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奇跡のホルモン・スイッチ

2019-09-03 16:04:01 | 

 製薬会社の研究室で血液関連の薬の開発をしていた著者は、「薬は対症療法であって、病を治せない」と感じ、根本療法とは何かと考え、食事や運動も包括的に施すホリスティック療法を目指します。そこで、人間自身が分泌するホルモンに着目し、人生や生活の場面で、どのホルモンを分泌しやすくすればよいかを研究しました。

 数多くあるホルモンの中で、3つのホルモンに注目しています。

 まずは、やる気ホルモンの「ノルアドレナリン」。これを分泌すると、闘争か逃走しやすくなります。逃走しないように、小刻みな目標を設定し、成功体験を積み上げ、ノルアドレナリンを分泌しても闘争へ思いが向くように習慣化する必要があります。

 次は、達成感のホルモンの「ドーパミン」。しかし、「平穏無事な生活を送っていると、脳内のドーパミンは減少する」ことから、少しばかりは逆境や苦境にいるように自分を追い込むと、火事場のバカ力ではありませんが、ドーパミンは分泌され、実行力を呈するはずです。

 最後に、理性のホルモンである「セロトニン」。すべての感情に対して、制御コントロールを発揮し、平常心を取り戻そうとします。闘争のノルアドレナリンが脳内に分泌されても、一気呵成に行って良いか、ここはセロトニンも同時に分泌できれば、人生まる~く収まるのでしょう。逆に言えば、あおり運転の傾向のある人には脳内にセロトニンが分泌されるスイッチが押されればよいのですがね。

 他にも、愛情ホルモンの「オキシトシン」は、「守るもの」や「背負うもの」があれば分泌するので、妻や子との生活を守ることや、自分の身の丈よりも少し高い買い物をするなどの、ちょっと背伸びをすることがオキシトシンのスイッチになります。また、「負けるなホルモン」の「テストステロン」には、自尊心をくすぐる、褒めて認めるなどの手法を取れば、分泌します。

 「ホルモンを制する者は人生の質を向上させる」って思いました。だからこそ、その場面に適したホルモンが分泌されるように、自らがスイッチを押すことが大切です。本書には、食事と運動についても詳細に書かれており、ホルモンのコントローラーになれる手引書になっています。

『奇跡のホルモン・スイッチ 潜在能力を引き出す』(加藤雅俊著、幻冬舎新書、本体価格780円)

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