「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

音楽談義~史上最高の「夜の女王」~

2012年05月29日 | 音楽談義

5月6日から始めた 「光テレビ」(NTT)による「クラシカ・ジャパン」(クラシック音楽専門チャンネル)の無料試聴期間(16日間)が終了したものの、うまく引継ぎが出来て現在は「スカパー」(CS専用アンテナ+チューナー)による無料試聴期間の続行中。

そして、手当たり次第に録画した中から、シャハム兄妹の「ヴァイオリン・ソナタ(モーツァルト)」に続いて二度目の大当たりとなったのが「ポートレート~エディタ・グルベローヴァ」(1時間半)である。彼女の生い立ちから歌手デヴュー、そして今や世界屈指の歌手となった現在に至るまでを克明に追った番組。

             

実を言うと「エディタ・グルベローヴァ」(ソプラノ)という名前を聞いただけで背筋がゾクッ、ゾクッとくるほどの大ファンなのである。

まず、話を展開する前に基礎知識として「女声の種類」をチェックしておこう。

☆ ソプラノ(女声の歌う高い方の声域)

コロラトゥーラ → もっとも高いソプラノ(夜の女王役「魔笛」)

スーブレット → もっとも軽いソプラノ

リリック・ソプラノ → その次に軽いソプラノ(王女役「魔笛」)

リリコ・スピント → その次に軽いソプラノ

ドラマティック・ソプラノ → もっとも重量級のソプラノ

ただし、スーブレット以下の区分は、音色と声質の差であり音域はあまり関係ない

☆ メゾ・ソプラノ(女声の中間声域、ソプラノより暗く低い音域)

☆ アルト(女声の最低音域)

グルベローヴァは最も高い声域が要求されるコロラトゥーラ歌手であり、そのコロラトゥ-ラの出番といえば何といっても最高のはまり役が「夜の女王」(モーツァルトのオペラ「魔笛」)。

最も難度が高いと言われる「夜の女王」役をこれまで
無難に歌いこなせた歌手は手元の「魔笛」(44セット)を聴いた中でも数名程度である。最高音の”ハイF(ファ)”のときにどうしても声が続かなかったり、不安定になったりしてあえなく敗退の憂き目にあった歌手は数知れず。

「魔笛」(全二幕)は誰憚ることなくモーツァルトの最高傑作だと自信を持って言えるが(ちなみに、ベートーヴェンもゲーテもそう言っている!)、この「夜の女王」役と「ザラストロ」役(バス:男性の最低音域)に適任者を得ないと、オペラそのもののスケールが”こじんまり”となってしまうから恐ろしい。

そういう重要な役柄の中で、今もって「これは最高だ!」と鮮明に記憶に残っているのが「クリスティーナ・ドイテコム」(ショルティ盤)と「エディタ・グルベローヴァ」のご両人である。

ドイテコムは残念なことに歌手人生が短くてあっという間に居なくなったが、グルベローヴァはDVDではサバリッシュ盤、CDではハイティンク盤、アーノンクール盤に出演しており、夜の女王役以外にも多彩な活躍をしていて極めて息の長い歌手生命を保っている。

さあ、折角なので久しぶりに改めて両者を比べてみようかと、ハイティンク盤(1981年)、アーノンクール盤(1987年)のグルベローヴァと、ショルティ盤(1969年)のドイテコムを聴いてみた。

意外にもドイテコムはこれまで持っていた印象と異なって”ちょっと落ちる”と思った。オーディオ装置が変わったせいもあるが、如何せん、1969年のアナログ録音が古すぎて音質がイマイチでお気の毒~。レコード再生ならいい線を行くかもしれない。

グルベローヴァについては「アーノンクール」盤よりも「ハイティンク」盤の方が断然いい。声量と勢いが違う。同じ歌手でもこういうことがあるから油断できない。しかし、やはり並みの歌手と比べて歌唱のレベルが抜きんでていて史上最高の「夜の女王」の感を一層深くした。

それにしてもハイティンク盤の「魔笛」は素晴らしい。録音も奥行き感に秀でて聴き出すと途中で止められなくなって最後まで聴き惚れてしまった。

            

さて、録画した「ポートレート~エディタ・グルベローヴァ」では興味深いエピソードが満載だった。

 チェコのひなびた農村出身の彼女が地元の唱歌隊で神父や指揮者から才能を見込まれ「オペラ歌手になりなさい」と熱心に進められたのが歌手デヴューのきっかけ

 ウィーン国立歌劇場でのテストを受けたとき、試験官の芸術監督は奥の窓際に立って外ばかり見ていたが、テスト曲の「夜の女王」役の”ハイF”音を歌い上げたときに初めて振り向いて彼女を見つめた。同時に周囲にいた者たちが寄り集まってきて、そのまま事務局に連れて行かれて、即契約!

 音楽評論家のヨハヒム・カイザー教授によると、「マリア・カラス、サザーランド、リタ・シュトライヒなどこれまで数知れぬコロラトゥーラの名歌手たちを聴いてきたが彼女は同等か、それ以上の存在であり、スラブ的な真面目さがあって農民出身らしく浮ついたところがない」とのこと。

 グルべローヴァによると、「歌手は経験を積んで来たら絶対にモーツァルトを歌わないといけない。その音楽には宇宙的な広がりがある」。

ところで、今回の「スカパー」で録画した中にムター女史の「ヴァイオリン協奏曲3番」(モーツァルト)があったが、これは2007年にNHKのBSハイで録画したものと同一の演奏だった。

先般、記載したとおりムター女史の「ヴァイオリン協奏曲第2番」では「光テレビ」と「BSハイ」では、明らかに音質に差があって「BSハイ」に軍配が上がったが、今回の第3番は「スカパー」と「BSハイ」との勝負。


どちらも専用のアンテナとチューナーで録画したもので違いといえばチューナーの差だけだが、はたして「スカパー」と「BSハイ」のどちらが音質がいいのか、判定やいかに~。

この辺になるともう好き好きの範疇だろうが、やはり違っていた。明らかに「スカパー」の方が繊細で、自然な響きの印象を受けた。ヴァイオリン特有の「かすれた弱音」が出るときのニュアンスがよく伝わってくる。我が家のオーディオシステムとは明らかに相性がいいようで、2TBのハードディスク(4台接続可能!)がいよいよ頼もしくなってきた。


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オーディオ談義~「チューブ・チェッカー」~

2012年05月25日 | オーディオ談義

「大切にしているPX25真空管の新品ですが、アンプのソケットに挿した途端に”オシャカ”になったことがこれまでに2回あります。何とかうまくエージングする方法はありませんかね~」と、知人のMさんに相談したのが”すべて”の始まりだった。

現在第二システムのJBL・3ウェイシステムの中高域用に使用しているPX25真空管が、通算時間からするとそろそろ寿命がきてもいいくらいの時期になっている。どんな真空管でも所詮は消耗品なので、今のところスペアを持っているものの、当たりはずれがあるのでもし挿しかえた途端に真っ赤になって”あの世行き”になったらどうしようかと今から心配の的。

今頃はそれほどでもないが、当時は何せ2本で15万円で購入した真空管だったので1本でもオシャカになると一瞬の間に7万5千円がパーになるのだからこの気持ち、どなたにも分かってもらえるはず。それに信頼のおける店から購入したので安心して保管したまま、2年ぐらい経ってからの出来事だったので保証期間外だったのも大いに悔やまれる。

