先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

自見アイヌ担当相、二風谷を視察

2024-07-12 | アイヌ民族関連

石井純太 有料記事

北海道新聞2024年7月11日 17:55(7月11日 18:50更新)

長田館長(手前左)の案内で町二風谷アイヌ文化博物館を視察する自見氏

 【平取】自見英子沖縄北方・アイヌ施策担当相が10日、二風谷地区を訪れ、町二風谷アイヌ文化博物館などを視察した。

 自見氏は9日に札幌で開かれたアイヌ政策推進会議に参加。10日は北海道開拓の村と北海道博物館を視察後に来町した。

 平取では山中にある映画「ゴールデンカムイ」のロケ地や萱野茂二風谷アイヌ資料館、町アイヌ工芸伝承館ウレシパ(シは小さい字)、民芸店「北の工房 つとむ」、同博物館の順に視察。同博物館では長田佳宏館長が、千点以上の資料を収蔵していることや展示内容を説明した。

 ・・・・・

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1036671/


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「極上のエンターテインメント作品」今秋配信予定のWOWOWドラマ『ゴールデンカムイ』をアピール

2024-07-12 | アイヌ民族関連

中日スポーツ 2024年7月11日 19時54分

WOWOWの定例会見が11日、東京・赤坂の同局で行われ、今秋放送・配信予定の「連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―」が紹介された。

野田サトルさんの大人気コミックが原作。明治末期の北海道を舞台に、莫大(ばくだい)なアイヌの埋蔵金を巡る一獲千金ミステリー。今年1月に公開された映画版は興行収入約30億円を記録する大ヒットとなった。

 映画版の続編となる今回のドラマシリーズ版では、囚人狩りが本格化、登場人物それぞれの過去や信念が解き明かされてゆく。

 俳優陣は主人公・杉元佐一役の山崎賢人(29)ほか、山田杏奈(23)、真栄田郷敦(24)、矢本悠馬(33)、玉木宏(44)といった主要キャストに加え、高橋メアリージュン(36)、桜井ユキ(37)、池内博之(47)などが新キャストとして登場する。

 植田春菜プロデューサーは「アイヌ文化についてもより多くのことを知っていただける内容になっている。映画に引き続きアクションもあり、よりコメディー要素も感動的な物語も多くなっており、極上のエンターテインメント作品になりました」とアピールした。

https://www.chunichi.co.jp/article/926419


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「谷から来た女」桜木紫乃著

2024-07-12 | アイヌ民族関連

日刊ゲンダイ:2024/07/11 17:00 更新日:2024/07/11 17:00

「谷から来た女」桜木紫乃著
 主人公はアイヌの出自を持つ赤城ミワ。ミワに関わった人たちの語りを通し、彼女の生い立ちからデザイナーとして活躍する現在までを描いていく連作短編だ。
 大学教授の滝沢龍は、地元テレビ局の番組審議会でミワと出会った。滝沢はミワの迷いのない言葉や態度、アイヌ紋様デザイナーとしての矜持に惹かれ、やがてミワに誘われるような形で2人の関係が始まる。そんな折、ミワに事務所の金を持ち逃げされるトラブルが発生。滝沢のアドバイスは立場の異なるミワと距離をつくってしまい、さらに取り返しのつかないひと言で別れは決定的なものになってしまう(表題作)。
「ひとり、そしてひとり」に登場するのは、美術学校の同期生・千紗。アクセサリーショップとセクシーパブで働く千紗は、すすきので偶然にミワと再会。卒業と同時に工房を持ったミワを羨みつつも、一緒に過ごすうちに言い訳をしてきた自分の格好悪さを思い知る。
 本人よりも先に察知する勘、嘘を見抜く瞳──。ミワと関わった人たちは、自分の無意識に気づき、ある者は傷つき、ある者は抵抗する。ミワの問いは、登場人物のみならず読む者の心も揺さぶるに違いない。
(文藝春秋 1870円)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/357490


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温暖化の好影響を享受し続けてきた北極域の都市

2024-07-12 | 先住民族関連

CIGS 2024.07.11

NPO法人 国際環境経済研究所IEEI(2024年6月11日)に掲載

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の最新の報告書注1)によると、世界各地で地球温暖化による様々な環境被害が顕在化しているという。中でも、北極域では温暖化の影響が増幅され注2)、生態系の変化や凍土の融解に伴うインフラの損害などが住民の生活や健康を脅かしているとされている。ところが、都市化昇温(ヒートアイランド)で将来の温暖化を先取りしている北極圏の都市注2)の状況を見ると、温暖化による好影響や自然発生的な適応も観察されるようだ注3)。

1.IPCCによる北極域の温暖化影響への見解

IPCC第6次評価報告書の「極地(Polar Regions)」注1)の要約には、次のような記述がある。気候変動の影響は世界中の多くの生態系や人間システムで観測されているが、中でも北極域では、加速度的な海氷の減少(特に夏季)や永久凍土の融解の増加、極端な高温などが海洋・淡水・陸上の生態系に影響を及ぼす。また、寒さの緩和により寒冷気候帯が縮小すると生態系の分布のシフトと食物網が変化するとともに、農作物の収穫量や漁業などに影響する多くの種の減少を誘発し、極域で生産される海産物に依存する世界各国の食料生産を脅かす。永久凍土の融解と洪水の増加は、北極域の輸送や供給連鎖のためのインフラを破壊し、経済・観光・文化遺産へのリスクも増大させる。さらには、特に北極域の先住民族の生活や文化、アイデンティティ、健康、安全保障などの多くの側面をますます脅かしているという。

IPCC第6次評価報告書の政策決定者向け要約注4)には、これらを図化したものが掲載されている(図1)。地球温暖化はほぼ全ての項目に悪影響を及ぼすとされており、好影響はわずかに食糧生産(農業・漁業)と経済(海氷減少に伴う運輸・観光など)で指摘されているのみである。この結果が正しいとすれば、現状は気候変動に対して「不適応(あるいは脆弱)な状態」にあり、今後温暖化が進んだ場合の悪影響を極力減らすための「適応」が緊急に必要ということになる。

