「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「トレード」の憂き目にあった「オーディオシステム」

2012年08月31日 | オーディオ談義

会社員の娘が今年の7月に定期異動で大阪から福岡に転勤になった。別府への帰省が便利になったので親としては喜ばしいことだが、大都市から中都市(?)に移った余波が我が家のオーディオに多大の影響を及ぼした。

「風が吹けば桶屋が儲かる」式の他愛ない話だが、経緯を順に追ってみよう。

 大阪に比べて福岡の家賃は安い。たとえば同じ家賃で大阪は(マンションの)1室だけになるが、福岡では環境のいい静かな場所に加えて余裕のある2室となった。

2 部屋のスペースが広くなったせいで、娘はこれまで使っていたソニーの小型テレビ(アナログ13インチ)を破棄し、36インチ液晶テレビにグレードアップした。

 画面が大きくなると、これまでCSの「宝塚歌劇専門」チャンネルを通じて「ブルーレイ」の最高速で録り溜めてきた番組を観る機会が多くなった。ちなみに娘はオヤジの「オーディオ・キチ」と同じレベルの「宝塚オタク」である。

 画面の充実に比べて、テレビの音響の貧弱さに愚痴をこぼしだした。

「お父さん、アンプとスピーカーの余ったのがないかなあ?」 

「窮鳥、懐(ふところ)に入れば猟師これを殺さず」という”ことわざ”がある。つい教養の一端がにじみ出てしまった。(笑)

日頃、カミさんとともにオヤジのオーディオに対して懐疑的な目を向けてきた娘だが、どうやらこういうときは”ひと肌”脱がねばなるまいて・・・。

「ああ、そんなことならお安い御用だ。今、テレビ視聴用に使っているシステムを一式持って行っていいぞ」

「大きいのはダメよ!小さくて可愛らしいのが好き~」

(「贅沢を言うな、贅沢を~」と内心つぶやきながら)「ああ、ちょうどピッタリのがあるぞ。(音量調整する)アッテネーターもアンプもスピーカーもみんな小さい。ちょっと見てみるかい?」と二人でオーディオルームへ。

「ワァー、この大きさなら丁度いいわ~」と満足気。

トレード濃厚の運命にさらされたアッテネーター、アンプ、スピーカーの映像は左から順に次のとおり

            

アッテネーターとトランジスターアンプ(出力10ワット)は「筐体」にこだわって人造大理石を使っているメーカーの製品を選んだ。購入したのは2年ほど前。後者については真空管アンプとの音の違いを確認したかったのが一番の理由。スピーカーは40年前の製品でフォスター(現在はフォステクス)のBF-103S(口径10センチ)。

この場合の音声信号の流れとしては「テレビのRCA出力端子」 → 「アッテネーター」 → 「アンプ」 → 「スピーカー」の順番で、これをケーブルで繋いでいけばOKだが、問題は最初の「テレビのRCA出力端子」があるかどうか。

娘が「スマホ」で該当の液晶テレビ(パナソニック)の接続端子を調べてみると残念なことにプラスティック・ファイバーによるデジタル端子しかない。今どきのテレビは随分とアナログ軽視なんだなあと驚いた。

次に「ブルーレイ」(ソニー)を調べてみると、ちゃんとRCA端子とデジタル端子の二つが装備されていた。「ブルーレイに接続して、宝塚以外の通常のテレビ番組もそれで観るといいだろう」と、したり顔のオヤジ。

これで、ようやく「トレード」が本決まり。ただし移籍料はタダ。段ボールの詰め込みの手間賃(?)や送料さえもこちらがいっさい負担。クソッ、いったい、どうなってるんだ!

おまけに、接続のための「フローチャート」まで作らされた。その後、お盆後の(娘の)福岡帰着に合わせて、荷物を発送したところ、順調に届いたようでその日のうちに接続が完了した模様。

電話で「どうだい、音が良くなったかい?」と訊いてみると、「ものすごく良くなったのでびっくりしたわ~。プロ野球を観ていたらピッチャーの投げた球が(キャッチャー)ミットに収まるときに”ドスッ”という音がするのよねえ。高い方の音もチリ~ンと音がして、もうこれで十分満足~!」

そりゃあ、そうだろう、何といってもタダなんだからなあ。

これにて「トレード」は一件落着だが、我が家ではこれから、選手が抜けた穴埋めをしなくてはいけない。どうせ控えの選手だったので、同じレベル以上の選手が”まだまだ”どっさり待ち構えている。我が家では二軍の競争も熾烈を極めているのだ!

スピーカー・ユニットでは口径16センチの「ジェンセンP8P」「アルテック403A」「リチャードアレンのニューゴールデン8」、口径30センチのグッドマンの「AXIOM301」、アンプの方は真空管アンプの2A3シングル、PX25シングル、VV52Bシングルと目白押し。

結局、グッドマンとPX25シングルのエース級のコンビで戦力補強をすることにした。トレードした選手よりも明らかに実力が上回っている。シメシメ。もちろん、テレビのモニター端子に接続だからCDはいっさい聴けず、テレビ視聴のときだけ活躍してもらう予定。ちょっと舞台が小さくなるが「控え」に甘んじるよりはマシだろう。

さっそく、余っていたエンクロージャーに「AXIOM301」の取り付け作業開始。

     

 例によって、エンクロージャーの中には、小分けした沢山の木綿袋の中に吸音材の羽毛をびっしり詰め込み、適当に背圧を逃がすための穴を開けた裏蓋を取り付けて無事終了。設置後は次のとおり。

                    

ちなみに、設置した床は他の機器と同様にすべてコンクリートの打ち抜き。大切な振動対策を担っているというわけだが、
これでテレビの音を聴いてみると、以前と比べて段違いのレベルアップ。トレード大成功!

今日(31日)から、カミさんと2泊3日の予定で娘のところに行ってトレードに出した選手たちを秘かに慰めてあげるつもりである!


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

音のいい「ヘッドホン」

2012年08月29日 | 独り言

「おい、この前聴かせてもらったオーディオだけどなあ、友達のK君が感激していたぞ。あんなにリアルに再生された人の声を聴いたのは初めてだったそうだ。」と、長兄から電話があった。26日の日曜日、早朝のこと。

つい最近のブログに登載したように、亡き母の初盆の名残でお客さんラッシュだった19日(日)に我が家にお見えになった長兄の友人にフランク・永井の「公園の手品師」を聴かせてあげた件である。この方は実際に趣味でトランペットを吹かれているので音響に関してズブの素人さんではない。

オーディオで「人の心」を動かせるなんてまったく望外の喜びで、まずは我が家の主役、「AXIOM80+WE300Bアンプ」に”ありがとう”と言うべきだろう。

朝からすっかり気分を良くして、その勢いで嫌いな散髪に行くことにした。これには下心があって、この理容店
の隣に「リサイクルマート」という中古品専門のお店があり、その都度、店内をぶらりと一周するのが恒例行事。

あまり自慢できる話ではないがガラクタの中から格安の掘り出し物を見つけるのが秘かな趣味で、おそらく育ちに起因した貧乏性のせいだろう。(笑)

この店ではこれまでに、120枚収容の回転式CD収納ケースなどの便利な品物を購入して今でも重宝している。

                        

そして、今回の巡視中に目に留まったのが
デンオンのヘッドホン。

「お前はオーデイオ装置を2系統持っているのにどうしてヘッドホンが要るのか?」と、詰め寄られそうだが実は日常的な必需品なのである。

なぜなら毎日のごとく運動ジムでエアロバイクを30分ほど漕ぐときにいつも利用しているのがヘッドホン。「iPodクラシック」(160GB)に収録したポピュラー、歌謡曲を聴きながら漕いでいるとあっという間に時間が経ってしまい、まったく苦にならないし、むしろ楽しみともいえる時間帯である。

