いだてん総集篇の特集はこちら。
さあ新しい大河だっ!とテンションが高まっているわけでは残念ながらありません。
明智光秀の物語かあ。ちょっとなあ、三日天下の人でしょ?キンカン頭のおっさんでしょ?とこの企画が発表されたときに不安に。
いやもちろん極私的大河ドラマ史をやっているんだから、実はNHKの大河ドラマは、いわゆる悪役(「花の生涯」の井伊直弼、「樅ノ木は残った」の原田甲斐、「花の乱」の日野富子など)や、敗者(「源義経」「風と雲と虹と」「新選組!」など)を描くのが通例に近いことを承知しながらも、うーんさすがになあと思ったから。
沢尻エリカ関係のことはあまり懸念しませんでした。むしろいい宣伝材料だろうと。ただでさえオリンピックがらみでいっぱい休むのに、彼女の事件のせいで二週も開始が遅れたのは、働き方改革が叫ばれるなかでも大変だなあと思っただけ。いいじゃないかそのまま出演させても。
だから見るかどうか最後まで迷っていました。しかしスタッフをチェックして決断。脚本が、これまでの大河で最高だと思っていて「いだてん」(あ、これも敗者の物語だ)に抜かれたばかりの(笑)「太平記」を書いた池端俊策さんじゃないか。しかも主演は、実は大好きな長谷川博己じゃん。まずは最初だけでも見よう。タイトルからして「十二国記」っぽいのも好感。
うーん、微妙な出来でしたね。
妙に画調が明るいのは、明智光秀というより、明智十兵衛という若者の物語であることを強調したいのだと想像できる。堺正章の味わいや、門脇麦のエピソードなど、大河よりも大河らしかった「JIN-仁」に近づけようとする意図なのだろうとも理解できる。
でも微妙かな。見続けるかどうかは、信長を演じるあいつの登場まで保留でしょうか。このキャスティングは意表を突いたし、この1年をどうしのごうかという池端さんの主張がこめられているようだ。それにしても第一回のこのタイトルは彼の最期を予感させてすばらしい。
第二回「道三の罠」につづく。