昨日はブログ更新を休みました。
今日は雲母2です。
一昨日の雲母1では雲母に絡めて菱形について思いを巡らせましたが、今日は六角形です。
雲母の結晶には六角形がよく見られます。
ブラジル ミナスジェライス州 産の白雲母(Muscovite)
上の写真はまさしく「石の華」と呼ぶべき雲母の華です。花のように見える全体像から細部をよく見ますと、その結晶は六角形から成り立っている事が分かると思います。六角形の薄板状の結晶がフラクタルに凹状にフラワー状に集合しています。
カナダ オンタリオ州 Bancroft Davis Hill 産の黒雲母(Biotite)
この雲母の外観は、ほとんどただの岩石のようにみえますが、その裏側を見てみると六角板状の雲母の結晶集合体である事が分かると思います。この標本のサイズはそこそこ大きく、雲母だけの結晶体としては、そこそこ珍しいものだと思います。上の方についている白い部分は霞石です。
滋賀県土山町猪華 産の黒雲母(Biotite)
この雲母は一つ一つの結晶は小さいながらも、しっかり六角形の形が見て取れます。雲母に限らず、国産鉱物は外国産鉱物に比べると小さいものが多いように思われます。ただし、国産鉱物には外国産鉱物に比べ日本人好みの味のあるものが多く、鉱物コレクターには国産鉱物の愛好者が多いようにも思えます。
マダガスカル Beraketa 産の金雲母(Phlogopite)
この金雲母はその名の如く、六角形の形をしながら金色に光っています。肉眼的には銀色に光って見えるのですが、写真を撮ると金雲母らしく金色に光り輝いて見えます。
雲母の結晶に限らず、自然界には六角形の形を成すものが多いです。その六角形にはそれぞれ六角形になる自然の摂理みたいな法則があるようです。例えば蜂の巣の六角形には構造的に安定で強度も強く効率的なハニカム構造があり、雪や鉱物の六角形はその結晶構造に因ります。柱状節理や水などの対流に因る六角形もあります。巨大な六角形ではNASAのカッシーニが撮影した土星の北極上空の渦が思い当ります。
自然は球体を好むのと同じように六角形も好むようです。そのような自然界の六角形にはまだまだ我々が知らない何らかの法則が潜んでいるような気もします。
鉱物世界の六角形は正直にその自然の神秘を見せてくれます。雲母はそのような鉱物のひとつです。