(「iPod」には)もちろんクラシックも収録しているが、こればかりはとても運動ジムでは聴く気にはならない。なぜなら、けっして気取った言い方をするつもりはないが、クラシックは心理的かつ環境的に「静謐感」に満たされた状態でないと絶対に鑑賞できない音楽だから。

それなのになぜ(iPodに)収録しているかといえば、CDトランスポート(ワディア270)が万一故障したときのために「ワディア170iトランスポート」に接続する備えとしてである。

さて、これまで利用してきたヘッドホンはフィリップス製のもの。(写真:左)

        

所詮、ヘッドホンなので音質にはまったく期待していないが、耳当ての部分がビニール製のため、剥げかかっていて黒い小片が抜け落ちて耳の周りに汗とともに”こびりつき”困り果てていた。その点、デンオン製(写真:右)は革製だし、しっかりしたツクリのようである。

ほぼ新品同様だし保証期間が3か月とのことで、「故障したときはレシートともに持ってきてください」とのことで安心して購入した。

その日の午後、さっそく運動ジムで使用したところあっと驚くほどの「いい音」が出た。まず、耳に対するフィット感がまるっきり違う。実に心地よいソフトな被り心地で音がほとんど漏れない感じ。そして能率も高いようで、iPodの音量を低く抑えられるところも助かる。またヘッドホンの弱点である低域もこのくらい出てくれると文句を言えない。高域も程よい抑え方でこの程度なら申し分なし。

「なかなか、いけるじゃん!」と、すっかりヘッドホンを見直してしまった。いやあ、音質にはまったく期待していなかったのに~。購入してよかった!

型番が「AHD-1100」なので、ネットで調べてみると2010年9月発売でそれほど古い製品ではない。ユーザーレヴューでは「フィット感が素晴らしい、低域が豊か」の評価が相次いでいたが、まったくその通り。

メーカー希望小売価格は18,000円だが、購入価格は何とその1/3以下だった。

最後になったが、”ついで”に現在のiPodに収録している歌謡曲、ポピュラーの曲目を、この際データ整理しておく意味で記載させてもらおう。

パソコンの「iTunes」は、「XP」から「7」に代えたときに、すっかりデータが失われてしまったので目下、空白の状態で困っている。(「iPod」からパソコンに逆に移せる方法はないのかな?)

もし、以下の中から(あなたと)お好みの曲目が一つでも合致したときには、親近感をお持ちいただけるとたいへん”うれしい”のだが、ちとオールド過ぎて無理だろうなあ~。

≪歌謡曲≫

「伝わりますか」「矢切りの渡し」(以上、ちあきなおみ)「北国の春」(千昌夫)「ヘッドライト・テールライト」(中島みゆき)「裏町人生」(大月みや子)「白い色は恋人の色」(ベッツィ&クリス)「夢の途中」(来生たかお)「港町13番地」「裏町酒場「愛燦々」(以上、美空ひばり)「芭蕉布」「花の街」(以上、島田祐子)「襟裳岬」「冬のリヴィエラ」(以上、森進一)「なごり雪」(イルカ)「22才の別れ」(風)「想い出のセレナーデ」(天地真理)「わたしの城下町」「瀬戸の花嫁」(以上、小柳ルミ子)「異邦人」(久保田早紀)

≪ポピュラー≫

「ウォーク・ドント・ラン」「ラスト デイト」「アイ・フォール・ツ・ピーシズ」「ボール・ウィーブル・ソング」「トッシン&ターニング」「デヴィル・ウーマン」「エル・パソ」「ブロクン・ハーティッド・メロデイ」「白い渚のブルース」「愛さずにはいられない」「星空のブルース」「ハロー・メリー・ルー」「悲しき街角」「この世の果てまで」「恋はフェニックス」「シング」「カリヴィアン・ブルー」「タイム・ツ・セイ・グッバイ」「イン・パーチェ」「ダンシング・クィーン」「チキチータ」「緑の風のアニー」「詩と祈りと誓い」「テレフォン」「ミッシング・ユー」「セブンイヤーズ・エック」「ポンチョ&レフティ」「ベティ・デイビス・アイズ」「涙の足跡」「あなたが帰る日」「恋はみずいろ」


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「あのときに聴いた音は素晴らしかった!」

2012年08月26日 | オーディオ談義

オーディオ・マニアにとって、誰しもが「あのときに聴いた音は素晴らしかった!」という経験の一つや二つは持っているはず。もし無いとすれば、それはマニアではない、いや、資格がないと言ったほうがいいかもしれない。

「資格なんて、そんなものはいらねえ」という人がいるかもしれないが。(笑)

自分の場合でいえば、もう30年ほど前になるかなあ。

あの頃は小さな地方都市とはいえオーディオ専門店がそこそこあった時代である。たしか仕事を終えてバスの待ち時間の調整だったと思うが、何気なしに、とあるオーディオ店に入ったときのこと。チェンバロが実にいい音色で鳴り響いていた。

そのお店の一番の売りは以前から置いてあったヴァイタボックス(イギリス)の「191コーナーホーン」だった。

                        

これまで、ときどき他人が試聴していたのを「そば聴き」していたのだが、たしかに音の品位の高さや佇まいは図抜けていたが、所詮は薄給のサラリーマンにとって手の届くような代物ではないし、諦めも半分手伝って、どうしても手に入れたいというほどの思いではなかった。

しかし、その日に聴いた印象はまったく桁外れで、チェンバロの音がまさに光り輝かんばかりにきらきらと音響空間を舞っていた。このスピーカーの周波数帯域はたしか上限が1万6千ヘルツだったと記憶していたので、けっして高域方向に欲張ってはいないのに「こんな得(え)も言われぬ響きがどうして出るのか」と心底から驚いたことだった。

(記憶とは時間の経過とともに次第に美化されるものなのだろうか。今でもその時の音を思い出すと胸が震えるのである!)

とにかく従来の(この店で)聴き慣れた音とはまったく違っていたので、当然のごとく駆動するアンプを代えているはずだと推察した。

いったい何を使っているんだろうと、興味津々で接続先を調べてみると当時、評判だったパイオニアのExclusiveM5(モノ×2台)だった。クラスA方式で、このA方式とは生半可な知識で恐縮だが、出力素子はトランジスターでありながら真空管の音を出すという触れ込みだったと記憶している。

とにかくアンプが変わるだけで、こんなに音は良くなるのか、そして「M5」は凄いアンプだとこの時に頭にしっかりとインプットした。

同時に当時、オーディオ御三家と言われていた「パイオニア、トリオ、サンスイ」の中でパイオニアの実力に大いに括目した。とりわけ高級品の分野ではまさに「飛ぶ鳥を落とす勢い」とでもいうべき存在感を誇っていた。

余談になるが現在のパイオニアはカラオケ装置、カーナビで辛うじて生き抜いているが、トリオ、サンスイの凋落と比較するとなかなかの生命力を保っている。たぶん、オーディオからのソフトランディングがうまくいったのだろう。

さて、爾来、30年このかた、このM5が頭の片隅にずっと存在していて、オークションなどでもちょくちょく見かけるたびに「隙あらば」と意気込むのだが、価格が折り合わず、それに真空管アンプも幾つも持っているので「まあ、急ぐこともあるまい」とつい買いそびれてきた。

そして、8月17日(金)にまたもや発見。M5ではないが、それに次ぐ存在だったM4がオークションに登場。すぐに「ウォッチリスト」に登録して追跡することにした。

             

解説を読んでみると、1974年当時で定価35万円、出力30Wで中古品ながら程度は極上。もちろんクラスAタイプでステレオ方式なので1台のみ。

毎日、少なくとも1度は「ウォッチリスト」を眺めつつ、とうとう落札当日の24日(金)になってしまって、17時現在で入札件数36件、価格は3万3千円。まるっきり手が出ない価格ではないが、こういう素性がいい機器は落札寸前になって叩き合いになることが多い。

