”しんさん”のよもやま話

僕のビジネス感や社会現象に対する意見とかを趣味のヨットやゴルフ等の話を織り交ぜながらよもやま話的に発信します。

しんさんのよもやま話・・・ビジネス編(15)

2006年02月06日 22時39分22秒 | ビジネス

2月6日(月)のち

今日は雪のぱらつく中でちょっと飲んできたのでろれつがまわらないかもしれません。今週は自分が経験してきたシステム営業・設計構築の仕事を通して、ちょっといい話をしてみたいと思います。

もう10年以上前の話になりますが、お客様にとって何をサービスと感じてくれるかのヒントになる話です。当時僕はある会社のシステム構築のプロジェクトマネージャーをしていました。1年かかって新システムの設計をし、構築工事に入った時のことです。現地に乗り込んで、システムの切替に立会い、なんとトラブルを起こしてしまい、約一ヶ月現地で原因究明・改修で明け暮れた時のことです。勤務時間帯はホストコンピューターが稼動しているので、毎晩ホストが止まる午後10時以降にデータ測定・収集を行い、日中にお客様への説明やら、改修方法の検討やらしていました。もちろんプロジェクトメンバー全員で徹夜の連続でした。そのプロジェクトメンバーの中にI氏がおりました。I氏は年齢もプロジェクトの中では一番の年配で、ソフトウエアの技術は劣ってましたが、ムードメーカーでプロジェクトリーダーの僕もいつも元気づけられていました。ある時お客様の総務部長からI氏を名指しで、あの方に観劇のチケットをあげてくださいとチケットを渡されました。みんな夜中までやっているのになぜ彼だけなんですか?するとお客様はこう言いました。

”みなさんが夜中に仕事をしているのは知っています。でもそれは私の会社でお金を払ってやっている仕事です。でも彼はそれだけではありません。うちのビルの全フロアのエレベーターホールの所にある灰皿のかたずけをしてくれています。別にこちらが頼んだ訳でもないのに。だから朝来るといつもきれいになっていて気持ちがいいです。”

と言われました。本人に聞くと”わしはみんなのように仕事ができんさかい、せめてうちの工事が入ってきたないと言われんようにやってただけや”と言ってました。僕は彼の気持ちもうれしかったし、人としてもすばらしい男だと尊敬してしまいました。とかく我々は仕事のできるできないで、すべてを判断しがちですがプロジェクトのメンバーとして自分のできることで一杯貢献してくれていたのです。そしてお客様から見ればお金を払ってやっている事の延長上のサービスはサービスでなくあたり前のことなのだと感じました。サービスをもっとよくしようと考えるならば、あたり前のサービス+周辺の期待されてないいいことを付加してはじめて良いサービスと言えると思います。どんな仕事でも、お金をかけなくてもちょっとした親切はいろいろありますよね。これができるかどうかがビジネスとして成功するか否かの分かれ道でしょうね。

ところで一ヵ月後、ソフトの改修も終わり無事会社に戻れたことは言うまでもありません。また今では全国ちりぢりになってしまったI氏を含むメンバーとは10年以上たったいまでも1年に1回みんなで集まって昔話に花を咲かせています。

明日も飲み会があるけどできるかぎりで書きますので読んでくださいね。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする