「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

変身したJBLシステム

2014年06月27日 | オーディオ談義

去る6月19日(木)に福岡で「ウェスタン・サウンド」の 衝撃的な出会いをしてから1週間が経過した。

相手のいい面を取りれようとすぐに実行に移すのが自分のスタイルなので、この間に「アベノミクスの三本の矢」ならぬ、三つの対策を講じてみた。もちろん、「AXIOM80」システムについてはまったく介入の余地がないので、専らの対象はJBL3ウェイ・マルチ・システムである。

巷間、「出来の悪い子供ほど可愛い」と言われているが、オーディオにおいても同様で不完全なシステムほど手がかって愛着もひとしおだが、「ああでもない、こうでもない」と研究用としても大いに“いじり甲斐”があり、いつも試行錯誤の連続が続いているので「またか!」と言われそうだがブログのネタとしても貴重な存在になっているので悪しからず。

今回も正直言って目論みどおりにいくかどうかはやってみなければ分からず、それどころか逆に悪くなるケースだって考えられるが、
こればかりは「宝くじ」と同じでチャレンジしないと絶対に当たらないのとよく似ている(笑)。

以下、ややマニアックな話になるがそれぞれの対策を解説してみよう。

☆ ムンドルフのコイルを購入


福岡での試聴から帰ってすぐにネットでムンドルフ(ドイツ)のコイル(6.8mh)を〇〇無線に注文してこのほど到着した。周知のとおりコイルの役割について端的に言えば、周波数の帯域をハイカットすることにある。

たとえばウーファーの受け持ち範囲の周波数を20~300ヘルツとした場合、300ヘルツあたりでカット(6db/oct)するときに「クロスオーバーネットワーク早見表」によって、適正な数値を持ったコイルを選択して使う。その時の単位を「mh」(ミリヘンリー)という。

          

さて、これまで
焦点の定まらないモヤっとした印象を受けるのがこのJBLシステムの難点だったが、低音域のハイカットを現行の400ヘルツ付近から、この6.8mh(ミリヘンリー)のコイルを加えて一気に100ヘルツ付近まで落とし、もっと全体の姿をスッキリさせようという魂胆である。

この周波数帯域は積年の課題ともいうべきところで散々やり尽くしてきたものの、今回は思い切った粗削りのチャレンジとなる。

SPコードにはすでにウェスタン製の鉄心入りコイル(1.2+2.7)を挿入しているので、この6.8mhを加えると計算上では丁度100ヘルツほどの数値になる。

ちょっと低域方向へ落とし過ぎかもしれないが、使っているエンクロージャーが「ウェストミンスター」なので、あの独特のフロント・ホーンの形状を考えると、余分な響きが中高音域方向へ乗りやすいのであえて冒険してみたくなったのが本音。

作業は実に簡単なものでハンダ付けでコイルをSPコードに接着すればいいだけなので、ものの20分程度で終了。

☆ 中音域ユニット「375」用アンプの交替

これまで使っていたアンプは「刻印付き2A3」アンプで、中低音域辺りのグラマラスな響きに満足感を覚えていたが、透明感重視の方向で改善を図ることとし、新しい「ナス管」アンプを起用することにした。

このアンプはつい最近のブログでも記したとおり実際に375に接続して試聴したところだが、今回の低音域の新たなハイカットへの試みに伴い、状況が変化したので再度の起用となったもの。このアンプの透明感はなかなか捨てがたいところがあって、あのウェスタン・サウンドに似ているような気がする(笑)。

           

☆ 低域用アンプの交替


これまで低域用ユニット「D130」に使っていたアンプは「PX25シングル真空管アンプ」で、出力は6ワット前後と“並み”だが、このユニットは102dbと極めて高能率なのでよもやパワー不足ということはないはずと思っていたが、そういえば、先日のウェスタン・システムに使用されていたアンプはたかだか2ワット前後の真空管アンプ(ウェスタン205D真空管のプッシュプル)だったのを思い出した。

もちろんSPユニットの能率次第だが、たったあのくらいの出力であんなに凄い低音が出るのだから我が家の場合も、もしかして「オーバーパワー」かもしれないと思い立ち、これまで375ユニットに使っていた「チビちゃんアンプ」こと「刻印付き2A3」アンプ(出力3ワット前後)を思い切って使ってみることにした。

          
          

以上、三つの対策を施していよいよ注目の音出し。

すると、あれだけ違和感があった低音域がスッキリ爽やかとなったのには驚いた。全体的なバランスも非常によろしい。心配していた低音域の響きも重量感があってこれなら十分。

どうもこれまでの曖昧模糊とした低音域の一番の原因は(低域用アンプ)の「オーバーパワー」だったような気がするが、結局これで我が家のJBLシステムは低出力真空管アンプ3台のオンパレードとなってしまった。

改めて再掲すると、低音域用のユニット「D130」には出力3ワット前後の「刻印付き2A3」アンプ、中音域用のユニット「375」には出力1ワット前後の「ナス管アンプ」、高音域用ユニット「075」には出力0.5ワット前後の「71Aアンプ」というわけで、昔の高能率SPユニットを使うと自ずからこういう結果になる。

とかく出力不足に目が行きがちなパワーアンプだが、逆に過大な出力にもご用心という結果になってしまった。 

折しも、昨日(26日)の午後、オーディ仲間のMさん(大分市)がお見えになったので、さっそく試聴していただいてご意見を拝聴したところ、これまでとは打って変わって「JBLシステム」を絶賛された。

見違えるほどの変わり様だそうで、「オーディオを忘れて長時間音楽に浸れる音ですね。低音域の重量感も申し分ありません」。いつも歯に衣を着せないありのままの辛口が持ち味のMさんだからこれで勇気百倍!

また、上記の三つの対策もさることながら、低音域用のプリアンプ「テドラ」(GAS)の性能にも注目され、ご自宅にも同じGASのプリアンプを所有されているので、「マークレヴィンソンのプリアンプと入れ替えてオートグラフを鳴らしてみたくなりました」とのことだった。

このプリアンプはほんとうに偶然手に入れたのだが、今ではまったく我が家の救世主的な存在になっている。出力が2系統あるので「AXIOM80」にもつないでいるが、トーン・コントロールが付属しているので、弱点となっている薄味の中低音域の改善に非常に役立っている。
   


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オーディオ訪問記

2014年06月24日 | オーディオ談義

去る6月19日(木)はかねて予定していた他家へのオーディオ訪問日だった。前日までシトシトと、しつこく降り続いていた雨がまるでウソのようにすっかり晴れあがって絶好のドライブ日和。

訪問先は福岡市内にお住いでウェスタンの555システムを同じウェスタンのオリジナル・アンプで鳴らしてある“お宅”で、生粋のウェスタン同士の組み合わせはこれまで聴いたことがないので興味津々。

何しろ初めてお会いする方なのでオーディオ仲間のAさんを介しての日程調整だった。

当日は別府の自宅を早朝8時に出発して、カーナビの指図のままにスイスイと迷うことなくご自宅に到着したのが10時ごろだった。仮にHさんとしておくが、ほぼ同年輩とお見受けしたが非常に気さくな方でまずはひと安心。

「初めまして~、〇〇と申します。どうかよろしくお願いします」。

オーディオルームに通されて「ワァー」と、思わず声を上げてしまった!

