スマホやSNS,そしてスマホゲームと、手のひらにパソコンがのるようになり、人間の興味はますますデジタルの方へ移っています。本当はリアルが第一にならないとダメだと思いながらも、科学的な知見があればと考えていました。本書でそのことが証明されるでしょう。
小中高生7万人の脳の解析データから驚くべきデータが発表されています。
「勉強時間にかかわらず、スマートフォンの使用時間が長い子どもから、せっかくやった学習内容がきえてなくなっていった。」 ~ 「算数・数学の勉強時間が2時間以上でスマートフォン使用が4時間以上の場合正答率は55%、勉強時間が30分未満でスマートフォン使用をまったくしない場合は60%である。」
「LINE等の使用が学力低下により強い影響力を持つ」 ~ 「どんなに勉強してもLINE等を長時間使用した場合には、LINE等を使用しない子どもより成績が下がってしまう」
これに関しては、 「パソコンやスマートフォンの使用習慣の強さと、脳の前帯状回(注意の集中や切り替えや、衝撃的な行動を抑えるといった機能に関わる重要な領域)という部分の小ささが関係している」と判断されており、脳の形が変わると結論付けられています。
「どんなに長時間勉強してもゲームをしてしまうと、勉強した効果が打ち消されてしまう」 ~ 「長時間ゲームを行う子どもは、言語に関する能力が低く、長期的にその能力が発達しにくいこと、脳形態からも、記憶や自己コントロール、やる気などを司る脳の領域の細胞の密度が低く、発達が阻害されている。」
以上は子どもに関するデータですが、大人に関しても同じことが証明されるのではないかと想像します。現在の大人の大半もスマホ、SNS、ゲームに明け暮れ、習慣化しています。子どもたちと違って自制心は働くでしょうが、幼少の頃からTVゲームに慣れ親しんだ世代が成人化する中、社会や会社でも同じ現象が起きているのではないかと危惧します。
本書の第6章「習慣は、生まれつきの能力に勝る!?」には、「読書習慣が強いほど、神経線維のネットワーク(神経回路網)が発達する」と書かれています。そういう意味でも、子どもの頃から読書を習慣化することの大切さは脳科学からも証明されています。活字GOですよ!
『2時間の学習効果が消える! やってはいけない脳の習慣 実証データによる衝撃レポート』(横田晋務著、川島隆太監修、青春出版社、本体価格880円)
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