”しんさん”のよもやま話

僕のビジネス感や社会現象に対する意見とかを趣味のヨットやゴルフ等の話を織り交ぜながらよもやま話的に発信します。

しんさんのよもやま話・・・ビジネス編(17)

2006年02月09日 22時50分21秒 | ビジネス

2月9日(木)
今日は人間ドッグの再検査で脳のMRIを行いました。結果は疑われていた動脈硬化の兆候は今のところないとのことで一安心です。コレステロール値が高いため治療が必要と前回言われ、ここ3週間オニオンスライスとかほうれん草のおひたしとかばかり食べてましたからちょっと一息つけそうです。もっとも今日、採血した血液検査でコレステロール値が下がっているかどうかが最後の関門となりそうです。明日は東京出張で泊まってくる予定なので今日がこのシリーズの最終回にします。

と言うことで、第4弾ですが、U氏の話にしましょうか。これもちょうど10年前になると思いますけど、U氏が担当しているお客様の設備更改があり2社で競合となりました。価格はうちの方が高くて、U氏は相手の価格を聞かされ、下げるよう言われて僕のところに相談にきました。価格を下げてしまえば必ず受注できますが、それではビジネスになりません。U氏はいつも明るく、ちょっと早とちりはありますがお客様の雑用を手伝ったりして、すごく気に入られていました。そこで急に出て来た相手がいくら安いからと言われても、今までやって来たことは何の価値もなかったのかとくやしまぎれに、お客様にお前の価値はそんなものかどうか俺が聞いてやるからアポイントを取って来いと言ってしまいました。だってそうじゃないですか。僕は彼はすごいと思いましたよ。ちょっとした質問にもその日のうちに必ず回答していたし、自分がわからないところはSEを連れて説明に行っていたのを知っていましたから。そんな彼のアドバイスを受けて設備更改になったのですから。でも正直、値下げはできないと言う話を自分がするはめになるとは僕もバカだよなと思いつつ、彼に同行してお客様の所に伺いました。そしてもうやぶれかぶれで僕は彼の貢献の価格はいくらぐらいと思っているのでしょうか?競合となっている価格差より少ないのでしょうかと聞いてしまいました。お客様は50万円ぐらい高くてもかまわないけど100万の差は大きすぎると言うことでした。全体の金額が500万程度だったのでお客様の好意は手にとるようにわかりましたけど、彼の価値をもっと上げたかっただけの思いで、”設備の更改だけで終わるのですか?きっと周辺の配線の整理を誰かすることになりますよ。彼なら+αできっとやるんじゃないでしょうか。”それだったらその分も含めて75万円高くてもいいですよね。と言うことで結局75万円高で受注することになりました。こんな交渉はめったにできるものではありませんが、彼の日頃の活動のまさに賜物です。こんなに一生懸命やっている部下がいたら、誰だって僕のような交渉をしたはずです。
受注後の彼は、いままで以上にお客様の設備更改のお手伝いをしていました。そんな中で工事をするSE達もほんとにいい仕事をしてくれました。工事完成後に挨拶に伺った僕に、当時対応していた部長は社長のところまで連れて行ってくれて、頼んでないところまでやっていただいたと報告していただきました。確かにあとで新しい設備を見学に行ったら、そんなとこまではやらなくていいと言った所まできれいに整理されていました。あとでSEに聞いたら大変な整理になっちゃいましたよ。でもあとの保守はかなり楽になるからトントンですかね。と笑ってました。
僕はU氏のような、気が利いてお客様のために一つでも役に立つことをしようと行動している仲間がいることを誇りに思います。僕はただ彼らの行動に報いるためのあたり前のことしかできなかったのに、僕が転勤で別のところに赴任する時、あんたには世話になったなぁと餞別までいただいてしまいました。僕はただ彼の活動の恩恵を受けただけなのに。
今日お話したかったことは、競争の中で値下げをすれば何でもとれると言う風潮の時代ですが、もうちょっと価値を認めてもらえる活動や工夫をしている者には必ずあとでいい事があると言うことです。そして高く買ったお客様もきちっとした仕事をすれば、完成時には必ず喜んでいただけると言うことです。
最近電車の中でビトンのバックを持った女性を多く見かけます。バッグの機能だけならあんな高いものを買う必要ないはずです。でも彼女達は高いものを買っても喜んでいます。いいもの、いい仕事は結局、満足と言うお金とは無縁の価値を与えてくれるからじゃないでしょうか。お客様の心をつかむには一人ひとりの真心が一番大切なことだと僕は思います。とかく形式知化したマニュアルがアメリカ流でいいように言われますが、これは単に確率をよくするための方法にすぎず、これからの時代ではだんだん通用しなくなってくると思います。これからの社会に必要なことはもっと”心をみがくこと”かもしれません。
いままでに登場した方々はみなもう現役を引退した人達ですが、彼らに共通している点は仕事を”心”でしていると言うことです。これから何年経とうと、人間がいる限り、永遠に大切なことです。

コメント (1)
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