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鉱物の部屋へのいざない

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立体ロゴ2

2014-06-05 17:58:43 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「立体ロゴ2」です。「立体ロゴ」(2014/04/25)に続きます。

先ほど、うれしい宅急便が届きました。届いたのは鉄工所を経営されている加賀市のKさんに製作をお願いしていた「石の華」の立体ロゴです。先日の「立体ロゴ」では多面体木工の中川宏さんに製作依頼して作ってもらった木製の立体ロゴ(MM立体と名付けます。)だったのですが、今回は金属製のMM立体です。もちろんMM立体には図面のようなものはなく、あるのは仮想のMM立体に見える平面のロゴマークだけでした。両方ともお互いに情報交換することなく、それぞれのオリジナル手法でMM立体をつくって下さいました。

多面体木工の中川宏さんの立体ロゴは一つの立方体から切稜法という切込み手法で切り出したものです。それは切込み回数が最短12回でつくられておりました。その手法は見事な工芸的な技だと思いました。

今回の金属製MM立体はそれとは全く別の手法でつくられています。それは鉄工所らしいマシナリーなテクノロジーでつくられているようです。そこにはコンピュータ数値制御というハイテクが使われているようです。そのようなハイテクを「石の華」という小さなミネラルショップのロゴ製作で使うのは非常に贅沢な話だと思います。加賀市のKさん、本当にありがとうございました。

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上の写真が今回届いたMM立体です。

完成度の高いMM立体とキューブパズルのように立方体を組み込む事が可能な部材が付いておりました。それらを組み込みキューブを作ってみました。これを見て私は2度驚きました。最初はMM立体の完成度の高さです。それはマシナリーテクノロジーならではの高度なテクノロジーを駆使して作られています。チョッと変な表現かも知れませんが、そこには真球づくりと同じような感動を受けてしまいます。そして、もうひとつの驚きとは、切断された残りの部材をうまく組み合わせると元の立方体が出来上がります。これはまるでキューブパズルです。どうもMM立体はパズルにできる形だったようです。

それから、今回のMM立体の製作に関してKさんの「面白かったです。」という言葉が胸に響きました。Kさんとは同じ価値観を共有できる、と思いました。私は英語のinterestの意味を利益という意味よりも興味・関心という意味でとらえる事を重んじるという価値観を持っております。「面白い」という事が重要なのです。その価値観では「面白い」という事があらゆる価値の最高位に位置します。「面白い」は行動原理と言っても良いかも知れません。

今回は非常に「面白い」ものをつくって頂けました。Kさん、本当にありがとうございました。

こうして、ふたつのMM立体を見ていると、思わず、もうひとつ欲しいと思ってしまいました。

それはMM立体の水晶バージョンです。いつか?それが実現する事ができれば、「立体ロゴ3」を書きたいと思っております。

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カラー・チェンジ

2014-06-01 16:40:19 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「カラー・チェンジ」です。「カラー・チェンジ」とは鉱物に見られる光の効果のひとつで、ある鉱物が異なる光源下で違う色を示すことを言いますが、それは鉱物の魅力のひとつでもあります。「カラー・チェンジ」する鉱物には光る鉱物と同じような不思議さが備わっており、人気が高いと言えます。

「カラー・チェンジ」する鉱物で有名なものはアレキサンドライトでしょうか。それは日光・蛍光灯下では暗緑色、青緑色を示しますが、白熱灯や蝋燭の明かりの下だと赤紫色に変わります。その原理は黄色系スペクトルを吸収するクロムを含有しており、また石が反射する光に赤色要素と緑色要素の両方が平均的に存在しており、青みが強い光線の元では青色系の色を、赤みが強い光線の元では赤色系の色を反射するため、とされております。「カラー・チェンジ」は不思議な現象のように思えますが、それは石そのものが変色するのではなく、光源の違いによって変色しているように見える、という事なのです。石は何も変化せず、石を見るこちら側の認知が変化しているのです。

ただ、その原理を理解したとしても「カラー・チェンジ」現象には不思議な感動を覚えます。「カラー・チェンジ」するだけでその石の価値が上がるような気がしてしまいます。実際、アレキサンドライトはかなり高価な石です。

では、安価な「カラー・チェンジ」する石はないでしょうか?

先日、人工宝石であるCZ(キュービックジルコニア)のルースにライトを当ててみたところ「カラー・チェンジ」するものがありました。うれしくなりました。他にもルナ・フラッシュという人工ガラスビーズも面白い「カラー・チェンジ」をします。調べてみると人工合成されたサファイアやスピネルにも「カラー・チェンジ」があるようです。そう言えば、ガラスの中にも「カラー・チェンジ」するものがありました。どうも人工物の中には安価に「カラー・チェンジ」するものが多々あるようです。また、中にはグレープカルセドニーのように温度変化により「カラー・チェンジ」するものもあります。ただし、それは試してみましたが、かなり熱い熱湯で「カラー・チェンジ」しました。体温程度の温度で変化すると面白いのに、と思ってしまいました。

そうそう、その昔、TOUCHSTONEという体温で「カラー・チェンジ」する玩具がありました。それは体温程度の温度変化で劇的に「カラー・チェンジ」する非常に面白い玩具でした。私は今でも数個だけそれを持っております。それを思い出して、気になって調べてみましたが、どうも今では入手不可能のようで少し残念に思いました。それは確か東京・銀座のソニービルにあったサイエンストイのショップで購入しました。どうもそのTOUCHSTONEは私にとってのお宝的存在になるようです。その「カラー・チェンジ」も不思議な「カラー・チェンジ」をします。触った指の体温により、まるでソラリゼーションが起きているような感じです。それはその昔、アナログ時代の映像効果のような雰囲気があり、非常に気に入っています。

さて、アレキサンドライト以外に「カラー・チェンジ」する石は天然石にはないでしょうか?

もちろんあります。コランダムやガーネットの中には「カラー・チェンジ」するものがありますし、トルマリンやスピネルにもあります。他にはアメシストやアンデシン等々、ダイアスポアやトリフィライトにもあるようです。オパールの遊色も「カラー・チェンジ」の一種と考えられそうです。そうそう、光の種類を変えれば蛍石やハックマナイトも忘れてはいけません。他にもまだまだありそうです。

どうも石の世界では「カラー・チェンジ」はそれほど珍しい現象ではないようです。ただ、珍しくないと言ってもやはり「カラー・チェンジ」する石は魅力的に見えます。

「カラー・チェンジ」は光を通じた石と人との関係性で成り立っています。人の視覚によって認識される石の「カラー・チェンジ」は、その石をより一層、美しく魅せてくれているようです。

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