「真空管は購入したときにすぐにテストしておくべきだ」とは、この時の貴重な教訓。

話がちょっと脇に逸れるが、これまで三極管の双璧とされる「WE300B」(アメリカ)と「PX25」(イギリス)を散々使用してきたが、音色は両者ともに遜色ないと思うものの後者は前者に比べて耐久性がイマイチなのが弱点。双方とも過去に軍用管の歴史を持っているが、両国の軍事力の差がそのまま出ている印象。

さて、上記の相談に対してMさんのご回答は次のとおり。

「真空管を購入するときは十分にエージングし、チェックしている販売店、オークション相手から求めることが肝心です。とにかく”初期不良については交換OK”のところを探すしかないと思います。 

故障した2本は、はじめから初期不良因子を有していたはずなので多分、なにをやってもダメになってしまう不運な真空管だったと思います。
私は、エージングのときに整流管を抜いたり、電圧を徐々に上げていけば、などなどには賛同しない方に手を上げます。

(翌日のメールでは)とはいえ、これは余りにも勇断な回答かもしれませんね。とりあえず高価な実器でのいきなりの動作を避けて先ずはチューブ・チェッカーTC-3)でエージングしては、いかがでしょう?」

と、あり「TC-3」の関連記事として販売店のホームページと次の本が照会してあった。いつものことながら、Mさんの情報収集能力はもの凄い!

管球王国 2006 spring No.40」 管球アンプ・キットを「組む」愉しみ

SDサウンド チューブ・チェッカー TC2解説=高津 修氏
組立てから完成後の試聴まで、キットの魅力を伝える企画。今回は異色のキット、SDサウンドのチューブ・チェッカーTC2を製作します。TC2はペアチューブ選別のほか、「エージングマシン」としても使用できる便利なアイテムです。ユーザーの知識レベルやテクニックによって、応用範囲が広がる真空管チェッカー。キットの作成から、実際の使いこなしポイントまで、丁寧に解説します。

エ~ッ、懐かしい!まさか今頃になって「管球王国」の出番がやってくるなんて夢にも思わなかった~。

この本はオーディオ専門誌「ステレオ・サウンド」の別冊として年に4回(季刊誌)発行されていた真空管愛好家のための専門誌で、羽振りのいい(?)頃に、発売日を待ちきれないように熱心に読んでいた本だが、懐が淋しくなったのでもう購入しなくなって数年になる。

倉庫に行って調べてみると初刊から50冊ほど山積みしてあったので、ほぼ12年間にわたって愛読したことになるが、「No.40」はすぐに見つかった。

                           

188頁~199頁に亘って該当の詳細なキット製作記事が記載されているが、ソフト派(?)の自分では、分からないことだらけなので、そっくりコピーしてMさんに送付し、内容を検討してもらって、「チューブ・チェッカー」の信頼性や使い勝手を判断してもらうことにした。

と、ここまではよかったのだが、この本をついでにざっと目を通してみるとほかにも興味ある記事が記載されていた。

それは「パッシブ型アッテネーターの試聴」。

ピン(42万円)からキリ(3万5千円)まで、幅広い価格帯のもとで11モデルの試聴結果が3名のオーディオ評論家によりコメントされている。

数年前のこととはいえ、大方の内容は覚えていたが改めて読んでみて考えさせられるところが多々あった。

それは「プリアンプ」と「アッテネーター」の役割と音質の違い。

この課題はいまさら取り上げるのはおかしいぐらいで、レコードからCD時代の到来に伴ってアッテネーターの出番がやってきて、「古くて新しいテーマ」として、今もって明快な結論が出されているわけでもないが、本書ではアッテネーターの使い方が詳細に述べられている。

たとえば、

 ボリュームのインピーダンスが高いと高域が減衰するから低ければ低いほどよいが、一番バランスがいいのは10KΩ程度

 ボックスからむやみにケーブルを延ばさないこと

 使っている素材や他の機器との相性次第で音質が大きく変貌しやすい

と、いった具合で、どうやらツボから外れたときにダメージが大きそうだ。たしかに自分の経験でもケーブル次第で音がガラッと変わるのでゆめゆめ油断できない。

まあ、いろいろ言ってみても自分が使っているオーディオ環境の中で結論を出せばいいだけの話でどれを使うかは個々の裁量に任されているわけだが、かなり前のブログに「プリアンプはもういらない」と題して登載したことがあるものの、「いらない」と一概に断定するのはどうやら早計のような気もしてきた。

現在でも「Axiom80」にアッテネーターを使用していて、これはこれで十分満足しているものの、これを「プリアンプに替えるといったいどういう音がするんだろう?」と、実験してみたい気がムクムクと湧いてきた。

Mさんに相談した、ほんの”ひょんな”ことから実に波乱含みの展開になってしまった。まったく、もう~!?
 

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オーディオ談義~「膨大なノウハウ?」~

2012年05月22日 | オーディオ談義

今年に入って4月まで我が家には湯布院のAさんを除いてお客さんがまったく見えることがなかったが、5月になると上旬に奈良のMさんのご来訪があり、それからはまるで堰(せき)を切ったように、高校時代の同窓のオーディオ仲間が続々と試聴にやって来てまことにハッピーな状態。

5月8日~10日  奈良のMさん

       10日  午後3時からU君(福岡在住)

       19日 14時~17時半 U君、M君、S君の3名
            18時から「飲み会」でオーディオ談義


人それぞれに「音楽と音の好み」や「目のつけどころ」が違うので”百人百様”、様々な意見が聞けるので実に参考になった。

たとえば、
例によって最近夢中になっているシャハム兄妹の「ヴァイオリン・ソナタ」(モーツァルト、K301~306))を皆さんに視聴してもらったところ、これらは曲目によってヴァイオリンが立ち位置を変えて、ピアノの左で演奏したり、右で演奏したりしていて、別段その理由を深く気にとめていなかったわけだが、これについて「曲目によってグランドとセミグランドの2台のピアノを使いわけているよ。音響効果を考えてセミグランドのときだけピアノの右側でヴァイオリンを弾いている。マイクの位置はピアノの端っこで、ほら、黒い配線が見えるだろう」といった具合。

こういう指摘は、万事に大雑把な自分では絶対に気が付かないところで友人の観察力の鋭さにまったく舌を巻いた。

また、同級生とあって遠慮のない間柄のうえ、夜の部に一杯酒が入ったのでストレートな話が飛び交う。

自分の音が「酒の肴」になるのは光栄だが、中には手厳しい指摘もあって「人の苦労も知らずに勝手なことを言って、トホホ」と内心ガッカリする話もあったりするが本音なので仕方がないし、勉強にはなるしでとにかく楽しい。

そのうち誰かの「ああいう音になるまでには膨大なノウハウがあるんだろうねえ」との何気ない言葉には、酔眼朦朧となりながらもまったく「我が意を得たり~」。

オーディオを構成しているのは「電気機器」、「音響空間」、「人間の耳(脳)」の三つで、つまり端的に言えば「物理学の法則」と「人間の感性」のコラボという図式だが、異質の組み合わせだけに”しっくり”こないことの方が多いのは当たり前。

それに我が家の場合、出来るだけ少額の投資で「好みの音」を出そうとするものだから、そもそも無理があってアンプやスピーカーなどにしわ寄せがもろにきており、ハンドメイドを除いて既成の市販品に何らかの手を加えたものばかりなので「ノウハウ」が介在する余地が多いのも事実。

ただし、この「ノウハウ」は自分が単純にいいと思っているだけで、はたして客観的にみて正しいかどうか、またベストの方法なのかどうかは「神のみぞ知る」ところで、それほど自信を持っているわけではない。まあ、一種のゲーム感覚みたいなもので今でも試行錯誤の継続中と言った方が正確。

まず一例をあげると気難しいとされているSPユニット「Axiom80」では、相性のいい真空管アンプの選択、独自の吸音材(木綿袋入りの羽毛)の使用、多少の箱鳴りをさせるために2cm厚の木材の使用、ユニットの背圧を逃がすためにエンクロージャーの背板に直系1センチ程度の穴を124個開けたりといった具合。

ほかにも細かいことを言えば機器の内部やネットワークに使われている
コンデンサーの種類や銘柄の組み合わせ、ネットワークに使うコイルのブランド、CD臭さを打ち消すバッファーアンプの使用、ピンケーブルの相性など、枚挙にいとまがない。中には知人から「ここだけの話」として念を押された秘蔵のものもある。

本来、オーディオ・システムは「シンプル・イズ・ベスト」が原則で、出来るだけ不必要な機器や部品を外していくのが基本だと思っているが、それはコストを度外視して最高級の部品を使いハンドメイドしたときのケースであって、システムの中に市販の既製品が交じっているときに自分の好みの音に近づけようと思えば独自にいろんな機器を追加しても仕方がないというのが現在の実感。

ところで、自分好みの音といってもシステムを使用する時間帯や環境次第で随分違ってくる。たとえば近年はとみに早起きになって(寝る時間も早いが!)、朝の4時~5時台に目が覚めることがざら。

こんな早朝からテレビを観ようにも今の二つのシステムだとそこそこボリュームを上げてやらないと本来の実力を発揮できず、そうするとまだ寝ているカミさんから「ウルサイ」との苦情は必至。かといってボリュームを絞ると低音がモヤモヤしてきて聴くに堪えない音になってストレスが嵩じてくる。もちろんテレビ内臓のSPユニットをそのまま使う手もあるが左右のスピーカーの間隔が狭いのでセパレーションがちと物足りない。

そこで、早朝用に限って視聴するスピーカーを倉庫の片隅から引っ張り出した。

それはフォスターの「FE-103S」(口径10センチ)。

            

これは40年以上も前に購入した製品で当時はトリオ「TW-31」という小さなトランジスター・アンプで鳴らしていたが、たしか就職して間もない頃で、これがオーディオの記念すべき第一歩というわけ。購入した理由は当時のオーディオ専門誌の「ステレオ・サウンド」で長岡鉄男さん(オーディオ評論家:故人)がこの組み合わせで鳴らして、他の評論家たちから「コストの割には非常に良い音」と高い評価を受けていたから。

もしかして年期の入ったオーディオ・マニアの方なら該当記事をご記憶の方がいるかもしれない。「TW-31」の方は早々に処分したが、この「FE-103S」はいまだに完動品でまったく雑音がしないのでその寿命の長さに驚く。

そういえば、以前に購入した世評の高いローサーの「PMー6A」はろくに使いもしないうちに「ウレタンエッジ」がボロボロになって見る影もない有り様になった。つい最近、奈良のMさんを通じて専門店に修理の照会をしてもらったところ何と修繕に5万円前後もかかるという。

どんなに性能がいいとされるSPユニットでもこれではねえとガッカリの巻。

「FE-103S」に話は戻って、SPコードをユニットに直接半田付けしたあと、一方の端のプラス、マイナス線をテレビ内臓のアンプの接続箇所に無事挿入。リモコンスイッチでボリュームを上げてやると無事滞りなく音が出た。

何しろ口径10センチのSPなのできれいさっぱり100ヘルツ以下はカットされて出ないが、テレビを小さい音で聴くのにはこの方が随分聴きやすい。人間の耳にとって可聴帯域中の20~2万ヘルツの中に二つ以上のSPユニットが混じらないのでフルレンジ特有の聴きやすさがある。

今年の夏は昨年に続いて節電とかで、電気を湯水のように使うオーディオ・マニアは肩身の狭い思いをしなくてはならないが、このシステムならテレビのスイッチをオンするだけなのでまことに時宜にかなっている。

早朝に限らず、夜もちょくちょく使うとするかな?
 

 


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独り言~「スカパー」と「光テレビ」の音の違い~

2012年05月18日 | 独り言

前回のブログで述べたようにシャハム兄妹の「ヴァイオリン・ソナタ」(モーツァルト)に夢中になっている今日この頃。

16日間無料試聴の「クラシカ・ジャパン」から「光テレビ」外付けのUSBハードディスクに録画した番組を楽しんでいるわけだが、ハードディスクへの保存は手軽で便利な事この上ないものの、デジタルにつきものの不安定要素は当然のごとくある。

そのうちの一つが電気的ショックによりすべての録画がパーになること。たとえば当地は小高い丘の上にあって雷の常襲地帯なので落雷でハードディスクが壊れたらどうしようなんて妙なことが気になる。これまで近所に3回ほど落ちてきて、そのうち一度は電気器具が被害を受け、自治会長から被災証明をもらって修理に出した(家財保険適用)ことがあるのでまんざら杞憂でもない。

こんなに大切な録画が一方的に消えて無くなると、人生が真っ暗闇に閉ざされてしまいそうなので、万一のことを考えてCDとかDVDなどの永久的なソフトの保証ができればいいがと、「HMV」を覗いて「シャハム」で検索を入れてみた。

すると、同じ兄妹のコンビによる同曲目のCDがあったが、どうやら別テイクのようで、もろ手を挙げて喜ぶほどではないもののひとまず安心。続けて見ていくうちに大本命の同じ演奏のDVDを発見。ああ、よかったあ、ちゃんと発売されていたんだ!いやあ、これで雷が落ちても大丈夫だぞ~。

このDVDについて「商品ユーザレヴュー」が2件あった。

いずれも評価が満点(5点)で、紹介しておくと「是非、沢山の方に観ていただきたい演奏である。まったく見事というほかない。」「ギル様の持ち味である軽快で伸びやかな美しい音色に、兄妹愛をトッピング。聴いているだけでも、観てるだけでも幸せな気分になれます!」てな具合。

たしかに、この演奏を観た音楽好きの方は「絶対幸せな気分になるのは間違いなし」と保証してもいいくらいで、まったく同感。右横の欄にある「このレヴューに共感する」にそれぞれささやかな1票を投じたのはいうまでもない。

とにかく今回の「クラシカ・ジャパン」の無料視聴を通じて、いかに自分が食わず嫌いの曲目が多くて損をしているかがよ~く分かったので、(クラシカ・ジャパン)の本格的な試聴をすることに決心した。

しかし、何事も最初が肝心。

「光テレビ」では今のままで簡単に視聴できるものの、別の「スカパー」による専用アンテナとチューナーによる視聴方法もぜひ試しておかなければどうも気が済まない。画質と音質の違い、特にUSBハードディスクに永久保存するつもりなら「音質の違い」だけはこの際徹底的に検証しておきたい。

