。「ディスプレイ蛍光表示管」は音質にまったく関係はないのに値段の方はやたらに高いが、“ものはついで”という言葉もあるし乗りかかった船なので仕方がない。

たとえて言えば走行性能には影響しないが見た目が悪いので修理する「自動車の板金塗装」みたいなものかな。

金額については「言われるがままで、どうしようもない」というのが本音だが、ま、想定の範囲内といえよう。

「Sオーディオ」さんによると、もし「ワディア270」を下取りで引き取るとすれば、「25万円」とのこと。丁度、タイミングよく程度のいい「ワディア270」が「348000円」でオークションに出品されていた(現在も進行形)ので、ずっと価格を注視していたが1週間ほど経っても1件も入札なし(笑)。

人気が無いのも分かるような気がする。「ワディア270」はDAコンバーターの「ワディア27ixVer.3.0」とセットで
クロック・リンクして使わないと意味がないから。

結局、修繕代を差し引くと実質19万円ほどの下取り額となるが、いくらなんでもこのお値段では長年愛用してきたワディア270が可哀想。したがって、修繕にゴーサインを出して完成品を引き取ることにした。

その一方、「Sオーディオ」さんのご了解のもとに代替品のCDトランスポート「ラ・スカラ」(dCS)もしばらく同時並行的に使用させてもらうことにした。

改装なった「ワディア270」と「ラ・スカラ」との聴き比べをぜひやってみたい。

前者にもきっといいところがあるはずだ。いや絶対あって欲しい(笑)。

ところで、「いったい、お前はラ・スカラを買うのか、買わないのか、そろそろはっきりさせろ!」と、このブログをいつも読んでくれている高校時代の同窓生S君(福岡)からメールが入った。

「もし、購入しないのなら返す前に俺たちに一度試聴させてくれ」というわけで、バタバタと日程が決まり、4月5日(土)に決定。いつものように試聴後の夜の懇談会も織り込み済み。

またもや4人で酒盛りしながら「音楽&オーディオ」談義となる。おそらく前回(昨年の11月中旬)に比べて今回の試聴は実験事例が“盛り沢山”なのでいつものように侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論が展開されることだろう。

それにしても、たらふく飲み食いした後に深夜バスで2時間揺られて帰るのだから、連中の年齢不相応の気力と体力には驚く!

ヤレヤレ(笑)。

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする