めへへ 書感

本好きなヤギ似のワタシが 勝手な感想を綴った備忘録 (時々、他)♪

女中譚(中島 京子)

2011-03-02 21:44:05 | 本(まあまあ) た・な・は行の作者

ワタシ、やっぱり 中島京子さん、好きです。
中島さんこそ、「小説家」さんだと、つくづく思います。

何て言えばよいのか…
日本文学の根本的な良さを 味わせてくれる作家さんです。
これって、滅多にできることじゃないですよ!
ほんとに。

今回の作品、直木賞を受賞された あの作品(←大のお気に入り!) と同じ雰囲気のお話しです。
が、
今回は、全体が昔にさかのぼる設定ではなく、秋葉原メイドカフェの常連おばぁちゃん
(御歳90歳のすみさん)
が、自分の昔の体験を語るという作りになっています。

しかも、
中島先生は、ナント、
林芙美子の「女中の手紙」,吉屋信子「たまの話」,永井荷風「女中のはなし」
それぞれのトリビュートに挑まれ、短編集として仕立て上げたのです(驚)。

残念ながら、ワタシは いずれの元本も読んだことがなのですが、
こーゆーワザって、プロの作家さんと言えど なかなか難しいのではないでしょうか。

昔の作品が 形を変えて、よみがえるというのは いいものですね。
映画の世界では、リバイバルは珍しいことではないですが、
文学の世界では、言葉や文体を “今風” にすることで、元の作品の良さが
失われてしまうのではないかという懸念が、否めません…。

まー、
そこが、本の良さなんですけど 。 。 。
コメント
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