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<読書>ムクゲの頬づえ…困難に屈しない強い心

2014-11-28 | アイヌ民族関連
民団新聞 2014-11-26
 1934年、北海道・小樽で生まれた李正雨さんが、80年におよぶ波乱の人生を綴った自叙伝を自費出版した。本書で李さんは「K子」として登場する。
 在日韓国人2世のK子は、小学校に入学早々、クラスの同級生や担任からいじめにあい、転校した室蘭の小学校でも疎外感を味わった。ある日、校長が口にしたアイヌに対する差別用語を聞いた途端、朝鮮人とアイヌは人間扱いされていないと痛感する。その深い傷がK子のエネルギーになったという。
 小学校5年生の時、太平洋戦争が激化し、母親らと祖母の暮らす釜山へ疎開したが、竹の子生活で慢性的な栄養失調だった。この頃から大学に行くと決めていた。それは父や母の苦労を見てきたからだ。1950年6月25日、韓国戦争が勃発する。帰日するために乗った密航船が拿捕され、鳥取の収容所を経て、大村収容所に収容されたこともある。
 北海道大学卒業後、3つの高校で計30年間、教壇に立ったが、さまざまな理由から圧力を受け続け、3校とも辞めさせられている。現在、民団室蘭支部の婦人会顧問として開設したハングル教室や、室蘭市役所の委託を受けて始まったハングルの集中講座などで教えている。その行動力と困難に屈しないK子の強い心に見習いたい。
李正雨著 自費出版 (1500円 税込) 0143(85)8262
http://www.mindan.org/shinbun/news_bk_view.php?corner=6&page=1&subpage=3410
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