そこで先週、スカパー事務局に電話で申し込んだところ、14日(月)に「CS専用チューナー」(パナソニック)が一足早く到着したので、さっそく近くの大型電気店で外付けハードディスク(2TB)を購入。そしてCS専用のアンテナの取り付け作業のため17日(木)の12時~13時にかけて2名の技術者が我が家に派遣されてきた。

ちなみに1年以上の有料契約を条件に、現在「アンテナ あげます!つけます!」のキャンペーン中とかでアンテナ代と取り付け工事費用は無料。結局、チューナー代だけが有料だった。

1時間ほどでケーブル接続も含めて取り付け工事が無事終了し、いよいよチューナーのスイッチオン。

初期設定も無事済んで「クラシカ・ジャパン」(736チャンネル)の視聴開始。さ~て、首尾は如何と興味津々で見守ったが、画質の差はあまり分からなかったが、音質の方は一聴しただけでかなりの差があると判断できた。とにかくスカパーの方が音が柔らかくて自然でさりげなく聴こえるのである。

奈良のMさんが先日、我が家で視聴されたときにムターの演奏について「BSハイ録画」と「光テレビ録画」とを比較して「レコードとCDの違いみたいです」と言われたが、まさにそういう印象。やはりアンテナから直接受信した音質と、ブロードバンドに乗せるために一度加工した(?)音質とではこうやって実際に比較してみると違いがよく分かる。

しかし、「光テレビ」単独で聴けばこれで十分だと思うので音質に細かいことを言わないタイプはそれほど気にする必要はない。結局、我が家では映画番組などを「光テレビ」、クラシック番組を「スカパー」で使い分けることにした。

これで手元のリモコンスイッチが6つにもなって、老化しつつあるボケ頭にとって選分けが大変。

                     

なお、この際だから比較することの重要性について言わせてもらおう。

一般的に部屋の中に二つ以上のオーディオ・システムを置くと非常に弊害が多いことは十分承知している。音響効果が悪くなるし電気環境からみてもいいことはない。

しかし、自分があえてそれを押し切って二つのシステムを置いているのは、オーディオは比較することによって始めて相互の長所と短所が浮き彫りになって改善箇所が見つかりやすくなり、相互のレベル向上が図りやすいからである。一つのシステムだけではどうしても視野が狭くなって「井の中の蛙」に陥りやすいと思う。とにかく、システムを二つにしたお蔭で、これまでどれだけ助けられたか分からない。

人生においても同じことではあるまいか。何事につけて比較することによってはじめて見えてくるものがあるし、ライバルがいることによって向上心が芽生えたりする。とはいえ、とうとう一番肝心の「カミさん」に限っては二人とはいかなかったのが残念至極!

さて、スカパー受信の番組はハイビジョン番組がほとんどだが、極めて残念なことにこの「クラシカ・ジャパン」はハイビジョンではなく標準画質と音質になっている。おそらく想像だが、「音楽業界」にことのほか配慮しているのではあるまいか。もしハイビジョン番組になってじゃんじゃん録画されたら、既存の音楽DVDソフトが売れなくなるのは必至だからねえ。
 

 


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音楽談義~モーツァルトの「ヴァイオリン・ソナタ集」~

2012年05月15日 | 音楽談義

クラシック音楽専門番組「クラシカ・ジャパン」の視聴(無料期間16日)を始めてからおよそ1週間あまり。

物珍しさから次から次に、とりあえず目を引いたプログラムを録画しまくっている。万一、外れたときでも簡単に”消去すればいい”だけなので実に気楽で、この辺は期待して購入したCDが外れたときに返品が利かないのとは随分ワケが違う。

そして、そういう手当たり次第に録画した番組の中からついに宝物を発見。

             

それは、ギル・シャハム(ヴァイオリン)とオリ・シャハム(ピアノ)の兄妹によるモーツァルトの「ヴァイオリン・ソナタ集(全6曲)」。(録画:2012年5月8日、1時間45分、収録:2005年12月17日~19日)

18世紀初頭のバロック建築というウィーンのダウン=キンスキー宮殿の広間で収録された音質は音響空間にそこはかとなく漂う余韻が実に素晴らしくて、惚れ惚れウットリさせてくれる。それ以上に気に入ったのが二人の演奏。

ネットで調べてみると「シャハムは間違いなく21世紀を代表するヴァイオリニストになる」と、太鼓判が押されているが「まったく、そうだろうなあ」と素直に頷けた。イスラエル人の天体物理学者の父と遺伝学者の母の間に生まれたのが1971年だそうで、当年とって41歳(ニューヨーク在住)。まさに油の乗り切った年齢で愛器は1699年製のストラディヴァリ。

イスラエル人のヴァイオリニストと聞いて思い出すのは「イツァーク・パールマン」だが、パールマンに比べるとシャハムの方が線が太い演奏の印象を受ける。

ピアノだってヴァイオリンに負けてはいない。モーツァルトはヴァイオリンとピアノが対等に渡り合うスタイルでこのヴァイオリン・ソナタを作曲したが、オリ・シャハムの躍動感あふれる伸び伸びとした演奏が実に心地よくて、まったく(ヴァイオリンと)対等に渡り合っている。凄いピアニストの一言だが、兄妹の息もピッタリ合っている。それにしても「ベーゼンドルファー」の深々とした豊かな響きには心の底から参った!

毎日、毎日、病み付きみたいになって「凄い、すごい」と、つぶやきながら3度も4度も繰り返し視聴しているが聴けば聴くほどに「音楽とはこんなに素晴らしいものか」と、思う。

オペラやピアノ・ソナタ、ヴァイオリン協奏曲などのレパートリーを中心にこれまで「自分ほどモーツァルトが好きな人間はこの世におるまい」と自他ともに許してきたが、この歳になって「ヴァイオリン・ソナタ」にこんなに嵌るとはまったく盲点を突かれてしまった。これらは作曲されたのが1778年だからモーツァルトが22歳のときの作品。

モーツァルトの音楽は30歳のころから大衆にとって難しくなって支持を失っていくが、20代の時期の作品は天馬空を駆けるような独特の飛翔が感じられる。
とりわけ「K.306」の「アンダンテ・カンタービレ」には痺れまくった。まったく優雅の極みでこの世の中にこんなに美しいものはないと思うほどで筆舌に尽くしがたい。

こんなに豊かな「音楽の泉」に接することが出来るのだから「クラシカ・ジャパン」の毎月の契約料3000円なんて安い、安い。

さて、楽譜を読めず、何一つ楽器も弾けない人間が音楽藝術を心ゆくまで楽しむためになくてはならないものがオーディオ・システム。12日の土曜日は朝からスピーカーの入れ替え作業に没頭した。「Axiom80」には満足度100%だが、問題は第二システムの「Axiom301」。

1か月間の試聴期間を終えて「Axiom301」には、別途専用のふさわしいエンクロージャーを作ってあげることにしようと、この際一時休憩してもらうことにして、タンノイ・ウェストミンスターのボックスには再びJBLの「D-130」の復活。

この日のために、前もって「D-130」専用の補助バッフルをコツコツと作っていたので作業は実にスムーズに進んだ。なぜ補助バッフルかというと以前、D-130を直接エンクロージャーにねじ止めしたとき、ユニットの8か所のネジが均等に締まらず、「まあ、いいか」と放置していたらピアノの弱音のときに歪音が発生したのでこの反省から作っていたもの。補助バッフルにユニットをがっちりネジ止めしておけばそういう心配はしなくていい。

