「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

クロスオーバー周波数の選択

2015年01月31日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

いつも思うのだが、人間は生きていくうえであらゆる局面において常に右か左かの選択を迫られる。人生とはいわば選択の代名詞のようなものだが、その選択肢が多ければ多いほど質的に向上していくことは間違いない。伴侶の選択や就職先などの大事な選択においても言うに及ばず(笑)。

もちろんオーディオも例外ではない。

「北国のおじさん」からいただいた「ホルン」の取り付けから始まった我が家のJBL3ウェイ・マルチ・システムの改造も、アンプや背圧の調整具合など選択の連続となったが、いよいよ最終的な局面を迎えることになった。

3ウェイシステムの場合、3つのSPユニットをそれぞれどのくらいの周波数帯域で鳴らすか(ネットワークの編成)は死活問題である。以下、ちょっと専門的な話になるがどうか悪しからず。

オーディオ仲間のKさん(福岡)からの新しいご提案は次のようなものだった。

「低音用のユニットJBLのD130ですが、コイルなどで周波数をハイカットしなくてフルレンジで鳴らす方法がありますよ。自然減衰に任せる方法ですが、それでいて中高音域との繋がりも不自然ではないようです。一度試されたらいかがでしょうか。友人たちも最終的にはこれで満足していましたが、ただ昔はアナログ時代でしたが今はデジタル時代ですので、良否は定かではありませんが」

まったく予想だにしないご提案に驚いたが、よくよく考えてみるとD130をマウントしているエンクロージャー(ウェストミンスター)のフロント・ショートホーンはクロスオーバー1000ヘルツ用に作製されているのでマッチングに不安はない。

ネットによると「アルニコのD130は名機中の名機ですが、トランジェットの良さと引き替えに、帯域を低く伸ばしたり、低音のボリューム感を引き出すには大変難儀するユニットです。」とあって、肝心の推奨クロスオーバー周波数は2000ヘルツ前後のようだ。

これまで200ヘルツ前後でクロスさせていたので、このユニットを生かすには見当違いの使い方だったかもしれない。

とにかく実験あるのみで29日(木)の朝からベストのクロスオーバー周波数の設定に向けて作業に取り掛かった。オーディオってのはいくら時間があっても足りませんなあ(笑)。

まず冒頭に述べたように選択肢の範囲を出来るだけ広げることが肝要である。手持ちの道具からみて低音域と中音域のクロスオーバー周波数の選択肢は次の4つになった。(中音域と高音域のクロスオーバー周波数は7000ヘルと不変のまま)

 低音域のハイカット200ヘルツ(6.8mhのコイル使用、6db/oct)、中音域のローカット400ヘルツ(34μFのコンデンサー)

 低音域のハイカット600ヘルツ(2mhのコイル使用、6db/oct)、中音域のローカット1100ヘルツ(10μFのコンデンサー)

3 低音域のハイカット1000ヘルツ(12db/oct)、中音域のローカット1100ヘルツ(同上)

 低音域のハイカットなし、中音域のローカット1100ヘルツ(同上)

実験に移る前の作業として、コイルをいちいち入れ替えるときに「ハンダごて」を握らなくて済むように、低音用のSPコードの途中にSPターミナルを片チャンネルに4個使ってワンタッチでコイル類を接続できるようにした。これは我ながら名案だった。

1は現在進行形なので素通りさせて2から開始。使用した部品はウェスタン製の鉄芯入りコイル(2mh)である。

         

1に比べると緊張感を強いることのない何だかホッとするような自然な音である。これは有力候補としておこう。

次に3の実験に移った。

      

実を言うとこれは今回の改造でエンクロジャーに付いていたものを取り外したものである。したがってタンノイのオリジナルのネットワークの部品で今回の実験にはまさに“お誂え向き”だった。まさかこんなに早く出番がやってくるとは夢にも思わなかった。

試聴の結果は見事に合格。ここには人間の耳がもっとも敏感な帯域とされている20~1000ヘルツまでに違うユニットをクロスさせない利点が明らかにある。タンノイさんが頑強に1000ヘルツのクロスオーバー周波数を守っているのも一つの見識だろう。

しかし、10年ぶりくらいに電流を通してやったため、大きなコンデンサーの容量が不足していたのだろう、初めのうちは何とも心許ない音で違和感があったが2時間ほど連続して鳴らしてやるとようやく本領発揮してくれた。

最後にKさんご推奨の4の実験へ。

この音が一番伸び伸びしてスケール感が大きかった。「シンプル・イズ・ベスト」の観点からすると、必要悪であるコイルなどの部品を(SPコードに)噛ませない利点が明らかにあったが、中高音域との重なりがややキツクて折角のホルンの響きが相殺される傾向にある。

もしこういう鳴らし方をするのであれば、ホルンの代わりにミニの「蜂の巣ホーン」を使ってやると面白そう。な~に、ものの15分もあれば変更可能だが楽しみは後日に取っておくことにしよう(笑)。

       

さて、以上の実験結果だが4つの選択肢ともそれぞれ一長一短というのが正直な感想。

音の雄大さを求めるのであれば1と4が良かった。その一方、ローエンドへの伸びにやや不満が残るものの自然な響きと落ち着きを求めるのであれば2と3といったところ。

結局、今回の改造のテーマは「3ウェイシステムをフルレンジのような音で鳴らす」だったので、総合的に勘案してとりあえずの方法でいくことにした。

少しでもタンノイさんを使ってやらないと勿体ないしねえ~(笑)。


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一難去って、また一難

2015年01月29日 | オーディオ談義

 昨日(28日)の夕方、「北国のおじさん」から次のようなメールが届いた。

「ブログ読みました。紆余曲折大変なご苦労の末にシステム完成とのこと
至極祝着でおめでとうございました。これでしばらくは二本立で天上の音楽を堪能できると思いますが、またいろいろと出てくるのがオーディオかもしれませんね!」

そうなんですよ!さすがに分かっておられる(笑)。

以下、まるで一難去って、また一難」
かのようなドラマ風の展開を記してみよう。

非常に重たくて扱いずらい38センチ口径のユニット(JBL)をタンノイのエンクロージャーに取り付ける難作業を終えて、ホッと一息ついていたところ、同じ「AXIOM80」仲間のKさん(福岡)から電話が入った。

「ブログ読みましたよ。たいへんな作業でしたね~。それで、音の方はいかがですか?」

「はい、低音部が随分小気味よく弾むようになりました。中音域との繋がりも自然です。ただ、何と言うのか表現が難しいのですが、もう少し<音のタメ>といったものが欲しいところですね。その対策として現在ロ-カットの周波数を200ヘルツほどにしてますが、もっと下げてみようかと思ってます。」

すると「(ブログの)画像で見る限り、背圧を逃がす開口部がちょっと大き過ぎるみたいです。垂れ流しになると音の芯が出てきませんのでもっと(開口部を)小さくしてロード(負荷)をかけてあげたらいかがでしょう。バスレフ方式で鳴らす場合にしても開口部の大きさの調整は最重要事項のひとつになってますよ。」

「それはいいことを聞きました!背圧の調整は<AXIOM80>だけに必要かと思ってましたが、JBLのユニットにも必要なんですね。」

「はい、昔のユニットは背圧の逃がし方に工夫を要するものが多いですよ。」と、Kさん。

アルテックやJBLなど散々SP遍歴をされた挙句に、音のスピード最優先で現在の「AXIOM80」にたどり着かれた実体験者だけになかなかの説得力。

ただし、前日からの重労働続きで“か細い腕っ節”はもはや悲鳴を上げる寸前の状態。重量がおよそ10Kg以上はある「2440ドライバー」やステンレスホーン付きの「O75ツィーター」を左右両チャンネルのSP台の上から下げたり上げたりするのはもう勘弁してほしいところだが、いい音を得るためには労苦を惜しむわけにはいかないでしょうねえ(笑)。

ただSP台の上から重量物を降ろさなくて済むために残された方法が一つだけある。スピーカーと壁との狭い間をうまくスリ抜けさえすれば、裏蓋のネジ(16本)を開けることが出来るスペースぐらいはある。

そこで、祈るような気持ちでSPの裏側に回って体を平たくして滑り込ませてみるとどうやギリギリのところでうまく入れた。こういう時は見た目が貧相な「胸板の薄さ」がお役に立つようで~(笑)。