           

                      

システムの概要を紹介しておくと、

スピーカー

ウーファー 「4181A」(口径46センチ) ミッドレンジ 「555W」(片チャンネル2個)+15Bホーン ツィーター 「K597」

アンプ

WE46C×2 (片チャンネル 整流管、出力管ともにウェスタン205D真空管がそれぞれ2本!)

レコードプレイヤー  「
EMT927ST」   CDプレイヤー  「LHH2000」

音の入り口から出口まで極めて細かい神経が行き届いていて、「タンガーバルブ電源」から始まって、「ペイパーオイルコンデンサー」などへのこだわりなど、どれかが欠けるとたちどころに音質に影響を及ぼすそうで、これだけのシステムを構築し維持していくのは並大抵の苦労ではないことがよく分かった。

「音」に対する形容はいろいろあるが、実際にこういう音を耳にするとまったく別次元の世界で思わず「言葉を失う」というのが正確なところ。非常に気持ちがよい音で、どんなに長時間聴いても聴き疲れしなくて柔らかい音とだけ言っておこう。もう、これ以上は何とも表現のしようがない(笑)。

厚かましくも昼食を御馳走になりながら5時間あまりひたすら「ウェスタンサウンド」を堪能させてもらったが、取り分け印象に残ったのが、レコードによるシゲティが弾く「ヴァイオリン協奏曲(ベートーヴェン)だった。

バッハの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」をはじめシゲティは硬質の音を出す傾向のヴァイオリニストだと思っていたが、ここでは極めて繊細で柔らかい響きを出すことに驚いた。再生装置でこれだけ変わるのだから演奏家の評価はうかつに出来ないとつくづく思った。

             

我が家のシステムからこういう音はとうてい出すべくもないがメルクマールになるという意味で今日はずっと記憶に残る1日となった。

オーディオ冥利に尽きるとはこのことだが、我が家の音と照らし合わせると身近な課題として浮かび上がってくるのがJBLシステムで、これと比較すると「まだ欠陥だらけだなあ」と慨嘆したが、その一方、これから工夫する楽しみも増えた。

とりあえず、ここで聴いた音の透明感は375ドライバーに使っている現行の「刻印付き2A3」アンプよりも、最近購入した新しい「ナス管」アンプに相通じるものがあるので、自宅に帰ってから再び入れ替えてみようと思った。

帰りがけにご厚意でウェスタン社が責任を持って作成編集したCDを数枚貸していただいた。
               
ボーカルを中心に映画音楽、ジャズ、クラシックなど幅広く網羅されていたが、いずれのCDともに「野太い音」が出てくるのに驚いた。通常のCDに比べて出力レベルが非常に高くて、DAコンバーター(ワディア27ixVer.3.0)のボリュームを5db下げるほどだった。

おそらく収録するマイクや録音機材が違うのだろうが、広い映画館などで「遠くに飛ばす音=浸透力のある音」とはこういう録音をいうのだろう。

今さらだが、「ウェスタン」と名がつけば何から何まで凄い!

その昔、古典の授業で「平家にあらずんば人にあらじ」(平家物語)とあったのを記憶しているが、今回の訪問を通じて「ウェスタンにあらずんばオーディオにあらじ」という言葉がつい浮かんでしまった(苦笑)。


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犬も歩けば棒に当たる

2014年06月21日 | オーディオ談義

このところ「どんなにいい出力管を使っていても整流管がダメだと台無しですよ~」というオーディオ仲間の言葉が気になっている。

真空管アンプにおける整流管の役割は周知のとおり「交流を直流に変える」ことにあるが、整流管の替りにダイオードを使用する方も多い。

どちらの方式がいいか悪いかは別にして規格さえ合えば整流管の差し替えをしながら音質の変化を楽しむのも真空管アンプの楽しみの一つである。

直熱管の「5R4GY」「5U4G」、傍熱管の「CV378」「GZ34」「GZ32」「WE422A」などが楽しみの源泉だが最近耳よりのニュースが入った。

ある国産メーカーの往時の製品「5R4GY」が、当時のウェスタン社の技術提供により名管「274B」に優るとも劣らない能力に仕上がりながらも安価でオークション市場に流れているという話を耳にして、つい最近、試しにこのメーカーの「5R4GY」を落札して使ったところ期待にたがわない音質で驚いた。

価格は「274B」のおよそ1/10以下だから、これはたまらない(笑)。

しかし、残念なことに我が家の真空管アンプのうち1台だけ整流管の差し換えが利かないモノがあって、それは「2A3」アンプの「5X4G」。

この球だけは通常の整流管とピンの配列が違っていて異質となっているわけだが、配線をちょっと変えるだけで他の球との差し換え可能になるとのことなので、このくらいの修理でいつものMさん(奈良)のお手を煩わすのもお気の毒なので、大分市にお住いのNさんにお願いすることにした。

17日(火)の午後、梅雨特有の雨が降りそぼる中を濡れないようにアンプを梱包してクルマで40分程のNさん宅へ向かった。

ベテランの技術者のNさんのことなのでひと通りの説明により、すぐに「了解しました。それほど時間はかからないと思いますよ」との言葉を得てひと安心、しばらく預けることにしてあとはご愛用のアルテックのA7をきかせていただいた。

プリアンプはマッキントッシュの「C28」、パワーアンプは「WE300B」シングル(モノ×2台)で、思わず「雰囲気のいい音ですねえ!」。

プリアンプの「C28」はつい最近入れ替えられたそうで非常に柔らかい音を醸し出していたが、元のアンプは現在オークションに出品中とのことで部屋の片隅に寝転がっていた。

トランジスター式のプリアンプでGASの「テドラ」という初めて名前をきくアンプ。

1976年製で当時の価格で66万円もする高級アンプで、オークションに出品するに当たり古くなったコンデンサーなどほとんどの部品を入れ替えられたそうで、その交換した部品がビール袋にはちきれんばかりとなってアンプの傍らに置いてある。

どうせ不要になってオークションに出すのなら手間をかけることなく出品するのが通常だが、「出品するときはこうありたいものだ」と、改めてNさんの律義さに感心した。こういう良心的な処置が施されたアンプなら安心して使えるとパッと閃いた(笑)。

Nさんが手放された理由は「ちょっと音が硬いところがあります。ボリュームを上げると元気が良くなるようです。」とのこと。

トランジスターの音はあまり好みではないが、パワーアンプと違ってプリアンプならそれほど違和感もあるまいと思ったし、かねてから自宅のJBLシステムの低音域の伸びと締まり具合にほんのちょっぴり不満があったので、「これ、お借りして自宅で試聴していいですか?」

「ああ、いいですよ」と、ご快諾を得たのでいそいそとクルマに積みこんで持ち帰った。整流管の配線改造のお願いから始まって思わぬ展開になってしまった。

           

自宅に設置して配線を完了すると、まず、たちどころにアンプの性質を露わにする「AXIOM80」に繋いで聴いたところ、雰囲気感は真空管アンプに一歩譲るが、ローエンドの伸びや音の締まり具合には一日の長があって、「なかなかいける!」というのが第一印象。

次に本命のJBLシステムの低音域(D130)のパワーアンプを、ケンウッドの「01A」にかえて、プリ、パワーとDCアンプ同士で接続すると、たしかに真空管アンプにはない良さが見受けられた。中高音域の柔らかさは真空管アンプじゃないと無理だが、低音域はDCアンプに捨てがたい味がある。もちろん好き好きだがあのボワンとした「ふやけた低音」が出ないのが何よりもいい。