SPユニットはどんなに頑丈なフレームをしていても、エンクロージャーへの取り付けのネジが1か所でも緩んだり、斜めに入ったりすると歪音が発生するので細心の注意を要する。この辺は見かけによらずまるで精密機器並み。

脇目も振らず作業に耽って4時間ほどで完成。中域を受け持たせているLE-85ドライバーには以前使っていたウッド・ホーンを引退させて、「蜂の巣ホーン」を倉庫から引っ張り出して装着。

                            

聴いてみると、「ウッド・ホーン」と「蜂の巣ホーン」ではまったく音全体の印象が異なる。ウッド・ホーンは音が豊かに広がるものの、音像がちょっとピンぼけになるが、蜂の巣ホーンでは音像定位がピタリと決まる。

双方ともに一長一短でプラス、マイナスの世界だが、この部屋の広さからすると後者の方がプラス面が大きい気がするが、こればかりは1週間ほど聴いてみないと何とも言えない。

こんなことなら奈良のMさんがJBLの音も聴きたいと言っておられたので、別府におられる間に作業を済ませて聴いていただけばよかった。

その後、Mさんからメールが来て「広島ぐらいならいつでも駆けつけるのですが」と、あったが残念。
  


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オーディオ談義~オーディオ教(狂)信者の「文明の衝突」~

2012年05月12日 | オーディオ談義

著名な歴史学者「サミュエル・P・ハンチントン」(ハーバード大名誉教授)はその著書「文明の衝突」(1993年)の中で、「冷戦終結後における世界紛争の源は宗教ごとの衝突になることを予見し、とりわけキリスト教とイスラム教の衝突による混乱と破壊を最も懸念した」ところ、これは見事にその後の「9.11テロ」を言い当てていたことで知られている。

同様に、と言うとちょっと”大げさ”だがお互いに40年以上の凝り固まった信念に基づくオーディオ教(狂)の歴史を背負った信者同士の出会いも見解の相違による「混乱と敵対」を引き起こすことも十分考えられたわけだが、今回はどうやら両者の折り合いがついて平和裡に終わることができたようである。

8日(火)から2泊3日のご予定で奈良県からはるばる我が家に見えていただいたMさんを10日(木)、駅で無事お見送りしてから、以上のようなことを考えながら帰宅の途についた。

今後の「思い出」のために今回のMさんの日程とご感想をざっと記しておこう。とにかくずっと快晴の3日間だったので万事予定どおりだった。

8日(火) 午後14時27分、別府駅ご到着(お出迎え)
      15時~17時半まで我が家でオーディオ試聴、その後一杯飲みながらの歓談、20時にカミさんの車でホテル
      まで送り

9日(水) 9時半から11時50分まで湯布院のAさん宅での試聴
       その後、別府鉄輪(かんなわ)温泉の「地獄窯」で蒸し料理
       「海地獄」 → 「別府市美術館」 → 「別府海浜公園を散策」
       16時~17時半まで我が家で試聴  18時~20時半 ホテル近くの一杯飲み屋で歓談

10日(木) 9時出発 → 「宇佐神宮」(国宝)~広い境内を散策
       昼食後、我が家で1時間半ほど試聴   14時20分 お見送り

結局、我が家で試聴していただいたのは通算すると6時間前後だった。

今回のご訪問のメインテーマは「イギリスのグッドマン社の古くて独特の癖を持つユニット”Axiom80”(第一システム)と”Axiom301”(第二システム:エンクロ-ジャーはタンノイ・ウェストミンスター)をどのように使いこなしているか」ということに尽きるわけだが、
結果から述べておくと、半分は合格で半分は期待外れといったところとお見受けした。

「第一システムのAxiom80については、皆さんが”うわ言”のように”Axiom80”と”つぶやく”理由がよく分かりました。実に格調の高い音です。低音を受け持つフォステクスのSLE-20W(3本)も同じエッジレスなので絶妙の組み合わせですね。第二システムのAxiom301とはかなりの差があるように思います。」と、Mさん。

                            

Mさんの奥様はピアノ教師をされていて、自宅にグランドピアノが2台置いてあり、常日頃ピアノの音をレファレンスに出来て便利ですとのこと。

結局、Mさんは小学生時代の5級スーパーラジオから始まる真空管アンプ製作の手練れだが、オーディオ的にはあれこれ音質を詮索されるタイプではなくて音楽の姿を何よりも重視される方だった。

つまり、通常のオーディオマニアによく見受けられるように音の”抜け”がどうとか、”切れ”がいいとかおっしゃるタイプではなく、脳の中で音楽をイメージするための材料として適当な音質かどうかを全体的に判断されるご様子だった。オーディオ本来の原点というか役割とはそういうものだとはっきり割り切っておられるようだ。

その辺は愛好される音楽が「バッハ」であり、使われているスピーカーが「タンノイ3LZオリジナル・イン・キャビネット」(ネットワークのコンデンサーは入れ替え)と、もう一つ別の部屋に置いてあるシステムの「ロジャースのLS5/10BBCモニタースピーカー」を使われていることからも推し量られるところ。

それにデジタルよりも完全なアナログ派で調整済みのレコードプレーヤーが4台という盛況。正真正銘の正統派のオーディオマニアとはこういう方を指すのだろう。

もともと、第二システムに否定的だったMさんはタンノイ・ウェストミンスターのエンクロージャーに違うユニットを容れることには大反対のご意見で「スピーカー・エンクロージャーと一体的に称されているように、ユニットとエンクロージャーは切り離して考えるのはおかしいです。早くオリジナル・ユニットに戻すべきです」が持論。

今回、改めてその辺を確認されたというわけだが、けっして反発するわけではないのだがそのうち(ウェストミンスターに)JBLのD130(口径38cm)ユニットを取り付けて、再度聴いていただき認識を改めていただこうと虎視耽々。タンノイのユニットは38cm口径よりもむしろ25cm口径の方がバランスがいい点については意見が一致しているところだが、果たしてどういうご感想を洩らされるだろうか今後の楽しみ。

また、サブテーマだった「BSハイと光テレビで録画したムターが弾く「ヴァイオリン協奏曲」(モーツァルト)の比較試聴」については、これは非常に明確に差があって、BSハイで聴くムターがレコードの音だとすると、光テレビの方がCDで聴いた印象ですとのことだった。これからすると、「クラシカ・ジャパン」はCSアンテナと専用チューナーで視聴した方が無難のようだ。

次に「4台の真空管アンプの評価」については、それぞれの良さはあるものの「VV52B」アンプが出色だったご様子。とにかく、これがダメとははっきり仰らないのでこちらの勝手な決めつけが相当入っている。

なお今回の試聴でいただいたアドバイスのうち「Axiom80」につけている「サランネットの取り外し」と200ヘルツ以下の低域信号をカットしているコンデンサー(バイポーラ)の方向性の統一は大いにありがたかった。前者についてはオーディオ専門店「逸品館」のネット記事にスピーカーの「サランネット」は(音の)乱反射を引き起こすので取り外したほうがいいと書いてあったが、これでようやく納得。