限られた狭い空間の中で電気ドリルを使ってどうにか裏蓋のネジを開けてから作業に入った。運よく手元に保管していたステンレス製の目の細い金網があったので2枚重ねにして開口部に被せてみた。これでかなりのロードがかかるに違いない。(ユニットの)コーン紙の前後の振幅を伸び伸びとやらせないように抵抗を与えることで、タメの利いた音を出せるなんて何だか不思議な気がする。

この辺はメーカーお仕着せのSPシステムをそのまま使っている人たちにはなかなか分かりにくいノウハウだろうが、作業の途中でふと、「人間も同じで何らかの適当なストレスがないと能力を存分に発揮できないのかもしれない」などと、妙なことを考えてしまった。

          

これが実際に金網を張った画像だが、ご覧の白い袋の中には鳥の羽毛をいっぱい詰め込んでいる。吸音材としての羽毛の効用は計り知れない。何しろ何千キロ以上もの長距離走行をする鳥の羽毛は何億年もの進化の過程で、顕微鏡でしか見えないほどの無数の穴が開いていて非常に軽くて丈夫に出来ている。

この無数の穴に音を吸収させて定在波などの不要な反射を防ごうという算段である。通常、羽毛といえば「羽毛布団」など、高級なものを想像しがちだが、な~に、スーパーで売っている500円ほどの羽毛枕を分解して自作の木綿袋に詰め直したものである。この木綿製というのがミソで、ポリエチレンなどのビニール製で包むと音を通さないので逆効果である。その代わり詰め込み作業が大変で部屋中に羽毛がふわふわと漂って、後の掃除に一苦労する。

さて、左右両方のスピーカーへの取り付け作業が滞りなく済んでいよいよ音出しである。

オーディオは理屈通りにはいかないことが非常に多くて、それがまた面白いところだが、今回に限っては理論と実践が一致してきっと良くなるに違いないという確信に近いものがあった。

はたして、大好きな「ファゴット協奏曲の第二楽章」(モーツァルト)を聴いてみると、これまで目立たなかった通奏低音が極めて明瞭に聴こてくるではないか!

次から次にお気に入りの盤をかけてみたが、明らかにこれまでとは違う低音が出てくる。ググッと踏みとどまるような制動力を伴った重量感のある低音とでも言うべきか。


いやあ、ちょっとしたことでこれだけ良くなるのだからありがたいですねえ。さらに(開口部を塞ぐ)金網が1枚の場合や3枚の場合の実験も必要だろうが、とりあえずこの状態で様子を見てみることにしよう。

もっといろんなソースのCDを聴いてみないと早計は禁物。

Kさんに、「いやあ、驚きました。おかげさまで低音域に随分タメが出てきましたよ。」と連絡したところ、「JBLのD130を使っている友人たちを沢山知ってますが、もっと面白い鳴らし方がありますよ。」

「エッ?」

以下、続く~。

 


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オールJBLユニットの“そろい踏み”

2015年01月27日 | オーディオ談義

新しいホルンが来てから専らの関心事はJBLシステムで、このところあれほど愛した「AXIOM80」への関心が薄れること尋常ではない。

ところがである。去る24日(土)、近所のYさんが試聴にお見えになったので両方のシステムのご意見を伺ったところ、「私は3ウェイシステムよりもフルレンジのファンです。たしかに従来のウッドホーンに比べて(JBLシステムは)随分聴きやすくなりましたがAXIOM80のヴァイオリンの濡れたような表現力には及びませんね。この音を聴くと何だかホッとして故郷に帰ったような心の安らぎを覚えます。」

うれしくもあり、悲しくもあり、そして悔しくもある寸評だった(笑)。

「それほど言うのなら3ウェイシステムをフルレンジのような音にして見せましょう!」と、メラメラ闘志が燃え上がったのは言うまでもない。

思い当たる対策はただ一つだけ。現在、低音部に使用しているタンノイのユニット「HPD385」を他のユニットに入れ替えること。

今のところ入れ替え候補として挙がるユニットは3個ある。

 JBL「D130」(38センチ口径) ☆ 「AXIOM301」(30センチ口径)  「AXIOM80」(復刻版:25セエンチ口径)

折しも例の「北国のおじさん」から「タンノイのユニットは工場が火事で焼けてから冴えない音になってます。AXIOM80の復刻版が余っているそうですから、いっそのこと低音部に使用にしてはいかがでしょう。」とメールが届いた。

実に魅力的なご提案だが、実は過去に一度タンノイ・ウェストミンスターのエンクロージャーに「AXIOM80」を収納して鳴らしたことがあるのだが、そのときは「ARU」(ユニットの背圧を調整する装置)対策が未熟だったので論評するに値しないパサパサの音だった。

しかし今の自分は、もう昔日の自分ではない(笑)。

低音部に活用するにしろ、フルレンジで鳴らすにしろ絶対にもっとうまく鳴らせる自信があるが、そのうちチャレンジすることにして今回はJBL「D130」をおよそ1年ぶりに復活させることにした。

前回の使用時の反省点としては次の2点が挙げられる。

☆ ウェストミンスターに取り付けるための補助バッフルがいい加減なツクリだったため、強い音が入ったときにエッジの一部が接触して雑音が出ていた。

☆ 使用していたアンプは「WE300B」(モノ×2台)だったが、「D130」は何しろ「103db」という高能率のユニットなのでオーバーパワーのため制御が利かなかった。(これはようやく今にして気付いたこと。)

これを踏まえて、今回はじっくり腰を据えて焦ることなく取り組むことにした。

何といっても成否のカギを握るのはユニットを取りつけるための補助バッフルで、作業量の半分を占めると言ってもいいくらい。

まず、25日(日)に近くのホームセンターに行って、広い板から「39センチ×39センチ」の板(厚さ1.2センチ)を8枚カットしてもらった。これだけあれば他のユニットの取り付け時を含めて将来的には十分。1枚当たり200円程度だから工作に失敗しても気楽だ。

実はそれからの加工がタイヘンで、たった2枚作るのにおよそ1日がかりだった。

ノコギリ、ジグソー、ドリル、ヤスリ、鑿(のみ)などの工作機器の出番となったが、慣れぬ手つきなので手が滑って指が傷つくこと夥しく、4か所あまりの傷口から噴き出す血をリバテープで押さえながらの作業となった。

そしてようやく完成したのが次の画像。



ま、こうして見るとユニットの型枠だけ作ったようなもので、4か所の出っ張りを作って、オリジナルユニットの取り付けネジを使用できるようにしたところが作業のミソで、何しろエンクロージャーにネジ穴の傷を付けたくない一心である。

そして、準備万端となったところで昨日(26日)の早朝から取り付け作業にかかった。

ウェストミンスターのエンクロージャーをこれほどまでに、まるで「骨の髄までしゃぶり尽くした」人間はおそらく世界中で自分だけと言っても過言ではあるまい。

裏蓋のネジを開けるのはもう数え切れないほどだが、今回の改造では思い切って新たにネットワークの収納室も取っ払うことにした。これでユニットの収納空間が随分広くなり、音響効果もひとしお良くなることだろう。これ程の改造をすると、もう誰もこのエンクロージャーに対して見向きもしてくれないだろうから一緒に心中してもらうような気分になってしまう(笑)。

      

ウェストミンスターの内部の写真は珍しいかもね。ユニットの後部の下側開口部から両脇のバックロードホーンへと音圧が導かれる仕組みになっている。「AXIOM80」を取りつけたときは、この開口部に目の詰まった金網を1~2枚程度使って塞いでやると、微妙な音圧(背圧)調整ができてきっとうまく鳴ってくれるに違いない。

あれやこれやと試行錯誤を繰り返しながら、羽毛の吸音材をびっしり詰め込んで、ようやく作業が終了したのは午後の3時頃のことで昼食抜きの連続7時間ほどの熱戦だった。

各機器の結線が無事済んで音出ししたのは午後4時ごろのこと。今日はウォーキングも運動ジムも行く気にならずとうとう1歩も外に出ず仕舞い。



これでオールJBLユニットの“そろい踏み”である。D130を駆動するアンプは1920年代製の真空管で出力1ワットでも十分お釣りがくるほどの安定振りだった。このアンプを使って悪い音に出会った験しがないので信頼度抜群である。

試聴の結果はもう分かりきっている。言うだけ野暮なのでただ沈黙あるのみ(笑)。

 


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ブログへの読者の反応「二題」

2015年01月24日 | 独り言

ブログをupすると、つい気になるのが読者の反応で、例えばアクセスの状況やランキングのポイント数などに目がいく。

いや、何も点取り虫の自己満足ということでは決してない。自分と世間との感覚のズレを知る貴重なバロメーターとなっているのである。

なぜなのかを説明しよう。

たとえばブログを2~3日おきに更新していると、題材もいろいろで自分なりに「会心の出来」があったり、「ま、いいか」と気乗り薄でupするのもあったりさまざまである。まあ、毎回100点というわけにはいかない。自分でいうのもおかしいが「玉石混交」といったところだろう。

ところがである。これはなかなか出来のいい仕上がりになったと自信を持ってupしたブログが意外にアクセス数が伸び悩んだり、逆に時間稼ぎの穴埋めの積もりで仕方なくupしたものが意外に評判が良かったりで実に変化に富んでいる。けっして当方の思惑通りの結果にならないところがとても面白い。

自分が興味を示した事柄について他人は何とも思ってないことを知ることは、それだけ視野が広くなるような気がしてならないのである。

自分の関心と読者の無関心のギャップがなぜ生じるのか、その辺をあまり出来の良くない頭で思考するのはボケ防止のためにとてもいいトレーニングになる(笑)。もともと「自分が絶対正しい」とは思わないタチなのでなおさら。

「作者 対 読者」つまり「1人 対 およそ550人」となると、多勢に無勢で間違いなく読者の方が正しいだろうと思うクチだから世話はない(笑)。

そういうわけで運動ジム以外に他人と話をする機会が少ない現状では、ブログは社会に対するアプローチへの貴重な窓口になっている。

さて、前回のブログ「音響空間に漂う音の余韻を求めて」は、内容の仕上がりの満足度合いと読者の反応が珍しく一致した非常にレアなケースだった。

何しろ、いつもはブログをupしてから日が経つにつれアクセス数が激減していくのに、このブログに限っては逆に尻上がりに伸びていくのだから、こういうことは滅多にない。

たとえば、初日(20日)は閲覧数1659PV、訪問者数592 IP、それが2日後の22日では閲覧数1824PV、訪問者数628 IPといった調子。

「好評につき継続させてもらおう」というわけで(ブログの)更新は4日間ほったらかしのまま、この間久しぶりに追い立てられることなくゆっくり休養させてもらいました(笑)。

さて、このブログについてはいろんな反応があったが、その中から興味を引かれた「二題」を紹介させてもらおう。

まず例の「北国のおじさん」からメールが届いた。

「ブログ拝見しました。空中にスピード感で音が浮かびあがる浮游感についてですが、
まさに私もこの音の再生を50年前のイタリアオペラで(NHKが招聘したもので、場所は上野文化ホール)体験しました。その<セビリヤの理髪師>で幕間に海野義雄CM(コンマス)のヴァイオリン・ソロの音が空中にポカリと浮かびあがり天上の音でした。今でもこの時の音が再生目的の原点です。 

その後どこのホール行ってもあの時の音は聞けません。サントリーホールでもただオーケストラが鳴ってるだけでした。その後、何軒かのWEフリークも訪問させてもらいましたが、たまに例外はあるもののSPからは音が箱やホーンにへばり憑いてスピード感や空中浮揚はありませんでした。〇〇さんの求めてる音は私と同じか近いように思いました。」

この話は感覚的に非常に共感できるもので自分にも同じような体験がある。こういう体験はまさにオーディオマニアになるか、ならぬかの分かれ道といったところで、「なぜオーディオに夢中になるのか」の解答がこの辺から自ずと導き出される。そして、SPからの音離れの重要性についても、スピーカーの存在を意識させない音づくりが究極の目標だから十分頷ける話。

どうやら「北国のおじさん」とはとてもウマが合いそうなので、そのうちはるばると音を聴かせてもらいに行こうかな~。なお、このメールに添付された写真の一部をご参考までに紹介させてもらおう。

 

以前のブログで「北国のおじさん」のアンプを掲載したところ、真空管が台湾製だったとかで本家本元のWE205Dが掲載されているが、
205Dは音が細い繊細な感じです。205Fは図太い感じです。台湾205はWE205Dに少し近い感じです。」とのことだった。いずれにしても「台湾製侮るべからず」のようである。

続いて、二題目に移ろう。秋田県のSさんという方から初めてのメールが届いた。匿名ということで無断掲載お許しください。

「50年ほど鑑賞と演奏に見果てぬ夢を追ってきましたがまだまだです。ところでメロホンの事でご存知でしょうが、この楽器はフレンチホルンの簡易式で楽器を初めた小学生あたりをフレンチホルンでの演奏の難儀さから救うために作られた教育用の楽器です。

この度のベルを使用されて良い結果でしたら是非とも本物のフレンチホルンのベルを使われたらと思います。 世界中の有名なメ-カ-、勿論日本のYAMAHAは世界の一流ですがベルだけ取り外し出来るように単独で製作販売しており、材質、メッキ、口径、フレアーで音色、音質は変化します。せっかくでしたらと思い投稿いたしました。なお、グッドマンは高名のわりに出逢ったことがなく管理人さんのブログで典雅な響きに思い巡らせてます。」

非常に興味深いお話だし、50年のキャリアを誇る方からメールをいただくなんて光栄の至りなので感謝のメールを差し上げたところ、追って次のメールが届いた。

「フレンチホルンのベルの取り外しはベルカットモデルです。プログラムや奏者の好みで本体とのいろんな組み合わせが可能です。首が細めで急に開くタイプは明るく遠鳴りし反対は柔らかいダ-クな響きになります。金メッキは特に輝き倍音にめぐまれシルバー系は基音に優れ太さを感じます。 ベルの外周に金属が重ね合わせたクランツ付きはフォルテでも音質の変化が少ないと言われてます。フレンチホルンはメロホンの二倍の長さがあり管も細く息の抵抗も強いだけに奏者の実力が問われます。」

名門「ウェスタン」のドライバー用のホーンは途方もないお値段がするが、フレンチホルンを加工して代用すると、いったいどういう音が出るんだろう?興味津々(笑)。

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音響空間に漂う音の余韻を求めて

2015年01月20日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

およそ1か月半ぶりに我が家に試聴にお見えになった同じ「AXIOM80」仲間のKさん(福岡)。今回の一番のお目当ては新しいホルンを導入した「JBL3ウェイ・マルチ・システム」にあるが、ありていに言うと「聴いてみないと分からないので半信半疑の状態」というのが正直なところだろう。

当方にとっても自分の耳だけではちょっと心許ないので、ご意見を伺うのに絶好の機会である。

まず、試聴盤としてやおら取り出されたのがモーツァルトのピアノ協奏曲。

       

「モーツァルトのピアノ協奏曲はもうとっくの昔に卒業しましたよ」と内心思ったが、まさかお客さんの面前で口にするわけにはいかない(笑)。

仕方なく一緒に耳を傾けていると、実に心が洗われるようないい演奏である。

Kさん曰く「モーツァルトの音楽は(涙の追い付かない)哀しさが疾走していくところにありますが、この演奏はそれをよく体現しています。この演奏に比べると、往年の名ピアニストのクララ・ハスキルの演奏はやや思い入れが強すぎて軽快さが失われていますね。」

「そうなんです。モーツァルトの音楽の本質は飛翔ですから、慎重になり過ぎて軽快さを失うともうダメですね。一例をあげるとあのフリッチャイほどの名指揮者がオペラ<魔笛>ではあまりにも重々しくなりすぎて取るに足らない演奏になってます。それにしてもこのピアニストのマリア・ティーポというのはうまいですね。淡々と、それでいてそこはかとなくモーツァルトの哀しみが伝わってきますよ。」

実を言うとモーツァルトの数あるピアノ協奏曲の中では「22番」が一番好きで、昔「カサドシュ」の演奏に耽溺したことがあって、第三楽章の4分前後にまるでこの世のものとは思えないような美しい旋律が出てくる。

そこで、ついでにカップリングされている22番も合わせて聴かせてもらったがカサドシュに一歩も引けをとらない演奏ぶりだった。Kさんが帰られた後で(カサドシュと)改めてじっくりと聴き比べてみたところ、やっぱり若い時分にいったん脳裡に刷り込まれた印象を覆すのは難かしい。学術的には「刷り込み現象」というものだが、畢竟ティーポはカサドシュを越え得なかった。

次の試聴盤は手持ちのCDの中からジャズの「ビッグ・バンド」(カウント・ベイシー)を聴いてもらった。

試聴後にKさんからようやくシステムの感想について一言。さすがにKさんはシステムのアラを少しでも見逃さなかった。

「このホルン付き2440は想像以上にいいですね。音のスピード感が抜群です。中高音部の音の<立ち上がり>と<立ち下り>は申し分ありません。それに小出力アンプで駆動しているせいかホーン啼きがいっさいありませんね。

しかし低音域のスピードがちょっと立ち遅れ気味です。クラシックでは目立ちませんが、ジャズになるとちょっと厳しいです。どうも低音用のWE300Bアンプのパワーがあり過ぎて制御が利いていない気がします。いっそのこと低音域用のアンプをナス管アンプに変更したらいかがでしょう。」


Kさんは何よりも音のスピード感を重視される方である。低音部が下手に膨らむと中高音域に被ってきて透明感が失われるのを凄く警戒されるので我が家で試聴中にも低音部のボリュームをちょっと落としてくれませんかとの申し出が再々ある。

音の<立ち上がり>と<立ち下り>が優れていると何がいいかといえば、余計な付帯音が無くなるので音響空間にふわりと「音の余韻」が漂い出すのが分かる。オーディオで何を大事にするかは人それぞれで、好みの問題なのでいいも悪いもないが、近年、自分の優先順位は何よりも「音のスピード感=余韻」が一番である。

それにしても「低音部をきちんと鳴らすにはパワーが要
る」という固定観念をずっと持っていたので、出力が“たかだか”1ワット前後の小出力の真空管アンプで(低音部を)鳴らそうという発想は自分には微塵も湧いてこなかった。思いもかけぬご提案に眼からウロコだったが、持つべきものはマンパワー(人的資源)ですなあ(笑)。

とにかく「何ごとも実験ですからやってみましょう。ちょっとお時間拝借」ということで、手早くアンプの総入れ替えを行った。な~に、RCAコードとSPコードを繋ぎかえるだけだからものの15分もあれば済む話。

結局、最終的なシステム構成は次のようになった。

共通部分 → CDトランスポート「dCSのラ・スカラ」 → DAコンバーター「ワディア27ixVer3.0」

低音部(タンノイのHPD385の低音域だけ使用)  「プリアンプ」 → 
「ナス管アンプ・2号機」

中音部(ホルン付きJBL2440ドライバー)   「カンノのトランス式アッテネーター」 → 「ナス管アンプ・1号機」

高音部(ステンレス・ホーン付きJBL075)  「特注アッテネーター」 → 「古典管プッシュプル・アンプ」

これで、3台のアンプとも全て1920年代製造の同じ真空管で統一したことになる。しかもアンプの出力といえば、いずれも小出力の1ワット前後である。「これではたしてどんな音が出るんだろう」と、期待と不安が交錯する。

改装後の最初の試聴盤はKさんが持参されたレオンハルトが弾く「ゴールドベルク変奏曲」(チェンバロ)。Kさんによるとチェンバロはオーディオ・システムにとってもっとも再生が難しい楽器とのこと。

しばらく聴いているうちに「良し、パワー不足は感じられないし、肝心の低音部の遅れも目立たない」と思った。それに音色の美しさもさることながらステージがきれいに出来上がっている。

Kさんからも「素晴らしいですね。これほどきれいに鳴るチェンバロを初めて聴きました。爪で弾く感じが実によく出ています。もう完璧ですよ。この音を聴いてあれこれ言う人は音が分からない人ですから、いっさい気にする必要はありません」と太鼓判を押してくれた(笑)。

いやあ、アンプを替えるだけでこれだけ全体のバランスが良くなるのだから恐れ入りやの鬼子母神。それにしてもこの古典管の素性の良さには改めて感心した。あくまでも控え目でいながら必要な音をきちんと出してくれるし、澄み切った透明感と清澄感は何物にも代えがたいほどで、まるで真空管の神様のようだ。

「散々真空管遍歴を重ねた人が最後に戻ってくるのがこの古典管だと言われています。まあ、魚釣りはフナ釣りに始まってフナ釣りに終わるようなもんですよ。」と、この球の大の愛好者のKさん。

いつもは主役の「AXIOM80」さんだがとうとうこの日は脇役に回ってしまった。それでも「WE300B」アンプと「PX25」アンプで鳴らす「80」さんは相変わらずの魅力を放っていた。

「これまで聴かせていただいた中では今日が最高の音でしたよ。」との言葉を残し、5時間ほどの試聴を終えてKさんが満足気に帰途につかれたのは17時ごろだった。

そして、18日(日)の午後は新たに大分から馴染みのお客さんが2名試聴にお見えになった。もしかして当方のブログをご覧になって新しいホルンに興味を持たれたのかもしれない。千客万来(笑)。

結局2時間ほど試聴されたが、結論から先に述べると異口同音に「いやあ、驚きました。これまでのJBLとはまったくの様変わりです。音が実に柔らかくてきれいな余韻が輪のようになって音響空間を漂っています。音楽の一番おいしい部分がこういう音だとまったく疲れないですね。それとシステムの主役がはっきりしていて低音部が控え目で自己主張していないのも功を奏していますよ。まったく違和感がありません。」と絶賛の嵐だった。

「よくもまあ、こんなホルンを考え付く人がいるもんですよ。
“スピーカーは楽器の延長だ”という発想がないと絶対に湧いてこないアイデアですね。世の中には熱心なマニアがいるもんです。しかし、たかがホルン一発でこれほど音が様変わりするのですからオーディオは怖いですね~。」と自分。

「勉強になりました。自分も考えないと・・・」「とにかく感動しました!」とそれぞれの言葉を残してお二人とも帰られたが、Kさんをはじめこれほどお客さんに喜んでもらうと、まったくオーディオ冥利に尽きますわいなあ(笑)。

ところで、前述のように大いに活躍してくれるホルンだが、これほどの稀少品を無償で譲り受けたというのがいささか気になってきた。ブログで勝手に“はしゃぎまわる”自分を見て「北国のおじさん」はどう感じておられるんだろうか。

「性能に見合う対価」をきちんと払うのが世の中の常識というものなので「北国のおじさん」宛てに次のような確認のメールを送った。(17日)

「おかげさまで毎日ホルンを堪能しております。素晴らしいですね!ところで念のためオークションを覗いたところ、ホルンの値段はかなり高いですね。こうなると結果的にしろはたして無料で譲っていただいて良かったのでしょうか?腹蔵のないところで、改めて〇〇様の方から譲渡価格を提示していただいても結構ですがいかがでしょう?」と、なかなか微妙な言い回しに“ひと苦労”(笑)。

すると翌日(18日)に次のような返信メールが届いた。(要旨)

「ホルンの効果について単なる自己満足なのか、心配不安もありましてそちらの所見をお尋ねいたしたく送りましたが、ご満足していただき望外の喜びでした。このホルンはおそらくどこかの学校で生徒が何十年も使ったものだと思います。ま、第二のホルン人生の良きお勤めをしていただければ生徒さんも喜んでくれると思います。」

改めて心から感謝です。せめてもの祈りです、どうか「北国の春」が早く訪れますように~(笑)。
 

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「北国のおじさん」シリーズ~その3~

2015年01月15日 | オーディオ談義

これで3日続けての連続更新になるが、こういうことはブログ開設以来(8年余)初めてのこと。何せ、メールのやり取りを公開しているだけなので、(更新が)すこぶる楽ちん~(笑)。

それでは以下、前回からの続きです。


いきなり「JBL375ドライバー用のホルンが欲しい」と、まるで子供が駄々をこねるような申し出に対して、「北国のおじさん」からまことにご親切なメールが届いた。
 

当方は別府には馴染みはありませんが、私的には九州の<武末数馬>さんは青春の思い出、実験などたくさんあります。作ったアンプも数知れず、物置には片チャンネル300Bx10のOTLAMP2台、86タイプや、DA100、300BS、PX-4s、6L6GTsなどが転がっています。