興味深いことに「出品者への質問」で「修理履歴はありますでしょうか」に対して「分かりません」と出品者からの回答がなされていた。

この出品者は個人ではなく、中古専門のリサイクルセンターなので、おそらく個別の商品の念入りなケアまでに手が回らないのだろうが、こんなに昔の製品をオークションに出すからには少なくとも元の持ち主から修理履歴を確認しておくことは常識である。

(修理履歴が)有っても無くても入札参加者にとっては選択のしようがないが、その事実だけははっきりし伝えておくべきだと思う。とはいえ、それはこちらの勝手な言い分で、そういう確認をしていないからこそオークションで「1円スタート」なのだろうが。

とにかく、これまでの経験から言わせてもらえれば、こういう30年以上も前の製品は修理履歴があった方が断然いい。なぜなら修理の都度、不具合となった部品を交換しながら全体的なメンテをしている可能性が高いから。

はてさて、入札しようか、しまいか、ここは思案のしどころだが、難点が四つほどある。

一つは消費電力が320Wもあること。ちょっとこの省エネの時代に逆行しているのが気がかり。二点目はAクラスにつきものの(アンプ内蔵の)空冷ファンの音がどれくらいなのか気になること。三点目は故障したときにまだ修理してくれるかどうか。そして最後に「夢=ロマン」が「現実」に堕ちてしまうことへの恐れ。実はこれが一番大きい!

ウォッチリストの登録に伴い恒例の落札時刻20分前に届いた当方へのメール時点での価格は「45,500円」入札件数は51。

そして最終的な落札価格は65,000円、入札件数は70
だった。たった20分の間に19件も入札が殺到している!

はたして、「M4」は誰の手に?


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

晩酌はカボス入りの「芋焼酎」で

2012年08月25日 | 独り言

猫の額ほどの我が家の庭にカボスの木を2本植えている。もう15年以上は経っており、ろくに肥料もやらないのに真面目にスクスクと育っている。このあたりは毎日、粗食に耐えている「家主」に似ている。(笑)

このカボス、人間のスランプと同じようにきちんと表年と裏年とがあって、今年は表年に当たり昨年に比べて全般的に実のつきがいいようである。

玄関側に植えている1本(写真左)は種が無い種類のもので一回り果実が小さい。

            

カボスは色も形もミカンに似ているが、とても酸っぱいので輪切りにして絞って生酢として使用するのが一般的。丁度レモンのような存在。

カボスの語源は「皮を刻んで、蚊いぶしに用いたことから「蚊いぶし」がなまって「カブス」になり「カボス」はその音転である説が有力。大分県の特産品であり「県を代表する顔」としてイメージアップにも随分貢献している。

地元の新聞社と県が協力して、県出身の著名人あるいは大分県に赴任してきた企業の所長さん、支店長さんたちが大分を離任するときに「カボス大使」になっていただき「今後とも大分県をよろしく」ということで送り出している。

弱小県ならではの工夫とイメージアップ戦略を展開しているというわけだが、収穫時期が8月~9月と限られているため、年間を通して出回らず全国展開にはなかなか苦労しているようだ。ライバルは徳島県の「スダチ」。

一県民として宣伝に一役買いたいが、これといったセールスポイントがないのが残念である。高齢化社会となり、健康ブームなので、ガンによく効くとか新しい効能が発見されると起死回生の妙薬となるのだが。

自分がもっぱら利用している方法は、晩酌用の芋焼酎の中に絞り込んでお湯割りで飲むこと。これから収穫時期なので、運動ジムから戻って夕食までのひととき、庭のカボスをもぎとって新鮮な香りを楽しみながらチビリチビリやって音楽を聴くのが至福のひととき。

自分の場合、音楽とアルコールは切っても切れない縁があり、ほろ酔い加減で頭を少しばかり麻痺させる方が音楽が気持ちよく聴けるのでとても止められそうにない。それにどんなオーディオ装置だってどこかに弱点があるもので、我が家もその例に漏れないが、なるべく(弱点を)目立たなくしてくれるところも非常によろしい。ただし、ヤセ型人間(身長170cm、体重54kg)のため、キャパシティが貧弱なので飲む量はしれている。

何かの本に「アルコールは飲み過ぎさえしなければ心臓をいたわるのにはいいが、脳にはけっして良くない、結局、飲酒とは心臓を大事にするか、脳を大事にするかの二者択一である」と書いてあった。

あまり心臓が丈夫な”たち”ではないので、脳よりも心臓優先でこれからもアルコールへの傾斜を止めるつもりはないものの、脳の方はせめてものブログで鍛えている積もりだがストレスのない甘い環境のもとでの書き放題なので、はてさて、どこまで効果があることやらと、ちょっと疑問視している。まあ、遅かれ早かれ、結着がつくことだろう。

それと、飲酒にまつわる心配の一つにガンがある。長生きの時代になって今や国民の二人に一人がガンに罹るとされている。細胞分裂の回数と(分裂の)ミスが起こる確率は確実に比例するので、長生きすればするほどガンの発生率が高くなる。

自分の身の回りでもガンになった方を数人知っているが、ほとんどが手術で助かっていて、今となっては「早期発見さえすればガンは怖くない」といえるが、「食道ガン」ばかりは甘く見ないほうがいいようだ。

10年ほど前に、酒とタバコが好きだった家内の長兄が「食道ガン」に罹って、福岡県内で術例が一、二を争うほどの大病院で手術をしたが失敗して、1年ほど入院したあげくに還らぬ人となった。明らかに手術ミスが原因で訴えてもいいケースだったが、「どうせ戻ってこない命だから」と遺族があっさり諦めてしまった。こういう隠れた事例は結構あるに違いない。

つい最近も、知人が人間ドックで「食道ガン」と診断された。ごく初期の段階で、8月末に手術と聞いているが、この人の場合、酒はいっさい”たしなまない”がタバコの方
はヘビ-・スモーカーだった。

どうやら酒よりもタバコの方が危険因子のようである。

タバコを吸うのは「緩慢な自殺行為」とも言われている。長生きしてもっと音楽を楽しみたいと思う人で、現在タバコを吸っている人はすぐに禁煙したほうが無難である。

「俺だけは別だ」と思っているだろうが、「後悔先に立たず」ですよ~。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ブ~ン」というハム音が気になるタイプとは

2012年08月23日 | オーディオ談義

 8月19日(日)に、およそ半年ぶりにメール仲間の新潟のSさんからご連絡があった。実に懐かしかったが、その中身の方にも大いに興味を引かれたので、ご本人の了解なしだが、取り立ててご迷惑になる内容でもないと思うので紹介させていただこう。

御無沙汰しています。新潟の〇〇です。ブログは欠かさず拝見しております。前に「300Bの交流点火」に関する記事がありました。 

お盆休みで時間があり、(名古屋の)Y様の記事「300Bの交流点火」についてを読んで私も挑戦してみました。私の300Bアンプの電源トランスは5Vタップがあるので、今まではダイオードスタックとコンデンサで整流していましたが、それを廃止し、直接の交流点火でやってみました。

若干「ハム音」は聴こえますけど、視聴位置が3m離れているので、ほとんど気にならず、
交流点火に決定しました。面白いもので、鳴らし込んでいくと、ハム音も小さくなっています。 
ブーン音が気にならない訳ではありませんが、それ以上に音楽が自然、暖かみ、奥行きがでてきたような気がします。