2.北極圏の大都市は温暖化が進んだ未来

図1に示された現状と将来の悪影響は主に気候シミュレーションに基づいている。これとは別の方法として、都市化昇温の影響を受けた北極域の都市周辺の生態系や人間生活などを調べるというアプローチが存在する。

以前解説したように注5)、都市化は永久凍土がある北極域でも20世紀以降進行し、ヒートアイランドによって気温を底上げしてきた。Miles and Esau (2017)注6)は、西シベリア北部の28都市を対象に、衛星観測で得られた各都市の数十km範囲で最も高い地表面温度から都市以外の土地区分に属する地表面温度の平均値を差し引くことで都市昇温量を推計した(図2)。得られた都市昇温量は人口とともに増加する傾向にあり、大都市では3℃に達する。温帯の都市では、都市化昇温は夏季よりも冬季の方が大きい場合が多いが注7)、北極域の場合は夏季にも冬季と同程度の昇温がみられる(図2a)。日照時間の長い夏季には、都市化昇温の大きさは地表面での太陽放射の反射率(アルベド)の増加や緑地の減少に伴う蒸発量の減少に依存するが、気温が低く日射量が小さい冬季には暖房などの人口排熱に依存する注6)。

北極域の都市の住民にとっては、この都市化昇温分は今後起こりうる地球温暖化による昇温とみなすことができる(図3)。例えば、Murmansk、Norilsk、Vorkutaなどの人口が特に多い都市は、2019年時点で既に産業革命前から6度以上昇温している。これを2100年までに温室効果ガスを最大限排出した代表濃度経路シナリオ(RCP8.5)注8)の気温予測値に重ね合わせると、図3に示すように2065年頃の気温偏差に相当する。仮に、人口が少ない都市の住民がこれらの都市を訪れれば、2024年現在から約40年後の気温を体感することになる。
このように、ある特定の地域(この場合、郊外)の将来気候に類似した場所(この場合、都市)の現在気候を探索するというアプローチはClimate Analogues(気候類似性)と呼ばれている注9),注10)。一般市民にとって実感が沸かない気候シミュレーションによる将来予測を、直感的に理解しやすいものに置き換えるという点が注目されている。実際のところは、都市化昇温と地球温暖化の現象は異なるものではあるが注11),注7)、地上気温の上昇をもたらす点では類似しているといえるだろう。

3.凍土融解の主要因は気温上昇ではない?

図3で示したEsau et al. (2020)注3)は、Climate Analoguesの考えに基づいて北極域の都市での現地調査や文献レビューから地球温暖化による影響の実態を解析している。まず、地球温暖化が引き起こす悪影響の一つであるインフラ(構造物)への損害の可能性を検討してみよう(図1:赤枠)。

北極域の都市では、地盤によるインフラの支持力がその下の凍土の融解や劣化により低下すると様々な被害が起こる(図4)。地球温暖化はその原因とされており、地温と活性土壌層の厚さの将来気候シミュレーションによれば、永久凍土地域におけるインフラの70%が表層付近の永久凍土が融解する可能性が高い地域に存在する注12)。また、21世紀半ばまでの地球温暖化によって、ロシアの永久凍土地域全体で都市基盤の安定性が少なくとも25%低下する可能性があるという注13)。アラスカの主要パイプラインシステムに依存する産業地帯やロシア北西シベリアのヤマル・ネネツ地域の天然ガス採掘地域では、このリスクが特に大きいとされている注12)。これらの知見の元となる論文はIPCC第6次評価報告書で引用されている。

さて、以上の予測結果の妥当性は、ロシアの永久凍土地帯にある大都市Norilisk(人口約18万人)を対象にした現地調査の結果注14)と比較することで検証できる。Noriliskでは、1980年代後半に永久凍土の昇温とそれによるインフラ損害が顕在化した。産業革命以前から2019年の間には都市化により気温が6.5℃も昇温したわけだが(図3)、その影響なのだろうか?

Shiklomanov et al. (2017) 注14)の調査結果によると、過去の気温上昇(地球温暖化と都市化昇温)によって1960~2000年代の数十年間で永久凍土がインフラを支える能力は10%ほど低下したという。しかし、この要因のみでは実際に起きた凍土の融解速度を説明することはできず、その他の人為的な影響が主要因であると結論付けている。具体的には、排水システムの欠如や排水管の損傷による凍土の加熱、北極域に適さない安全率の低いインフラ建設(図4a–c)、そして社会経済状況の変化に伴う工学的知見・経験の喪失などである。図4dは、1990年代のソ連崩壊後に民営化が進み、永久凍土の知識がない民間業者が建てた小売店(キオスク)が増加して、それらの発生熱で凍土の融解と地盤沈下を引き起こした例である。

この事例では、過去に気温が上昇した期間に凍土の融解とインフラの損害が起こったのは確かであるが、それらの主要因は気候変動ではなかったといえる。永久凍土の劣化そのものには自治体やロシア連邦も認識しており、対策に乗り出しているようである注14)。

4.緑地が増えている北極域の都市

衛星観測から、北極域では年間の植物生産量や生育期間が増加傾向にあり注15),注16)、地球温暖化とともに植物成長が促されることも知られている注17)。IPCCも地球温暖化によって緑が少なかったツンドラ地域全体で緑化が進むとしており、一見住民にとっては良い影響に思えるが、陸上生態系が変化すること自体をリスクとみなしているようだ(図1:赤枠)。

