西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

生活空間の基礎(ベース)について

2011-09-22 | 地域居住学
西山夘三先生は、生活空間の科学を目指して奮闘された。西山流小空間の代表である住宅レベルの生活空間については、戦前からのご研究で基本認識が出来たともいえる。

それを越える西山先生のいう「大空間」認識については、構築途上で亡くなられたのではないか。我々「弟子筋」や関心ある後進の大きな課題と言えよう。

それらを考える上で、生活空間の基礎は、何か、どうしてそうなのか、について拙論をメモしておきたい。

我々は他の地表上の万物と同じく引力によって地球表面にいやおうなしに引き付けられている。そのため二本足で立った人間の足の裏と地表(人工的には床)との間に大きな力が働いている。座った場合はお尻と椅子等の座面にも大きな力が働いている。寝る形をとるならば、後頭部、背中、お尻、足、腕等と寝ている材にも大きな力が働く。

いづれにしろ体重を足裏二つで支えるか、お尻で支えるか、人間の裏面全体で支えるかを考えると、寝た形が一番力が分散し、楽な姿勢である。

こういう人間と直接に接する空間(材)が基礎的な「小空間」と言えるのではないか。

以上では、手や指のことを余り言わなかったが、足、尻、背中、後頭部だけでなく手や腕や指に触れる所も「小空間」といえる。

これらの形や材質を考えてみると、形は人間肉体の形にそったものにならざるをえない。椅子の座面だけでなく、自転車のサドル面、浴槽面、枕面などを考えると分かるであろう。手でつかんだり指で握るものについて考えると断面が、茶碗や手すりをみても分かるように○である。

こういう風に、人間が接する空間(材)ー「小空間」ーは、人間のように曲面か、その中でも○となる。引き続き、「中空間、大空間」についても分析・説明を試みていく。


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