5Vタップがあるなら、そのままつなぐだけです。ハム音が盛大にでるようなら直流点火に戻せばいいし、試してみてはいかがでしょう。

当方のWE300Bアンプはつい先日、修繕してもらったばかりでいまだにエージングを兼ねて鳴らし込んでいるが、日ごとに音がこなれていくのを実感している最中。

あいにくトランスがタムラの特注品だとかで5Vタップがあるかどうかも定かではないし、そもそも(自身の)ハンダ鏝(ごて)を握る”手つき”さえ怪しいので、とても文末にあるSさんのご親切な薦めに応えられそうもない。

しかし、それ以上にどうしても気になるのが交流点火に伴って予想されるであろう「ハム音の出方」である。

正直言うと、昔から、それこそ40年以上も前のオーディオを始めたときから、どんなに「いい音」が出てこようと、微(かすか)にでも、ブ~ンという音がスピーカーから出てきたら「即アウト」で拒絶反応を示すのが自分の聴き方である。

音楽を聴いている最中は「ハム音」なんかまったく気にならないが(誰でもそうだが!)、ふと音楽が鳴り止んだときの静寂の一瞬、余韻がそこはかとなく漂う音響空間の中にどんなに微(かす)かであろうと、ブ~ンという音が聞えてきたらもう気になって関心がそちらにいってしまい音楽鑑賞どころではなくなるのである。

もちろん、これはスピーカーから出る音に限らず、アンプのトランス自体から出るウナリ音だってある。長年、オーディオをやっていると、それこそいろんなケースに遭遇してきた。

ちょっと(自分は)神経質すぎるのかもしれない、と自覚している。

実は自分のオーディオ仲間のうち、ほとんどの方が少しぐらいの「ハム音」は気にされていないのである。たとえば湯布院のAさんは、「真空管アンプなら少々のハム音はつきものですよ」と、一向に気になさらないし、それに本家本元の名古屋のYさんや新潟のSさんだってそうだろう。

おそらく、ハム音よりも音楽的な肌触りを優先させるタイプに相違なく、性格的にも線が太い方なのだろう。Aさんのウェスタンの「555+15Aホーン」の音を聴いていると紛れもなくそう思う。ただし、このウェスタンのシステムはめっぽうSN比もいいが~。

真空管アンプの直流点火方式と交流点火方式の、はたしてどちらがいいのか簡単に優劣はつけられないようであるが、これまで、真空管アンプを5台修繕してもらって、ハム音どころかスピーカーに耳をピッタリくっつけてようやく微(かす)かにサーッというノイズだけがするというスゴイ腕前のMさん(奈良)のご意見を改めて紹介すると次のとおりである。

「交流点火は最近の優秀なダイオードがなかった時代の方式であり、今ではSBD、高速ダイオード、3端子レギュレータによる直流点火方式によりハム音は少なく、音の質も変化していますので、どちらの方式にするかは、その人の感性次第でしょう。

製作とコストの点では、交流点火が圧倒的に有利なためか
現在も(交流点火は)健在ですが、いまだに大きな潮流となって、どちらかに移行しないということは、やはり簡単に優劣はつけがたいところにオーディオの面白さがあります。

さらに興味あることは、整流管のヒーター(直熱管のときはフィラメントと呼ぶらしい)を定電流直流点火にすれば良いと”新 忠篤”氏が16年も前に提唱していました。ですから整流管と出力管を定電流で点火すると新たな世界が体験できそうです。

また、入力段、ドライバー管だけの直流電圧点火あるいは定電流直流点火などいろいろ試してみたいのですが、なかなか実現していません。」

と、いうところに落ち着きそうだ。

さて、オーディオ愛好家には、「少々のハム音は気にならない、それよりも音が気に入る方が優先」という「おおらか」派と、「ハム音だけは困る、少しくらいは音が気に入らなくても構わない」という絶対に「許せない」派に大別されそうだが、あなたはいったいどちらの派に属されるんでしょう?


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「部屋の模様替え」とお客さんラッシュ

2012年08月21日 | オーディオ談義

亡くなった人の霊が初めて懐かしい我が家に還って来るというのが「初盆」だそうだが、滞りなく13日~15日にかけて亡き母の迎え送りを終えてほっと一息。今年は福岡や神戸から親戚20名ほどがやってきて久しぶりの賑わいだった。

しかし、せっかくの苦心のオーディオシステムなのに誰一人聴かせてくれと言わなかったのはちょぴり淋しい~。これでは「あの”おじさん”はとんでもないオーディオ・キチだったなあ」という想い出すら残せそうにない。仏事に伴っての来訪なので遠慮したのかとも思うが、葬儀の最中でもなし、小音量で音楽を聴くぐらいそれほど不謹慎でもないと思うのだが。

30代~40代の働き盛りの甥っ子たちの一番の話題は何といってもゴルフ。お付き合いなので仕事と密接に関係があるそうで仕方ないようだが、改めてオーディオはマイナーな趣味であることを確認した。我が家は一人娘だが、オーディオにはいっさい興味がないし、甥っ子たちもそうなので、この分では自分亡き後のオーディオ機器の行く末は推して知るべし。

丁度(自分が)亡くなるころに、アンプ、スピーカー、真空管などがすべて寿命が尽きるのがベストなのだが、絶対にそううまくはいかないので、そのうちシステムのフローチャートと(機器や真空管の)処理方針の書置きを遺しておこうと決意を新たにした次第。

しかし、こうも気温が高くなると誰もがあまり音楽なんて聴く気にもならないだろうというのも事実。精神活動にとって暑さは大敵である。世界を見回しても「赤道」直下の国に文明国はない。

自分でも今の時期はせいぜい、風通しのいいところで本を読んだり録画したテレビの番組や映画を観るのが関の山。じっくり腰を据えての本格的な音楽鑑賞となると「芸術の秋」を待たねばなるまい。

そこで、今のうちに秋に備えて大掛かりな部屋の模様替えをすることにした。およそ5年ぶりくらいだろうか。まず、思い切って不要な物品の廃棄処分をする、当面使う予定のない部屋の中のコード類、コイルやコンデンサー、書籍などをすべて倉庫に移してより広い音響空間を確保することに主眼をおいた。

簡単に済むかと思っていたら、資料など逐一中味を見てから、廃棄を決めなければならないので思いのほか時間がかかって、18日の朝から開始してとうとう19日の正午まで、まるまる1日半ほど時間がかかった。

もちろん狭いなりにもオーディオルーム(6m×7m)なので音響効果も考えなくてはいけない。ルーム・アコースティックについてはまったくの素人なのだが、今回のポイントは部屋の隅の処理。これまで何の考えもなしに吸音材を置いていただけだが、ある本に部屋の隅は音が渦を巻いて閉じこもる傾向があると書いてあったので、今回は吸音材を撤去して聴取位置の左右後方の両側に反射板を置くことにした。

                      

部屋をデッドにするかライブにするか、まさにケースバイケースでマニアの間でも論争は尽きないが、我が家の場合は3系統のシステムを置いているので、スピーカーの数がやたらに多い。それ自体が吸音材の役割を果たしており、せめて聴取位置の周辺ぐらいはライブにしておいた方がいいような気がする。これは一種のカンである。

実際に、模様替えが済んで聴いてみたところ以前よりもたしかに音の抜けが良くなった気がするが、少なくとも1.5㎥相当の荷物を室外に出したのでその効果もあるだろう。

そして、ちょうど後片付けが済む頃に東京在住の家内の姉の長男夫婦が福岡に帰省したついでに、「お参りをさせてください」と電話があった。非常にありがたいことで「どうぞ、どうぞ」。高速で別府までおよそ2時間、車も空いていて11時半頃に順調に到着。

仏壇にお参りの後で雑談中、よく伺ってみると長男の奥様(Mさん)が「サラ・ブライトマン」(歌手)が大好きで、学生時代からバレエを習っていてバレエ音楽などもよく通暁しているという。いやあ、久しぶりに音楽好きの方と会えてシメシメ。やっとオーディオ・システムの出番がやってきた。

オーディオルームへご案内してまずサラ・ブライトマンの「誰も寝てはならぬ」(プッチーニ)「タイム・ツ・セイ・グッドバイ」を聴いてもらったが、日頃、カーオーディオで聴かれているのとは相当違うはずなのに、いいも悪いも何もコメントなし。

音楽によってはシンプルなシステムの方がうまく聴こえることがあって、凝ったシステムがすべての音楽をう
まく鳴らせるなんてことはマニアの思い上がりに過ぎないんだよねえ。

ソプラノが好きとのことなので、次に「わたしの名はミミ」を聴いてもらった。歌劇「ラ・ボエーム」の第一幕の中で歌われる曲で、ずっと昔から大好きな曲。ソプラノの名花にとっても十八番(おはこ)とされる名曲で「ミレッラ・フレーニ」と「レナータ・テバルディ」が歌ったCDを持っている。

両者ともいずれ劣らぬ名歌手だが「どちらが歌ったものがお好きですか」と、参考のためにご意見を聞いておこうというわけである。自分はフレーニも素晴らしいけれど、全盛時にはマリア・カラスと人気を二分したというテバルディにやや分があるという印象を持っているが、はたして~。

真夏の午後、エアコンを利かした涼しい音響空間に優しい歌声が優雅な旋律とともにゆったりと漂っていく。「どちらもいいんですけど、テバルディの方が柔らかくて情感がこもっている感じがします」とMさん。ウ~ム、なかなかできる!

その後はクラシカ・ジャパン(CS放送)で録りためた音楽番組を映像付きで鑑賞。「マーラー第4番」(ゲルギエフ指揮)をウットリと聴いてもらった。

そうこうするうちに、お帰りの時間が来てしまって、「ぜひまた聴きに来てくださいね~」と14時半ごろ見送ったところ、あまり間をおかずに今度は長兄(福岡在住)から避暑を兼ねて友人2人と今、湯布院の別荘に来ているが、友人がどうしても「お参り」をしたいと言っているので、16時半ごろに別府に行くからなと連絡。

今日(19日)はまったくお客さんラッシュである。長兄の友人のお二人は、兄の大学の同級生で飲み友達である。たしか昨年9月の母の葬儀のときにもわざわざ遠路、別府まで来ていただいた記憶がある。

話が弾む中、お一人の方がトランペットを吹かれているとのことで、それならオーディオを聴いてみますかとご案内。部屋に入るなり、お二人がワァーと声を出されて驚かれた。

「〇〇(自分の名字)一族は、やっぱり凝り性ですな~」と一人がおっしゃる。長兄もたしか学生時代からハム無線に凝っていたし、現在はタンノイ(HPD385)の国産箱で音楽を聴いている。しかし、お目当てのトランペット特集ののCDが探し回るけどどうしても見つからない。そのうち長兄が「この前聴いたフランク・永井の”北国の春”はものすごく良かったぞ、千昌夫どころではない」と言う。

そこで方向転換して「フランク・永井ならあるよ」と引っ張り出した。残念なことに「北国の春」は収録されてなかったが、代わりに「公園の手品師」をかけてあげた。

歌謡曲の女性歌手といえば、美空ひばり、ちあきなおみ、五輪真弓、テレサ・テンそして抒情歌だが島田祐子さんがすぐに思い浮かぶが、男性歌手となると極端に少なくなる。先日のブログで取り上げた「小澤征爾さんと音楽について話をする」の中で小澤さんが「森進一をよく聴いている」とのコメントがあった。「襟裳岬」「冬のリヴィエラ」あたりは好きだが、フランク・永井も随分”いい線”をいっていると思う。

さて、三人組は今日の夕飯は湯布院で野郎ばかりによる「黒豚のしゃぶしゃぶ」とかで、どうやら食い気優先、「この次は知り合いに真空管好きのオーディオマニアがいるので是非連れてきます」と早々に辞去された。

19日は久々のお客さんラッシュで、日頃あまり出番のない我が家のオーディオ・システムがきっと目を白黒していたに違いない。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

驚異的な「ブログのアクセス数」

2012年08月18日 | 独り言

毎日、朝起きてからの習慣、それはパソコンのスイッチを入れて前日のブログのアクセス数を見ること。ブログを開設してからこのかた5年10か月になるが、いまだに継続中

先ず、理由の一つは率直に言って曲りなりにも自分が作ったものが、人からどういう評価をされるのか気になるからである。学生時代にテストを受けて良くも悪くもどういう採点結果なのかを心配する心境とでも言えばいいのだろうか。

せめて(学生時代に)悪かった点数を晩年になって挽回して、人生の帳尻を合わせようという魂胆があるのかもしれない(笑)。

もう一つの理由は、かなりの時間を割いて自分なりに快心の出来だと思ったブログが意外にもアクセス数が不調に終わったり、その一方で、あまり肩の力を入れずに”まあいいか”という感じで軽く流したブログが思いのほか成績が良かったりして、その意外性というか落差がとても新鮮な刺激になっていること。

題材の話題性も含めてその落差をいかにして埋めるか、日々考えるのもなかなか乙なものである。そういう意味では、日常のマンネリズムの中でブログが自分の感覚と世間の考えとのズレを調整する貴重な窓口になっていると言える。

記事への反応の目安としては、ほかにも3つの音楽ブログランキングに応募しているのでその投票数も挙げられるが、こればかりはあまり当てにならない。

現在、(自分のブログへの)1日当たりの平均的な訪問者数が500 IP前後、閲覧数が1500 PV前後だが、ランキングの画像にわざわざクリックしてくれるのは平均で100人前後である。確率は単純計算でいくとおよそ5人に1人の割合となるので2割そこそこの低打率。

「おいおい、タダで人のブログを見てんだろう、ランキングの画像ぐらい面倒くさがらずにクリックしろよ、それがイヤなら見るな、まったく~」と言いたいくらい。つい、「地」が出てしまった、ごめん。

さて、8月16日(木)の早朝も、いつもと同じように朝起き一番でアクセス数を見たところ、何と閲覧数が11767 PV,訪問者数が4182 IPと、驚異的な数字になっているのでビックリ仰天、いったいどうしてこんなことに?

           

最初に思ったのは、ブログのブロヴァイダー元である「グー事務局」の集計ミスが原因。積もり積もって温存されてきたアクセス数が何かのはずみで一気に噴出したのではなかろうかということ。

しかし、「アクセス解析」項目の「ページごと閲覧数」を見てようやく納得。

結局「”ちあきなおみ”はなぜ歌わない?」という記事への大量アクセスが原因だった。このブログは2009年11月11日付で登載しているので、およそ3年前のバックナンバーが見事に生き返ったというわけ。

それも一気に山崩れしたような大規模な組織票である。いったいどういうルートなのかなあ。しかし、この2年間ほどはたしかにそういう兆候があった。いつも、欠かさず毎日20~30 PVくらいでこの記事へのアクセスが根強くずっと推移していたのである。だが、こういう風に爆発的に蘇ったのは初めて。

そうか、そうか、「ちあきなおみ」ちゃんはそんなにまだ人気があったのかと痛く感じ入った次第。ちなみに「”ちあきなおみ”はなぜ歌わない?」でググってみると、この記事が閲覧記事の一番最初の目立つ位置にあったので、そのせいもあるのだろう。

16日に続いて、注目の17日(金)の早朝も余波が続いていて、訪問者数が1475 IPと相変わらず平常の5倍と高値水準。どうせ一過性だろうからいずれ収まってくれるだろうが、いつものペースが乱れて変な気分なので早く平常に戻って欲しいというのが本音。しかし、この機会にこのブログを「お気に入り」に登録してくれる人が増えると、素直にうれしい~。

