事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「フォードVSフェラーリ」Ford v Ferrari (2019 20世紀FOX)

2020-01-11 | 洋画

監督がジェームズ・マンゴールドで主演がクリスチャン・ベイルであると知ったときから、絶対に観なくちゃ、と決心していた。だってこのふたりは、あの傑作西部劇「3時10分、決断のとき」のコンビだからだ。

ラッセル・クロウとベイルの、友情というにはあまりに過酷で脆い結びつきがひたすら泣かせたっけ。思えばマンゴールドは「ローガン」でも、ウルヴァリンとエグゼビアの腐れ縁で泣かせてくれたのだった。そうなの。彼の映画は男を泣かすんですよ。

今回、ベイルは他人と妥協することができない“ピュアすぎる”レーサー、ケン・マイルズとして登場。彼を抜擢するのが往年の名レーサーであり、心臓に持病を抱えたために引退したキャロル・シェルビー。演ずるはマット・デイモン

ふたりは、フェラーリ(知らない人はいないわな、要するにスーパーカーつくってるイタリアの会社。レースに強い強い)の創業者から「醜い工場で、醜いクルマをつくってろ」と出資を断られたことに激怒したヘンリー・フォード二世の命令で、ル・マンでフェラーリを破ることを厳命される。

こう聞くと、爽快なビジネス成功物語が展開すると思うでしょ。確かにそういう側面はあるんだけど、それだけじゃないんだなあ。

フォードといえば思い出すのがイーストウッドの「グラン・トリノ」。50年もフォードの工場で働いた無骨な男の物語。つまり、フォードはアメリカの象徴だ。対して、フェラーリは採算を度外視して(だからフォードに狙われるくらいに資金難に陥った)手作りのレーシングカーを創りあげている。これぞヨーロッパというわけだ。

この、アメリカとヨーロッパの対比が実にうまく描かれている。前半はデイトナのレースがメインで、乾いた土地やコパトーンの広告がいかにもアメリカなのに対して、後半のル・マン(知らない人もいるかな、ル・マンというのはフランスの地名です)は……ああ語りたいことがもっといっぱいある!以下次号

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする