事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「アウトレイジ 最終章」(2017 WB)

2019-01-26 | 邦画

おなじみ、登場人物全員が「バカヤロー」「コノヤロー」を連発する北野武流のやくざ映画。1作目のラストで服役、2作目で韓国人実力者にかくまわれた大友(ビートたけし)の物語が、ついに最終章(CODA)。

「バカヤロー」は、要するにアメリカ映画の“Fuck !” “Fuckin’! ”のニュアンスを移入したのだろう。史上最も四文字言葉が連発された「スカーフェイス」あたりがモデルか。

ストーリーは意外にオーソドックスで、中心にいるのは常に金。しのぎや謝罪、お祝いなどに必ず金がつきまとう。堅気の世界とは桁がふたつぐらい違いますが。もはや現代のやくざに任侠というラッピングは無意味だと主張している。このあたりは「仁義なき戦い」で千葉真一(彼の役名も大友だった)の名台詞

「のう親父さん、神農じゃろうと博打うちじゃろうとよ、わしらうまいもん食ってよ、マブいスケ抱くために生まれて来とるんじゃないの。それも銭がなけりゃ何も出来やせんので。ほうじゃけん、銭に体張ろういうんが、どこが悪いの!?」

の精神をまっとうに受け継いでいるかのように見える。しかし、この物語の推進役であるたけしはそこからはみ出る。借りはかならず返すという自分なりのルールで突っ走り、組織と相容れなくなっていく……これは任侠映画的じゃない?まあ、殴り込みに向かうのが高倉健と池部良ではなく、ビートたけしと大森南朋であるあたりが妙味なわけだが。

役者では、西田敏行の顔芸が突出していた。相手の目を見すえたり外したり、うまいなあこの人。塩見三省にしても、病み上がりな感じがうまく役にマッチしていた。

それにしても、公開からわずか1年で、会長役の大杉漣が亡くなり、北野の盟友だったはずの森プロデューサーとはケンカ別れ、仮面夫婦を広言していた幹子夫人とは離婚訴訟……アウトレイジですなあ。

コメント
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