前章と同じように、都市化昇温が進んだ北極圏の都市で緑が増えた結果何が起こったのかをみてみよう。北極域での植生の分布状況や活性度の変化は、植生指標の一つであるNDVI(Normalized Difference Vegetation Index)などの人工衛星による観測で検出できる注18)。図5は、2000~2015年の間に起きた北極圏の様々な都市で観測された夏季のNDVI最大値の変化率を示す。北極域の都市周辺数km範囲には河岸段丘があり、そこに緑の帯(Green belt)が形成されていることが多いが、そこでは6%ほど緑化が進んでいた(上向きの灰色矢印)。この緑化速度は、人間活動の影響が小さい郊外(中心部から40km遠方)のよりも大きく、都市の有無に関係なく地域全体で起こる地球温暖化では説明がつかない。

緑化速度の違いを引き起こした原因の一つとして、2章で述べた都市化昇温が挙げられる。北極域の都市Nefteyugansk(人口約13万人)における地表面温度の衛星観測によると、都市化昇温は都市の中心部からおよそ6kmの範囲まで及ぶという注20)。この範囲は図5でNDVIが増加した範囲と概ね対応しており、地球温暖化に都市化昇温が上乗せされて緑化が促進した可能性がある。その他の要因として、都市化により失われた緑地の住民による復元(植林や生態系保全)の影響も考えられる注3)。

図5を示した著者ら注3)は、地球温暖化が進行することによって、北極域の都市環境が緑地や樹林を設計の一要素として取り入れた新しいものに変貌できるようになるとしている。歴史的には、北極域の住民にとって都市開発とは孤立やストレスをもたらす寒い冬の生活をどのように快適に制御するかというものであった注21)。地球温暖化が進行して緑地が増えることで、住民のストレスも大きく緩和されるのではないだろうか。

5.寿命が延びて豊かな生活を送る北極域の人々

IPCCは、地球温暖化のリスクとして北極域の夏季の暑熱による健康被害を挙げている(図1:赤枠)。しかしながら、実際に都市の調査結果を見ると、冬季の寒さが緩和されることによる恩恵が大きそうだ。ロシア北部の人口10万~35万人の4都市を対象に、1999~2007年の熱波と寒波による死亡率の解析結果注22)では、65歳以上の年齢層で厳しい寒波による死亡率が最も高いことが判明した。そして、寒波は熱波よりも相対的に危険性が高く、さらに長い寒波は短い寒波よりも危険であるということも明らかになっている。寒波が熱波よりも危険な理由の一つは、寒さに対する生理的反応が暑さに対する反応よりも長く続くためである注23),注24)。この研究の著者らは、北極域では暑さよりも寒さによる健康影響に焦点を絞った研究が必要であると主張している。

「寒さの緩和により寿命が延びる」という現象は、北極域に限らず世界各国の都市で観測されている。1985~2012年における世界13カ国の死亡率を対象にした研究では注25)、気温に関連する死亡(熱関連死亡)の大部分は寒さによるものであり、極端な寒さによる死亡率は極端な暑さによる死亡率よりも大きいとしている。東京でも過去のヒートアイランドによって冬季の死亡率が減少した可能性が高い注26)。世界全体でみても、高温による死亡率と低温による死亡率の変化はほぼ相殺され、正味の熱関連死亡率は今世紀を通じて大きく変化しない見込みである注27)。

また、IPCCは、非常に多くの文献をレビューすることで、気候変動がすでに北極域の住民の食料と栄養の安全保障、健康や精神衛生に悪影響を及ぼしているとしている(図1:赤枠)。ところが、北極域の都市化昇温の実態を調べた研究注28)は、ヒートアイランドにより寒冷地の気温が上昇することは経済や環境に多大な恩恵をもたらす可能性が高いとしている。気温が高くなれば、冬季の住民の労働環境は緩和されるし、霜の発生や燃料の使用量も抑えられる。このように温暖化が北極圏の都市に及ぼす社会的影響は便益になる注29),注30)。さらにいえば、暖冬になると屋外でのレクリエーション活動も容易になるはずである注3)。

6.地球温暖化で北極域の都市は持続可能になっていく?

最後に、Climate Analoguesの考え方に基づいて北極圏のその他の都市における温暖化による影響を示しておく(図6)。IPCCによる見解(図1)と大きく異なる点は、影響度の指標に「便益」が明示的に示されている点である。温室効果ガスの放出の促進や夏季の気温増加、インフラの安全性などには悪影響が観察されているが、寒さの緩和や生態系の繁栄など多くの好影響がありそうだ。また、インフラの損害もすべての都市で顕在化しているわけではないし、上述したように既に対策が進められている。海氷の後退や北方林の生態系の進化も、持続可能な北極圏の都市環境に繋がると判断された注3)。

地球温暖化の悪影響は、好影響と合わせた「正味の影響」として評価すべきである。ヒートアイランドを意識しながら都市の状態を観測・観察する研究は、このような評価を可能にしてくれる。その結果に基づいて気候シミュレーションの予測結果の妥当性が検証されれば、地球温暖化に対して真に取り組むべき課題が自然と見出されるであろう。

注1)
Constable, A.J., et al. (2022) Cross-Chapter Paper 6: Polar regions. In: Climate Change 2022: Impacts, Adaptation and Vulnerability. Contribution of Working Group II to the Sixth Assessment Report of the IPCC [Pörtner, H.-O. et al. (eds.)], Cambridge University Press, Cambridge, UK and New York, NY, USA, 2319–2368.

注2)
堅田元喜 (2024) 100年前に起きた20世紀前半の温暖化現象の謎
https://ieei.or.jp/2024/05/katata_20240524/

注3)
Esau, I., et al. (2020) Warmer climate of arctic cities, In: The Arctic: Current Issues and Challenges [Pokrovsky, O., et al. (eds.)], NOVA, New York, NY, USA, 425 pp.
https://www.researchgate.net/publication/343894223_WARMER_CLIMATE_OF_ARCTIC_CITIES

注4)
環境省(2022)IPCC第6次評価報告書(AR6)第2作業部会(WG2)報告書,  政策決定者向け要約(SPM)翻訳,pp. 39.
https://www.env.go.jp/content/000138044.pdf

注5)
堅田元喜 (2024) ヒートアイランドが北極域の都市をより温暖にしている
https://ieei.or.jp/2024/06/katata_20240603/

注6)
Miles, V., and Esau, I. (2017) Seasonal and spatial characteristics of urban heat islands (UHIs) in Northern West Siberian cities, Remote Sensing, 9, 989.

注7)
堅田元喜 (2022) 地球温暖化とヒートアイランドの見分け方
https://ieei.or.jp/2022/07/expl220722/

注8)
全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)(2013) 将来予測における「RCPシナリオ」とは?
https://www.jccca.org/ipcc/ar5/rcp.html

注9)
Fitzpatrick, M.C., and Dunn, R.R. (2019) Contemporary climatic analogs for 540 North American urban areas in the late 21st century, Nature Communications, 10, 614.

注10)
Bastin, J-F., et al. (2019) Understanding climate change from a global analysis of city analogues, PLoS ONE, 14, e0217592.

注11)
気象庁ホームページ、ヒートアイランド現象
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/himr_faq/03/qa.html

注12)
Hjort, J., et al. (2018) Degrading permafrost puts Arctic infrastructure at risk by mid-century, Nature Communications, 9, 5147.

注13)
Shiklomanov, N.I., et al. (2016) Climate Change and Stability of Urban Infrastructure in Russian permafrost regions: prognostic assessment based on GCM climate projections, Geographical Review, 107, 125–142.

注14)
Shiklomanov, N.I., et al. (2017) Conquering the permafrost: urban infrastructure development in Norilsk, Russia, Polar Geography, 40, 273–290.

注15)
Post, E., et al. (2009) Ecological dynamics across the Arctic associated with recent climate change, Science, 325, 1355–1358.

注16)
Park, T., et al. (2016) Changes in growing season duration and productivity of northern vegetation inferred from long-term remote sensing data, Environmental Research Letters, 11, 084001.

注17)
Myneni, R.B., et al. (1997) Increased plant growth in the northern high latitudes from 1981 to 1991, Nature, 386, 698–702.

注18)
Esau, I., et al. (2023) The Arctic amplification and its impact: A synthesis through Satellite observations, Remote Sensing, 15, 1354.

注19)
Esau, I., et al. (2016) Trends in normalized difference vegetation index (NDVI) associated with urban development in northern West Siberia, Atmospheric Chemistry and Physics, 16, 9563–9577.

注20)
Esau, I., et al. (2019) Spatial structure and temporal variability of a surface urban heat island in cold continental climate, Theoretical and Applied Climatology, 137, 2513–2528.

注21)
Pressman, N.E.P. (1996) Sustainable winter cities: Future directions for planning, policy and design, Atmospheric Environment, 30, 521–529.

注22)
Shaposhnikov, D., and Revich, B. (2016) Toward meta-analysis of impacts of heat and cold waves on mortality in Russian North. Urban Climate, 15, 16–24.

注23)
Deschênes, O., and Moretti, E. (2009) Extreme weather events, mortality, and migration, The Review of Economics and Statistics, 91, 659–681.

注24)
Keatinge, W. E. (1984) Increases in platelet and red cell counts, blood viscosity, and arterial pressure during mild surface cooling: factors in mortality from coronary and cerebral thrombosis in winter, British Medical Journal, 289, 1405.

注25)
Gasparrini, A., et al. (2015) Mortality risk attributable to high and low ambient temperature: a multicountry observational study, The Lancet, 386, 369–375.

注26)
堅田元喜 (2021) 東京では冬のヒートアイランドで寿命が延びた
https://ieei.or.jp/2021/01/expl210113/

注27)
堅田元喜 (2023) 人間社会の強靭化と適応は地球温暖化による死亡リスクを軽減してきた
https://ieei.or.jp/2023/12/katata_20231208/

注28)
Konstantinov, P., et al. (2018) A high density urban temperature network deployed in several cities of Eurasian Arctic, Environmental Research Letters, 13, 075007.

注29)
Davies, M., et al. (2008) Strategies for the modification of the urban climate and the consequent impact on building energy use, Energy Policy, 36, 4548–4551.

注30)
Kolokotroni, M., et al. (2009) Heating and cooling degree day prediction within the London urban heat island area, Building Services Engineering Research and Technology, 30, 183–202.https://cigs.canon/article/20240711_8211.html


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リリー・グラッドストーン最新主演作『ファンシー・ダンス』について語る【今月の顔】

2024-07-12 | 先住民族関連

スクリーン 2024-07-11

最新インタビューを通して編集部が特に注目するキーパーソンに光をあてる“今月の顔”。今回は主演作『ファンシー・ダンス』の配信を控えるリリー・グラッドストーンです。日本でも限られた媒体のみが参加できた貴重なインタビューをお届けします。(インタビュー&文・斉藤博昭/デジタル編集・スクリーン編集部)

カバー画像:Photo by Derek Reed/Contour by Getty Images

リリー・グラッドストーン プロフィール

1986年8月2日、アメリカ・モンタナ州生まれ。ブラックフット族居住地で育ち、後にワシントン州へ移住。大学では演技・監督の博士号を取得、ネイティブアメリカンについても研究。映画デビューは2012年。

ケリー・ライカート監督作『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』(2016)で注目を浴びた。『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023)の演技が高く評価され、先住民族をルーツに持つ女性として初のゴールデングローブ主演女優賞を受賞し、オスカーにもノミネートされた。

今後の出演作に、「ブリジャートン家」にも参加したアンドリュー・アン監督作『The Wedding Banquet(原題)』など。

“ようやく今、ネイティブアメリカンにとっての真実や私たちにとってリアルな物語を芸術として描く時代が来たと実感します”