〇〇様に触発されまして45 101D 171 この3本(5V管)のコンパチアンプを
作ろうかと思い計画の初期段階です。

こちらの直ぐ近くに友人の<真空管博士>がおりまして、
いろいろ教えてもらっています。私より20歳下ですが、真空管のことで質問すればなにも見ないで内部抵抗、μ(ミュー)値などたちどころ返答します。おそらく所蔵数5,000本以上かと思います(本当は本人も解らない)。

それから肝心のホルンの件ですが一吋をガスケツト2インチ用に改造いたしまして送りますのでジックリ試聴検討してみてください。傷だらけですのであまり期待しないでください。
私的には以前はゲテモノ趣味だと思ってましたので〇〇様にはそれほどでもないかも知れませんが北国のおじさんから借りたことでお願いいたします。もしお気に入りましたら差し上げます。」

いやあ、「差し上げます」とは本当にありがたいですねえ!お言葉に甘えて額面通りに受け取らせてもらいます(笑)。

すぐに感謝の返信メールを打電した


「まず当方の住所氏名と電話番号をお知らせしておきます。~省略~。もし送付されるときは、ぜひ着払いでお願いします。それからホルンの件ですが、傷だらけでも結構ですよ。貧乏性なので慣れてますから(笑)。


それと身近に<真空管博士>がおられるとのこと、非常にありがたいことですね。是非私もこれからいろいろ相談に乗せていただきたく、よろしくお願いします。

それから<北国のおじさん>の件を仲間に話したところ、北国では気候の関係でしょうか、必然的に室内の趣味が多くなるので非常に熱心なオーディオマニアが沢山おられるそうですが、とりわけ〇〇県では<M>さんという方から度々稀少管をオークションで落札したそうです。もしかして、ご存知ではありませんか?」

すると、すぐに返信メールが到着した!
「いや~、驚きですね。そのMさんこそ<真空管博士>のことですよ」とのことで二度ビックリ。世間は狭い!一気に距離が縮まった。

そして、待望のホルンが我が家に到着したのは1月12日(月)のことだった。送料元払いとは恐縮の至りです。

すぐに、じっくりブツを拝見したが、もともと楽器だったものを実にうまく加工してある。おそらくドライバーと接続するアタッチメント(木材)の取り付けには随分苦労されたことだろう。

こういう手作りの味がプンプン臭ってくるオーディオ機器は見た目がどうあろうと大好き~。何せ世界で「オンリーワン」の音になるのだから。

「北国のおじさん」からは「くれぐれも過大な期待はしないようにしてください。」と念を押されていたので「大丈夫です。これまで数知れず<期待と失望>を繰り返してきましたのでしっかり免疫ができています。」と返答しておいたが(笑)、とは言いつつも「ホンネと建前」は別で、胸を弾ませながらさっそく試聴テストに移った。

とりあえず、どういう音が出るのか、海のものとも山のものとも分からないので予備テストを実施した。

ここでJBL「2440」ドライバー(375ドライバーの後継機種)のご登場。

お気に入りのJBL「375」ドライバーが万一故障でもしたらたいへんとスペアとして持っていたもので、同じ16Ω仕様である。昨年オークションで超安値で購入して、ダイヤフラム(口径10.2センチ)を新品のダイヤモンドカット付き(JBL純正品ペア)に入れ替えたおかげで見事に蘇ったばかりなので満を持しての初登板。

クロス周波数(ローカット)は標準的な500ヘルツ(20μFのコンデンサー使用)にし、駆動するアンプはたかだか出力1ワット前後の小出力真空管アンプにした。高能率のドライバー(108db!)を大出力アンプで鳴らすほどの太い神経はとても持ち合わせていない(笑)。

         

ドキドキしながらアンプのスイッチをオン。緊張の一瞬を迎えた!

以下、続く。
 

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「北国のおじさん」シリーズ~その2~

2015年01月14日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

はじめに「北国のおじさん」から届いた全ての写真を紹介しておこう。

 


          

   
 

この写真とともに添えられた文面の方は次のとおり。

「このホーンを思いついたのはWE6Aホーンからです。
オークションで安いメロンホルン(ヤマハが多い)を改造しました。昔“無線と実験”誌でも見た記憶あります。

開口部約30cm、ホーン長25~30cm、ドライバー取り付け用アダプタについては木材10cmパイから375用は13.5cmの丸い米マツ材に真ん中に4.2cmパイ(5.0でなく)穴を開ける、あとはドライバー取り付け用4穴を開ける ホルンは¥3000くらいで探す 不要部分はサンダーでカツトして先ほどのアダプターのセンターの穴より小さめの直径を残してボンド接着して最後に余分な管を切断する。電気サンダーとジグソーあれば大丈夫です。 しばらくメールの写真を送付してませんので操作忘れましたがうまく行けばいいのですが。」

世の中は広いですね~。熱心なマニアがいるものですね~。

折り返し次のメールを「北国のおじさん」あて打電した。レスポンスが早いのは「鉄は熱いうちに打て」と「大魚逃すまじ」の両方の狙いがあるのは言うまでもない(笑)。

「写真無事転送されております。非常に興味深く拝見しました。いろんな工夫をされておられるようですね。JBLの375ホーンは現在ウッドホ-ンを使ってますが金管楽器などの再生に少々物足りない思いがしていたところです。

もっと新しい可能性を模索してましたので、〇〇様のホーンを拝見して思わず“コレダ”と膝を打ちました。是非欲しいですね。知り合ったばかりでいささか
厚かましいのですが、自作というと、ちと大変なので作成していただくわけにはいかないでしょうかね(笑)。もちろん、<材料費+α>の代金はお支払いしますが。

それから、アンプですがいかにも“いい音”がしそうなアンプですねえ!私は現在1920年代の古典管それも初期版を愛用しています。まだ<205D>アンプを聴いたことがありませんが個人的にはこの球と<205D>は“いい勝負”ではないかと秘かに思ってます。返信メールお待ちします。」

メールで知り合ったばかりの方にいきなり「特製のホルンが欲しい」と言い出すんだから、まるで人の持ち物を見て“いい”と思えば何でもかんでも飛びつく「ダボハゼおじさん」の面目躍如といったところかな~(笑)。

おっと、「ダボハゼ」という言葉は初耳の方もいるかもしれないのでその意味(ネットによる)を紹介しておこう。

☆ 釣りの際、誰にでも簡単に釣れるような価値のない雑魚というくらいの軽んじた意味で使われる

☆ ハゼ類は貪欲で、体に比べて口が大きい魚であることから、転じて手段や対象を選ばず、ガツガツと飛びつく人、またはそのような行動を揶揄するときに使われる。野球においては、早打ちで凡退することが多いタイプの打者への揶揄として使われることが多い(しかしながら、早打ちでも成績を残している選手の場合は「積極性がある」と評される)。

☆ 企業が様々な分野へと参入し多角化させる形態を「ダボハゼ経営」と呼ぶことがある。

「運命の扉」をこじ開けるために必要なモノ、「それは勇気と積極性だ」ということをこれまでイヤというほど体験しているのでその行き着いた先が「ダボハゼ」であって、むしろ名誉の勲章だと思っている(笑)。

そして、“一日千秋の思い”で待つことしばし、「北国のおじさん」からまことにご親切なメールが届いた。

以下続く。
 


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「北国のおじさん」シリーズ~その1~

2015年01月13日 | オーディオ談義

ブログをコツコツと地道に続けていると、ありがたいことに全国津々浦々からいろんなメールをいただく。すべて熱心なオーディオマニアの方々ばかりなので、内容もそれぞれ凝ったものが多くいつも興味津々で読ませていただいている。

見ず知らずの人間同士がこうして簡単に繋がるのだから、今さらながらネット社会の恩恵をたっぷり享受させてもらっていることに感謝する。

つい先日も北国の方からメールが届いた。ご本人のたってのご希望により「北国のおじさん」としておこう(笑)。

「今日は!〇〇県の者です。毎日楽しみにブログを観ています。昭和〇〇年生のオーデイオ好きな“おじさん”です。突然のメールお許しください。毎日拝見いたしまして共感し教えられこと多々で勉強になります。たとえばブログに掲載されていたE180のドライバー管などでもガラリと大きく変わりました。 

私も高齢になりましたが 震災後は一時大きな音を出すことを控えていましたが そちらのブログに触発されまして小さなAMP205D 205Fで静かに鳴らしております。SPはALTEC25Cm+804Cです(804もホルンホーンです)。
 
私の375のホーンは昔2395や 砂入15セルなどでしたが止めて今はホルンを改造して使用してます。今までのホーンよりステレオの音場感が素晴らしいです。375のキツサが取れ柔らかい音になりましたがこれも一長一短かとは思いますが(ジャズでは物足りない人も)。
 
とりとめのないメールで誠に申し訳ありませんでした。近くでしたら一度お伺いしてみたいのですが、ブログ見ながらお話したくなりメールいたしました。ご迷惑でしたら無視してください。」

「迷惑だ」なんてとんでもない!