丁度、タイミング的に「小澤征爾 VS 村上春樹」という微妙な内容の記事掲載だっただけに、はたして反応やいかに。

ところで、自分のブログの中で最高のヒット作ともいえる「ちあきなおみ」ちゃんの記事だが、このブログで一番のセールスポイントにしているクラシックにもオーディオにも関係のない記事なのがちょっと癪の種。まるで変化球が勝負球になったようなものである。

まあ、クラシックもオーディオもいずれもきわめてマイナーな趣味なので期待する方が無理なのかもしれない。

これまでコツコツとブログを続けてきたが、1年ごとに毎日の訪問者数がまるで測ったように100 IPづつ増えてきて、やはり「継続は力なり」を実感してきたのだが、さすがに昨年10月の5年目を過ぎてから、ついに読者が頭打ちになって550 IPを越えることが無くなった。目標は毎日600 IPをこえることだったのだが。

要因として、そろそろ(このブログが)飽きられてきたこともあるし、前述どおりマイナーな趣味の限られたマーケットが相手ということもある。もちろん、筆力不足も一因だし、ときには「自慢話」だと不快な念を持たれることもあるだろう。

さ~て、これからどういう”ひとひねり”をつけ加えようか、前向きに考えるのも頭の体操に良さそう。

「あなた、暇なんですねえ!ブログなんて一銭にもならないのに」という愚痴がどこからか聞こえてきそうだ(笑)。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小澤征爾 VS 村上春樹

2012年08月16日 | 読書コーナー

かねて、一度は目を通しておきたいと思っていた「小澤征爾さんと音楽について話をする」(2011.11.30、村上春樹編、新潮社刊)を、たまたま隣町の鄙びた図書館で見つけて借りることができた。(この図書館はいつも穴場的な存在で随分と重宝している。)

まったくの「赤の他人」が」音楽についてどういう考え方を持とうと関係ない話だが、一応「ワン・オブ・ゼム」として音楽鑑賞の参考にするためにいろんな知識を蓄えておこうというわけで、もちろん購入してまで読むつもりはない。

                            

なにせ、片や日本が生んだ世界的指揮者だし、片やノーベル賞候補(文学部門)として毎年、名前が取りざたされる有名作家なので組み合わせの興味もある。小澤氏の長女と村上氏の妻が「大の友達」との縁で実現した対談で、その対談もたったの一回きりということではなくて2010年から2011年7月にかけて様々な場所で機会をとらえて実現したものだという。

ざっと、ひととおり目を通したが、先ず何よりも村上春樹氏がクラシックにこれほど造詣が深いとは驚いてしまった。周知のとおり、この人は本格的な作家になる前にジャズ喫茶を経営していたので、ジャズ一辺倒とばかり思っていたのだが、本書を読む限りクラシックにも相当詳しい。

自分が知る限り、ハイレベルでのクラシックとジャズの「二刀流の使い手」は村上氏だけ。

ちなみに彼のオーディオ装置は古いJBLの3ウェイシステムである。アンプはアキュフェーズ。このシステムによって音楽を聴く確固としたメルクマール(指標)を長い間培ってきたので今後も変えるつもりは一切ないそうである。(ステレオ・サウンドのインタビュー記事より)。これは一つの見識で、カミさんから「爪の垢でも煎じて飲みなさい!」と言われそうだ。

ただし、肝心の彼の作家としての作品にはどうも波長が合わない。あまり読みたいと思う作家ではない。その理由がすぐには思い浮かばないのも不思議だが、何となくとしか言いようがない。図書館で新刊書を見つけてもおそらく借りることはないだろう。

一方の小澤征爾氏も立派な指揮者なんだろうがそれほど身近な存在ではない。彼が(指揮棒を)振った曲目の中で、どういうものが”極め付け”なのかというとすぐに思い浮かばない。

たとえば「第九」(ベートーヴェン)、「ドン・
ジョバンニ」(モーツァルト)とくればフルトヴェングラーが指揮したものを先ず聴いておかないと話にならないが、残念なことに「この曲目なら小澤氏の指揮したものを聴いておかねば」というものがない。まあ、自分が知らないだけかもしれないが。

それと、これは音楽とはまったく関係ない話だが「人物像」についてあまり好ましくない印象を持っている。以下のことを書こうか、書くまいか随分迷ったが、その是非は読者にお任せすることにして思い切って綴ってみよう。

彼の最初の奥さんは江戸京子(ピアニスト)さんという人で、かって三井不動産の社長で財界の雄とされた「江戸英雄」氏のご息女である。そして、ある程度有名になってから、離婚して「ファッション・モデル」と結婚している。当時、ある雑誌に「苦労している時代に金持ちの女性と結婚して散々利用しておきながら、有名になるとすぐに乗り換えた」とのゴシップ記事を読んだ記憶がある。

どういう事情があったにせよ、外野席から観るとそう映っても仕方がない。

念のため、「江戸英雄」をググルと「ウィキペディア」で、ちゃんと「江戸英雄は娘京子が結婚している間、小澤に金銭的な援助を行っていた」(週刊新潮1979年4月26日号)とあった。

中国の古典「後漢書」に「糟糠(そうこう)の妻」という言葉が出てくる。「貧乏なときから連れ添って苦労を共にしてきた妻」という意味である。今どき滅多に聞かない言葉だが、糟糠とは”酒かす”と”ぬか”のことで粗末な食物を意味する。

「糟糠の妻は堂より下さず」とあって、これは「糟糠の妻は夫の立身出世の後にも家から追い出してはならない」という意味合い。つい、日頃の教養がにじみ出てしまったが(笑)、こういう戒めの言葉があるくらいだから、古来、中国においても似たようなケースが沢山あったのだろう。もちろん日本においても言うに及ばず。

同じように音楽家の薄情な話として思い浮かぶのが「ダニエル・バレンボイム」(指揮者兼ピアニスト)。

奥さんだった名チェリストの「ジャクリーヌ・デュ・プレ」が若くして難病で瀕死の床についていたときに病院に寄り付かなかったという話。これもある記事で読んだ話で真偽の程を確かめようもないが、火のないところに煙は立たないだろう。


繰り返すようだが、人間性と音楽とはまったく関係ない話だが、所詮、人間は感情の動物なのでそういう「人間」なのかと思っただけで何だか気が引けてしまう。少なくとも自分はそうである。ちょっとウェットすぎるのかなあ。

「タフでなければ生きていけない、優しくなければ生きている資格がない」(レイモンド・チャンドラー)。

さて、肝心の本書の内容である。前述どおりのコンビの対談をまとめたものだが、結論から言えば、指揮者の立場から、そして鑑賞者の立場から音楽に対するアプローチがこれほど分かりやすく述べられている本は初めてだった。

楽譜をよりどころにして音楽を分析的な聴き方で把握するという意味で非常に参考になった。楽譜を読める人間と読めない人間にとって両者の音楽の聴き方には雲泥の差があるようである。

一例を挙げると五味康祐さんの著作「西方の音」では、フォーレの「ヴァイオリン・ソナタ」を聴きながら、夜の海浜で貴婦人に抱擁される幻覚シーンの叙述があるが、プロはそういうロマンチックな聴き方をまったくしないようである。一概にどちらがいいとは言えないが。

また、指揮者にとってシンフォニーとオペラは車の両輪みたいなもので、「ワグナーを知らないままで終わるのか」と、カラヤンが小澤氏にオペラを指揮する重要性を述べている箇所があるが、つい、「オーディオ・システムとワグナーの関係」を意識してしまった。あの独特の弦楽器のファンダメンタルな響きを出すためにどれだけの「汗と涙」を流したことか、それでもいまだに十全ではない・・・・・。