さっそくNさんに「このプリアンプは我が家のシステムと相性がいいようですよ。」と連絡したところ「それではまだ入札が1件もありませんからオークションを止めましょう。」とのご快諾。

安価で手に入れたプリアンプだが、この能力にしては思わぬお買い得となった。

そしてお願いしていた2A3真空管アンプの改造が終了して、昨日(20日)取りに行った。配線処理がうまくいって、規格さえ合えば5X4Gも含めて、すべての整流管が使えるようになったので非常に楽しみが増えた。

            

今回の件を称すると、いい意味で「犬も歩けば棒に当たる」ということかな~(笑)。


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ジャズよりもクラシックが得意なJBLシステム

2014年06月18日 | オーディオ談義

先日、オークションで落札した「ナス管アンプ」。

           

まるで子供が新しいおもちゃを手に入れたみたいに、ああでもない、こうでもないと、あちこちいじり回しながらようやく初段管、出力管、整流管のベストマッチングを終えたので、当初の狙い通りこのアンプでJBLの375ドライバーを駆動してみることにした。

現在使用しているアンプは「刻印付き2A3」(1940年代)で、今のところ音質にまったく不満はないものの、もしかしてそれ以上の音質が得られるかもしれないという願望によるもの。

こういう欲張りケースはこれまで限りなく経験しているが成功確率となると極めて低くて、まあ冷静に見積もって2割前後といったところかなあ。したがって、徒労に終わる可能性は極めて大だが、それでもやってみなくては気が収まらず、これはまあオーディオマニアの業みたいなものだろう(笑)。

アンプの電源コード、音声コード、SPコードを外して新しいアンプに付け替えるだけなので、ものの15分もあれば済むほどの簡単な作業である。

結線が完了して、いよいよハラハラドキドキしながらの音出し。この瞬間が一番楽しい!

う~ん、透明感や音のヌケの良さは特筆すべきものがあるが、あの「刻印付き2A3」特有の500ヘルツ付近のふっくらとした豊かさにはとても及ばない印象を受けた。

これは一長一短というよりも総合的にみて元の方にやや分がある感じ!

しかし、また元に戻すのも面倒だし癪なのでこのままの状態で何らかのアイデアが湧いてこないものかとしばらく様子を見ることにした。

物事に熱心に打ち込むと必ず隘路にぶち当たるものだが、そういう場合に誰もが「閃きのゴールデンタイム」を持っていると思う。引き合いに出すのはまことに畏れ多いが、かのベートーヴェンはハイリゲンシュタットの森を散策しているときによく楽想を思いついたというが、自分の場合は経験上、主に次の4つのタイミングのときになる。

 朝目覚めたとき  運動ジムでエアロバイクを漕いでいるとき  近くの公園でウォーキングをしているとき  湯船に浸かっているとき

いずれもリラックス時のことになるが、今回の場合はのときだった。ふと「375」ドライバーの周波数帯域をもっと低域方向に伸ばしてみてはどうかと閃いたので、オイルコンデンサーを追加してみることにした。手持ちのサンガモの10μF(マイクロ・ファラッド)を使用。

           

現在、ローカットに使用しているオイル・コンデンサーは32μF(22μF+10μF)で、理論上はおよそ300ヘルツまで伸びている計算になるが、これに10μFを追加することにより42μFとなって約250ヘルツ付近までさらに落としてみた。

「375」の規格では500ヘルツまでとなっているので、250ヘルツまでとなるとちょっと危ない周波数だが駆動するのが何せ出力1ワット前後の非力の真空管アンプだから、過大入力となってボイスコイルが切れることもあるまいという非常に甘くて無茶な算段である。いわば「虎穴に入らずんば虎子を得ず」。

これで恐るおそる音出ししてみると、どうやら以前よりも500ヘルツ付近前後に少しふっくら感が出たような気がしてまあ、いい線になったかなあ。あまり自分の耳には自信がないので、例によってあとはお客さんのご意見を拝聴させてもらうことにした。

折しも丁度タイミングよく14日(土)の午後、大分市にお住いのOさんとMさんがお二人で我が家に試聴にお見えになった。別府に御用事があったとかでその帰途に立ち寄られたもの。

さっそく、「AXIOM80」と「JBLシステム」を両方聴いていただき、単刀直入に「どちらがお好きですか?」

お二人ともどちらかといえばジャズ・ファンだが、Mさんは一刀両断のもとに「AXIOM80が断然好きです」。Oさんは「クラシックではJBLシステムがいいような気がしますが、ジャズではAXIOM80の方が好きです。」

エ~ッ、これには正直言って驚いた。周知のとおりJBLシステムはもともとジャズ向きなのに、クラシックと相性がいいとは、言い換えれば本来の能力が発揮されていないということになる~(笑)。

頷けないこともない。システムの中で一番のキーポイントである「375」のアンプを交換したせいで、大切な周波数帯域の300~7000ヘルツ辺りがあまりにもスッキリ、爽やかになり過ぎたせいだろう。もっとゴリゴリっとした図太さと勢いが欲しいところだ。

ヤレヤレ、あの閃きも大したことはなかったなあ。

お二人がお帰りになった後で、「375」用のアンプを元通り「刻印付き2A3」に戻し、新しい「ナス管アンプ」は「AXIOM80」に復帰させてようやく今回の騒動は一件落着。

いやあ、今度もつい仲間の耳に頼ってしまいました(笑)!

 


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「スピーカー周りの作業」の楽しさ

2014年06月16日 | オーディオ談義

先日のこと、オーディオ仲間のAさん(湯布院)からご連絡があって、「ハートレーのユニットをナショナルの8PーW1(通称ゲンコツ)と入れ替えたところ、ピアノの左手側が実にいい音で鳴りだしました。一度、聴いてみませんか。」

こういうときに、矢も盾もたまらず一目散に駆けつけるのがオーディオ・マニアのマニアたる所以で、あいにくの梅雨空だったが、クルマで35分ほどの道をひた走り。

               

画像をご覧のとおり、かって一世を風靡したハートレー(イギリス)の口径25センチのユニットと、同じく口径17センチのユニットを中高音域に使用されている。ウーファーは往時のナショナルの名ユニットとして知られる30センチ口径のもの。

クロスオーバーは400ヘルツ(6db/oct)、2000ヘルツ(6db/oct)のハイカット無しとのことで、変則4ウェイ。


いかにもAさん好みのずっしりとした重量感のある音というのが第一印象だった。Aさん宅の位置づけとしては第4システムになるが、第1システムにしてもいいくらいの音で、うまくまとめられており長時間でも聴き疲れしないのがいい。

今後、ウーファーを「SLE-20W](フォステクス2発)に替えたり、ハートレーを真空管アンプで鳴らす計画をお持ちのようだが、とにかく「スピーカー周りの作業は楽しくて仕方がありません」とのことで、まったく同感。

この作業は汲めども尽きない泉のようなところがあって、コイルやコンデンサーの材質、クロスオーヴァーの変更、吸音材の材質や詰め方、エンクロージャーの材質や容積、そしてユニットの選択など音質に関わる変数が限りなくあってまるで「オーディオの宝庫」。

2時間ほど聴かせていただいてから、1階に降りてかねてお願いしていた「AXIOM80」を拝見させてもらった。残念なことにAさんはこの稀少なユニットを現在使っておられないが、それ以前は20年間ほど骨の髄までしゃぶり尽くすように使い込まれたそうだ。

このユニットは我が家にある復刻版と違ってオリジナルである。ただし、いつぞやのブログでも触れたように、オリジナルといっても1期~4期ぐらいまであって、その道の専門家でないと何期に当たるのか区別がつかない。

            

            

磁界処理対策としてユニット裏側のマグネット部分を「油粘土」で包んであり、銅板でくるんでアースを取る方がいいとのことで、実にユニークな方法をとられていてこれは初耳。

正直言うと、このAXIOM80を使わないまま寝かしてあるのはもったいないので、当方としてはAさんに対して具体的な商談に持ち込む腹積もりなのだが、「ヴォーカルとヴァイオリンの再生だけはダントツですからねえ」と、今一つ手放す決心がつかないご様子。そりゃそうでしょう!