真空管「205D」のアンプは一度は聴いてみたいし、JBL375ドライバーの「ホルン」となると興味津々で、これほどの物件(?)を簡単に見逃す手はない。つくづくブログを続けていて良かった~(笑)。

すぐに10分後に次のメールを打電した。

「メール拝読しました。こうして別府と〇〇を一気に結べるのですから、ネットってすごいですね。私は昭和〇〇年生まれですから貴殿よりキャリアとしてはちょっと落ちます(笑)。205Dや205Fのアンプとなると私にとっては垂涎の的です。

一度聴いてみたいですね。それと375用のホルンですが、非常に興味あります。近県なら是非お伺いさせてもらうのですが、残念です。

それから、<E180CC>ですがミュー(増幅率)が手ごろなので重宝してます。丁度「12AU7」と「12AX7」の中間値なので、両方ともに挿し替えて気分転換してます。

これからも勉強になりますから是非メールください。お待ちしてます。<音楽&オーディオの小部屋>こと、別府の〇〇より。」

折り返し「北国のおじさん」さんから数枚の画像付きで返信があった。その中からとりあえずアンプの写真だけを紹介しておこう。



このアンプを見て心の“ときめき”を覚えない人、そんな人はおそらくオーディオマニアの資格がないといっていいだろう(笑)。

以下、続く。
 

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「ミステリ」の顛末

2015年01月10日 | 独り言

長い正月休みが終わって、早くも1週間が経過した。サラリーマン諸氏は仕事のペースをすっかり取り戻されたことだろうが、今日(10日)からは新たな3連休に突入というわけで“うれしい悲鳴”が聞えてきそう(笑)。

今回のお正月では作年末からの9連休(12月27日~1月4日)で、勤労者にとっては願ったりかなったりの長期休暇だったが、その反面、あまりにも自由な居心地良さが長期間続くと、今度は気分新たに仕事に取り掛かるのがつい億劫になるのは想像に難くない。

この心理状態は少なくとも“宮仕え”の経験のある方ならお分かりだろう。喩えて言えば「情緒」の世界から「論理」の世界へと心のスイッチの切り替えをしなければいけないのでたいへん~。

我が家の娘も1月5日(月)からの仕事始めに向けて、4日の午前中に旅立って行ったが、その際あまり“沈んだ様子”を見せなかったのでホッした。親にとって子供は“いくつ”になっても心配のタネである。直接、口には出さないもののこういう親心を娘は分かってくれているのかなあ(笑)。

「お父さん、“ソロモンの偽証”だけど、5巻まで読み終えたので家に置いていくからね。6巻は読みかけなので帰りの電車の中で読みます。ちょっと中だるみだったけど、5巻、6巻は凄く面白いよ。それから、“その女アレックス”と“ナミヤ雑貨店の奇蹟”はまだ読んでないので、お母さんが今度来るときに必ず持たせてあげてね。」

         

これが娘が持って帰ってきたミステリ(再掲)だが、休暇中、テレビも見ずに熱心に読み耽っていたおかげで「ソロモンの偽証」を5冊半読破。2日に1冊のペースなのでかなりの速読派である。読書には縁遠い家内が娘に向かって、しみじみと「あんたは本当にお父さん似だねえ」と、こぼしていたほど(?)。

オヤジ殿も負けてはおられない、早く読んでおかねばと「その女アレックス」をここ2日ばかりかけて読破した。

まず表紙の裏にある概要を紹介しておくと、、

「お前が死ぬのを見たい、男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は死を目前に脱出を図るが・・・。しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理作家協会賞受賞作」

何といっても本書は前評判がいい。「このミステリがすごい!2015年版」「週刊文春」「早川書房」など名門とされるミステリ部門の年間ベストランキングでいずれも1位を獲得し史上初の「6冠」というのだから凄い。

そこで、期待に胸を弾ませながら読んでみたものの個人的な読後感を言わせてもらうと、手放しで傑作というには程遠かった。はたして、これが6冠王といわれるほどの作品なのかな~?

刑事たち(パリ警視庁)の葛藤や心理描写などはなかなかのレベルだが、日本の警察小説の雄「今野 敏」さんの著作群だって負けず劣らずの出来栄えでけっして見劣りしない。

それに本書の持ち味は殺人の動機と意表を突いた展開にあるが、それがちょっとドギツ過ぎて非常に後味が悪い。

ミステリなので詳細な紹介は差し控えるが、もっとスマートな切れ味の内容を予想していただけに興覚めした。これは娘というか女性一般にはあまり読んで欲しくない本である。

“心胆を寒からしめる”ようなアクの強い登場人物や「女性の虐待」をテーマにした内容は「ミレニアム」(スウェーデン)など北欧系のミステリにそういう傾向が強いようだが、フランス発もそうなのかな。

イギリス、アメリカ発とはちょっと傾向が違うように思うが、今どきの海外ミステリはこういうのが流行かもしれない。意表を突くトリックなどはもう出尽くしている感があるものの、「シャドー81」や「摩天楼の身代金」などの快作が懐かしい。

最後に、読者から「面白くない本なら紹介するな!」とお叱りを受けそうだが、今回ばかりは行きがかり上仕方がないので許しておくれ~(笑)。


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新年早々の試聴会~その2~

2015年01月08日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

昨年末(2014)に新たに手に入れたナス管アンプだが一聴するなり素性の良さが窺い知れた。澄み切った中高音域の「音の佇まい」は只者ではない。さすがはGさん(福岡)!

      

ただし何もかもGさん任せでは持ち主としての立つ瀬がないので、せめて真空管をあれこれ差し換えてベストマッチングを探ってみることにした。

まず出力管を付属のものから、一段と古い初期の球(以下「古典管」)に変換。これはもう相性以前の問題で球の特性(電流値)が大きく違うので目を見張るほど音が良くなった。

そして面白いことに気が付いた。

同種のアンプをもう1台(仮に「ナス管1号機」としておく、したがって今回のアンプは「ナス管2号機」)持っているのだが、「ナス管1号機」では、1本の古典管が音が割れたり歪気味の音を出していたのでお蔵入りしていたのがこの「ナス管2号機」に挿してみると微塵もその気配が感じられないのである。

いったい、なぜ?

両者のアンプの大きな違いといえば
整流方式の違いだけ。

「ナス管1号機」は真空管整流で「ナス管2号機」はダイオード整流。この整流方式のどちらがいいのか悪いのか、好みの差もあるだろうし、いまだにマニアの間でも論争が尽きない。

これまでダイオードと聞いただけで固い石の音をイメージするので、整流管を使うのが一番だと思っていたが、どうやらそうでもないようである。

以下、自分なりの勝手な想像を述べてみよう。

整流管といってもそこは真空管の悲しさであくまでも消耗品である。使っているうちに次第に性能が劣化していくのは否めない。しかし、音が完全に出ないかというと“そこそこ”出るのでなおさら始末が悪い。経年劣化なので耳の方もそれに慣れてしまい音の劣化に気が付きにくい。

これを前提に考えると、もしかして「ナス管1号機」による古典管の歪気味の音の原因は“へたった”整流管のせいで十分な電流を供給できなかったせいではあるまいか。

そういうわけで整流管をこまめに取り換えるのが面倒くさい向きは、音質は別として寿命と安定性の面で一日の長があるダイオード整流にした方がいいのかもしれない、なんて思ったりした。


それにしても稀少な古典管が生き返ってくれてうれしい限り。「古典管は簡単に諦めないこと」が今回のアンプでの一番の収穫である。

さて、次にドライバー管の交換に移った。出力管の能力はドライバー管によって大きく左右されるのでその選択にはメチャ神経を使う。このアンプに付いていたのは「12AX7」というミニチュア管であの有名なプリアンプ「マランツ7」に使ってあったりして有名な存在。実は以前「マランツ7」を愛用していたことがあり、その名残で12AX7の在庫はいまだに十分な状態。