ほかにもバーンスタイン、カラヤン、ミレッラ・フレーニとかの有名な音楽家との交流の裏話も非常に面白いし、「レコード・マニアについて」という項目があって、音楽家はマニアにそういう見方をしているのかと目が覚める思いがした。

クラシックファンにして、まだ本書を読んでいない方は、機会があれば一度目を通しておかれても損はしないと思う。

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~戻ってきたWE300Bアンプ~最終回

2012年08月14日 | オーディオ談義

(前回からの続きです)

故障していたセトロンの300Bを奈良にお住いのMさんに送付してテストしてもらったところ次のようなメールが届いた。


☆ 
早速、実際に挿してみたところ、確かにおっしゃる通りの現象を再現しましたが、軽く叩いてみますともう一方もひどくはないけれどバリバリいいます。よく見ますと電極構造の製造不良だと思います。最初電極が冷えているときにスパークして、しばらくして熱で金属が膨張して安定すると予想されます。

次のとおり、スキャナーでアップしてみました。
                  
左側が不良表示の真空管です。プレートがしっかりと圧着してなく接続棒が白く見えています。右側は少し白いのが見えていますが叩かなければ雑音は出ませんでした。このプレートをカシメれば治ると思いますが、残念ながら(分解できない)真空管ですので、諦めるしかないと思います。

なお、、実験のつもりで今朝、手持ちの中国製シルバートーンの300Bを聴いてみました。明らかに音の存在感が薄れます。名もシルバーで嫌な感じです。

WE300Bに戻しますと楽器の佇まいがそれらしい描きかたになります。カートリッジに例えますと、WEがオルトフォンのSPUで、中国製シルバーがデンオンのDL103(国産)のようです。絵画に例えますと、油絵と水彩画のような違いです。近年製造されたプスバン300Bは良さそうな気がしますが、いかがでしょうね!噂は聞いていますか?

「了解しました。そういう気がしてました。セトロンの2本はそちらで適当に処分をお願いします。」とメールを返した。

ウ~ン、残念。それにしてもやはり真空管アンプにおける出力管、つまりオリジナルと中国製との差は認めないわけにはいかないようだ。細かいことを言えばきりがない世界だが、小さなハム音もそうだが気になりだすと耳をそばだてるので音楽鑑賞どころではなくなるのは、オーディオ・マニアには誰でも覚えがあるところ。


こうしていまだに未練たっぷりのWE300Bだが、これらはペアとして15年ほど前に購入したものだが、これまで大切に保管してきており、実際の稼働時間はおよそ3年あまりくらいかなあ。そんなに早く寿命が尽きるとはどうも腑に落ちない。

たまたま、8月1日(水)にお見えになった湯布院のAさんに相談してみると、「おかしいですねえ。四国在住のTさんはWE300Bを30年ほど使ってようやく、このほど交換したそうですよ。」というわけで、もしかして購入時点で中古品として相当使い込んであった可能性も捨てきれない。

まあ、購入当初に測定したわけでもなし、まるで「死んだ子の齢を数える」ようなものであっさり諦めた方がいいのだろう。現在でも、往時の良質のオリジナルWE300Bを沢山保管しているのは北九州にある有名なトランスで知られるアンプ・メーカーだそうだ。

ここはツテを利用しない限り購入できないが、おそらくもう縁があることはあるまい。あるとすれば手持ちの300Bを使い切ってからの話だが、その頃は年齢のせいで高域の音はまともに聞こえず、まさに「猫に小判」に
なっているはず。

それとMさんから情報があった「プスバンの300B」も要注目。ネットで調べてみると、「オリジナルに忠実」とすごく評判がいい。ペアで10万円程度だから比較的安価だし、一度試聴してみたいものだ。

さあ~、最後になったがいよいよ戻ってきたWE300Bアンプの試聴である。

悪いオーディオ機器の場合はたちどころに弱点が分かるが、まともな機器の試聴は、体調のいい時、悪い時を含めて1か月ほどかけるのが常識だが、本日(14日)で12日経過なのでいわば中間段階での評価である。

SN比は相変わらずダントツで、Mさんが指摘していた「炸裂音」についても明らかに改善されていた。「サキソフォン・コロッサス」のシンバルがまるで真夏の夜を切り裂く大花火のような華々しさを演出してくれたのには驚いた。

それに、セパレーション、奥行き感、分解能、楽器の音色をさりげなく表現する能力など不満なし。以前よりも明らかにベールが1枚も2枚も剥がれた印象を受けた。

また、現在「AXIOM80」はコンデンサー(ムンドルフ)でおよそ200ヘルツ以下の低域部分をカットして中高域専用として使っているものの、これまでと違ってこれ単独でもテレビ音声が違和感なく聴けるほど、低域への伸びも過不足ないことをうかがわせてくれた。

まったくいいことづくめだが、ただし、これはきわめて贅沢な悩みになるがオーディオはあまり完璧すぎても面白くない。丁度、完全無欠な人間が面白みのないのと同じこと。

音楽の聴き方もいろいろあって、細部にこだわる分析的な聴き方もあるけれど、自分の場合は音楽を聴きながら頭の中で映像を描くのが好きだが、これはいわば抽象化された世界に身を置くようなもの。

そこで、聴く音にもほどほどの「隙間」というか「遊び」
があってもいいように思うのである。人はその穴埋めをするために能動的になっていろんなイマジネーションを育むことができる。これはアンプに限らずスピーカーだってそう。

これから、このアンプと末永い付き合いが始まるが、(このアンプがスピーカーと一心同体となって)どういう「隙間」を見せてくれるのか、どういう示唆と楽しみを与えてくれるのか、まことに夢は果てしない。

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~戻ってきたWE300Bアンプ~その3

2012年08月11日 | オーディオ談義

(前々回からの続きです)

長持ちすることで有名なWE300B真空管が、もはや寿命が間近に押し迫っているという報に接して正直いってガックリきてしまった。

この真空管は、過去に軍事用の通信機器に使用されていたこともあり、国策としてアメリカ政府が多大の予算を割いて作らせていたという話を聞いたことがある。

なにせ「敵との交戦中に真空管が故障して通信ができませんでした」とあっては責任重大、何物にも代えがたい多くの貴重な人命が失われる可能性があるので、ツクリは精緻を極め、不良管の選別検査は厳格そのもので普通の民間の真空管とは耐久性のレベルがまったく違う。まあWE300Bに限らず総じて軍事用の製品はハイレベルといっていい。

それにしてもWE300Bは何という優雅な形をしているんだろう。明らかに工業製品の域を脱して、もはや美術品といっても差支えないほどの佇まい。それでいて音が抜群にいいんだから・・・・・。まったく、魂をすっかり吸い取られそうな魅力を放っている!