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』ではレオナルド・ディカプリオ演じる主人公の妻を任され、アカデミー賞主演女優賞ノミネートなど数々の栄誉に輝いたリリー・グラッドストーン。ネイティブアメリカンの血を受け継いで独自の個性を発揮してきた彼女は、多様性を求めるハリウッドで、さらなる躍進が期待されている。

そんなグラッドストーンの最新主演作がApple Origina lFilms『ファンシー・ダンス』。複雑な事情を抱え、逃避行を決意する叔母と姪の物語に、ネイティブアメリカンとしてのリアルな日常が絡んでいく。

俳優と役柄の一体感が奇跡的ともいえる本作、そして演技の仕事についてグラッドストーンに聞く“ようやく今、ネイティブアメリカンにとっての真実や私たちにとってリアルな物語を芸術として描く時代が来たと実感します”と、その答えは丁寧かつ誠実で、彼女の人柄が伝わってくるインタビューとなった。

──あなたは主人公ジャックスの役にすんなりと入り込んだ印象です。ご自身でもそう感じていますか?

正直言うと、ジャックスの行動や決意に、私自身が共感できるか不安でした。ただ監督のエリカ(・トレンブレイ)は私を念頭に脚本を書いてくれたんです。もともとエリカと私は『いつか一緒に仕事をしたい』と話しており、初の長編作で私を主役にイメージしたのでしょう。

彼女の最初のドラフトを読んだ時、信じられないくらい心を鷲掴みにされ、頭の中に映像が浮かんだほどでした。1時間20分ほどかけて読んだのに、体感的には15分くらい。あっという間でした。あまりに夢中になったせいか、自分で演じ切れるのか逆に不安になったのかもしれません。

──ジャックスを演じる準備をしながら、その不安が消えた瞬間もあったのではないですか。

撮影の準備が本格的に始まり、とりあえず衣装を着てみました。鏡を見ると、私の従兄弟が写っているように感じたのです。ウィルとチェットという男性の従兄弟です。ウィルは優秀で、私たちのコミュニティでリーダーを目指せるような能力を持っています。そしてチェットは、幼い頃から同じ土地で一緒に育ち、髪型もジャックスに似ています。こうした従兄弟たちの要素が、ジャックス役へのアプローチに役立つと、少しだけ自信が芽生えていきました。

──タイトルの「ファンシー・ダンス」とは、ネイティブアメリカンのお祭りなどで踊られるダンスです。あなたも踊るシーンがありますね。

この映画にはファンシー・ダンスの名手であるホリー・スー・グレイがキャストで参加し、彼女は振付も担当していました。伝統的なファンシー・ダンスは、女性の動きはおとなしめで、きちんと揃ったものですが、そこから発展し、スカーフを手に持ち、バレエのような軽やかなステップも取り入れられました。ジャックスの姪のロキは、そうしたダンスも踊ります。

一方でジャックスは伝統的な動きで、そこには彼女が一家を支える“男性的”な役割が込められているのでしょう。派手なステップは踏まず、どっしりと構える彼女の生き方が表れていると思います。

──『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のマーティン・スコセッシと、今回のエリカ・トレンブレイ監督は、演出面でどのような違いがありましたか?

まったく別のタイプのようですが、似ている面もたくさんあった気がします。マーティンは、ある意味、百科事典のような存在ですよね? 膨大な知識を持ちながら、俳優に演技を任せます。彼はつねに映画全体の流れや構成を意識しており、いま撮っているシーンがどんな意味を持つのかを説明し、あとは自由に演じさせてくれました。

エリカは、すべてのテイクに関して、自分が何を望むのか、具体的で洗練されたアイデアを持っている監督。自分で脚本も書いているので。そのシーンの意味を深く理解しているからだと思います。

そしてマーティンもエリカも、どんな結末を迎えさせるか、つまり登場人物の最後の瞬間をどう見せるのかに、非常にこだわる人でした。そこに行き着くまでの、他のシーンのバランスを考え抜くことで作品のビジョンができあがるのです。

──『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』や『ファンシー・ダンス』でのあなたの活躍は、映画でのネイティブアメリカンの描き方に良い影響を与えているのでは?

そうですね。私たちが映画に登場する場合、これまではステレオタイプの役割が多かった気がします。“血に飢えた”野蛮の人々、あるいは“高貴な”野蛮の人々のどちらか。そのイメージを『キラーズ』で私が演じたモリーが、少し払拭したと思います。人間的な要素や、オーセージ族の物語に共感した人も多いでしょう。

その『キラーズ』の後に『ファンシー・ダンス』のような映画を観れば、さらに別次元で満足感を得られると思うのです。ジョン・ウェインの西部劇などこれまでの映画では、当事者以外による表現が間違っていると指摘されるケースも目立ちましたが、ようやく今、ネイティブアメリカンにとっての真実や、私たちにとってリアルな物語を芸術として描く時代が来たと実感します。

──そもそもあなたが俳優を目指した理由は何だったのですか?

多くの俳優は子供時代に観た映画を挙げるでしょう。私は5歳の頃に『スター・ウォーズ』シリーズに出会って、イウォークになりたいと強く思いました。自分たちの森を守る彼らに、多くのネイティブアメリカンの子供は惹かれたのです。『この物語の中に入りたい』と言う私に、両親は『あれは俳優という職業だ』と教えてくれました。

そして7歳か8歳の頃、学校で演劇を始めたところ、父親から『いつか映画スターになって、アカデミー賞を獲るよ』などと励まされ、それを真に受けたことで今の私があるんですよ(笑)。

Apple Original Films 『ファンシー・ダンス』

画像提供 Apple

オクラホマ州ネイティブアメリカンの居留地で、妹が失踪し、その娘ロキの面倒をみるジャックス。実の母娘のような関係を育む2人だが、親権問題が生じ、ジャックスはロキを連れて妹を探す旅に出る。しかしこの行動が誘拐事件と勘違いされ、2人は警察に追われることに。居留地の美しい自然と人々のつながりに、ネイティブアメリカンの現実を絡めたヒューマンな感動作。