周知のとおり「12AX7」は肝心の「μ(ミュー)」(増幅率)がおよそ「100」という値になっており、自分が知る範囲ではあらゆる電圧増幅管の中で最も高くちょっと暴れ気味の傾向があると思っている。

そこで、素性のいい球が望まれるので手元にあった中から厳選したのが次の5種類の球。

          

左から順に「ECC803S」(テスラ)、「ECC83」(テレフンケン・ダイヤマーク入り)、E180CC(ムラード)、E83CC(シーメンス)、E80CC(ヴァルボ)

この中で異種となるE180CCは「12AX7」の「μ=100」に比べて「μ=47」とやや落ちるし、E80CCに至っては「μ=27」と極端に落ちるが、この両者は非常に球(音)の素性がいいのであらゆるミニチュア管には必ず試すことにしている。

そして試聴の結果、出力管の個性を上手く引き出すという点でベストはテレフンケンのECC83で次点はムラードのE180CCだった。

さすがはテレフンケンのダイヤマーク入りだと感心したが、
E180CCは大健闘だった。「μ=47」と実に手頃な数値なので非常に使いやすいうえ、一般的な真空管アンプに頻繁に使用されている「12AX7」(μ=100)と「12AU7」(μ=17)の両方に睨みが利くので大いに重宝している。このところオークションでせっせと買い占めているので今や在庫は12本!

E80CCは今回は冴えなかったが「μ=27」と低すぎたのが原因。何せ「12AX7」という相手が悪かった。もし「12AU7」の代わりに使用したとしたら、おそらくベストだったろう。

これでようやく音質も一段落だと我が世の春をかこっていたところに今回のYさんのご訪問(1月3日)だったわけだが、新装なったこのアンプのご意見を伺うのに絶好の機会となった。

Yさんが試聴盤として持ってこられたのは次のCD。

      

いずれもヴァイオリン系で、専門誌から優秀録音盤として推奨されたお墨付きのものだそうで、このことからしてもYさんがSPユニット「AXIOM80」の弦楽系の再生能力に一目も二目も置かれていることがお分かりいただけようというものだ(笑)。

「いい音ですねえ!PX25アンプよりも好きです。それはそうと以前のアンプ(ナス管1号機)もいい音がしてましたがどうされるんですか?」とのご質問。

「はい、AXIOM80の復刻版に使用しています。もし自宅で試聴されるのなら貸してもいいですよ~」

「いえ、いいです」

マニアというものは一般的に他人の二番煎じを嫌がるものだが、とりわけYさんはリッチな財源に裏打ちされているので独立心が旺盛な方のようにお見受けした(笑)。

それにひきかえ、自分ともなるとプアな財源のもとに他人の持ち物がいいと思えば、恥も外聞もなく何でもかんでも飛びつくダボハゼのような存在かもねえ(笑)。

さて、次にJBL3ウェイ・マルチ・システムも聴いてもらったが、「全てのシステムが完成の域に近づきましたね。
2年前とは大違いですよ~」

こういう賛辞を臆面もなく披露する(ブログの作者の)神経もどうかしているが、書かないと分かってもらえないしねえ~(笑)。

いずれにしても、ことオーディオに関しては華々しいスタートを切った2015年でした。

 


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新年早々の試聴会

2015年01月06日 | オーディオ談義

昨年末に紹介した「消磁器」だが、この正月期間中は手元の真空管アンプ(7台)の出力トランスの消磁に大活躍だった。

        

とにかく、2枚も3枚もベールをはがしたように音がクリヤーになって情報量が多くなるからその効果たるや驚く。

ただし、消磁にあたってはアンプの保護とスピーカーに影響を及ぼさないように手持ちの「15Ωの抵抗」をSPターミナルの両チャンネルに挿し込んでから行った。

この機器は近所にお住いのYさんからお預かりしているものだが、Yさん宅では消磁の対象になるアンプが無くなったとのことなので、この際いっそのこと「譲ってもらおうか」と正月早々から虫のいいことを考えていたところ、そのYさんから3日(金)の午前中に電話があった。

「明けましておめでとうございます。いかがお過ごしですか~」

「ええ、相変わらずオーディオ三昧ですよ。お預かりしている消磁器はなかなかいいですねえ。お正月の間、我が家の真空管アンプはすべて消磁しましたよ。」

「その消磁器なんですが、友人が貸して欲しいと言ってますので今日にでも取りにお伺いしていいでしょうか。」

「ええ、もちろん結構ですよ。本来は私がお返しに上がらねばいけないのに、わざわざ見えていただいていいんですか。」

「はい、午後1時半ごろに試聴がてらお伺いします。」

というわけで、新年早々の試聴会がめでたく実現した。「お父さんたちはほんとうに好きだわねえ~」と、娘と家内がいたく感心する(笑)。

今回の試聴会のポイントは何といってもこれ。


☆ 新たな真空管アンプの音質テストについて

実は昨年(2014)の12月18日に1台のアンプ(新品)をオークションで即決で落札した。

          

解説文にはこうあった。

「売り切り クリスマスプレゼント 格安出品 写真を参考ください。電源ケーブルが無いために動作の確認ができません。よって、動作未確認のジャンクで放出します。手を入れる時間があれば、かなりマニアが泣いて喜びそうなアンプに
出来ると思いますが、時間が無いので、このまま放出します。
ナス管はいいですね。トランスもタムラと豪華です。手間作るとなるとパーツ代だけで〇〇万円くらいになると思います。」

非常に小振りのアンプということが気に入ったし、しかもお気に入りの真空管(以下「ナス管」)が使ってある。それに出力トランスがタムラ製となると、国産ではまあ一流だし、全体的に何かしら琴線(きんせん)に触れるものがあった。

もうアンプは余り過ぎるくらい持っているのに、ついフラフラと引き寄せられるのだからよほどの「薄志弱行の徒」である(笑)。

まず、このナス管の特性に熟知したGさん(福岡)にご意見をお伺いしてみると、「たしかに部品代だけで即決価格を軽くオーバーするでしょうから、お買い得品には間違いないですね」。

「もし落札したら出品者(東京)からGさん宅へ直送してもらいますので、内部を一度点検してもらえませんか。」

「ええ、いいですよ。ただし年末になるとお店(和菓子屋さん)が忙しくなるので、点検は年明けになりますが、それでいいでしょうか」

「ええ、もちろんです。全然急ぎません。お暇なときに診てもらえれば結構ですよ」と自分。

実は半分はホンネで、残り半分はそうではなかった。おそらくGさんのことだから、乗りかかった船だとばかり技術者魂を発揮して早期点検をしてくれるだろうと期待していなかったと言えばウソになる~(笑)。

そして大胆不敵な狙いはものの見事に当たった!肺炎一歩手前というほどの重症の風邪をおして、そしてお店の繁忙期を克服されて無事改造が済んだナス管アンプが我が家に届いたのは何と年内も年内、余裕の12月25日だった!

何しろ始めから電源コードとボリュームつまみでさえ付いて無いのだから、回路の中身の方も“推して知るべし”で、改善箇所が山ほどあったようだ。Gさん、ほんとうにありがとう!!

さっそく本命のSPユニット「AXIOM80」(最初期版)に繋いで鳴らしたところ、想像以上の音が出たのには驚いた。

「ええ音やなあ!」

以下、続く。
 


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「年賀状」二題

2015年01月03日 | 独り言

お正月恒例の年賀状となると、社会生活から引退しているので交際範囲が狭くなって定番の方々ばかりになるが、それでも見るのが楽しみ。

今回はその中から印象に残ったものを「二題」紹介してみよう。

☆ 重たい真空管アンプはイヤです!

