「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

“何でもあり”の組み合わせ

2013年05月17日 | オーディオ談義

先日、久しぶりに我が家に試聴にお見えになったオーディオ仲間のAさん。

はじめにJBLの3ウェイ・オールホーン・システムを聴いていただいたところ、「凄く質のいい低音が出てますね。まるで45センチ口径のウーファーが鳴っているみたいです。」

よほど強烈な印象を受けられたとみえて、引き続き「AXIOM80」システムを聴いていただいたときにも、「中高音部はともかく低音部だけはJBLシステムに及びませんね。これだけでも何とかうまく利用する手はないものですか」

日頃の思いを改めてズバリと指摘されて、Aさんが帰宅された後もしばし考え込んだ。

我が家は2系統のシステムともにマルチ・アンプ(ひらくちに言えばSPユニット1個にアンプ1台の割り当て)なので、SP ユニット同士の位相の問題さえクリアできれば、どんな組み合わせだって“何でもあり”である。

以上、いきなり核心部分に入ったみたいでどういう意味か、おそらく“ちんぷんかんぷん”の方もおられるだろうから、具体的に説明しよう。

先ず現用システムの内訳を説明しておかないと話にならない。

☆ 「AXIOM80」3ウェイシステム

低音部 (~200ヘルツ、肩落ち6db/oct)  SPユニット「SLE-20W2発」(ケンウッド「01-A」アンプで駆動)

中高音部 (200ヘルツ~、肩落ち6db/oct) SPユニット「AXIOM80」(WE-300Bアンプで駆動)

高音部 (15000ヘルツ~、肩落ち6db/oct) SPユニット「JBL075ツィーター」(2A3アンプで駆動)

☆ 「JBL3ウェイ」オール・ホーン・システム

低音部 (~200ヘルツ、肩落ち6db/oct) SPユニット「JBL-D130」 ボックスは「ウェストミンスター」(ケンウッド「01-Aアンプで駆動)

中高音部 (400~8000ヘルツ、肩落ち6db/oct) SPユニット「JBL375」(PX25アンプで駆動)

高音部 (8000ヘルツ~、肩落ち6db/oct) SPユニット「JBL075」(2A3アンプで駆動)

結局、両システムとも低音部のクロス周波数が「200ヘルツ」だから、「AXIOM80」に「JBLーD130」とを組み合わせてセットで鳴らすことは出来ないことはない。

まあ、とりあえずやってみっか!

オーディオは必ずしも理論と現象が一致しないことをこれまでイヤというほど経験している。

そこで、思い切って「AXIOM80」システムを移動させて、できるだけ「JBL-D130」ユニットに際際(きわきわ)まで近づけてみた。

                

スピーカーのセッティングを行う場合、周知のとおり低音部から高音部までの各SPユニットの振動板の位置を合わせることが基本中の基本だから、このケースはまったくのセオリー無視で、「聴いてみて違和感がなければそれで良しとしよう」というわけ。

いわゆる自分が大好きな「大雑把」というヤツである(笑)。

必要のないSPユニットのメインアンプのスイッチをそれぞれ切るだけでいいので実に簡単な実験。まったく異色の組合わせとなるこのシステムをひとまず聴いてみると、これが“なかなかいけるじゃない!”というのが初印象。

通常は、「コーン紙」(低音部)+「金属製のダイアフラム」(中高音部)の組み合わせが多いが、このケースはコーン紙同士の組み合わせとなる。そのせいかユニット同士の繋がりが実にスムーズで聴き心地がいい。

豊かな低音部と繊細で分解能に優れた中高音部がなかなかのレベルで溶け合っている。

そういうわけで、第一、第二のシステムをいっさい損なうことなく、新たな第三システムの完成である。

☆ 低音部「JBL-D130」+中音部「AXIOM80」+高音部「JBL075」

しかし、手放しというわけにもいかない。それなりに聴取位置はスピーカーの位置から出来るだけ距離をとった方がいいし、ソースを選ぶことはたしかで、ワーグナーの「ワルキューレ」(ショルティ指揮)などのスケールの大きな音楽はもってこいだが、小編成となると音像定位の面で他のシステムに明らかに一歩譲る。

結局、使い分けが必要のようで第一システムは独奏などの小編成に、第二システムはジャズに、第三システムはオーケストラなどの大編成用ということになるだろう。

まあ、個人的な感想は別として、これから試聴にお見えになるお客さんたちに3系統のシステムを比較試聴してもらって、はたしてどういうご意見が飛び出すか、楽しみがひとつ増えた。

 


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