西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

西山卯三先生の思い出(7)散歩道

2005-07-23 | 奈良の思い出(助教授時代)
西山先生の散歩道は『住み方の記』を見ると分る。ただカントのように定常的なものと言うより、ある範囲内でヴァリエーションがあったと言える。私が松ヶ崎(京都市左京区)に住んでいた時は、西山先生の北園町から散歩の範囲内だった。そして一二度、私の家を覗いていただいた。当時は、狭い家で中も整理が行き届かなく、玄関対応で失礼してしまった。その散歩がてらに寄られた時、『近代建築』という雑誌を頂いたこともある。西山先生が、戦前の研究自分史を連載されていたからだ。後に本にされるが、写真や図面など大幅にカットされているので、本式の研究資料としては『近代建築』の方を使うべきだろう。又、それらの対照も研究課題となるかもしれない。
もう一つ思い出すのは、私に関する極めて重要な「情報」がもたらされたことがある。散歩の途中、寄られた西山先生は「扇田君(扇田 信先生のこと)から聞いたが、君を後任に上げたいようだよ」と言われたのだ。大体、辞める教授が後任を決めることはないので、どういう意味か良く分らなかったが、そういうお気持ちがあることは分った。扇田先生が退官される2年ほど前で、私がイギリスから戻った頃だった。

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