西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

建築基準法の問題ー建蔽率(けんぺい率)のことー

2010-10-31 | 住まい・建築と庭
昨日、新日本建築家技術者集団設立40周年関西シンポジウムが大阪淀屋橋の大阪中央公会堂(赤レンガ建て)の3階小会議室であった。このシンポジウム自体はもちろん実り多いものだったと思うが、最後に一寸問題になった「建築基準法」の問題について、シンポジストの一人・伴 年晶さんは「出来るだけシンプルに、建蔽率(けんぺい率)は要らない、容積率も政治的にもてあそばれていて不要では・・・」と発言。

私は「えっ」と思った。時間が不足していて説明が良く飲み込めなかったが、帰宅して、きていた雑誌『建築とまちづくり』9月号(遅れている!)は「つぎはぎ建築基準法を越えて」だったので、そこに載っていた伴さんの「建蔽・容積率から入って建築基準法を改築する」を読んで少し分かった。

ここでは建蔽率(けんぺい率)のことを例を引用して説明する。


建蔽率(けんぺい率)とは、敷地面積について建築物が建って蔽っている面積の割合と言える。例えば、建蔽率(けんぺい率)50%と言うと、60坪の敷地にその50%の30坪までの広さの建築を建て上げれる。(2階以上が出張っている時は今は問わない。)

「一例として容積率60%建蔽率40%の風致地区で戸建て住宅を計画するケースを取り上げる。敷地が60坪。 延べ面積は60坪×60%=36坪、住まい手の生活を容れるには十分のようだ。(しかし)建築面積は風致地区なので40-10=30%(建蔽率)×60坪=18坪以上取れない。これが問題なのだ。60%(容積)をすべてを1階にとり、まちと家族に平面(動きと視界)でつながる家づくり、上下動なしで生活を完結したいシニア夫婦中心の家が、理想に程遠い総二階へ強制移送される。」(のである)  これだったら建蔽率(けんぺい率)はいらないことになる。

とにかく地方地方、場所場所で風土が違うと言うこともあり、全国一律に、建蔽率を決めるのはおかしいとなりつつあるのだな。伴さんは、構造的スケルトンについては厳格にし、単体規定(インフィル)は、推奨記述として廃止する、としている。じっくり検討していこう。

過去の伴 年晶さん関連ブログ:http://blog.goo.ne.jp/in0626/e/2b2c25839fc77597142cbdd0b6ec8c9b

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1 コメント

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建蔽率 (iwaki yuriko)
2010-11-02 11:19:40
西村先生こんにちは。新建奈良支部の岩城です。いつもお世話になります。
先日のシンポジウムでの伴さんの建蔽率の話は衝撃的でした。
自分のブログで、先生のブログを勝手ながらリンクさせていただきました。
事後連絡でスミマセン。

今後とも宜しくお願い申し上げます。



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