したがって、未だ(商談が)“まな板”の上さえも乗っていない段階(笑)。

長年のお付き合いなので何とかなりそうな気がするものの「果報は寝て待て」という諺もあることだし、Aさんの心境の変化を焦らずにじっくり待つとしようかな~。


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新しい「ナス管アンプ」の球転がし

2014年06月14日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

オークションで落札した待望の「ナス管アンプ」がようやく到着したが、前述したように出力管、整流管ともに
1940年代の刻印付きの球を惜しげもなく使ってあるところが一番のメリット。

ハラハラドキドキしながら「AXIOM80」に繋いで実際に音出しをしたところ、一番心配していたハム音もいっさい無いし、音の透明感やヌケも申し分なし!

現在、プリ、パワー併せて9台ほどの真空管アンプを所有しているがすべて、オーディオ仲間のMさん(奈良)にお願いして点検、調整してもらったが、このアンプばかりはどうやら現状維持のままで良さそうだ。

オーディオ仲間のKさんに連絡すると「さんざん真空管アンプ道楽をされた方の最後に行き着く先が古いナス管アンプだそうですよ。程度のいいものに当たられてよかったですねえ。」

古いタイプの真空管といえば、ご存知の方も多いと思うが「12A」 → 「71A」 → 「45」 → 「50」 → 「2A3」と連なっていく魅力的な世界である。

今や真空管といえば猫も杓子も「300B」の感があるが、オリジナルはともかく中国製の近代管なんか使うよりもこれらの古典管のほうがずっと音がいいと思うが、なにぶん出力が小さいので能率の高いSPユニットを使うという条件付きの話になる。


なお、このアンプの初段管(電圧増幅管)は「6SN7」で、当初はRCAブランドのものが付いていたが、あいにくスペアの持ち合わせがなかったのでこの球もついでにオークションで落札。

         

真空管の泰山北斗であるKさんに「真空管のソケット部分にレイセオンとあってボールドウィン(Baldwin)の活字の印刷がありますが、この球の素性は大丈夫でしょうかね?」と、お訊ねしたところ、

「ボールドウィンはオルガンのメーカーです。真空管の選別の厳しさで有名なメーカーですから良品が多いですよ。280というファクトリー・ナンバーがあればレイセオンの自社製に間違いありません。」

というわけで見事に合格。レイセオン(アメリカ)は現在ミサイル・メーカーとして有名だが、昔は真空管を作っており、その信頼度は抜群。軍事用として通用するものを民生用に使用するのだから当たり前のことではある。

さて、先週の6日(金)にわざわざKさん(福岡)に来ていただいてこの「ナス管アンプ」の「球転がし」を実施した。

試聴後のKさんのご感想は「これほどとは思いませんでした。いいアンプに当たりましたね~。2倍近い値段がしてもおかしくないくらいの仕上がりです。」と、激賞だった。

その後「どんなにいい出力管を使っていても、整流管が悪ければ台無しですよ」ということで、持ってきていただいた数種類のナス管や出力管を差し換えながらの試聴テスト。

すべてソケット部分に刻印が押してある古典管ばかりで壮観だった。この時代は各メーカーがコストを無視して性能競争に励んでいたので優秀な球ばかり。シルヴァニア、カニンガム、RCA、レイセオン、フィルコ、アクチュラスなど。

            

いろんな組み合わせをテストしながら、最終的にベストだったのは出力管、整流管ともに〇〇だった。

            

とりわけ整流管は持参された〇〇製の「CXー〇〇」がベストで音の豊かさ、雰囲気、奥行き感が一頭地を抜いていた。

稀少球でオークションにも滅多に出品されない逸品だそうで、「言い値で結構ですから・・」とアッサリ申し込むと「譲るわけにはいきませんが、しばらくこのまま使ってみていいですよ。」とKさん。

同種の球を沢山持ってあるものの、いざ手放すとなるとマニアの心理としてきっと淋しくなるのに違いない。自分だって攻守所を変えればそうなる(笑)。

いわば貸与に落ち着いたわけだが真空管は消耗品だし、お言葉にずっと甘えるわけにもいかないので、「万一オークションで“CXー〇〇”が出品されたら、絶対に落としますから」という条件付きである。

Kさんからはほかにも出力管と別種の整流管をいただき感謝の一言で、とりあえず当面のストックは確保したのでまずはひと安心。

残るはこのアンプの使い方の問題になるが、現在は「AXIOM80」に使って100%満足しているものの、JBL375ドライバーに使ったらいったいどういう音になるんだろうと興味津々である。

現用の「刻印付き2A3」アンプと「ナス型の古典管」アンプの一騎打ちになるがはたして勝敗はいかに(笑)。

この結果については追って報告ということで。
 


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新しい「ナス管アンプ」をゲット

2014年06月12日 | オーディオ談義

オーディオは個人ごとの感性や人生的な価値観(金銭的な意味も含めて)に大きく左右される世界なので、“ご本人さえ満足されていればそれで良し”といったところがある。

傍(はた)からあれこれ口をはさんでも仕方がないし、それに必ずしも正解があるわけでもないしで、日頃から差し出がましいアドバイスや断定的な物の言い方はなるべくしないように心がけている。これはお互いにそうだと思う。

ところが、
それが一変するのがネット・オークションの世界。

こればかりは実際に自分の大切な“身銭”をきることになるのでそこには、建前論なんかはいっさい存在せず、マニアたちの掛け値なしの心情が如実に繰り広げられるように思う。

一つの例を挙げてみよう。

先日、丁度同じ落札日(5月29日)として中古専門店から同時出品されていた「PX25」真空管(イギリス)と「2A3」真空管だが、解説や写真で見る限りいずれも良品だった。

前者は周知のとおりヨーロッパ系の名三極管としてWE300B(アメリカ)と並び称される存在だが、後者は出力が高々3ワット程度だし、たしかにいい音はするもののPX25と比べるのはとても酷だというのが一般的な受け止め方だ。

ただし、今回出品されていたのは特別な「2A3」だった。「フィブレ」(FIVRE)というブランドのイタリア製の1枚プレートの逸品でおそらく1940年代前後のものだろう。それが中古専門店からの出品なのでいつものように1000円スタート!