これまで真空管アンプの修理など随分お世話になったMさん(奈良)からの年賀状に「クォードⅡ+22がオーバーホールしなければならなくなりました」とあった。

すかさずピ~ンと閃いて次のようなメールを送った。

「賀状拝見しました。長年愛用されてこられた
名器がオーバーホールとは残念ですね!ふと思ったのですが以前修理していただいた“V V52Bアンプ”が現在遊んでいます。今後も使う見込みがありそうにないので出力管7本付きでお譲りしてもいいですよ。たいへん申し上げにくいのですがお値段の方はズバリ〇円でいかがでしょう。
真空管だけでもオークションに出品したらそのくらいの値段はすると思いますが(笑)。ご検討をお願いします。」

         

自分でいうのも何だが、ご覧のとおり堂々としたアンプでシングル型式の割には出力も結構あるし、ハム音などのノイズはいっさい無縁で音質もクリヤーで非の打ちどころなし(笑)。

ただし、非常に重たいのが難点で移動に難儀するあまり、つい最近「予備役」に編入したばかり。

さあ、ご返事はいかに? 新春早々思わずドキドキ~(笑)。

翌日(2日)になって返信メールが届いた。

「VV52Bアンプの件ですが、これからのことを考えますと重量の件を考慮に入れておく必要を感じます。ですので今後はモノアンプ2台にしようと考えています。クオードⅡパワーアンプがモノ仕様で誠に都合がよいです。 

それに不調はプリアンプのほうです。年末に素晴らしい情報を得ましたので、1976年に英国のメンテナンス会社でメンテ完了品を10年後に購入したのでかれこれ30年の歳月が経過していますので少しの改造は許してもらえるのではと勝手に決めました。メンテから40年、メンテ前がおそらく10年以上は経過しているとなると50年になります。」

以上のようにやんわりと拒絶されてしまった。要因は文面だけからすると「重量」のようで、誰でも考えることは同じだと思わず苦笑した。年齢がいくにつれ「重厚長大」から「軽薄短小」に移行するのは世のならいだ。

それにしても「少しの改造は許してもらえる」という発想はいかにも律儀なMさんらしく「オリジナルの設計者を尊重したお言葉だ」と感心した。

何でもかんでもすぐにアンプの改造に“ひた走る”自分とは大違い。ただし、新品の名器はお値段が高いこともあって最初から手を出さず、中古品を主体に買い漁るのだから仕方が有りませんと一応弁解しておこう(笑)。

Mさんから見事にフラれたので、そのうち知人を通じてオークションに出品することにした。

☆ ブラリ九州の旅

以前「AXIOM80」(復刻版)を格安で譲っていただいた千葉県にお住いのSさん。その後も「AXIOM301」を無料で送付していただいたりと非常にお世話になっている。

懇意にしている県外の方には本県特産の「カボス」を収穫時期になると必ず発送している。カボスといえば別府の〇〇さんとご家族の方に覚えていただければ“しめたもの”(笑)。

そのSさんから届いたのが次の年賀状。

             

「最近“革細工”に凝っています」とのことだったが、さすがにご職業がデザイナーだけあって図案や色の組み合わせなど実にセンスがいい。

九州ブラリ旅とあれば大歓迎である。目立ったり、仰々しいことが嫌いな方なので、あまり有名ではないが「とっておきの場所」を探しておくとしよう。もちろんオーディオマニアなので、我が家の音の方も一層磨きをかけておかねば(笑)。

以上、今年の「年賀状二題」でした。


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「初夢」二題

2015年01月01日 | 独り言

皆さま、新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

昨年末(27日)のことだが、運動ジムでの帰りがけに「今日が最後です、どうかよいお年を~」と、知り合いの方に挨拶したところニッコリと「はい、いつもブログを見てますから (最後ではないですよ)」という言葉が返ってきた。

何だか年賀状と同じでブログが無事の知らせになっているようだ。しかも「対面効果」さえもあるようでこれは非常に喜ばしい限り(笑)。

たしかに心身ともに不調だとブログを書く気にもならないし、趣味のオーディオや読書だって楽しむ気にならない。今年も内容の良し悪しはさておいて「無事これ名馬」をモットーに順調にブログ更新といきたいものだが、はてさてどうなることやら~。

ところで「一年の計は元旦にあり」ともいうが「計」(はかりごと)となると、ちょっと大げさなので「今年はこういうことがあればいいな~」という希望的な「初夢」を挙げてみるとしよう。

☆ 「AXIOM80倶楽部」の設立

つい先日のこと、茨城県のMさんという方から画像添付のうえで次のようなメールが届いた。

 

オーディオ&クラッシック音楽鑑賞が趣味そして、使用スピーカーがAXIOM80なので興味深くブログを拝見いたしました。 当方のシステムの音源はパソコンにリッピングしたCDとitunesStoreからダウンロードしたものです。  

外付けSSD → Mac mini → AirMac Express でWi-Fiで別室から飛ばし,AppleTV → DAC → 知人自作プリアンプ → LUX A3600真空管アンプ → ヒノオーディオ購入の復刻AXIOM80。音は満足しておりますが、他と比較することは出来ないので本当のところはどうかわかりませんが・・。 
 
今後もブログを楽しみにしております。

こういうメールは大歓迎(笑)。「まるで同士に会えたような気分です。いろいろとご教示ください。こちらこそよろしく~」というご返事を差し上げたのはいうまでもない。

いったい全国に「AXIOM80」を使用されている方はどのくらい居られるんだろう。

何といっても、このくらい独特のクセがあって鳴らしにくい個性的なユニットも珍しい。下手をすると中高音域がキャンキャンして聴くに耐えない音になる。仲間のKさん(福岡)によると、折角「AXIOM80」を手に入れたもののうまく鳴らすことが出来ずにお蔵入りさせているマニアが相当数おられるはずとのこと。

駆動するアンプやユニットを容れるエンクロージャーによってもガラリと表情を一変させるので、その奥深さは果てしない。

これほどのユニットを遊ばせておくのは実に勿体ないし、自分だっていまだに完璧に鳴らしているわけでもない。そこで「AXIOM80倶楽部を創設して仲間同士で鳴らし方のノウハウについて気軽に情報交換をしませんか」というわけである。

とりわけエンクロージャーの形態はいまだに研究の余地があると思っている。グッドマン社指定のオリジナル・エンクロージャーももちろんいいのだが、仲間によるとユートピア社製のバスレフタイプで信じられないくらいの「いい音」が出ていたというから、まだ可能性を秘めた未知の世界がきっとあるに違いない。幸いなことに我が家では「復刻版」が1セット余っている(笑)。

それに相互訪問だって、また良き哉~。同じSPユニットを使っているとお互いに話が合うこと必定である。

全国に散在しているであろう「AXIOM80」をお持ちの方はどうか気軽にご一報ください。メールの宛先は「プロフィール」欄の自己紹介の所に記載しています。10人以上になったら、連絡先(メルアド)、システムの概要などの一覧表を作成してお届けしますよ~。ただし、個人情報にこだわる方は住所氏名は非公開にします。

☆ 「魔笛倶楽部」の設立

このブログを始めてから8年ほどが経過したが、これまで再三再四「魔笛」(モーツァルト)が大好きな方を結集して「魔笛倶楽部を設立しましょう」と呼びかけているが、いまだに全然反応なし(笑)。

「魔笛」は汲めども汲めども尽きせぬ泉みたいなところがあって、あらゆるクラシックの曲目の中でも最高峰に位置する音楽と思っている。熱中するあまり、CD、DVD合わせて40数セットの魔笛を購入して聴き耽ってきたが、いまだに何ら瑕疵のない演奏には出くわしていない。

指揮者、オーケストラ、5人の主要な歌手たち、秀逸な録音などが完璧に満たされた演奏は未来永劫に不可能かもしれないと思いつつ、いまだに未練が断ちきれない。もう新盤に期待するしかないのだが・・・・。

次のようなメールがこないかなあ~。

「はじめまして。魔笛がお好きとのことなのでメールを差し上げました。実は私も貴殿と同様に魔笛にすっかり嵌っております。聴けば聴くほどモーツァルトの深遠な世界に導かれています。今のところ愛聴盤はナタリー・デセイが夜の女王役をやった“クリスティ指揮”のものですがほかにもいろんな盤を聴いてみたいです。

そこで、いつぞやのブログで記載されていたカラヤン指揮盤(1950年)にとても興味があります。作家の五味康祐さんが私的なメモで好きな演目のベスト20を挙げておられる中、第一位に挙げられていた盤です。アントン・デルモータ(王子役)の熱唱もぜひ聴いてみたいです。

たいへん厚かましいお願いですがよろしかったら貸していただけないでしょうか。それにコリン・デイビス盤にも興味があります。はなはだ勝手な申し出ですがどうかよろしくお願いします。」

「貸すのは無理ですが、〇〇〇なら」 な~んちゃって(笑)。

以上、二つの「初夢」でした。


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