「貴方が好きな「グッドマン」(英国)についての記述が載ってますよ」というコメントともに、メル友の「I」さんからご親切にも送付していただいたのが「聴く鏡」。
著者はジャズ界では国際的にも有名な「菅原正二」さんで、この拙ブログでもいつぞやのこと「日本一音のいいジャズ喫茶」(一関市)というタイトルで紹介させてもらったことがある。
オーディオ誌「ステレオサウンド」(季刊)に連載されていたものを、まとめたものだが、一読してみるとジャズへの燃えたぎるような情熱と「JBLシステム」への迸(ほとばし)る愛情にほとほと感心するばかり~。
「音楽&オーディオ」の両方が見事に一体化してますね。
我が家はクラシックオンリーといってもいいくらいだけど、それでも参考になることが沢山あったので、未読の方はぜひご一読をお薦めします。
ちなみに「聴く鏡」のタイトルの由来は「時間をかけて自分が作った音を自分一人で聴いてみる。スピーカーから出る音が<聴く鏡>である。これが所以である。(159頁)。
いわば、自分の「人となり」が音に反映する・・、これでは迂闊に他人に聴かせるわけにはいきませんな~(笑)。
最後に、「グッドマン」に関する記述を記録しておこう。
「ぼくはJBLを持つ前にグッドマンの12インチ・フルレンジAXIOM301を愛用していたことがあって。あれは12インチ大口径にもかかわらず。ダブルコーン式だったせいか「ミダックス」「トレバックス」と、用意されていた3ウェイに発展しないで、故意にそのフルレンジの派手目のカラーを楽しんでいたが、フルレンジとしてもっと完成度の高い10インチのAXIOM80にあっさり負けてしまった経験がある。」(153頁)
「ついでながら告白しておくと、その入院中に僕は全然音楽を聴かなかった。聴く気もしなかったのであるが、状況が変わると、聴きたい音楽も、聴きたい音も変わるという当たり前のことを考えていた。
いつもは戦闘的なジャズを戦闘的なJBLのそれも ”大砲” で聴いていたわけで、それは単に元気だった証拠だ。カラダが弱ると、さすがに内心 ”ああいうのはごめんだナ” と思う。無責任な話ではありますが、病床では正直なところ ”グッドマンのアキシオム80でクラシックを・・” 願いたいと思ったりした。
これをカラダが弱った証拠といっては、いつもこういうのを聴いてる人に失礼に当たるが、それで実際に退院後間もなく仙台の友人の所へ行ってグッドマンのアキシオム80を聴いてみた。僕も昔は持っていたのだが、人に持っていかれ今は手元にない。
こういうよくできた小型スピーカーはやっぱりいいなあ・・、としばらくウットリとしたのだが、次にアルテックのA7を”聴かしてよ”といってサッチモのレコードをオルトフォンのSPUでかけてもらった。
そしたら圧倒的!なスケール感と臨場感でぶっ飛んでしまい、弱ったカラダにたちまちムラムラと熱気が帯びてきたではありませんか!?
弱ったときに大型のA7、元気な時にむしろ小型のアキシオム80か!」(162頁)
以上のとおりです。
で、一言いわせてもらうと、「AXIOM80」をスピード感溢れる「サブウーファー」(100ヘルツ以下を補完)付きでぜひ聴いたもらいたかったですねえ(笑)。
それでは「I」さん、長期間のご貸与ありがとうございました。熟読玩味させてもらいましたが、たいへん参考になりました。「負けてはおられない」とヤル気がますます湧いてきましたよ(笑)。今週中に返送します。
次いで、近隣にお住いのオーディオ仲間「Y」さんからお借りした「ステレオサウンド」誌(2024年春号)。
「ステサンには珍しくブラインドテストをやっているので読んでみませんか~」、というわけだった。
昔と比べて、専門誌に対する読者の目は厳しくなっているように思う。「業者から秘かに接待を受けたオーディオ評論家が提灯持ちの記事を書いているんではないか・・、疑心暗鬼のもと、そう簡単には騙されないぞ」というわけ(笑)。
軽く50年以上のオーディオ歴に及ぶブログ主も何度騙されたことか・・、もちろん簡単に盲信して騙される方が悪いんだけどどれだけ授業料を払ったかわからないほどの苦~い歴史を引きずっている。
そういう状況の中での「ブラインドテスト」だから、一応期待を持って読ませてもらったけど、全体的に歯切れの悪い記事が目立つ印象を受けた。
オイオイ・・、悪いなら悪いと欠点をハッキリ指摘しろよ~、褒めてばっかりじゃ参考にならんぞ~と、負け犬の遠吠えをしておこう(笑)。