真空管マニアのKさん(福岡)から、さっそく「イタリア製の一枚プレートで上質の2A3が出品されていますよ!ご存知ですか?」との報をうけて、さっそく「ウォッチリスト」に追加して注目した。

現在「2A3」については「刻印付き」(1940年代)を持っており、JBL375ドライバーに使用してすっかり満足しているので、どうしても手に入れたいという気はなく“安価で落札できそうなら入札に参加しよう”という心積もりだったが、落札日が近づくにつれ見事に(?)グングン値が上がっていく。

とうとう最終落札額は91100円!さすがのKさんも5万円まで追いかけたが、「途中であきらめました」

ひとくちに「2A3」といっても製造年代によってまるっきり音が違うわけだが、「こんな地味な真空管によくもまあ」というのが正直な印象。自分の経験では真空管は1940年代前後のモノが一番いい音がすると思っているが、その真価を知っている方が自分ばかりではなく世の中に広範に存在しておられることを改めて認識した。

その一方、PX25の方はといえば最終の落札額は51000円とおよそ「2A3」の半額程度に留まった。真空管としては(「2A3」よりも)はるかに格上なのにこの有様。

この二つの明暗をいったいどう説明したらいいのだろう。

こればかりは需要と供給の面からしか説明できないが、比較的ポピュラーな球と稀少品の球との差が如実に出たのだろうが、用途として小出力に見合った能率の高いSPユニットを使用されている方も結構いるということだろう。

その点、たしかにPX25(出力6ワット)は我が家の高能率のJBLユニット(375ドライバー=108db、075ツィーター=110db)にも使えないことはないが、もっと小出力のアンプの方が試聴結果がずっと良かった。

真空管アンプの出力はけっして高ければいいわけではなく適材適所というわけだが、むしろ高出力だとどうしても回路から部品の選択も含めて「音が大味になる、しかも暴れやすい」印象を受けるというのが正直な実感。

したがって、今のところ高出力用のプッシュプル方式と聞いただけで拒絶反応が起きて「オー、ノー」(笑)。個人的には「高能率SPユニット+小出力アンプ」の選択がベストではないかと思っている。

さて、以上のような理由から現在、小出力アンプにすっかり嵌っている状態だが、JBL075用にKさんからお借りしている「ナス管」アンプ(出力0.5ワット)もいずれ返却しなければいけない。

そこで小出力アンプが1台どうしても欲しいということで、つい最近オークションで見つけたのが(出力が)1ワット前後の「刻印入りナス管アンプ」。

            

出力管、整流管ともに大好きな1940年代のナス管が使ってあるのが大きな魅力で、このほどオークションでようやく落札したが実に厳しい闘いだった。

結果的に200円の僅差で競り落としたが、お値段の方は娘がときどきこのブログを覗いているようで母親に告げ口されるとまずいので控えておくことにしよう(笑)。

以下、次回へと続く。
 


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やっぱり詐欺だった!

2014年06月10日 | 独り言

世の中、実にご親切な方がいるものである。5日前(6月5日)に見知らぬ方から次のようなメールが届いた。匿名なのでお許しを得ぬままだが紹介させていただこう。

タイトルは「6月2日のblogの記事について」

「初めまして、自作スピーカーでオーディオを楽しんでいる〇〇というものです。いつもblogを楽しみに見ています。今回はオーディオの話ではなくヤフオクにについてです。もう他の方から指摘が有ったかもしれませんがこれは典型的な詐欺で、ヤフオクの次点詐欺と呼ばれているものです。

試しに“何度かお話した所、悪意があったとは思えませんでしたから表面上は処理することに致しました。最終の入札額でお譲りできればと思っております。”の文面でgoogleで検索してみてください。

全く同じ文面がいっぱい出てきます。これはほぼ間違いなく出品者からではなく出品者を装った別人によるメールで2のケースと思われます。代引きを指定すれば被害は避けられると思いますがお気をつけください。

突然のメール失礼致しました。」

以上のとおりだが、事情に疎い方もいるかもしれないので改めて経緯を紹介しておこう。
 

去る6月2日付のブログ「意外な展開で終わったオークションの顛末」は、かいつまむと次のような内容だった。

稀少なSPユニット「AXIOM80」(1952年物)の中古が4本、オークションに出品されていたが、15万円で入札に参加したものの、あっさり弾かれてしまった。すると落札日の翌日になって、メールが届き「落札者が辞退したため、あなたの落札額(15万円)でお譲りします。」とのこと。

参考までにそのメールと関係部分を再掲すると、

「はじめまして、 グットマン スピーカー AXIOM80 を出品致しました〇〇〇と申します。
 
実は先ほど落札者様より連絡をいただいたのですが、ご本人様のご都合により、急きょキャンセルさせて欲しいとの事でした。何度かお話した所、悪意があったとは思えませんでしたから表面上は処理することに致しました。最終の入札額でお譲りできればと思っております。

無理な相談とは思いますが、もし宜しければ前向きにご検討お願いします。また失礼ながら他の入札者のかたにも連絡させて頂いておりますので今回は連絡が先にとれた方にお譲りしたいと思っております。連絡お待ちしております。」

そこで、
喜び勇んで当方の住所氏名を報告したところ、それからウンともスンとも言ってこなくなった。

ヤレ、ヤレ、どうやら出品者の心変わりがあった模様だが考えられる理由は二つ。

1 色よい返事をしたものの、〇〇万円以上の価格で引き取り手が新たに現れたので、利益優先で鞍替えした。

2 落札後にときどきこういうメールが来ることがあって詐欺のケースがよくあるという。そこで警戒してこちらから「代引きで送付してください」と注文を付けたわけだが、そこで騙すのをあきらめた。

どうも1の理由が可能性が大きいように思うが、元々出品者は中古専門の洋服屋さんでオーディオ屋さんではなかったので、「AXIOM80」の相場がサッパリ分からなかったに違いない。こちらが変に値切ったばかりに何だか可哀想なことをしてしまった。

届いたメールに知らん顔をするのはさぞや心苦しかったことだろう。「罪を憎んで人を憎まず」(笑)。

以上のとおりだったが、結局、真相はだったというわけ。

「振り込め詐欺」に引っかかるお年寄りなどのニュースをよくきくが「この人、バッカじゃなかろか」と、いつも思っていたものの、まさか自分に降りかかってくるとは夢想だにしなかった。

どうやら「代引き」送付の指定が利いたようで事なきを得たが、実はメールの内容を半分以上信じていたので危うく騙されるところだった。オークションをよく利用される方は、以上のようなケースがあるので、どうか同じような文面にご用心くださいね。

それにしても、どうして入札参加者の“メルアド”が第三者に分かったのだろう?パソコンのプロなら造作もないことなのだろうか。

もしかして、出品者が知り合いに入札者の“メルアド”を教えることだって無きにしも非ずだが、あらぬ詮索は無益なのでよしておこう。

いずれにしても、ご親切なメールを頂いた〇〇さんには真相が分かったので紙面(?)を借りて深く感謝です。自作スピーカーで楽しまれている方なので凄く話が合いそうですね~。要らん世話ですが、肝心の吸音材はミクロの穴が沢山空いている羽毛が一番ですよ(笑)。


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「魔法のホース」の後日談

2014年06月08日 | 独り言

九州は梅雨の中休みに入ったが、暑い夏がもう目の前にやってきた。この時期になるといつも苦労するのが植木への水遣り。大した庭でもないが、植木が苦しむのが可哀想なのでいつも気にかけている(笑)。

そこで、水遣りの大切なツールとして取り上げたのが、およそ1年前の2013年7月28日付で投稿した「ぐんぐん伸び~る!魔法のホース」。以下、ポイント部分だけ再掲してみると、


            

謳い文句は次のとおり。

 もうホースリールはいりません!  お庭の水やりが楽しくな~る♪ 
☆ 5メートルのホースがあっという間に3倍の15メートルに!!  片付けラクラク  ホースが折れない  コンパクト収納可能  ホースが細いから少しの水でもOK! → 節水にも役立つ!!