通常、高域がうるさい場合に「サランネット」をつけるのだが、根源はSPユニットではなくてアンプの方に大半の原因がありそうである。

最後に湯布院のAさん宅でのウェスタンの「555ドライバー+15Aホーン」の試聴結果だが、あの巨大な15Aホーンから等身大のグランドピアノの音が出現したのにはMさんも心から驚かれていた。また、2階のJBLの5ウェイシステムと古き良き時代のイギリスの貴重なクリプッシュ・ホーンのシステムを快く聴かせていただいたAさんには改めて感謝である。

また、別府への帰途、車の中で「ウェスタンを聴かせていただいたうえに、さらに点(た)てていただいたコーヒーのカップ、それにケーキのお皿が”ロイヤルコペンハーゲン”とはありがたいおもてなしで、くれぐれも(Aさんに)よろしくお伝えください」とのことだった。

ロイヤルコペンハーゲンは世界的に著名なデンマークの陶磁器メーカーだが、Mさんの現役時代の本社がデンマークにあり、そんなところからすぐにお気づきになったのだろう。


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音楽談義~「クラシカ・ジャパン」16日間無料視聴~

2012年05月08日 | 音楽談義

前回のブログに記載したように「FM放送」を聴き始めたのはいいものの、2~3日経つとどうも音質が気になってしかたがない。一番の難点はセパレーションが悪くて、モノラルみたいに中央に音が寄ってしまい臨場感が乏しくなるところ。

何だかチューナーに責任があるような気がするので、別のチューナーでも物色してみるかと「オークション」を覗いてみるとアキュフェーズの「T-1000」が22万円で出ている。(落札期日は8日の夜)。チューナーでは国産唯一の「デジタルアウト端子」がある製品と謳われている。

アキュフェーズは2年ほど前に「Tー1100」にモデルチェンジをしているので、これは一代前の製品になるわけだがなかなか程度が良さそう。

しかし、「チューナー」に22万円とはねえ~?

ここはちょっと思案のしどころ。そもそも最新型の「T-1100」がいくらするのか、ネットで調べてもさっぱり価格が分からないので、馴染みの東京のショップにメールで照会してみると7日(月)の午後になってようやく回答がきて販売価格31万円(税込)とのこと。あの精緻極まる”つくり”からするとかなりの割安感がある。

しかし、この歳になってあまりオーディオ機器を増やしたくないし、もちろん”先立つもの”もないわけだが、いろいろ考えるうちに、ふとNTTと契約している光テレビの番組情報誌「光TVガイド」に日本唯一のクラシック音楽チャンネルとして「クラシカ・ジャパン」の記事が登載されていたことを思い出した。

照会先となっている「http:www.classicaーjp.com/」にアクセスしてみるとなかなか魅力的な内容。番組の方はすべて映像付きとあって、コンサート、オペラ、バレエなどが主体だが、音質はデジタルなので保証付き。

肝心の視聴方法は「スカパー」「ケーブルテレビ」「ブロードバンドTV」の3つの中から1つを選択して申し込むようになっている。「スカパー」はご承知のように専用のCSアンテナとチューナーが必要になる。音質上はストレートに受信するのでこれが一番いいんだろうが衛星放送は大雨や台風などで天候が悪くなったときに受信状態が悪くなるのが難点。

そこで「ブロードバンドTV」を選択して3つの光テレビの中から現在使っている「NTTの光テレビ」を選択。無料電話で問い合わせると、お手元の専用チューナーでテレビ画面を出してくださいと指示があって、言われるままにリモコンでクリックしていくと、「16日間の無料試聴」か「本契約」か、どちらかの選択を画面上で迫られたが、むろん、前者を選択。

すると、すぐに「クラシカ・ジャパン」の映像が出てきた。ええ~っ、こんなに簡単に観れるようになるのかとうれしい悲鳴。

実にきれいな映像で、音質もさすがにFM放送とは相当違う。何だかあっさりFM放送から乗り換えるなんて「お前は節操がない」と言われればそれまでだが、いいものはいい。

ちなみに光テレビの接続状況は「光テレビ専用チューナー」(HDMIケーブル) → 「アクオス45インチ液晶テレビ・デジタルチューナー」(プラスティック・ファイバー) → 「DAコンバーター」(「ワディア27ixVer3.0」のプラスティック・ファイバー端子で受け)だから安心。

                      

このDAコンバーターはデジタル入力が6系統あるので大助かり。内訳は「STグラス・オプチカル」2系統、「BNC同軸」2系統、「プラスティック・ファイバー」1系統、AEU/EBU(バランス)1系統。ちなみに現在、CDはBNC接続で聴いている。

録画の方も実に簡単で、光TVチューナーのUSB端子に外付けのハードディスク(1TB)を接続しているのでこれに、じゃんじゃん録画していけばいい。

とりあえず、6日(日)の夜9時からのラトル&ベルリン・フィルの野外コンサート「ヴァルトヴューネ・コンサート2009」(1時間46分)を録画。テーマは「ロシアン・リズム」だそうで、ストラヴィンスキーの「春の祭典」が収録されていたのでこれは絶対に見逃すわけにはいかない。

          

それと深夜の1時30分からは女流ヴァイオリニストのアンネ・ゾフィー・ムターのモーツァルト「ヴァイオリン協奏曲第2番」を録画。この録画をさっそく翌朝(7日)観てみると、つい先日のブログで「宝物」として紹介したばかりでNHKーBSハイにより5年前に録画したものとまったく同じものだった。

これぞまさしく僥倖で、はたして「BSハイ」と「光テレビ」で録画したものと音質がどのように違うのか、比較できる絶好のチャンス。興味津々のままに聴き比べてみると、自分の耳の程度では”はなはだ”心許ないが幾分「BSハイ」の方が響きが自然で豊かのような気がする。

ハイビジョン・チューナーの効果もあるのだろうが、やはりCSアンテナと専用チューナーによる「スカパー受信」の方が理論上からして一日の長がありそうだ。そういうわけで気持ちがちょっとグラリ~。丁度タイミングよく今日(8日)の午後に「真空管アンプの魔術師」奈良のMさんが我が家にお見えになるので比較視聴していただこう。

これで”Mさん頼み”がまた増えてしまった。

当初から予定の「第一システムと第二システムの比較」、「4台の真空管アンプの比較」、「初段の真空管12AU7のブランドごとの比較」に加えて本件というわけ。2泊3日のご予定だが、日程の中に湯布院のAさん宅でウェスタンの「555ドライバーと15Aホーン」の試聴や別府観光を組み込んでいるので、もしかして時間が足りないかも。

とにかくそのご意見もご参考にしながら、専用のアンテナやチューナーの設置がちょっと手間だが、やはり一度スカパー受信を試してみたほうがいいかもしれない。長期間の視聴になりそうなので、この辺はちゃんと最初から詰めておいた方がいい予感がする。

ところで、この「クラシカ・ジャパン」は本契約になると有料放送になる。光TVだと
月額2、850円(スカパーだと3,150円)。1年間にすると34,200円。ちょっと痛いなあ。何でもかんでも「この世はお金次第」にウンザリするが仕方がない。

まあ、FMチューナーを買って毎月2,850円を払うと思えばいいし、それに毎月CDを2枚購入したと考えれば安いものかもしれない。

現在「光テレビ」の番組契約料(35チャンネル)と「CS-e2」(宝塚の専門チャンネルと巨人戦独占チャンネル)の契約料は、いずれもカミさんが管理している口座から引き落とされている。この「クラシカ・ジャパン」だけは別の口座から引き落とせないかとオペレーターに懇願するも、「それは出来ません」とあっさり拒絶された。

