樹木希林さんが病室でつぶやいた、「死なないで、ね・・・どうか、生きてください・・・」を娘の也哉子さんが聞いたのは9月1日。その日は、いじめやひきこもりなどで学校にいけない、行きたくない学生が自殺する、1年でもピークの日。そのことを知っていた希林さんは活きることに関して、とても重いかつ大切なことを語っています。
「難の多い人生はありがたい~自分に対して災いを起こし、不本意なことをやってくる人間を、逆に私にとっての『師』であるという気持ちで受け取る。」
「人間がなぜ生きたかと言えば、難を自分の身に受けながらも成熟していって、最後、死に至るため~成熟って難がなければできない。」
「せっかく生まれたのなら、無理して急がず、最後に自分がどんな轍を残せたり、どんな景色を見れるのか、それを楽しみにしていく。」
だからこそ、ひきこもりや不登校の子どもたちに対して周りの大人は、
・人生のオプション(選択肢)を子どもたちがたくさん発見できればできるほど、死というオプションは小さくなっていく
・本人が自分で「底」をつくまでほおっておいてあげてほしい~それを待てるゆとりを持つことが大人には大事
・大人も”絶対”を疑う
・親自体が生きることを楽しむ
姿を見せなければなりません。
9月1日問題とは関係ありませんが、「地球上におびただしい数の人間がいて、人間としていちばん幸せなのは適職に出会うこと」や「本はハッチ、いろんな世界に飛び出せる扉」など、含蓄深い言葉があり、お亡くなりになって1年を経ますが、ますます注目される存在ですね。
『9月1日 母からのバトン』(樹木希林・内田也哉子著、ポプラ社、本体価格1,500円)