5月7日のMarsDailyにイギリスのThe Independentのレポートが紹介されています。
南極で行われているESAの有人火星探査のための8ケ月に亘る閉鎖実験に参加しているイギリスの医師であるAlexander Kumarさんに電話インタビューしたものです。
2006年から夏チーム、冬チームの編成で14名程度で人類が火星へ到る長期のミッションに如何に対応すべきかの研究を続けています。
特に、4ケ月間の白夜の季節には、気温もマイナス80℃となり、外部からの補給等の支援も出来なくなる環境下で人間の耐久性の限界をテストするようです。
Alexanderさんは、次のようにインタビューに応えて発言しました。「人間がそのような極限環境で暮らすことができることを私たちが示すことが重要です。」「私は、私たちがある日火星に辿り着くことができることを示したいと望みます。」
場所は、南極に設けられたESAの施設Concordiaで行われています。
Concordiaは、2005年に開設。
南緯75度06分 東経123度20分
海抜3,200m
下図の★印がConcordia
Alexanderさんは、Concordiaに1年以上滞在したEoin Macdonald-Nethercottさんと交代する為に今年の1月27日にConcordiaにやってきました。
まず、Alexanderさんは、1月7日にthe Astrolabeに乗ってタスマニアのホーバートの港を発ちました。
南極海を横切り、1週間にわたる旅行の後、the Astrolabeはデュモン・デュルビルに着きました。
其処から、約1,200kmの距離を双発プロペラ機で5時間のフライトの後に、やっと高度3,200mのConcordiaに着きました。
Concordiaは、極端に厳しい環境の中で、長期間隔離されており、小さな多文化的なチームに対する影響を検討するのに理想的な場所と言えますね。
5月11日のConcordiaのサイトのニュースによりますと、いよいよ太陽に別れを告げるときが来たとのこと。
9月まで太陽とお別れですね。
また、2013年度の参加者の募集が行われており、締め切りが6月8日となっています。
残念ながら、ESA加盟国の国籍を持っているか在住していないと参加資格が無いようです。
また、健康で医学的素養(博士号等)があり、英語が出来てフランス語かイタリア語も出来るとなお良いとのことです。
3-5人の候補者が2012年7月に完全な健康診断、心理学的アセスメントおよびインタビューのためにパリに招待され、すべての医学のテストの結果が良ければすぐに、最終選考に到るとのこと。
2012年10月の前半に出発前の打ち合わせがあります。
2012年11月末から2013年1月の間の出発となります。
現在、K・S・ロビンスンの「レッド・マーズ」を読んでいるところですが、火星へ移住する100人の選抜と訓練がやはり南極で行われている設定となっていましたので、興味深いです。
南極には、30ケ国を超える国が観測基地を設けており、夏に4,000人、冬に1,000人の研究者が滞在しているとのことです。
参考までにWikipediaを見てみましたが、改めて人間の探究心は凄いと感心しました。