(1)コーラ飲料が、肺癌治療に欠かせない抗EGFR抗体薬の薬効を向上させる・・・・かもしれない。
オランダの研究から。
(2)抗EGFR抗体薬は、癌細胞を増殖させる分子の働きを抑え、進行を食い止める分子標的薬だ。
一般には「イレッサ(一般名ゲフィチニブ)」が知られているだろう。そのほか、「タルセバ(一般名エロルチニブ)」や慢性骨髄性白血病治療薬「スプリセル(一般名ダサニチブ)」などが相次いで開発、発売されている。
この抗EGFR抗体薬は「飲み合わせ」に注意が必要だ。
「抗菌薬やグレープフルーツジュースと一緒に飲まないでください」
とよく指導される。
特に、胃炎や胃潰瘍を治療するH2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬(PPI)を飲んでいると、胃のPH値がアルカリ性に傾くため、薬によっては有効成分の吸収率が半分以下に落ちてしまう。
いくら強力な抗癌剤でも薬効が半分では、それこそ「独にも薬にも」ならない。
そこで、オランダの研究グループが、胃のPH値を逆転させる方法はないか、と探索。ようやく見つけたのが、コカ・コーラと薬を一緒に飲む、という解決法だった。
(3)研究は、エロルチニブを服用中の28人を対象に行われた。参加者の半数がPPIを服用している。次の2グループにおいて、節目ごとに薬の吸収率を検査した。
グループ1:エロルチニブを飲む順序
最初の7日間は、250mLの水で
次の7日間はコカ・コーラ(クラシック)250mLで
グループ2:エロルチニブを飲む順序
最初の7日間はコカ・コーラ(クラシック)250mLで
次の7日間は、250mLの水で
結果は、コーラと一緒にエロルチニブを飲むと薬の吸収率が明らかに改善されることが分かった。
特に、PPIを飲んでいる人は、水で飲むより4割近く吸収率が上がることが判明した。
一方、PPIの非服用者は、さほどの影響は認められなかった。
(4)研究者は、「コーラ1缶で薬効が最大限に高められる」とし、今後、他の抗EGFR抗体薬についても研究していく、という。
何よりも患者にとって手軽な点がいい。
他の抗癌剤でも飲食物で薬効を強化したり、副作用を軽くしたいるする方法が見つかるか。
□井出ゆきえ(医学ライター)「コーラ1缶で薬の吸収率がアップ? 肺がん治療の分子標的薬 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.293~」(「週刊ダイヤモンド」2016年3月26日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~」
「【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~」
「【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~」
「【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~」
「【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~」
「【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高」
「【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~」
「【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~」
「【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~」
「【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~」
「【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~」
「【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~」
「【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~」
「【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~」
「【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~」
「【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~」
「【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~」
「【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~」
「【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・」
「【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~」
「【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~」
「【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~」
「【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~」
「【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~」
「【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?」
「【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~」
「【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~」
「【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~」
「【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~」
オランダの研究から。
(2)抗EGFR抗体薬は、癌細胞を増殖させる分子の働きを抑え、進行を食い止める分子標的薬だ。
一般には「イレッサ(一般名ゲフィチニブ)」が知られているだろう。そのほか、「タルセバ(一般名エロルチニブ)」や慢性骨髄性白血病治療薬「スプリセル(一般名ダサニチブ)」などが相次いで開発、発売されている。
この抗EGFR抗体薬は「飲み合わせ」に注意が必要だ。
「抗菌薬やグレープフルーツジュースと一緒に飲まないでください」
とよく指導される。
特に、胃炎や胃潰瘍を治療するH2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬(PPI)を飲んでいると、胃のPH値がアルカリ性に傾くため、薬によっては有効成分の吸収率が半分以下に落ちてしまう。
いくら強力な抗癌剤でも薬効が半分では、それこそ「独にも薬にも」ならない。
そこで、オランダの研究グループが、胃のPH値を逆転させる方法はないか、と探索。ようやく見つけたのが、コカ・コーラと薬を一緒に飲む、という解決法だった。
(3)研究は、エロルチニブを服用中の28人を対象に行われた。参加者の半数がPPIを服用している。次の2グループにおいて、節目ごとに薬の吸収率を検査した。
グループ1:エロルチニブを飲む順序
最初の7日間は、250mLの水で
次の7日間はコカ・コーラ(クラシック)250mLで
グループ2:エロルチニブを飲む順序
最初の7日間はコカ・コーラ(クラシック)250mLで
次の7日間は、250mLの水で
結果は、コーラと一緒にエロルチニブを飲むと薬の吸収率が明らかに改善されることが分かった。
特に、PPIを飲んでいる人は、水で飲むより4割近く吸収率が上がることが判明した。
一方、PPIの非服用者は、さほどの影響は認められなかった。
(4)研究者は、「コーラ1缶で薬効が最大限に高められる」とし、今後、他の抗EGFR抗体薬についても研究していく、という。
何よりも患者にとって手軽な点がいい。
他の抗癌剤でも飲食物で薬効を強化したり、副作用を軽くしたいるする方法が見つかるか。
□井出ゆきえ(医学ライター)「コーラ1缶で薬の吸収率がアップ? 肺がん治療の分子標的薬 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.293~」(「週刊ダイヤモンド」2016年3月26日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~」
「【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~」
「【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~」
「【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~」
「【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~」
「【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高」
「【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~」
「【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~」
「【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~」
「【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~」
「【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~」
「【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~」
「【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~」
「【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~」
「【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~」
「【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~」
「【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~」
「【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~」
「【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・」
「【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~」
「【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~」
「【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~」
「【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~」
「【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~」
「【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?」
「【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~」
「【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~」
「【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~」
「【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~」