オペレーターの説明によると、一番お得な方法は22日前後に「16日間無料お試し期間」が終わるので、いったん中断しておき、6月1日に本契約を結ぶとはじめの1か月間だけ無料になるそうだ。

したがって実際の(口座からの)引き落としは、「光テレビ」も「スカパー」にしても同じで7月になりそう。
ウ~ム、それまでにカミさんにはどう説明しようか、冷や汗が思わずタラリ~。

 


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独り言~NHK・FM放送の受信~

2012年05月05日 | 独り言

2日がかりで降った雨がようやく上がり、3日(木)はカラッと晴れて絶好の掃除日和。

「来週、
お客さんがお見えになるんでしょう。そろそろ(オーディオ・ルームを)片付けた方がいいんじゃない」と、カミさん。

「そのくらい、言われんでも分かっとるわい」と、内心つぶやきながら敵に回すと怖い相手なので口では「そうだね~」。

とにかく、片付けるといっても部屋に置いてある機器類の行く先(置き場所)を見つけるのが先決。必然的にそれほど大きくもない倉庫の空きスペースを何とかして確保しなければならない。この際、これからもう使いそうにない機器類を廃品回収に出すことにした。

まず、やり玉に挙がったのが、次の3機種。

                           

一番上がCS音声デジタル放送専用のPCMチューナーの「APMー101」(オーセンティック)。真中が同じくNECのPCMチューナー、一番下がパナソニックのDATデッキ。

もう10年以上も前になるだろうか、いずれも当時はアナログからデジタル化への加速の中で高音質が謳われており、すぐに飛びついて購入したものだが、現在ではいずれも旧石器時代の遺物みたいになってしまった。

念のため、「CSーPCM放送」をググってみると2011年7月31日をもって放送が中止されたとある。

「な~んだ。もう無用の長物かあ」と潔く諦めがついたが、当時はこのデジタル・チューナーも結構な値段がしていて、NECのチューナーは出たばっかりの品物を購入したのでたしか20万円近くした覚えがある。

音質が不満だったので、「オーセンティック」を追加して購入したのだが、結局2台とも今ではまったく使い物にならなくなった。

一つの教訓だと思って聞いてほしいが、民間事業者だけで企画したシステムはこういうように採算が合わなくなるとあっさり撤退するのでうかつに乗れず、やはりNHKあたりが噛んでないと永続性は当てにならない。ずっと昔の4チャンネル騒動もそうだったが、「日進月歩のテクノロジーと時代の流れのせい」と言われればそれまでだが、あまりにも消費者不在の無責任というものではなかろうか。

さて、倉庫の片隅で「FMチューナー」(ケンウッド:KTー7020)を見つけた。もうFM放送を卒業(?)してから何年ぐらいになるんだろう。FMなら、たしかまだ廃止になっていないはず。

よし、久しぶりに「DAコンバーター」を通さない、つまりデジタル変換をしていないアナログ音を聴いてみようかと思い立った。こうなると片付けは一時中断~。まだ、日にちの余裕はある!

FMアンテナはずっと昔に早々と処分してしまったが、たしか細い銅線をビニールでカバーしているT字型の簡易アンテナで十分受信できた記憶がある。そこで今後使いそうにない銅製のコイル(ソロ社)を、引っ張り出して、適当にバラシテ自作してみた。床に置いて写真撮影。

                               


これを75オームのアンテナコードに半田付けで接続してみると、受信レベル(下の写真:オレンジ色)が上限まで振り切れるほどになってバッチリ。あとはコードのアース処理をして完全に雑音をシャットアウト。室内アンテナでこの有り様だから強電界地域に住んでいると助かる。

                    

いやあ、久しぶりに聴くFM放送だが、昔と比べると随分音が良くなっている。最低音域の伸びが今ひとつのような気がするが、高域方向への伸びは十分だし、SN比も完璧で無音時にスピーカーに耳をピッタリくっつけてもまったくノイズが気にならない。これなら音楽鑑賞には問題が無さそうだ。

現代のFM放送はカー・オーディオで聴く向きが多いので、それ向けにドンシャリ的な音に仕上げられており「ピュア・オーディオ」には程遠いという声があるが、民間放送ならともかく、NHK放送に限ってはそうでもないように思う。

ただし、音に目方があるとすれば日頃聴いている音よりもFMの方が少し軽い感じがする。いや、むしろ音に厚みというか立体感が足りないという表現の方が適切かもしれない。まだ2日しか経っていないので即断は禁物だが、放送される音楽ソースの録音状況によってもマチマチのようで、中にはBGM程度がふさわしいのもあるようだ。

なお、FMチューナーの性能によっても大きく音質が左右されることが知られているが、マランツやマッキンあたりの外国勢を別にして、現在でも国産の最高峰とされているのはケンウッドの「L-02T」。

正直言って欲しいのだが、ネットオークションでは現在7万円前後もする。発売当時はチューナーとしては破格の30万円。30年も前の製品なのにメンテナンスは部品切れは別として今でもケンウッドが熱心にやってくれるみたいなので、根気よく探してみようかな。

とにかく、これで貴重な音楽媒体が一つ増えたわけで、FM専用として第二システム(「Axiom301」フルレンジ)を充てているが、近年は積極的にCDを選分けて聴くという行為が何となく億劫になってきつつあるので、こうして相手(放送局)が勝手に選曲してくれるのを気ままに聴き流すのもなかなかいい。何しろ始めから身構えなくて済むので助かるし、現代の指揮者や演奏者と思いもかけぬ新鮮な出会いがありそうだ。

それに、CDを購入してまで聴こうとは思わない作曲家、たとえば4日(金)の14時半からグリンカの「幻想的なワルツ」をやってたが、シェーンベルクなどの馴染みのない作品に親しめるのも楽しみのひとつ。

これからは、CD、テレビ・デジタル放送、FM放送の3本柱になるが、音質ではCDが10点とすると、中が8点、後者が7点といったところだが、聴く時間となると逆になりそうだ。
 

PS(2012年5月5日9時35分)
国産FMチューナーの最高峰について、投稿後にネットで調べていたらアキュフェーズから「T-1100」というチューナーが発売されていた。国産唯一の「デジタルアウト端子」が付いている。これは凄そうだ!


 


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オーディオ談義~「AVまた楽しからずや」~

2012年05月01日 | オーディオ談義

28日(土)の昼下がりのこと、今回のゴールデンウィークで9連休を取得して大阪から帰省する娘を迎えにカミさんと二人でJRの駅まで迎えに行った。

到着まで少しばかり時間があったので隣接する大型電気店を覗いたところ、2階のメインフロアーで大型液晶テレビが数機種展示してあったので近づいてみた。

すると、びっくり仰天。シャープの液晶テレビ(アクオス)52インチが展示品限りとはいえ14万8千円。

7年前に同じアクオスの45インチを購入したときはたしか4倍くらいしたはずで、まったく信じられないほど安くなっている。

傍らにいる店員さんに「こんなに安いと儲けなんかないでしょう。シャープさんが可哀想ですね。」と同意を求めると、頷きながら「そのとおりです。シャープはひところに比べて随分安くなってます。しかし、同じ液晶テレビでも東芝のレグザは強気で値引きをしていません。」