まあ、こういう宣伝に長けた製品は実際に使ってみないと分からないので話半分くらいの気持ちで使ってみたところ、まったくウソ偽りない内容で実に使いやすい。

これなら、自分が毎日水遣りをしても構わないと思ったほど。お世話になったお隣さんにもこの情報を伝えるとすぐに同じものを注文されたが、やはりクチコミの威力は凄い。

ただし、「MADE IN CHINA」なので、耐久性については保証の限りではなし(笑)。

と、以上のような内容だったが実は一冬越してみると、このホース簡単に破れてしまって使い物にならなくなった(笑)。

厳冬の時期に水道の蛇口に付けたままにしておいたところ、凍結のため通常よりひときわ細い口径のホースにたまった水が氷となり膨張してホースが裂けてしまったのがその真相。

もちろん、使い方のミスもあるが、ホース内の水が凍結したくらいで破れるくらいだから、ゴムの材質も推して知るべし。結果的にたったひと夏のお付き合いだった!

品質管理にはもっと気を配って欲しいところだが、それにしても寒冷地の北海道ならいざしらず、温暖の地、九州でこれだから全国各地至る所で同じような被害に遭われた方が沢山いらっしゃることだろう。

それに冬だってホースが必要な事だってあるんだから、現実に(ホースを)外した方というのはごく少数にきまっていると思うが「MADE IN CHINA」を選んだ購入者が一番悪いと言われれば甘んじて受け入れるしかない(笑)。

昨日(土)、改めてホームセンターに出かけて今度は材質のしっかりしたホースを買ってきたが、結局、水遣りに楽をしようと思ったら意外にも落とし穴があったという後日談で、世の中そうは甘くなかった(笑)。

次に、話題は変わってスポーツの話。

サッカーの「ワールド・カップ」が目前に迫ってきて何だか騒々しいが、サッカーというスポーツは嫌いなのでテレビなどの報道ぶりがうるさくてしようがない。何が嫌いかといって、ゴールがきまったときの選手のあの“はしゃぎぶり”が仰々しくてイヤ。

その点、ラグビーはいい。トライしたときも、選手が誇ることなく黙々と自陣に帰って行く。相手への配慮が感じられるし、試合終了後の「ノーサイド」(敵味方なし)の精神が十分に生かされており、やはりこれは紳士のスポーツである。

スポーツには勝者と敗者がつきものだが、勝ちさえすればいいというわけでもあるまい。以上、サッカーファンはお気を悪くされたかもしれませんが、あくまでも個人的な意見です。

さて、
野球もときおり派手なパフォーマンスがあるものの、概して好きなスポーツである。

そこで、4日前の6月4日(水)に福岡ドームの「ソフトバンク~巨人」戦に行ってきた。昨年に引き続いて、娘が勤める会社の方がチケットを手配してしてくれたので感謝しながら観戦。

          

席が1塁側のファウルグランドに近い場所だったが、そこからパチリと撮ったのが上の写真。結果の方は巨人先発予定の内海が故障のため欠場し、急遽仕立てられた投手陣が簡単に打ち込まれてソフトバンクが13対5で圧勝。

それでも、昨年は菅野が先発して投手戦となり巨人が勝ったが、今年は打撃戦となりホームランが2本みられてよかった。外野飛球とホームランとの差はほんの紙一重で、単にバットの芯に当たるかどうかのミリ単位次第だと思ったが、やはりバッティングは奥が深くて難しそう。

なお、遠くからなので選手の表情がまったく分からず、感情を持たないロボットがただプレイしているだけの印象を受けた。その点、テレビ観戦は(選手の表情が)つぶさに分かるし、リプレイもあるしでそのメリットは十分にある。

なお、別府駅~博多駅への往復の車中で読んだミステリー「さよならドビュッシー」(中山七里)は、退屈せずに読めた。意外な結末にきっと驚かれる方が多いことだろう。

                         

 


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お客さんとの試聴中にトラブル発生!

2014年06月06日 | オーディオ談義

我が家がある住宅地域は150区画ほどの団地だが、ここ1~2年新築ラッシュが続いており、(我が家の)正面玄関の斜め向かい側、距離にして30mほどの宅地にも家が新築されてからおよそ半年あまりが経った。東京在住の方が別荘として使用されており、ときどきお見えになっているという噂を耳にしていた。

そのお宅の裏に住む方が家内の朝のウォーキング友達なのだが、(家内に)言うのには「ご滞在中に夜遅くまで音楽がかかっていることが多いみたいよ。お宅のご主人も音楽好きだからもしかすると話が合うんじゃないかしら」。

こと「音楽&オーディオ」のことになると、がぜん積極的になるのが自分の習癖。それ以外は完全に“おくて”ですがね~(笑)。それを家内から聞いた翌日のこと、朝のウォ-キング時に、丁度タイミングよくご主人が外に出てお庭の草むしりをされていたので思い切って話しかけてみた。

「斜め向かいに住んでいます〇〇と申します。もしかして音楽がお好きなのではありませんか?大したシステムではありませんがよろしかったらお聞きに来られませんか。」

「そうですか、Mと申します。音楽は好きですよ。それはぜひ一度お伺いしてきかせていただきたいですね。さっそくですが明日の午後2時頃ではいかがでしょう。」

「ええ、もちろん結構ですよ」というわけで、みごとに商談(?)成立(笑)。

翌日(2日)の午後はあいにく雨だったが、むしろ室内遊戯にはもってこいの日。きっかり2時にお見えになったMさんだが、オーディオ・ルームに入られるなり、「ワァ~、これは凄い!」。別にこの言葉が聞きたさに招待したわけでもないのだが(苦笑)。

「どういうジャンルがお好きですか?」「タンゴをきかせていただけませんか」「それではアルフレッド・ハウゼをかけてみましょう」

まず「AXIOM80」から試聴開始。以降、ヴァイオリンとピアノをご所望だったので、ヒラリー・ハーンの「プレイズ・バッハ」とクララ・ハスキルの「ピアノ協奏曲20番第二楽章」(モーツァルト)を一緒に鑑賞した。

その間、ご近所同士だし、長いお付き合いになりそうなのでお互いに細部にわたって自己紹介をした。

Mさんは千葉県のお生まれで、当年とって80歳になられる。ず~っと都内の中野区で敷地90坪の一戸建にお住まいで、東京工大の応用化学科をご卒業され、とある大手企業にご就職。(いつものことだが音楽好きはどうしてこんなに理系に多いのだろう!)

別府とのご縁は30代の頃に10年間ほど大分コンビナートに出向されたときとのことで、たまたま別府市内の高台にある温泉付き住宅地が目に留まり、老後に住もうと土地だけ購入された由。

「東京では、福岡や熊本と違って大分といってもピンとこない人が多くて困ります。」

そうでしょうねえ。読み方からして「だいぶん県」だったり、「滑って転んで大痛県」なんて小咄をよく聞く。いっそのこと「別府温泉」と言ったほうが通りがいいのではなかろうか(笑)。

Mさんは、実に進取の気性に富んでおられ、現在、都内でピアノ教室に通われており、書画の表装を覚えるために職業訓練校で学んだり、料理の勉強のために教室に通ったりで、今回お土産として持参された手作りのお菓子が実に凝ったもので、夕方に帰宅した家内が驚いていた。こういっては何だが、お歳を召した割には活発なご活動に驚く。

「オーディオの泥沼にだけは絶対に足を踏み込まないようにしましょうねえ。」と、冗談を飛ばしたいところだが、まだ初対面なのでなるべく軽口は叩かないでおこうと遠慮した(笑)。

さて試聴の方は、順調に進んでJBL3ウェイ・マルチ・システムを試聴。ズバリ、「どちらのシステムがお好きですか」とお訊ねしたところ、「JBLシステムに低音の魅力を感じます」とのことだった。

オーディオにそれほど熱心でない方には、やっぱり音の“彫の深さ”などよりもスケール感の方が訴求力があるようだ。

ところがその試聴中のこと、肝心のJBLシステムの中のメインである「375ドライバー」の右チャンネルから、急に音が出なくなってしまった。さあ、これは大変!どこが故障したんだろう?

Mさんにはたいへん悪いが、それからは会話の方にまるっきり
身が入らず“うわの空”のまま、犯人さがしに躍起となってしまった。

はじめに疑ったのは「375」を駆動している真空管アンプ。

まず、一番高くつくのが「刻印付き2A3」(1940年代製造)の出力管だが、ちゃんと内部の点火が見えたのでひとまず安心。次にSPコードの途中に接続しているコイルやコンデンサーのハンダ付け部分を入念に点検していくと、ようやく原因が判明。

375のハイカット用(クロス1万ヘルツ、6db/oct)に挿入したムンドルフの「ゼロ抵抗コイル」とSPコードの接着不良だった。

                        

湿気の多い時期になるとどうもハンダにクラックが入ったり、剥がれやすくなるみたいで、すぐに半田ごてを暖めてガッチリくっつけて作業完了。

皆様、これはアドバイスですがこの時期に何か故障が起きたときはまずハンダのトラブルを疑った方がいいですよ!

その間、わずか15分あまりのことだったがお客さんとの試聴中に故障するなんて、こんなことは珍しく、極めて「心臓」によろしくない(笑)。

「どうもお待たせしました」と再び、Mさんと向き合って、お話再開。音楽の話になって、「美空ひばりは若い頃は嫌いだったのですが、老年になると好きになりました。やはりうまいですね~。」とMさん。

それではとばかり最後に、“ひばり”ちゃんを聴いて2時間ほどの試聴会をお開きにしたが、お帰り際に「明日の午後、“サウンド・オブ・ミュージック”のDVDを観せていただきたいのですがご都合はいかがですか?」

「もちろん結構ですよ~」。この映画は二度ほど観たことがあるが、もう随分昔の話。

                      

次の日も、昨日に続いて梅雨時期特有の雨が降りそぼる中、14時ごろからJBLシステムで鑑賞したが、実に音楽マインドに溢れた映画で心がほのぼのと暖かくなった。やっぱりこれは名作!

映画の終盤にマリア(ジュリー・アンドリュース)とトラップ大佐との結婚式のシーンで、壮大なパイプオルガンが鳴り響くところがあり、そのズシ~ンと腹に響いてくる迫力にMさんが思わず「ウッ」と、椅子の上で“のけぞられた”のが印象に残った。こういう時にエンクロージャー(ウェストミンスター)の威力が発揮される~。


それにしても、3時間近く一度も席を立たれないまま、はじめからお終いまで熱心にご覧になったMさんの集中力には恐れ入りました(笑)。
 


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オーディオ往来記

2014年06月04日 | オーディオ談義

先日のこと、ここ3年ほど何となく交流が途絶えていたオーディオ仲間のYさん(大分市)からご連絡があった。

「メチャ高価なCDトランスポートを購入されたそうですね。参考のために一度聴かせていただけませんか?」

「ええ、お安い御用ですよ。時代遅れのCDトランスポートですからわざわざ来ていただくほどのことはありませんが、お暇なときにいつでもどうぞ~。」

そして、31日(土)の午後にいよいよ実現の運びとなった。

さて、Yさんのお好みのジャンルは何だったろうかと、思い出しながら無難なところで「ちあき なおみ」あたりからスタート。

はじめに「ラ・スカラ(dCS)でJBL3ウェイシステムを鳴らしてみた。その後、お望みどおりワディアのCDトランスポート「270」で比較試聴。

それが済むと、今度はスピーカーを「AXIOM80」システム(アンプWE300B:指定オリジナル・エンクロージャー)に切り替えて同じことの繰り返し。

面白いことに、JBLシステムのときはワディア270の方がお好みだったようだが、AXIOM80のときは「ラ・スカラ」の方がお気に入りだったご様子。CDソースの録音状態でシステムの持ち味はある程度左右されるし、個人の好みもいろいろで、けっして一方的な結果に終わらないのがオーディオの面白いところ。

まったく「素の音ですね」というのがAXIOM80へのYさんの評価だったが、思わず「素数」(自分以外の数で割れない数でたとえば、2、3、5、7、11、13・・・)を連想した。

「そうか、AXIOM80が奏でる音とは素数なのだ」。つまり、「これ以上分解できない音」というのは実に面白い発想(笑)。

2時間ほどきいていただいたところで、今度はところをかえて、当初の予定どおりYさん宅の音をきかせていただくために大分へと出発。

昨年の5月にオーディオルームを新装されたそうでこのほどようやく満足できる音が出るようになったとのこと。およそクルマで30分ほどで到着。市内中心部にある、ご自身がオーナーとなっておられるビルの1階の大広間がオーディオルーム。

威風堂々たる3系統のシステムが置いてあった。

まず向かって正面に2系統のシステムが鎮座していた。アルテックの2ウェイ(音研のエンクロージャー)とオールホーンの4ウェイシステム。

            

             

オールホーンシステムの方は主にクラシック用で低音域がYL1250のドライバー(重さ50キロほど)でクロス200ヘルツ、中域はゴトー・ユニットのベリリウムで朝顔ホーン、中高域、高域もゴトー・ユニットでいずれもベリリウム仕様。

3つ目のシステムが側面の壁側に設置してあるバーチカル・ツウィン。どちらかといえばジャズ主体のシステム用。

           

これは3ウェイマルチシステムだそうで、チャンデバ(F25)を使って、ダイナコ、マッキントッシュ275、マランツのパワーアンプで各ユニットを駆動。

Yさんも自分と同様に、既成のスピーカー・システムをポンと置いて楽しむタイプではないようで、いろいろと手を加えて楽しんでおられるが、3系統とも実にうまくまとめてあってこれらに順番を付けようなんて気が起こらないのが不思議(笑)。

他家での試聴に臨むときには日頃、我が家で聴き慣れている「AXIOM80」の音を常に頭の片隅においているが、ここで繰り広げられる世界はまるで異次元のようで、一言でいえば剛直感に満ち溢れたものだった。

「AXIOM80」が「木の香りがする音」とすれば、鉄製のホーンのイメージがあまりにも強烈なので「鉄の肌触りが感じられる音」という表現が当たるかもしれない。ズッシリとした重心のもとで少しの共振も許さないような緻密な音という印象を受けた。

