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鉱物の部屋へのいざない

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砂時計

2018-06-07 11:27:10 | 日記・エッセイ・コラム
唐突ですが、私は小さい頃から砂時計が好きでした。砂時計の何が好きかと言うと、砂で時を測るというその機能よりも砂時計のカタチそのものと砂が落ちていく様子が好きなのです。ですから、砂時計には正確に時を刻むという実用性は求めておりません。自宅には砂時計やその類似のオブジェというコレクションが幾つかありますが、それらのどれもが時計としての機能は持たない無用のものばかりです。

さて、先週の土曜日(金沢の百万石まつりで百万石行列のあった日)に日帰り出張(鉱物の仕入れ)で東京に行って参りました。ミネラルマーケットと東京国際ミネラルフェア(新宿ショー)というお決まりのコースです。

その新宿ショーの会場で、興味深いチラシを見つけ、その足で、三省堂書店池袋本店内にあるナチュラルヒストリエに向かいました。そこでは山田英春さんと時計荘さんの合同展「石が描く、石と描く」が行われており、山田英春さんの「不思議で美しい石の図鑑」に載っていた瑪瑙や碧玉の現物を見学しました。そのナチュラルヒストリエという『Bookman's Gallery』は初めて行ったのですが、そこは私好みの商品ばかりで、非常に魅力的な空間でした。生憎、仕入れ直後というタイミングで、所持金が少なく、無茶な衝動買いは出来ませんでしたが、それらの中で比較的安価なもののみ数点購入しました。

その中のひとつが砂時計ならぬ泡時計オブジェだったのです。



これは青い液体が上から下へ落ちていき、同時に泡が下から上に向かってポコポコと上がっていきます。泡の変化やわずかに聞こえる泡の音が魅力的なのです。安価だったので衝動買いしました。

砂時計と言うと、鉱物的には、すぐ思い付くのは、やはり、カナダ産の透石膏の結晶でしょうか?その透明な菱形面に長波のブラックライトを当てると見事な砂時計構造が見れます。その写真を撮ろうと思いましたが、残念ながら売却済みで店内には残っておりませんでした。



それから、モロッコ産の両錐アメシストでしょうか?これはアメシストのファントムが両方の錐面から対称的に入っており、砂時計のような不思議で魅力的な構造がみれるものです。こちらはひとつ残っておりましたので写真に撮りました。

もしかすると、他の鉱物にも同じような砂時計構造があるものがあるかもしれません。鉱物好き+砂時計好きにとっては気になる存在だと思います。

最後に砂時計の話題のブログを書こうと思っていたところ、冥王星にメタンの砂丘を発見!というニュースが飛び込んできました。砂丘があるという事は砂を動かせるだけの大気と砂があることを意味し、その砂は砂粒サイズのメタンの氷らしいのです。どうも地球と同じような浸食や風化現象があり、地球の水や岩石の循環と同じような輪廻転生が起きているらしいのです。それは驚くべき現象だと思います。

さらに思いました。砂時計とは地球上の石英や長石などの砂粒状の岩石の欠片と地球の重力とで時間を測るという極めて地球的な装置だったのだ、という事を再認識しました。

そういえば、島根県に1年計砂時計という巨大な砂時計のある施設があるそうです。いつか見てみたいものです。



コメント (4)
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