カルテ番号 は・9(4)
原奈緒子の悩み。
友人の香織さんは男性恐怖症だった。
自分は男性嫌いでも、恐怖症でもない。
香織さんは夫婦を続けていけなくて離婚という道を選んだ。
自分は迷いながらも、未だに離婚はしていない。
でも香織さんと同じ類の悩みなのだ。
だからこそ、一足早く抜け出している香織さんに嫉妬感情が湧いたのかもしれない。
だからこそ、自分も道が開けるかもしれない期待をしている。
そんなことを考えているうち、治療院に着いた。
暇そうな治療院だ。
うっかりすると、見過ごす。
玄関から声をかけると、
「どうぞぉ」と、少しのんびりした声がした。
それで、気負いすぎている自分に気づいた。
院長は自分よりも少し若いかもしれない。
目立つタイプではない。
男性を意識しないタイプではあるだろう。
香織さんには、それがよかったのかもしれない。
簡単な記入事項を書いて、早速マットに寝て下さい、と言う。
話や事情は気功しながら出来るし、その方がいいのだと言う。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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