リリー・グラッドストーンが演じるジャックスは、一度決めたことに頑なにこだわる芯の強い性格で、姪との関係で新たな自分も発見する。

Apple Original Films 『ファンシー・ダンス』
2024年6月28日(金)Apple TV+にて配信開始
監督: エリカ・トレンブレイ
出演: リリー・グラッドストーン、イザベル・ディロン・オルセン

https://screenonline.jp/_ct/17707751


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「ルイ・ヴィトン」秋冬メンズコレクション登場! ウエスタンテーマのアクセサリーを展開

2024-07-12 | 先住民族関連

トレンド2024/07/11 20:00

「ルイ・ヴィトン」秋冬メンズコレクション登場! ウエスタンテーマのアクセサリーを展開(クランクイン!トレンド)

 「ルイ・ヴィトン」は、2024秋冬メンズコレクションより“旅の真髄(こころ)”を表現した新作アクセサリーを発売中だ。

■キャップやアクセサリーを展開

 今回発売されたのは、アメリカ西部のワードローブのルーツを明らかにする、ファッションデザイナーのファレル・ウィリアムスによる2024秋冬メンズコレクション。

 ラインナップには、立体的なダミエ・デニムとLVのレザーパッチを使用した「キャップ・ダミエ 3D ウォッシュドデニム」が登場。ウエスタンのテーマを彷彿させる大胆なデザインが、あらゆる装いにファッショナブルなアクセントを加える。

 また、天然のターコイズをあしらったアクセサリーも用意。アメリカ先住民族にオマージュを捧げ、艶やかに仕上げた「ネックレス・ターコイズロデオ」や「ブレスレット・ターコイズロデオ」、「セット ピアス・ターコイズロデオ」が展開される。

 そのほかにも、カウボーイのネッカチーフをシックにアレンジした「カレ55・モノグラム タイアップ」や、ウエスタンのテーマから着想を得た複雑なバンダナのモチーフの「カレ55・LV ロープ」など、シルク100%で仕立てたスカーフが用意された。

【「『ルイ・ヴィトン』2024秋冬メンズコレクション」概要】

販売場所:全国の「ルイ・ヴィトン」店舗、オンラインショップ

https://news.goo.ne.jp/article/crankin_trend/trend/crankin_trend-14945518.html


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環境負荷の低い工法学ぼう アイヌ文化発信の「ハポネタイ」あすからワークショップ

2024-07-12 | アイヌ民族関連

十勝毎日新聞 2024/07/11 11:48

 【清水】清水町旭山の森が拠点のアイヌ文化発信プロジェクト「ハポネタイ」(UtaE代表)は12日から、町旭山28の活動拠点近辺で環境整備ワークショップを開く。生態系を守るための環境負荷が低い工法を...

●この記事は会員限定です。

https://kachimai.jp/article/index.php?no=612731#google_vignette


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ウポポイの利用促進 町民限定 年間パスポート発行 白老

2024-07-12 | アイヌ民族関連

 

2024.07.11苫小牧民報

町民がウポポイに親しみを持つようにする「ウポポイ町民利用促進事業」。町政策推進課アイヌ政策推進室の担当者は「ウポポイ応援団の一員としてリピーターになり、白老を特徴付けるアイヌ文化に理解を深めてほしい」と年間パスポートの交換、利用を呼び掛ける。

 はがきの郵送対象は、2009年以前に生まれ、今年6月1日から来年1月31日まで住民登録がある人。総合案内所に、はがきと健康保険証など身分証明書を持参し、本人確認を済ませると、その場でパスポートに添付する顔写真を撮影し、間もなくパスポートを発行する。

 総合案内所の窓口は8日に設け、11日は正午までに約60人が手続きに訪れた。萩野のパート従業員の男性(70)は「夏に遠方から友人が訪ねて来る。ウポポイを案内できるよう早めに取得して勉強したい」と話した。民族共生象徴空間運営本部の村木美幸本部長(64)は「町の事業はウポポイにとって大変ありがたい。町民の皆さまには、この機会に身近に感じてもらい、気軽に何度もお越しいただきたい」と述べた。

 ウポポイは12日に開業4年目を迎え、13~15日には多様な展示、体験、グルメを楽しめる記念イベント「ウポポイ祭」を開催する。

https://hokkaido-nl.jp/article/34628


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「シューゲイザーの復活を証明する素晴らしい新バンド TOP10」 Ultimate Guitar発表

2024-07-12 | 先住民族関連

amass2024/07/11 18:15掲載

シューゲイザーの聖火を受け継ぐ新しいバンドを厳選。「シューゲイザーの復活を証明する素晴らしい新バンド TOP10」を海外サイトUltimate Guitarが発表しています。日本のバンドも選ばれています。

10. Feeble Little Horse

9. Hotline TNT

8. Jane Remover

7. Just Mustard

6. kinoue64 (広島出身)

5. Parannoul

4. They Are Gutting a Body of Water

3. Weatherday

2. Wednesday

1. Zoon

https://www.youtube.com/watch?v=lrzAX3Iz2_8

※以下のコメントはUltimate Guitarより

オンタリオのミュージシャン、ダニエル・モンクマンのプロジェクトであるZoonは、(カナダの先住民族である)アニシナアベ族であるモンクマンがアニシナアベ族のレガシーを称えた独特なシューゲイザーで注目されている。

親しみを込めて(アメリカの先住民が履いていた靴であるモカシンから)“モカシン・ゲイズ(moccasin-gaze)”と呼ばれるこのプロジェクトは、シューゲイズ、インディーロック 、カナダの先住民族の伝統音楽の要素を融合させ、実験的でありながら記憶に残るミックスに仕上げている。

Zoonのデビュー・アルバムである2020年の『Bleached Wavves』は、そのジャンルを超えた特性とソングライティングの才能が高く評価され、2023年の2ndアルバム『Bekka Ma'iingan』ではその資質がさらに高められた。