「東芝は原子力関係など手広く商売を広げているのでテレビ部門の比重が小さいからそんなことが出来るんだろうねえ。そもそも企業の基盤が違うから~。」

それにしても、この52インチの薄型テレビが欲しくなった。巨人ファンのカミさんが自室で観ているテレビは32インチなのでこう、もちかけてみた。

「52インチが欲しいなあ。オーディオルームに置いてある今の45インチはお前にやる。32インチは娘に払い下げればいいじゃないか」

カミさんも”まんざら”ではない様子で「電気店が32インチを大阪までサービスで送ってくれるといいけどねえ」

しかし「あなた”いくら出す”?」と、しっかり訊いてきた。

「ウ~ン、まあ、娘が32インチを要るかどうか尋ねてみないとなあ」と急に歯切れが悪くなる自分。どうやら一気呵成にいこうとした作戦は失敗。

娘が使っているテレビは15年ほど前に購入したソニー製のブラウン管13インチ。宝塚”おたく”でブルーレイ・ディスクでせっせと「宝塚専門番組」を録りためているのに、カミさんに似てなかなかの「しっかり者」だから「これ以上荷物を増やしたくない」なんて言いながら、ガンとしてテレビを買い替えようとしない。

娘がいくらか(お金を)出してくれると、この商談はすぐに成立なのだが、そういうわけで
ちょっと望み薄。

ところで、近頃はCDで音楽を聴くよりも興味のあるテレビ番組を録画して観る時間の方が多くなった。どうやら「視覚+聴覚」は「聴覚」オンリーよりも優勢のようである。情報量が圧倒的に違うので、脳の方もつい安易な道を選ぶのではあるまいか。逆に言えば脳が退化しつつあるのだろう。

いろんな番組を録画しては観た後であっさり消去する昨今だが、未来永劫、絶対に取り消すことのない宝物のような番組がある。

女流ヴァイオリニストの「アンネ・ゾフィー・ムター」が弾くモーツァルトのヴァイオリン協奏曲。それも1番から5番まで全曲録画した番組。

録画日時   2007年10月1日(月) NHKーBS2「クラシックロイヤルシート」(130分)

収録場所   2005年12月 モーツァルト劇場(ザルツブルク)

演   奏   カメラータ・ザルツブルク  

                  

娯楽番組をひとしきり観た後、口直しにこの番組を観ることが多いが、何せすぐにスイッチを切り替えて観られるのが強みで、これまでもう何回視聴したか分からない。 

とにかくムターは美人だし、姿もいいし、演奏もいいし、最高スピードでHDDに録画したこともあって音質も抜群。しかもNHKなので途中でCMが入ることもなく、聴き始めるとつい嵌ってしまい最後の5番まで通しで聴くことが再々。まったく聴き飽きない。しかし、最大の強みは曲目自体が大好きだから。

ちなみに、モーツァルトが作曲した「ヴァイオリン協奏曲」は5番までとされているが、7番まであるという説がある。そこで、オークションでカントロフが弾いた「6番と7番」を手に入れて聴いてみたが、これは明らかに作風が違うしこの協奏曲が持つ独特の流れるような躍動感がないのでモーツァルトの作曲ではないと確信した。

                   

さて、AVというとメル友の新潟のSさんから「AVまた楽しからずや」というメールが先日届いた。差支えないと思う範囲でご紹介させていただく。

オーディオが一応完成したので、その後、一気にビジュアルも完成させました。
オペラと古い映画が見たかったので、まとめてみましたが、画像のようにシンプルなもの。 

製品には素人が手を出す余地はなく、コードをつなぐだけという世界でした。でも安くあがりました。 

ロールスクリーンが3000円、プロジェクタが18000円(オークション)、DVDレコーダが15000円(オークション)、合計で40000円以内で完成しました。 

LDプレーヤーを買ってから、20年以上も滅多に動かすことがなかったのですが、その間のITの技術革新が激しく、中古で十分満足できる画質です。 

○○様(自分のこと)に「プリアンプ不要論」がありましたが、AVだけは完全にプリアンプ不要ですね。AVセレクタで十分です。DVDレコーダでTVやVHSも見れますから、これがセレクタのようなものです。 

音は2A3シングルでアンプにボリュームがあります。 

昔、五味康祐が4チャンネル不要論を唱えていましたが、AVにおいてもステレオで十分なんですね。 これで全体のシステムがまとまりましたが、中古品利用でオーデイオ復興も安くあがりました。新製品というとサンバレーから買ったプリアンプSV-3くらいのものです。  

モーツアルトはドン・ジョバンニをLD(カラヤン指揮1989年ザルツブルグ音楽祭)で手にいれ、本日聴きました。いや、圧倒されました。また、魔笛と異なった情念(業とでもいうか)の世界、ポンテとの合作でしょうが、モーツアルトもすごい作品を残しましたね。映画は「カサブランカ」と「サウンド オブ ミュージック」これも本当によかったです。 

思いだしてみると、映画館はあまり好きではなく、ほとんどテレビの洋画劇場でしたね(淀川さんとか荻さんとか)。 

それをホームシアターで再現していることになります。五味康祐が興行師の家庭で育って、映画館では2A3のパラプッシュを使っていたとか書いていましたけど、戦災で自慢のウエスタンのシステムも灰になったとか。 

2A3の音には何か郷愁を感じるのですが、電蓄に使われていたとか聞きますけど、映画館で使われていたんでしょうね。 

戦後300Bが日本に入ってきたのでしょうが、それを使える映画館は限られていたでしょうから。 

「カサブランカ」が1942年、「風と共に去りぬ」が1939年、2A3や300Bのアンプで当時の映画を見るのも一興です。 直熱管シングルもようやく認知されてきたのに、その開発当時の映画事情などとの関連など書くライターもおらず、評論家はメーカーの宣伝マンですから、オーデイオ雑誌が面白くないのも当然です。 

そういえば、孤軍奮闘の感のあったキット屋の店主日記も10年の歴史を閉じるとか。 

オーデイオを商売にして面白い人というと大橋さんくらいでしたからね。キット屋も発展されて、趣味仲間のような記事も書きづらくなったのでしょうね。 

とりとめのないことを書いてきましたが、一段落してこんなことを考えていました。

「AV」(Audio Visual)
についてはオーディオ・マニアの間でいろいろ論議があるところだろうが、自分はオーディオに親しむ時間が増えるのでSさんと同様の積極派。

また「ドン・ジョバンニ」は聴けば聴くほど素晴らしい音楽だが、ドラマチック性のあるストーリーと登場人物の心理描写も大きな魅力で、”しぐさ”などを通して情念の在り様が分かりやすく伝わってくるので鑑賞するなら映像つきの方が断然いい。この辺は「魔笛」と随分違う。「ドン・ジョバンニ」の方が好きという人の気持ちもよくわかる。

なお、「キット屋の店主日記」が無くなったが、楽しみに読んでいる人が多かっただけに惜しい。しかし、ほとんど毎日更新しながら10年も続いたとはまったく恐れ入る。店主さんには自然と頭が下がる。

自分の場合なんか2~4日おきの更新なのに「5年半」でもうアップ、アップの息切れ状態。

近頃はパソコンと対面してみるものの、何をテーマにしようかと”ネタ切れ”で困っている。その日の気分任せで適当に作るものだから過去記事との矛盾が出てきたりするが、ま、いっか。

「ボケ防止」のために取り組んではいるものの、はてさて、いつまで続くことやら・・・・。

 


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