先日、東京のKさんから、またもや、うれしい本が届きました。
上の写真がそれです。これは、昭和12年に発行された若林博士還暦記念「若林標本」という本で、東京帝国大学に寄贈された鉱物コレクションの目録です。
この本には日本三大鉱物標本コレクションのひとつである若林鉱物標本の全貌が載っており、非常に貴重な一冊だと思います。
実は、この本と一緒に何冊か非常に興味深い本や資料も同梱されておりました。
それらは現在進行形で読解中なのですが、その中で、私が非常に面白いと思った事をひとつ紹介したいと思います。
上の写真がその一つ、昭和17年に発行された「東京帝國大學工學部冶金鑛山同窓名簿」の表紙のコピーです。
上の写真は、明治30年度の一部と明治31年度の部分です。
何と!若林彌一郎の1年先輩に高壮吉が載っておりました。
高壮吉は日本三大鉱物標本コレクションのひとつである高標本(九州大学総合研究博物館蔵)の高壮吉です。
日本の三大コレクションの内の二つは、狭い間柄の中で成り立っていた!という事実です。
恐らく、彼ら二人は、知った仲であったろうし、もしかすると、深い仲だった可能性もあると思います。
私は、幸運なことに、日本三大鉱物標本全ての現物を見ておりますが、和田鉱物標本は別格として、若林標本と高標本は甲乙つけがたい素晴らしいものだと思っております。
日本の明治期及び大正、昭和初期頃は日本の鉱山開発の最盛期でもあり、現在から思うと信じられない程の名品が多産した奇跡の時代で、それに見合ったしっかりした人材もいたという事を、今更ながら、再認識しました。