西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

「窓の美」の発見-2

2011-07-16 | 思いつきから仮説へ
昨日に続き、テレビで見た『美の壺ー「窓の美」』からの私の「発見」を伝えてみたい。昨日は、番組では、「窓の美」を三つに分けて説明した、と紹介した。即ち、
(1)窓が建物の個性をあらわす
(2)窓が風景を生けどる
(3)窓が演出する光を味わう。

で、今日は(1)で例として紹介された四つの洋風建築の窓の形について、同じような傾向がみられる三つを取りあげて、私が思った「仮説」を提示しておきたい。

その三つとは、
①三菱一号館:1897年(明治27)、一旦壊されたが2009年に復元。ジョサイア・コンドル設計、レンガ造り3階建て、東京・丸の内・・・ジョサイア・コンドルはイギリス人、明治のお抱え外国人として、東京帝大・造家学科教授。辰野金吾らを教育。

仮説:背面、側面の窓は、平凡なものだが、正面(ファサード)の窓は、1,2,3階とリズムがある。それは、窓の「上部」のデザインに現れている。1,2階窓は上部をアーチとし、1階より2階が、そのカーブ度合いがゆるい。そして3階窓上部には、要石(かなめいし)を入れて楣形(まぐさがた)にしている。 つまり、「見上げ」の視線の動きは、1,2階と動きをもって上に「スルー」し、3階「楣部」で「ストップ」し、軒下でおさまるのである。

②東京芸大赤レンガ一号館(元国立図書館書庫):明治建築、窓に鉄扉付、2階建て。東京・上野。

仮説:これについても、三菱一号館と同じく、1階と2階の窓上部のアーチ部のカーブは、1階より2階の方がゆるい。(同じ視線の動きを期待)

③鳩山一郎邸:大正建築、1924年(大正13年)。岡田信一郎設計(岡田は鳩山一郎の友人)
2階建て、1階はパーティ空間、2階は家族空間、庭は広く、ガーデンパーティ可能。

仮説:1階上部はアーチ窓、2階は角窓、これも庭から見た場合、①や②と同じ効果を狙ったと言えよう。

今後、こういう目を持って洋風建築を見ていきたい。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