ZOON - Dodem (Official Video)

[source] https://www.ultimate-guitar.com/

https://amass.jp/176462/


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遠藤麻衣子の新作、ロボットと一体化した少年描く短編「自在」国内初上映

2024-07-12 | 先住民族関連

 

映画ナタリー7/11(木) 10:00

「KUICHISAN」「TECHNOLOGY」で知られる映像作家・遠藤麻衣子の新作短編「自在」が、8月3日から東京のシアター・イメージフォーラムにて2週間限定で国内初上映されることが明らかに。遠藤が「人機の情動/MAN MACHINE EMOTION」をテーマにセレクトした3作品が同時上映される。

【動画】短編映画「自在」予告編(他10件)

人間がロボットやAIと一体になるような身体拡張の可能性を探究する研究者集団「稲見自在化身体プロジェクト」の研究室に遠藤が潜入したことから生まれた「自在」。主人公はロボットと一体化し、能力の限界を広げるために新たな体の一部を作る少年だ。彼は三つ目のメガネやロボットを通じ、同時にほかの2人の子供と、現実世界の時空を超えて交感を重ねる。遠藤はプロジェクトの実験用実機を装着し、若手研究者たちと対話を重ねながら、14分の本作を作り上げた。現在、予告編がYouTubeで公開中だ。

「人機の情動/MAN MACHINE EMOTION」には、フランシス・フォード・コッポラによる映画「カンバセーション…盗聴…」の音響編集の過程を記録した短編「ハックト・サーキット」、ブラジル先住民族の少女がAIロボットに恋するさまをドキュメンタリー的なアプローチで描いた短編「アーティフィシャル・ユーモア」、アフロ・フューチャリズム、詩、サイバーSFが混然一体となった長編ミュージカル「ネプチューン・フロスト」がラインナップ。「自在」との併映作品は日によって異なるが、短編2本はセットで上映される。

会期中には遠藤と映画評論家の樋口泰人、遠藤と研究者の稲見昌彦によるトークも開催。「ネプチューン・フロスト」を共同監督したソウル・ウィリアムズとアニシア・ユゼイマンによるQ&Aも予定している。

(c)3 EYES FILMS, JST ERATO 稲見自在化身体プロジェクト

https://news.yahoo.co.jp/articles/31e16a7556c21089801cf0abae11d484c84f1d90


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北海道の先住民族はアイヌではなく縄文人?【ファクトチェック】

2024-07-12 | アイヌ民族関連

日本ファクトチェックセンター 7/11(木) 8:20

「北海道の先住民族はアイヌではなく、縄文人で大和民族である」と主張する言説が拡散しましたが、誤りです。日本政府も国連もアイヌを北海道の先住民族だと認めています。専門家も「日本が近代国家になる前から北海道の主要な住民」だと指摘しています。

検証対象

2024年5月28日、「北海道の先住民族は縄文人です!アイヌじゃありません!」という文言と動画のついたポストが拡散した。このポストは7月10日現在、45万回以上の表示回数と750以上のリポストがある。

動画には「北海道はアイヌの物ではない!」という文言があり、作家の竹田恒泰氏が「アイヌは鎌倉時代にできた民族なので北海道の先住民族は縄文人なんです。何なら大和民族なんです」などと語っている。

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、「北海道の先住民族はアイヌではなく縄文人だ」という言説について検証した

検証過程

日本はアイヌが先住民族であると認めている

日本政府は、アイヌが北海道の先住民族であると認めている。内閣官房アイヌ総合政策室のウェブサイトの「アイヌ政策の概要」には、「アイヌの人々は、日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族です」とある。

 

2019年には「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現させるための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)が成立。第1条に「北海道の先住民族であるアイヌの人々」と書かれている。

政府がアイヌを先住民族とした経緯

2007年9月13日、国連総会で「先住民族の権利に関する国連宣言(日本語訳版はこちら)」が採択され、日本政府も賛成した。

 

2008年6月6日、衆参両院で「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が全会一致で採択された 。決議後、「我が国が近代化する中で多数のアイヌの人々が等しく日本国民でありながら差別され、貧窮を余儀なくされたと言う歴史的事実を、政府として改めて厳粛に受け止めなければならない」と町村信孝内閣官房長官(当時)が表明している。

国連もアイヌを先住民族と認める

国連は、アイヌを先住民族と認めている(国連「State of the World’s Indigenous Peoples(世界の先住民族の現状)」39ページ) 。ここでは、日本の先住民族としてアイヌとともに「Okinawans or Ryukyuan(沖縄人もしくは琉球人)」も記述している。

国連では、映像コンテンツでも、日本の先住民族としてのアイヌを紹介している(AINU : Indigenous Peoples in Japan Web TV)。

国立アイヌ民族博物館 佐々木史郎館長インタビュー

JFCは、国立アイヌ民族博物館の佐々木史郎館長に「北海道の先住民族はアイヌではなく縄文人」という言説について取材した。

文化人類学者の佐々木館長は、拡散した言説における「先住民族」の定義が間違っていると指摘し、次のように話した。

「アイヌは日本が近代国家になる前から北海道の主要な住民でした。その近代国家による開拓政策、植民地政策、同化政策によってアイヌはいろいろな権利を奪われていきました。そういう過程を経た人々を『先住民族』と定義しているのです」 

「ですから、近代国家となった日本が、北海道などにおいて具体的な政策を展開した段階で、アイヌがすでに北海道で暮らしていたということが、すなわち先住民族であるということなのです」

先住民族は縄文人?

北海道の先住民族は縄文人であるという主張はどうか。

「文化人類学からすると縄文人という『民族』はおそらく存在しないと考えます。縄文土器という言葉があります。縄を土器の器面に転がして紋様をつける、その技法は広い範囲に見られ、そのような技法を持ち、そのような土器を使う人々を広く「縄文人」と呼ぶことは可能かもしれません。しかし、その技法を共有していたからといって、民族としてのアイデンティティーを共有していたかというとそれは考えられません。縄文文化は時代ごとに、地域ごとに非常に多様だからです」

「幻想の縄文人という『民族』を創って、現代の大和民族あるいは他のどれか一つの民族の祖先だとするのは論理の飛躍があって、学術的には意味がないです。現代のそれぞれの民族のルーツが何千年もの間、不変であるということは考えられません。様々な集団が離合集散を繰り返してきたと考えるのが自然です」

アイヌ文化は鎌倉時代にできたわけではない

拡散した動画の中ではアイヌ文化は鎌倉時代にできたとも語られている。

「擦文文化のあとに13世紀にアイヌ文化が現れたというのも錯覚です。縄文と同様に、擦文も土器の文様から命名された時代を示す指標です。ただ、土器を作らずに、鉄鍋を使うようになった時代を『アイヌ文化(期)』と考古学上で呼んでしまったことから、民族が突然誕生したような誤解を与えているのです」

「考古学の最新の知見では、擦文文化から徐々に変化していって17世紀近世以降に見られるようなアイヌ文化に移行していく間に大きな人の入れ替わりはない。擦文文化を担っていた人たちが自分たちの文化を変えていく。変わっていった要因は本州や大陸との交易が飛躍的に発展したからです。擦文文化もその前の続縄文文化も、アイヌの祖先が担っていたはずです」 

「ただ、こう言った歴史的な背景というのはアイヌが先住民族であるかないかという議論と直結するものではありません。先住民族であるかどうかは、近代国家が成立する過程でその住民(アイヌ)がどういう立場、境遇に置かれ、どういうことがなされてきたのかで定義されます」

判定

「北海道の先住民族はアイヌではなく縄文人」は誤り。日本政府も国連も北海道の先住民族はアイヌだと認めており、専門家は日本という近代国家が成立する過程で、すでに北海道に住んでいたアイヌがどのような境遇に置かれていたのか、という点が重要だと指摘する。

検証:宮本聖二

編集:古田大輔

判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。検証記事を広げるため、X、Facebook、YouTube、Instagramでのフォロー・拡散をよろしくお願いします。

https://news.yahoo.co.jp/articles/892ea3c4ef33602eaab931c9536a77085caa7547


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コロンブスは「新大陸の発見者」から「先住民の虐殺者」に どんな英雄も時代が変われば評価も変わる(古市憲寿)

2024-07-12 | 先住民族関連

デイリー新潮7/11(木) 6:05

 日本で「コロンブス」のミュージックビデオが話題になっている頃、たまたまスペインにいた。大航海時代の先鞭をつけた国家であり、コロンブスとも縁が深い。特に当時のスペイン王の支援によってアメリカ大陸への航海が実現した。

 かつては日本でもコロンブスは英雄視され、アメリカ大陸「発見」という偉業が教科書に掲載されていた。

 だが近年は、功罪の「罪」に注目が集まることも増えている。先住民族がもともと住んでいたのに「発見」はおかしいし、暴力的な征服行為や感染症の伝播、文化的破壊の原因となったことも批判されるようになった。そこで「発見」を「到達」と言い換えたりする。

 そのコロンブスはスペインではどのような扱いになっているのだろうか。まず首都マドリードにはコロン広場があり、立派な記念碑が建てられている。さらに広場内の「発見の庭園」には、1970年代に整備された巨大な彫刻群が建ち並ぶ。その近くには壮麗な極大スペイン国旗がはためいていて国家としての威信を誇っているようだった。

 同じくマドリードの海事博物館でもコロンブスの偉業をたたえる部屋があり、きちんと「アメリカ大陸発見」と記されている(スペイン語で「descubrimiento」、英語で「discovery」)。また「コロンブスへの最初の敬意」という巨大な絵では、先住民がコロンブスにかしづく様子が描かれている。彼の「罪」に対するエクスキューズは見当たらない。コロンブスの「発見」により、スペイン王家の領土が拡大し、政治的・商業的利益をもたらしたことが述べられている。

 もっともコロンブスが出会ったタイノ族に対して侮蔑的なわけでもない。彼らの経済が狩猟や農業、漁業に依存していたこと、火山岩の彫刻に秀でていたことが淡々と説明される。

 ちなみにコロンブスの墓は同じくスペインのセビーリャにあるが、観光名所の一つだ。そのセビーリャでコロンブスの存在が議論されたことがある。1992年に開催されたセビーリャ万博での出来事だった。

「1992年」という開催年は、コロンブスのアメリカ大陸「発見」500年に合わせたものだった。だがいざ万博が始まってみるとコロンブスの影は薄かった。銅像も肖像画もなかった。ナショナリズム色を抑えたかったことや、かつて植民地だった国への配慮も働いたようだ。

 近年、アメリカ各地では、コロンブスの銅像にペンキがかけられたり、頭部がはねられるといった事件が相次いでいる。「新大陸の発見者」が「先住民の虐殺者」に評価を変えつつある。

 時代と共にどんな英雄も評価が変わる。だがそれ以前にほとんどの英雄は存在自体が忘却される。あらゆる街に建ち並ぶ銅像は名前を聞いてもぴんとこない人ばかり。同時代の評価は時間の前ではあまりにもはかない。

 没後500年以上がたっても論争の対象となる人物は、人類史を変えたという意味で、少なくとも特別な存在ではあるのだろう。

古市憲寿(ふるいち・のりとし)

1985(昭和60)年東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。日本学術振興会「育志賞」受賞。若者の生態を的確に描出した『絶望の国の幸福な若者たち』で注目され、メディアでも活躍。他の著書に『誰の味方でもありません』『平成くん、さようなら』『絶対に挫折しない日本史』など。

「週刊新潮」2024年7月11日号 掲載

https://news.yahoo.co.jp/articles/42f16f90b93f268d489172677d1c0d3ad29c62b9


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