西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

Y君がワイワイ話したことー別の法律つくる位の迫力、総合力をー

2008-06-23 | 地域居住学
昨日、京大建築の少し後輩にあたるY君と小一時間ほど「さし」で家造り、町造りのことをワイワイ話した。そこで、印象に残ったのは、長く建築、家造りそれも木造住宅を造り続けているY君は、昨今の建築基準法の「改悪」など、長年「苦しみ続けている」諸法に対して、全く逆の草の根の木造住宅造りがスムースにいくような法体系を提案し実行できる位にならないと・・・、建築関係の先生(特に関西)は、その点音なし(大人なし)過ぎる、と苦言を呈していたことだ。

昔、京大にいる西澤英和さんに、日本建築学会が1960年前後に「木造建築禁止決議」をしていると聞いて、びっくりしたことがある。http://blog.goo.ne.jp/in0626/e/a222c0737ce3549980635532e741acca

最近、建築学科の教育で木造住宅は、どのように位置づけられているのだろうか。

実際に木造建築は建っているのだが、木と木を繋ぐ「継ぎ手」とか「仕口」という伝統工法があって、金物を使わずに繋げるのだが、現法律等では、金物を使わないと認められないのだと言う。金物はさびたり劣化があるが、木造伝統工法の場合は、上手くいけるようだ。今度、実際にどういうものか、検査の現場に立ち合わせて貰いたいものである。

また、彼が実地に相談を受けて調べているのは「シックハウス」問題だ。構造材、内装材に化学物質が滲みこんでいると、それらが空気中に「蒸発」して、それらを微量でも人間が吸って「病気状態」になるのだ。一方、高気密高断熱などと言うものだから換気不足になり尚更「シックハウス症候群」が酷くなるのだ。いたたまれず、行政は「ファンを付けろ」と基準を変えたようだが、全くの糊塗策ではないか、とY君は怒っている。

更に、木造住宅をしっかり建て受け継いでいくには大工を始め職人群が必要不可欠であるが、十束一からげの賃金制度が、徒弟制度による教育を潰している、と言う。昔は、住み込みで食べさせて貰い、時々親方から小遣いを貰う程度で技能を覚えていったが(建築家も事務所に入って「徒弟制度」に似た仕組みで育てられていたが、今はどうなのだろう)、「最低賃金制」を適用されて、徒弟制度は崩れて、本当に大工、左官等になりたくてもなれないようになっている、と言う。

これらは、全て色々な繋がりや、歴史や将来のあり方やを考え抜いて構想し、作られた法律ではないために、段々「曲がっていく」のだと言う。別の法律を作る位の迫力が欲しい、と言う。

私は、私で「小学校のあり方」も、地域住民で総合的に考えないと・・・、と話しておいた。じっくり、草の根地域で検証して行きたい。