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過冷却

2014-08-26 15:38:44 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「過冷却」です。このブログでは「過冷却」という言葉は過去3回登場しておりましたが、タイトルとしては初となります。

「過冷却」とは物質の相変化において、変化するべき温度以下でもその状態が変化しない状態の事です。たとえば、水の場合は0℃以下でもなお凍結しない状態の事です。「過冷却」状態にある液体の水に振動などの何らかの刺激を加えると、急速に結晶化して凍結します。「過冷却」現象は良く知られた現象ですので、ご存知の方は多いと思います。私も加賀市の「中谷宇吉郎 雪の科学館」で直に「過冷却」現象を見た事があります。

そのような不思議な「過冷却」は自然界にも存在します。それは自然現象の雨氷や霧氷などがそれに当たります。それらは珍しい自然現象だと思います。

珍しい自然現象というと、今朝、昨晩放送していたNHK-BSプレミアムの「体感!グレートネイチャー 魅惑の大渓谷 ヨセミテ~アメリカ・カリフォルニア~」の録画を見ました。 その番組は、流れ落ちる滝が真っ赤に染まる“ファイヤー・フォール”や、月光で虹がかかかる“ムーン・ボウ”などの驚異の自然現象が目白押しでしたが、その中でも、森を流れる氷の流れが一瞬で凍りつく“フラジル・アイス”の映像は初めて見ました。それは自然界の「過冷却」現象です。その川の流れは何となく変でした。流れの中でどんどん氷が増えて行きます。シャーベット状に浮いた氷は下流の方では詰まっていましたが、上流からの圧力が限界点に達すると一気に壊れ、また氷は流れて行きます。それは期間限定のヨセミテならではの貴重な映像だったと思います。
そうそう、「過冷却」現象は日常にもあります。日本酒の凍結酒がそれです。みぞれ状のお酒には液体のお酒とは違った味わいがあると思います。他にもコーラやサイダーにも「過冷却」現象を利用した商品があるようです。

実は、我が家では、昨年の夏から家飲みのビールは約1時間位冷蔵庫の冷凍室に入れてから飲んでいます。「過冷却」にしたアルミ缶のタブを空けてコップに注ぐと、その瞬間にビールの泡は凍ります。そのフローズン・ビールの味わいは夏ならではの美味しさがあると思います。我が家のこのような習慣は昨年に行った近所のビア・ガーデンでその味を知った事から始まりました。けっこう癖になりますが、これはおすすめです。

さて、石の世界でも「過冷却」現象はあるのですが、それはまたの機会にします。

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