今日のテーマは「石の花」です。「石の華」ではありません。私のお店の名前の「石の華」は結晶鉱物のことで、花のように見える鉱物結晶をコンセプトに鉱物標本を売る店というつもりで名付けました。
今日の「石の花」は文字通り、石の花、石で出来ている花です。坂口尚の漫画や、映画やバレエになったバジョーフの「石の花」でもありません。
昨日、少し高価な菊花石(岐阜県 根尾谷産)と大輪の花のように見える束沸石(インド産)が売れました。菊花石は赤みを帯びたみごとなサバ菊です。束沸石は直径約15㎝位の円形の結晶で、表はピンク色と薄いオレンジ色との中間位にあるような色で花びらのような形をしており、裏はきれいな放射状結晶になっているものです。両方ともまさしく石の花です。
買われた方はいつもお世話になっている方で、同じビル内にお勤めの方です。ありがとうございます。両方の石の花ともプレゼントとして使いたいとの事でした。お聞きすると送るのは若い女性で就職が決まったお祝いとして送りたいとおっしゃいました。それは何か特別なものとして、プレゼントしたいから、ともおっしゃいました。石の花を贈る、何か温かいものを感じました。
そして、ひとつ気付きました。そうか!私の店は石屋ですけれども同時に花屋だったのだと!お客さんからその事を教えてもらった気がしました。
ひとはなぜ花を美しく思い、そして、なぜ花を贈るのか?
かつて、ネアンデルタール人の墓と思われる場所で花粉の痕跡が見つかっていたという話がありました。それは葬儀の儀式があり、花が使われたことになります。花を美しいと思うのはホモサピエンスだけではありません。では、動物ではどうなのでしょうか?
石の花はひとの寿命をはるかに越えて存在し続けます。植物の花の寿命はわずかです。永遠の花である石の花、それを贈るという行為、様々な疑問と何か意義深いものを感じた一日でした。
話は急に変わりますが、このブログを書いている時に、先日いらっしゃたばかりの高岡のKさんが再度いらっしゃいました。そして、ブログ等でお世話になっているMさんのお母さんもいらっしゃいました。みなさんはブログで繋がっているようです。私の店もブログでお客さんと繋がっています。Kさんのブログも「おすすめ」に入れます。