ずっと聴いていたかったが、夕食時になったので1時間半ほどで辞去したものの、後日ゆっくり時間をとって再びきかせてもらうことにしようと思った。

帰りがけに「オーディオは仲間たちと一緒にワイワイ騒ぎながらきくのも楽しいものですね。」とのYさんの言葉に納得。

「オーディオは他家の音を沢山聴けば聴くほどレベルが上がりますからね~。そういう意味では日頃から人的交流の側面がありますよ。趣味を通じてそれぞれの家庭の往来が出来ることってなかなかないですから、これからもよろしく~」と、申し上げた。

次回はもっと沢山のテスト盤を持っていくことにしよう。
 


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意外な展開で終わったオークションの顛末

2014年06月02日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

「AXIOM80は潜水艦ソナーのモニター用として開発された」という説には驚くが、その可能性十分ありと思わせるところにこのユニットの凄さがある。そういえばdCSの製品も潜水艦のソナーの解析技術が民生用に転用されたという話を聞いたことがある。WE300BやVT25真空管もそうだし、名器と言われるものの出自をたどると軍事用に開発されたものがかなりある。


「人間の命がかかった製品の開発」と「人間の単なる満足感を目指した製品の開発」とでは、まず国策としての位置づけからして違うし、設備環境の充実度に伴う工作の精密さなどまるっきり次元が違って当たり前で、たとえ民生用として転用されてもその緻密さは十分に生かされている。

さて、全国津々浦々のお宅で「AXIOM80」がそれなりにいろんな方法で鳴らされており、そして「我が家の音が一番いい」という方が、さぞや沢山おられることだろう(笑)。

しかし、敢えて言わせてもらうと、自分もたしかに「AXIOM80」に惚れきってはいるが、それかといって手放しで絶賛かというとそうでもない。

私は自分の持ち物を100%信用するほど単純な人間ではありましぇ~ん(笑)。

やっぱり大オーケストラのスケール感豊かな音となると、程度の差こそあれ(我が家の場合)JBL3ウェイシステムに一日の長がある。

ホンネを言わせてもらうと「AXIOM80」を使う場合には、その弱点を補完するシステムが別途必要ではなかろうかと思っている。

演奏家の息遣いがリズムとなって伝わってくるかのような「AXIOM80」。その一方、ピーク(山)とかディップ(谷)が微塵も感じられない広大なレンジを持ち、管楽器の咆哮をきくだけで元気が出てきて奮い立たせてくれる「JBL特に375ドライバー」。この二つは我が家ではまったくクルマの両輪といっていいくらいの存在感がある。

ただし、「お前はAXIOM80を完璧に鳴らしきっていないから、そんなことをほざくのだ」と言われれば甘んじて受け入れるしかない(笑)。たしかに、現状では駆動するアンプをはじめ補正回路など十全とはとても言い難いし、まだまだ道半ばの研究途上というのが正確だろう。

それに加えて、(AXIOM80の)オリジナルユニットと(我が家の)復刻版との違いもあり、前回の解説でも如実に分かるようにその違いは大きそうだ。

やはりオリジナルユニットを我が家のシステムで一度鳴らしてみたい気がする。これをうまく鳴らさない限り、「AXIOM80について語る資格がない」と言われればそれまで(笑)。

ウ~ン、あれやこれやでオークションの対応をどうしようか、程度の悪い4本のうち2本でも使えれば正解かなと、随分迷った挙句、入札額が11万円に上がったところでまあ「15万円」くらいならいいかと、こらえきれずに入札したところあっけなくフラれてしまった。

つまりそれ以上の高額入札者がいたということだが、これできっぱり諦めがついて「この額以上はいっさい追いかけません」と珍しく毅然とした態度を取った(笑)。

そして、落札翌日のメールによると最終的な落札結果は「229,888円」(4本分)だった。う~ん、明らかに別途修繕代がかかることを思えば何とも言いようのない微妙な価格。

実は、物語はこれで終わらなかった。当日の夜になって出品者から当方宛てに次のようなメールが届いた。

「はじめまして、 グットマン スピーカー AXIOM80 を出品致しました〇〇〇と申します。
 
実は先ほど落札者様より連絡をいただいたのですが、ご本人様のご都合により、急きょキャンセルさせて欲しいとの事でした。

何度かお話した所、悪意があったとは思えませんでしたから表面上は処理することに致しました。最終の入札額でお譲りできればと思っております。

無理な相談とは思いますが、もし宜しければ前向きにご検討お願いします。また失礼ながら他の入札者のかたにも連絡させて頂いておりますので今回は連絡が先にとれた方にお譲りしたいと思っております。連絡お待ちしております。」

こりゃ、まるで一度ソデにされた女性から「相手が悪かったのでもう一度ヨリを戻そうよ」と言われたようなものだなあ(笑)。

普通は意地とプライドでもってアッサリ「ダメです」と拒絶するところだが、そこは「ストレイ・シープ」で正直いってやはり未練がある。つい、「ダメ元」の気持ちでチョッピリ値下げして「〇〇万円ならOKですよ」と返信メールを出したところ、アッと驚くメールが返ってきた。

「ご返信ありがとうございます。仕事でメールの返信が遅くなってしまいました。お取引となりました場合〇〇様からのお問合わせをいちばん最初にいただいておりますので金額は入札いただいた金額〇〇万円(送料無料)で大丈夫です。

お振込みの確認後の発送となります。発送の準備もございますのでお返事の際にお届け先のご住所又はお届けの時間帯指定などのご希望があれば一緒にお願いします。確認できましたら折り返し振込先のご案内をお送りいたします。どうぞよろしくお願いいたします。」という望外の返事。

そこで、当方宛ての住所を急いで連絡したところ、“あにはからんや”その後はいっこうに返信なし。2回ほど催促のメールを出すもまったく応答なし。期待させておいて、あっさり肩すかしをくらってしまった。

ヤレ、ヤレ、どうやら出品者の心変わりがあった模様だが考えられる理由は二つ。

 色よい返事をしたものの、〇〇万円以上の価格で引き取り手が新たに現れたので、利益優先で鞍替えした。

 落札後にときどきこういうメールが来ることがあって詐欺のケースがよくあるという。そこで警戒してこちらから「代引きで送付してください」と注文を付けたわけだが、そこで騙すのをあきらめた。

どうもの理由が可能性が大きいように思うが、元々出品者は中古専門の洋服屋さんでオーディオ屋さんではなかったので、「AXIOM80」の相場がサッパリ分からなかったに違いない。こちらが変に値切ったばかりに何だか可哀想なことをしてしまった。

届いたメールに知らん顔をするのはさぞや心苦しかったことだろう。「罪を憎んで人を憎まず」(笑)。

なお、この件を仲間のKさんにも報告したところ「それが顔の見えない取引の怖さですよ。品物の程度が悪そうだったので、結果オーライだったかもしれませんね。」と慰めてもらった。

まあ、縁がなかったというべきだろうが、「逃がした魚は大きかったかもしれない」と今でもチラッと脳裡をよぎる~(笑)。

また、31日(土)の午前中、東京ご在住のSさん(オリジナルのAXIOM80愛好家)から珍しくお電話があって、「ブログを拝見しました。結局、落札できたんですか?」と、問い合わせがあったので「実は、かくかく、しかじか」と、申し上げたところ「もし、どうしてもオリジナルが欲しければ別途提案がありますよ。」と、ほんとうにありがたい申し出があった。

中身の方は後日、機会があったときに明らかにしようと思うが、いやあ、うれしくて大感激~!
 


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