                   

ウェスタンの世界は真空管をはじめアンプ、スピーカーなど奥が深くて先達も多いし、とても自分ごときが語る資格はない。

以下、伝聞だがこのWE300Bにもピンからキリがあって、「最上の音」とされるのは「刻印」と言われるもので、ロゴが真空管のベースにわざわざ彫り込んであり、「幻の真空管」と称され先ず手に入れるのは至難の業。製造されたのは1940年代で、値段の方も目の玉が飛び出るほど。

これはずっと昔のオーディオ専門誌「無線と実験」に書いてあった記事だが、あるマニアがこの「刻印」をアンプから外して冷たい床に置いた途端、ピシリと真空管のガラスにヒビが入って使いものにならなくなったという逸話が今でも脳裡に焼き付いている。実にお気の毒~。おそらく自分なら、ショックのあまりしばらく寝込んでしまったに違いない。

「刻印」の次に音質が良いとされているのが「オールド」と称されるもので製造年代は「1950~1960年代」のもの、そして一段とランクが下がって1970年代以降のものとなる。(以上、「通説」で実際に確認したものではないので念のため)。

総じて1970年代以降は他の真空管も含めて軒並みダメな方向に向かっていく。これははっきり実体験に基づいた感想だが、そのかわりにトランジスターが台頭していく時代になる。

もちろん現在の技術
でメーカーが本気でかかれば「刻印」以上の真空管が出来る可能性は無きにしも非ずだが、使い道が「オーディオ」程度であれば、儲かるはずもないのでこれはとても無理な相談。                          

現在のWE300Bの手持ちは使用中の2本に加えてオリジナルのスペア(写真:オールド)
を1本だけ保有しているが、とても心細く、20年ほど前に仕事で上京したときに秋葉原に行って購入したセトロンの300Bが生き返ってくれれば、大いに助かる。

このセトロンは、どうやらたまたま不良品に当たったようで購入当初からアンプのスイッチを入れて温もり始めると一時的にものすごい雑音を発し、それが納まると順風運転になる。この際、奈良のMさんに原因を調べてもらおうと、29日(日)の早朝に送付したところ、すぐに翌日、月曜日の午後には到着して、すぐに実験結果の報告があった。

以下、次回に続く~。


 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~戻ってきたWE300Bアンプ~その2

2012年08月07日 | オーディオ談義

(前回からの続きです)

Mさんのメール、
お早うございます。朝からよろしくないお知らせです。先ずは、心臓の防御体制に入ってください。よろしいですか!」に続くコメントは次のとおりだった。

☆ 今朝、最終電圧チェックして気付きました。フィラメント電圧が左右で差が0.2Vありどうやら1967年製(頭の内壁が3箇所黒い)のWE300Bのほうがフィラメントの直流抵抗値が上昇してきている症状です。 

もう一方のUSN-CW-300B 214(1950年代製)は発症しかけの状況です。因みに手持ちの中国製は左右差 4.98Vと4.94Vで差は0.04Vで正常です。対策として、左右のヒーター用電圧降下抵抗値を変えてありますので、300Bは表示通り(赤白)挿してください。 
 
まだ、試聴では全くわかりませんが、時々経過観察(フィラメント電圧チェック)は必要です。4.5Vになりましたら引退が良いかも、です。

つまり、2本の出力管WE300B(真空管)のうち1本にご臨終が近づいているという”悲しい知らせ”だった。そこで涙をぐっとこらえながら(笑)、次のようなメールを送った。

「そうですか!いくらWE300Bといっても不死身ではなかったということですね。現在純正のWE300Bのスペアは1本しか持っていません。別に同じアメリカ製のセトロンが1ペアありますが、最初の温もりがけの時にすごい雑音を出してそのあとは順風運転ですがSPが壊れるのが恐ろしくて、しまいっぱなしです。音質はまあまあですがうまい解決方法はありませんかねえ。

それから、ヒーター用の抵抗値を変えていただいたとのことで、感謝ですが別の球を差し替えたときに、定数を変えねばならないのでしょうか。素人のできる範囲で対応ができれば教えてください。ほかにもスペアとして中国製の「CR-4300BLX」「ゴールデンドラゴン4300BC」各1ペアを持ってます。

これからは、なるべくWE300Bの代わりにこちらを使いましょうかね。今後、1本10万円以上もする高価な真空管を購入する元気はとてもありません。いくつまで生き残れるか判りませんしね~。それでは、ありがたい情報ありがとうございました。」

これに対して、すぐに折り返し(28日午後)次の様なメールが。

 これが(臨終間近のWE300Bを挿す)右チャンネルの画像です。

                  
 
解説:白い四角いものが、セメント抵抗です。2.7Ω(TAKMAN)と20W3RJ(20W3Ω精度±5%)ですが、後者の3Ωの真下にも1Ωがあります。並列にしてありますので1Ωと3Ωの並列接続で0.75Ωの合成値になっています。

新品や比較的新しい300Bですと、理想値の5.00Vをオーバーする可能性がありますが、超高価なWE300Bのた
めには4.75~5.00Vにしておくべきだと思います。

それからセトロン製の300Bのぺアは、こちらでテストしてみましょうか。

ほかに、追伸とあって次のとおり。

「たかがハンダ付け、されどハンダ付け」のブログ拝読しました。ハンダはKR-19がお勧めです。KRー19RMAは高密度プリント基板用であり普通にラジオテレビの抵抗、コンデンサーをハンダするには、KRー19がお勧めです。
塩素が入っていようが、十数年は大丈夫と思います。ハンダ作業は、ハンダコテ先は熱伝導のためだけであり、糸ハンダの先端を溶かしながら流し仕込むように作業すると上手くいきます。最後にルーペで出来上がりを確認しておけば、トラブルが回避できます。

以下、最終回に続く~。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

~戻ってきたWE300Bアンプ~その1

2012年08月05日 | オーディオ談義

「音楽愛好家=オーディオ愛好家=アンプ製作者」と、トリプル・クラウンの保持者Mさん(奈良県)に修繕かつメンテをお願いしていたWE300Bアンプ(モノ×2台)がおよそ2週間ぶりに戻ってきた。8月2日(木)の16時頃のこと。

         

その間、「AXIOM80」用のアンプに、同じMさんから修繕してもらった「PX25」真空管アンプを使用していたのだが、あまりの好調さゆえに、正直言って(修繕期間が)もっとかかってもいいくらいの心境だったが、やはりWE300Bの一言では語り尽くせない魅力にはとても抗えそうもない。とにかく、うまく鳴らせば「向かうところ敵なし」の真空管である。

この猛暑の中、Mさんには多大のご苦労をおかけしてしまった。必ず2~3日おきに修繕状況の経過がメールで送られてくるので、本当に安心して大船に乗った気持だった。

前半の途中経過については、以前のブログで紹介したが、その後の経過を記録として遺しておこう。

 女子サッカー(観戦)のため少々遅れました!!
本日(7月26日)、試聴に入りました。

  添付画像の青枠が今回の大きな変更箇所です。(今回は「音は気に入っている」とのことでしたので基本回路は以前のものを踏襲しております)



 電解コンデンサーC5,C6をV3,V4それぞれの直近に入れました。これはやはり効き目がありました。ワンランクアップの感じです。最初の視聴時の炸裂音の鈍さも改善されました。これは、整流管ソケット(?)の交換が寄与しているように思います。チョン付けハンダと合成抵抗のチョン付け(?)も一因かも。

 C4 は最初フランスの4.7μFでしたが容量値と形状が大きくて、JANTZENの1μFに変更しました。

 ハムバランサーはコスモスの良質ですが88年12週製(?)で端子が真っ黒なため交換しました。300Bのカソード抵抗とコンデンサーは定番のVISHAY-DALEの
メタルクラッド、スプラーグの100μFに変更しました。

〇 回路図にはありませんが、電源に ドイツ製 T&F 社 のブロックコンデンサー2本(計4本)を交換しました。

 C3の 0.22μF には、最初JANTZEN を付けましたが、軽い音調でやはりここはスプラーグのビタミンQ に戻してみました。やはり噂どおりのことはありますが、JANTZENなりの良さもあり、いまだどちらが良かったのか迷うところです。とにかく、まだ1時間少々のため、コンデンサーのエージングを兼ねて、もう少し試聴させてください。では、・・・・

こうして、試聴していただきながら適切なコンデンサーなどの選択をしていただくところに「音楽愛好家=アンプ製作者」としてのメリットが発揮できる。当方にとっては大助かりである。

そして、7月28日(土)の早朝、とうとう衝撃のメールがやってきた・・・。

 お早うございます。朝からよろしくないお知らせです。先ずは、心臓の防御体制に入ってください。よろしいですか!

いやあ、お心遣いありがとうございます!さ~て、どんな「お知らせ」なんだろうか?恐るおそる読んでみると・・・。

以下、次回に続く~。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする